営業プロセスを分析する意味とは

営業プロセス 分析

営業は営業マン一人ひとりの営業力を高めて、売上げをあげていくことは大切です。しかし、それと同じくらい、チームで営業活動の成果を最大限していくことも大切です。

そのためには、営業プロセスを分析して営業活動を行っていくことが方法の一つとなります。効率よく成果を出すためには、1人の営業マンが群を抜いて成果をあげるのではなく、チーム全体で少しずつ営業力を高め売上げを高めていくことが重要です。

本記事では、営業プロセスを分析する意味、そしてどのように営業プロセスの分析を行っていくのかについて解説します。

営業プロセス分析とは

そもそも営業プロセスとは、営業マンや営業組織の営業活動の流れを可視化したものです。営業プロセス分析とは、そのような営業活動の流れを分析する事です。業界や商品・サービスによって多少差はあるものの、多くの場合は基本的な流れは以下となります。

①ターゲティング

②アプローチ

③初回訪問/ヒアリング

④提案/見積

⑤受注

⑥アフターフォロー

上記の流れについて一貫して営業活動を行う企業もあれば、マーケティング部門が①②を担当してメールやコンテンツ、SNSで集客を行う、営業部門が③④⑤⑥を担当するという形で分業制をとる企業もあります。営業活動も内勤営業(インサイドセールス)、外勤営業(フィールドセールス)という形で役割が分かれている企業もあります。

営業活動の成果を最大限発揮するのは、営業活動に関わる全ての担当者が自社に適切な営業プロセスについて理解した上で、営業活動の流れを分析することが大切です。

営業プロセスと顧客購買プロセスの違いとは

AIDMAとAISASの違い

営業活動を行う上で、もちろん営業マンの営業活動の動きをプロセスとして可視化することは大切ですが、それと同時に、お客様の購買までのプロセスを理解することも大切です。そもそもお客様が商品・サービスを購入する行動を取らなくては受注はしません。営業マンがどれだけ営業活動を行おうがお客様が購入のためのアクションを起こさなくては意味がないのです。

そのため、購入までの工程や取り巻く環境を考慮した上で、営業プロセスを決めていくことが重要になります。このようなお客様がモノを認知してから購入に至るまでの過程を「顧客購買プロセス」といいます。

BtoCの購買プロセスを説明するモデルとして有名なものには、AIDMA(アイドマ)、AISUS(アイサス)、SIPS(シップス)などがあります。

(参照:From AIDMA model to AISAS model

営業プロセスは営業マン視点での営業活動のプロセス、顧客購買プロセスは顧客が購入に至るまでのプロセスといった視点の違いがあります。

営業活動でよくある課題

営業活動では「営業マンがバラバラに対応していて営業活動が属人化している」「営業マンの強み弱みを気付く事ができず教育が難しい」といった課題があります。この課題を克服しなければ営業管理職のチームマネジメントが追いつかず、結果として営業組織の弱体化につながる可能性もあります。

営業マンそれぞれがバラバラに対応している

営業マンがバラバラに営業活動を行っているというのはよく聞く課題です。例えば、営業マンAが電話やメールを利用して営業活動を行っているが、営業マンBはメールのみのアプローチしかしておらず、アプローチや提案内容に統一性のない対応をするといった具合です。

営業活動がバラバラで管理ができていないと、一方は高い営業成績を出しているが、もう一方は十分に成果を出せていないなどの成果へのバラつきも出てしまい、その根本には営業活動が属人がしてしまっていることにより、営業成績の差が出てしまうこともあります。

チームで成果を出すためには、よいノウハウや営業手法はチームで取り入れて、可能な限り営業組織内で営業力を標準化させて、安定した営業成績を出せるようにする必要があります。

営業マンの教育は難しい

営業は、経験や感性がかなり重要になります。しかし新人営業マンだと経験や感性は磨かれていないので、ベテラン営業マンの感覚で教育しても情報が伝わりにくい事も事実です。

また近年では、営業についてもオンラインで商談を行う「内勤営業(インサイドセールス)」と訪問してクロージング活動を行う「外勤営業(フィールドセールス)」に分かれて営業活動する企業も多くなりました。営業経験者でも内勤営業と外勤営業での経験や感覚は異なります。

また、リモートワークの普及後は、営業管理職や営業マン同士がその場で情報共有する事が難しくなりました。2020年4月に株式会社マツリカが実施した「営業リモートワーク調査」によると、営業活動のリモートワーク化で感じる課題として、オンライン商談に移行した事による社内での意思疎通や案件情報の共有などが課題と挙がっています。

営業マンの教育は、営業手法の変化やリモートワーク化で難易度が上がっている現状があります。

リモートワークでの営業活動上の課題①
リモートワークでの営業活動上の課題②

(出展:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000015189.html

アプローチ方法がわからず営業活動が非効率になる

営業活動を行う中で、次回のアプローチ方法やどのような提案を行ってよいかわからないというお悩みがあります。新人営業マンに多く見られますが、新人だけでなく、長年外勤営業だった人が内勤営業に異動した時や、今回の新型コロナウイルス感染拡大のためのリモートワーク移行でも、これまで行ってきた営業活動が制限されてしまうことにより、どのように進めたらよいのかという迷いが生じることもあります。

最終的には、何をしたら良いかという事がわからず、アクションを起こせず案件が消滅してしまう事もあります。営業マンが結果が出せなくなり退職を選択するというリスクにもつながります。

営業組織の弱体化につながる可能性もある

営業活動の属人化が進んでいる、営業マンの教育ができない組織に場合は、社内の成績の良い営業マンが異動や退職をした時に経験共有がされずに営業組織の弱体化が進む可能性もあります。早期に課題を明らかにして、改善する事が大切になります。効率よく受注できる営業組織をつくる事が、売上げの最大化につながります。

営業プロセスを分析する意味とは

営業プロセスを分析することは、どのような意味を持つのでしょうか。営業プロセスを分析することで、営業活動を振り返り改善点を見つけることができます。営業マンやチームに自社の営業プロセスを落とし込み標準化させ、分析させることで営業活動に対する思考力を養う事にもつながります。営業プロセスの分析と同時に営業目標とKPIの設定を行うことは大切です。

営業管理職は部下やチームの営業活動を標準化する

営業の流れを部下やチームに共有する際に、営業プロセスが可視化できていると、経験の浅い営業マンでも営業活動のイメージを持ちやすくなります。営業組織の現状を把握した上で、まずは営業活動のプロセス分解を行いましょう。

プロセス分解ができたら、次は営業マンの強み弱みを把握します。電話のテレアポが強い営業マン、クロージングが得意な営業マンなど、さまざまな強みを持つ営業マンがいると思います。適材適所で配置を進めて、標準化した営業マニュアルなどでロープレを実施するなど、営業活動を開始する前に営業手法について共有する事も大切です。

成果を最大化するために外部パートナーを活用する

営業プロセスの分析を進めるなかで、営業組織を見直すこともあると思います。営業組織を分解した時に自社に対応できる人材がいない場合もあります。例えば、外勤営業中心だった組織で内勤営業の組織を構築する場合などが挙げられます。

自社内で営業管理職や成果を出している営業マンを内勤営業のリーダーを任しても、営業手法で異なるのでなかなか成果が出ない場合もあります。中途採用やフリーランスなどで、内勤営業の経験があるジョブ型の人材を採用する事も選択肢ですが、商品・サービスが異なる場合は成果を出す事ができるか不透明な部分もあります。

この場合は、成果を最大化するために営業研修やコンサルティングを行う外部パートナー企業を活用して、営業組織を強化することも選択肢です。研修後の営業活動では検証・改善を行いますが、それ以外にも、成果を出している営業マンの営業手法を社内で分析共有することも効果的です。このような研修は自社だけでなく営業支援コンサルティングサービスを活用する事で成果を最大化する事ができます。

目標やKPIを立てることができる

営業活動の実行段階では、各営業プロセスで「どのくらいの営業目標が必要か」を考えた上で、目標数値やKPIを営業マンや営業チームで設定できることが理想です。KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では重要業績評価指標のことを指します。

企業や組織において、個人や部門の業績を定量的に評価するための指標です。営業においてKPIは、営業目標を達成するために押さえるべき中間指標と言えます。営業プロセスの分析を実施することで、目標管理がしやすくなり営業活動中の課題も可視化しやすくなるでしょう。

営業プロセスを分析するためのステップ

営業プロセスの分析を実施することで自社の営業活動の課題が可視化できて、営業目標やKPI設定が可能になることについて触れてきました。では、営業プロセスの分析するにはどのようなステップで進めていければよいのでしょうか。

現状の営業プロセスを可視化する

営業プロセスの分析を行う上で重要なことは、自社の営業活動の現状把握です。

営業活動の振り返りを行って「現在の営業活動はどのような流れで実施しているか」「目標達成をするためにどんな企業へアプローチしているか」などを確認するようにしましょう。営業マンだけでなく営業現場を管理する管理職が組織全体の確認を行うことが大切です。顧客や商品ごとの売上げ、個人の成約率や契約数の伸び率、営業活動の傾向についても現状把握するようにしましょう。

営業プロセスについて客観的情報を収集する

営業プロセスの分析を行う上で、自社以外の営業活動について客観的情報を収集することも有効です。営業組織に課題がある場合は、同業他社で成功している事例を検証して、営業プロセスを見直して行く方法もあります。

一方で自社が所属する業界全体で業績が低迷している場合は、同業他社とは異なる成功事例で営業プロセスを検証する必要があります。この場合は、営業研修やコンサルティングを行う外部パートナー企業を活用するのも選択肢です。異なる業界の視点を入れて、営業プロセスについて見直して行くことが大切になります。客観的情報を収集をした上で、自社では対応できる人材がいないと判断した場合は、中途採用などで外部から人材を確保した上で、営業プロセスの分析、可視化を進めるのがよいでしょう。

営業プロセスの非効率や改善点を検証する

現状の営業プロセスの可視化や客観的な情報を収集した上で次に進める作業は、営業活動で見えてきた非効率な部分や改善点を検証することです。

例えば、外勤営業で商談する一部を内勤営業で対応できないかという場合です。外勤営業で1日何社も訪問したり出張することは、移動時間が発生します。内勤営業に移行することで、移動時間にかかる工数を削減して1日の商談件数を増加させることができる可能性があります。交通費や宿泊費なども抑えることにもつながり、営業マンのモチベーションの高まる施策の展開や営業マンの採用などに費用を回すことができます。

一方で、外勤営業のすべて内勤営業にするということでなく、必要に応じて外勤営業を取り入れることも大切です。非効率の改善を進めるあまり営業活動で大切だったところも削減してしまうと、結果的に成果につながりません。営業活動の非効率な部分や改善点の検証は、定期的に実施すべきでしょう。

顧客購買プロセスから営業プロセスを見直す

営業マン視点だけの営業プロセスだけではなく、そのプロセスが顧客購買のプロセスとあっているのかどうかも考えることが大事です。市場が変化するなかで、顧客購買プロセスも変化しています。現状の顧客購買プロセスの変化について分析した上で、営業プロセスを見直すことも大事です。

現在のBtoB顧客購買プロセスについて挙げると、インターネットの普及により、顧客の情報収集力が高まっています。購買プロセスの主導権が買い手にシフトしおり、マーケティングの役割が重要になっています。

2020年6月に株式会社ベーシックが実施した「新型コロナウイルスの感染拡大によるWebマーケティング活動の変化」によると、アフターコロナを見据えた施策トップして「コンテンツマーケティング」が上位に来ています。ターゲティングやアプローチの段階で、いかに自社に強みを伝えられるかが営業活動で重要となっています。

リモートワーク化が進むなかで、顧客をいかに集客できるかという施策が重視され、対面ではなくWeb商談ツールやメール、電話を活用した営業活動が今後広がることが予測されます。

力を入れていきたい施策

(出展:https://www.profuture.co.jp/mk/column/11119

営業プロセス分析の成果を売上につなげるためには

本記事で考えた営業プロセスは仮説でしかありません。企業にとって最終的な目標は「売上をあげること」です。営業マンやチームが実際に営業プロセスに沿って営業活動を実施した後に、成果につながったか検証する必要があります。

分析の成果が出たところはより改善を試みて、結果が出なかったところは改善を進める必要があります。営業現場に沿った営業プロセスを構築していくことが大切です。

また、分析については効率よく実施して成果について情報共有ができる仕組みが必要です。状況に応じて営業活動で展開する施策を見直したり、ITツールを導入することが大切です。

リモートワーク普及で営業現場の情報共有は課題

営業マンが自宅からリモートワークで営業活動を行う機会が増えました。「営業マンの教育は難しい」の箇所でも触れましたが、営業活動のリモートワーク化が進むなかで「オンラインでの商談や社内会議での意思疎通」「案件情報や営業活動の共有・可視化」「案件を進める上で必要な他部署との連携」が課題として挙がっています。ITツールを導入すれば、情報の管理や分析結果の情報共有が容易になります。

まとめ

企業が継続的に安定した経営をするためには、営業目標の達成を継続する事が必要です。そのためには営業管理職と営業マンが自社の営業プロセスについて理解した上で、営業活動の流れを分析することが大切となります。

営業プロセスの分析を実施することで営業活動を振り返り改善点を見つける事ができます。営業プロセスを標準化、営業マンやチームに自社の営業プロセスを落とし込み分析させることで、営業活動に対する思考力を養うことにもつながります。

営業プロセス分析前の可視化は、営業マンが営業活動に集中するために効率よく実施する事は求められます。各プロセスの営業活動の状況に応じて営業研修やコンサルティングを行う外部パートナー企業を活用したり、ITツールを導入するようにしましょう。

営業ワークフローと営業ツール標準化《実践ガイド》」では、営業を効率化しながら売上げを拡大する進め方を沿って解説しています。経営者や営業マネジャーの方向けの営業組織強化に役立つヒントになりますので、ぜひご活用ください。

    営業ワークフローと営業ツール標準化《実践ガイド》

佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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