KGIとKPIの違いとは?目標達成を目指す営業マンの指標管理

KGI

KPIとKGIは、営業目標の達成を目指すために欠かせない指標です。しかし、実際どのようにKGI・KPIを設定していいかわからない…という悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。

また、この2つの指標は意味合いも似ているため、しばしば混同されることもあります。KGIとKPIの両者の違いを理解した上で指標の設定を行うと、最終目標や行動目標が明確化になり、営業活動の成果の向上にもつながります。

本記事では、KGIとKPIの違いを解説した上で、現場に実際に落とし込む方法について解説します。補足として、KGIとKPI以外の営業マンが知っておくべき指標についても紹介しています。

KGIとは

KGIは「Key Goal Indicator」の頭文字を取ったもので、「重要目標達成指標」とも呼ばれます。営業活動上の最終目標が達成されているかどうかを計測するための指標であり、具体的であればあるほど意味があります。

例えば「顧客の満足度を上げる」という目標はKGIとして不十分だと言えるでしょう。「今期中に顧客の継続率を今の1.5倍にする」といった、明確な時期と数値を設定することで、より具体的な意味のある指標となります。

KGIがなぜ大切なのか

ただ闇雲に営業活動を行なっていても、営業マンは何を目標にして、何を行えばいいのかわかりません。また、営業マンそれぞれに目標があったとしても、その目標が人によって違っていたり、会社や組織の方向性と一致していなくては全体としてのまとまりは欠けてしまいます。

経営者や営業マネージャーが最終目標であるKGIを明示し、共有することで、初めて現場の営業マンはその目標に向けた具体的な施策を考え、実行に移すことができます。そのため、組織全体に分かるように具体的に設定する必要があります。

KGIとKPIの違い

KGIとKPIの違い

KGIが重要目標達成指標と呼ばれるのに対し、KPI(Key Performance Indicator)は重要業績評価指標と呼ばれます。どちらもビジネスにおいて目標達成のための指標として使われますが、両者は異なるものです。それは、KPIはKGIを達成するまでの「過程」を見る中間指標であり、KGIは「結果」を見るための指標だという点です。

例えば、KGIが「1年以内に全体の売上を10%アップさせる」だとすると、営業組織はKGIに向けて日々の営業活動を行っていきます。そして、KGIを達成するための指標としてKPIを設定します。この場合では、「新規のアポイントを〇%増やす」「商談数を〇件増やす」といった、より営業現場に落とし込んだ指標を設定していきます。

このようにKGIとKPIは、お互いに関連しあっている指標となります。当然、KGIの設定を間違えてしまえば、組織は間違った方向に進んでしまいます。また、KPIを間違えて設定してしまえば、KGIの目標達成は実現できなくなってしまいます。KGIとKPIを両方見ながらの目標設定が大切です。

KGIとKPIを現場に落とし込むためには

では、KGIとKPIを実際に現場に落とし込むためにはどのようなことができるでしょうか。具体的な方法について見ていきましょう。

KFSを明確にする

KGIとKPIを実際に現場に落とし込むためにはまず、KGIの要素を細かく分解していき、成功への直接的な要素である「KFS」を明確にする必要があります。KFSとは「Key Factor for Success」の略です。わかりやすく訳すると「(事業戦略上の)成功のカギ」とも言えるでしょう。

KFSは、KGIを達成するために欠かすことのできない重要成功要因を意味し、明確であればあるほどKPIが設定しやすくなります。KFSが明確でない状態でKPIを設定してしまうと、本質から大きくずれたものになってしまうこともあるので気を付けましょう。

KFSとは

KFSを達成するための指標を明確にする

KPIを設定するために、KFSの達成指標を明確にする必要があります。例えばKGIが「今期の売上を前期と比べて20%増やす」だった場合、KFSには「新規顧客を増やす」「商談段階での失注を減らす」などが考えられるでしょう。

このようにKFSの指標を明確にすると、KPIを「1ヶ月に30人の新規顧客を獲得する」「取引先を月に20件訪ねてフォローを行う」など設定することができます。KGIに対してKFSを細分化して設定すること、そしてその指標を明確にし、KPIを設定することが大切です。

しかし、KFSを設定しすぎてKPIの指標が増えると、営業人員や投下努力が分散しKGIの達成につながりにくくなります。KFSは、本当に重要な要素に絞り込む必要があるのです。

KGIとKPIの検証と評価

実行した後、KGIとKPIが達成できたかのか、できなかったかを検証し、評価しましょう。多くの場合、KPIが達成できていなければ、KGIも達成できていないでしょう。その場合は、どのKPIが達成できなかったか確認することが大切です。

また、達成できたか否かの判断だけではなく、どの程度達成できていたのかも確認することで、達成度合いが明確になります。結果の検証の深さが、この後の改善度合いにも役立ちます。

KPIの改善

KGIとKPIが達成できていた場合は、さらに効果を出すための方法を考えましょう。新たなKGIを設定し、それに基づいてKPIも設定することができます。KGIとKPIが達成できていなかった場合は、改善の余地があります。KPIの設定そのものを変えるか、目標数値を変更するなど適切な設定を行うことが必要です。

KGI以外に知っておきたい指標

これまでKGIとKPIを主に解説してきましたが、KGIやKPI以外にも知っておくと目標設定に役立つ指標はいくつも存在します。ここでは、代表的な指標について紹介します。

OKR

OKRとは「Objectives and Key Results」の略です。日本語では「目標と主要な成果」と訳されます。OKRでは、まず企業全体の目標(Objective)を設定し、その次に目標に直接関わる主要な成果(Key Results)を設定します。

企業のOKRに関連させる形で部署ごとのOKR、個人のOKRと順に決定していきます。そのためOKRでは企業・各部署・個人それぞれの目標にブレが生じにくいというメリットがあります。

こうしたメリットから、グーグルやインテル、メルカリがOKRの手法を採用しています。OKRでは組織に属する個人の能力を向上させ、組織全体のパフォーマンスを高めるような目標設定を行うことが肝心です。

例えば、グーグルでは「ストレッチゴール」と呼ばれる目標設定が推奨されています。これは、自分が達成可能だと思う設定値より高い目標を設定する方法です。そのため、グーグルでは目標の70%を達成できれば成功だと考えられています。達成率が低過ぎず、高過ぎない目標値を設定することで、常に上を目指していく気持ちがチームや個人には芽生えるのです。

KAI

KAIとは「Key Action Indicator」の略です。重要活動評価指標とも呼ばれます。KPIが目標を達成するための重要な指標であるなら、KAIはその目標を達成するために必要な活動量だと言えます。

例えばKGIが「売上を前年度より50%アップさせる」、KPIが「1ヶ月に30人の新規顧客を獲得する」だった場合、KAIとしては「毎日20人の新規顧客に営業アプローチを行う」などが考えられます。

ただ、この例の通り毎日20人の新規顧客に営業アプローチを行っても、1ヶ月に獲得できる新規顧客は30人に達成するとは限りません。しかし、達成できなかったからといって、毎日の活動量を増やせば効果も上がるというわけでもありません。そこで大切なのが、活動量に注視するのではなく、活動の中身そのものを見るということです。

例えばテレアポを一回するとしても、そのテレアポの会話の中で適切なセールストークができていなければ意味がありません。見込み客の感触を見て、見込み客に沿ったアプローチが行えているかどうかが目標達成に関わってきます。

また、KPI達成のために別の有効なKAIを見つけ出すことも重要です。同じ例でいうと、テレアポ以外にも「1ヶ月に1,000枚DMを送付する」「停滞していた案件に一斉メールを送ってみる」といった活動ができます。ここで注意する必要があるのは、あくまでKAIは指標にすぎません。達成することに気を取られてしまって、質の悪い行動を行っても意味がありません。KGIとKPIをしっかりを見据えた上で、意味のある行動を行っていくことが大切です。

まとめ

KGIとKPIは、「目標」と目標を達成するために必要な「過程」を共有するために欠かせない指標です。KGIとKPIが明確になればなるほど組織の意思統一は円滑になります。また、各部署や個人の評価もKGIとKPIに基づくものとなるため、公平性が保たれることでしょう。

KGIだけでなくKPIも適切に設定することで目標達成へとつながることでしょう。とはいえ、KPIはあくまで目標達成のための過程の一つ。過程そのものが目的になってしまわないように注意が必要です。KGIを念頭において設定、行動することが何より大切なのです。

本当に使える、意味のある営業活動KPI集」では、営業目標設定や管理にすぐに利用できる実践的なKPIを紹介しています。ぜひご覧ください。

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