売上目標を達成するためには?売上目標を達成し続ける戦略のポイント

売上目標 達成

売上目標を達成し続けるためにはどうすれば良いでしょうか?株式会社帝国データバンクの調査では、2020年になってコロナウィルス感染症の影響により、多くの企業が業績にマイナスの影響を受けています。

コロナによる業績への影響

しかし、だからといって企業の営業部に与えられた売上目標が下方修正されたという話はまず耳にしません。営業部門のトップには早急に新しい環境下での営業戦略を構築して、売上げを上げていくことが求められています。

スポーツで例えれば、競合チームの布陣や戦略を研究して自分のチームを強化していたところ、いきなりルールや土俵が変わったようなものかも知れません。ただ、状況は他社も同じです。できるだけ早く変化に適応し、新しい時代に歓迎される営業スタイルにシフトしていきましょう。

本記事では、これからの時代に、売上目標を達成し続けるための戦略のポイントを解説します。

売上目標の達成とは

売上目標の達成とは、営業部門が持っている年間の予算や半期、四半期、月度の数値目標を上回る金額を売り上げることです。

売上目標の決め方には以下のように何種類かあります。

企業の成長意欲や考え方によって売上目標を出す計算式は変わりますが、いずれの場合も企業の存続に必要な数字に加えて、営業マンに最大限の努力をしてほしいという願望が反映されることが多く、「それまでより高い数値」が設定される傾向があります。一般には、前年対比ベースで目標を決める企業が多いと言えます。

一方、営業マンにとっての売上目標は、達成しなければならないノルマに近いものです。目標を達成し続けると社内での評価も高くなり、転職するときに職務経歴書に記載してアピールすることもできます。売上目標を達成し続けることは「営業マンとして責任を果たせる人間」だという証明でもあります。

売上目標達成がなぜ重要なのか

企業は売上を上げて利益を得ることで社員に給与を支払い、商品・サービスを提供し続けたり、新規事業に投資したり、株主に配当を払い、国に税金を納めることができます。黒字企業が存続していること自体、一つの社会貢献だと言えるでしょう。

しかし「10年続く会社は1割にすぎない」という説があるほど、事業の継続は難しいものです。2017年度の日本の赤字企業は62.6%です。ここ20年ほどのデータを見ても中小企業の借入金依存度は大企業と比べると高めであり、実は内情が楽ではない企業が多いのが実態です。

企業も家庭と同じで毎月の売上げ(収入)があろうがなかろうが、人件費、オフィス代など固定の支払いは発生し続けます。借入金に依存している企業は目標未達が続くと資金繰りが苦しくなり、オフィスを縮小したり、社員のリストラに着手せざるを得なくなります。新規事業への投資もできなくなるため、大きな成長も望めなくなっていきます。

営業部門が毎月売上げ目標を達成することは、営業チームだけの問題ではなく、企業の存続と将来をも左右する重要なことなのです。

売上目標達成を妨げる3つの課題

一般に売上目標の達成を妨げる営業部門の課題は、以下の3つです。

見込み客が少ない

一番よくあるのは、単純に見込み客が少ないという課題です。ただし、見込み客が増えないのは営業マンだけの責任とは言い切れません。営業戦略が時代に追いついていない場合も少なくありません。

例えば、近年はインターネットの登場によりお客様の購買行動が複雑化し、営業にもインバウンド型、アウトバウンド型などさまざまな手法が出てきました。時代の変化に合わせた有効な営業手法を取り入れることができているでしょうか?成功体験にとらわれ古い営業手法に依存しすぎていないでしょうか?

また、競合他社の製品を使っていたり、サービスの乗り換えが簡単でないお客様に自社のファンになってもらうには時間がかかるものです。常にさまざまな見込み度会いのお客様と関係を維持していく仕組みを作る必要があるのですが、営業マンにまかせてフォローしきれていないため、会社として見込み客を増やせていない場合もあります。

営業マンのスキルが十分ではない

営業マンのスキルが不足していると売上目標の達成が難しくなります。貴社の営業マンは何割くらいが見込み客を案件化・商談化させスムーズに受注するスキルを持っているでしょうか?商学部や経済学部を卒業した新卒の学生たちが、即戦力として数ヶ月で「トップ営業マン」になるでしょうか? 

社会経験が浅い新人営業マンは、ビジネスの仕組を感覚的にわかるまで時間がかかります。社内外の営業研修、営業マネージャーとの個別面談などで営業プロセス、基本的なヒアリングなどの営業テクニックを教えることが大切です。

中途採用の営業マンに対しても同じです。「A社でトップレベルの営業だったから放っておいても売上げを立てるはず」と思っても、必ずしもすぐ活躍できるとは限りません。営業といっても業界によってさまざまなスタイルがあります。業界慣行、予算の決定時期なども違いますので、基本的なことを最初に徹底して教える必要があります。

営業管理ができていない

営業マネージャーが営業管理をできていない場合もあります。営業マンの「案件管理」や「行動管理」はできているでしょうか?

営業管理ツールはエクセルでもCRMでも何でもかまいませんが、「CRM? SFA?なんだそれは?」というような営業マネージャーは、最新のマネジメント手法にあまり関心がなく「数打てば打率が上がる」「飛び込み営業をこなせば見込み顧客が増える」という大雑把な指導になっているかも知れません。

プレイングマネージャーなため、自分の営業に時間を割きすぎてマネジメントがおろそかになっている管理職も少なくありません。営業マネージャーが営業をすると現場感がずれないメリットはありますが、管理職の役割は部下が売上げを上げる環境を整えることが第一だと認識すべきです。

売上目標達成のための戦略の流れ

それでは、実際に売上目標を達成するために何から手をつければよいでしょうか?ここでは売上目標を達成するための戦略構築から実行までのステップを解説します。

見込み客を増やす戦略を決める

まず、見込み客を増やすために、時代にあった営業戦略をとる必要があります。昨今のお客様はインターネット上のSNSやレビューサイトなどで商品・サービスの情報を収集し、営業マンに会う前に6割の購買行動を終えると言われます。2020年からはコロナウィルス感染症の影響によりオンライン営業が標準になっていくはずです。

当然、Webからの集客に力を入れなければいけません。

手法例:

  • オンラインセミナー(ウェビナー)の開催
  • 営業マンがSNS営業を始める(Twitter、Facebook、LinkedIn等)
  • オンライン商談ツールで遠隔地の企業に営業(インサイドセールス
  • Webサイトのリニューアル(情報の充実化)
  • チャットボット又はMA導入(自動で集客)

Web上での集客方法には、無料で始められるものもあれば多少コストがかかる手法もありますが、リアルでの展示会運営費用や営業マンの移動費用が減るため、トータルの予算はそれほど増えないかと思います。オンライン営業が主流になると、地方企業でも都心の企業に営業をかけることができますし、その逆も可能です。むしろ見込み客を集めやすくなるはずです。

人材編成を見直す

次に戦略に合わせて人材編成を見直します。2019年のラグビーW杯における日本代表の快挙は、日本チームが大きく成長したためビジネス界からも注目されました。戦略室のミッションは以下の3つ。いかに人材戦略に力を入れていたかがわかります。

  1. 2019年にワールドカップを戦う日本代表の中核となる優秀な若手選手の発掘や育成
  2. 海外の優秀な人材の登用も含め、2019年に向けて充実したスタッフ・指導者の構築
  3. 日本代表の強化だけでなくラグビー全体のプロモーションにもつながるマッチメイク

「当社は日本代表どころか業界でも中小企業……」と思われる方もいるかもしれませんが、デジタル営業が主流になると「営業の優秀さの指標」も変わってくるでしょう。

飛び込み営業やテレアポが苦手な営業マンが、SNS営業で上手にコミュニケーションをとって売上げを上げるかも知れません。ITリテラシーの高い営業マンがマーケティング担当者として別の土俵で活躍して、優秀な営業マンの何倍もの見込み客を集めるかも知れません。

営業チームを構成する一人ひとりの営業マンの強みやスキルを見出して、適材適所の配置を組むのもマネージャーの重要な仕事の一つです。デジタル営業経験者自体が日本でまだ少ないはずなので、即戦力でなく「マーケティング力が高そう」「SNSに詳しい」「本人が意欲的」などポテンシャルで判断してかまいません。一度、自分のチームのスキルマップを作るのもよいでしょう。

現在抱えている営業マンのスキル、適性、志向性をもとにできることとできないことを明確にし、実現可能性が高い戦略に絞り込んで、新たなチーム編成を組んでいきましょう。

正しい売上目標を設定する

正しい売上目標と評価基準を設定することも大切です。低すぎる目標は、努力や改善を繰り返す必要がないため力を合わせて達成させようという雰囲気がチームになくなります。現場の状況とかけはなれたあまりにも高すぎる目標だと「達成できるわけがないだろう……」とマイナスの空気がチームを包んでしまいます。

担当顧客、担当エリア、営業マンの社歴などを踏まえて営業マン個人はもちろん、周囲から見ても納得できるような目標設定を行いましょう。

また、SNS営業、オンラインセミナー(ウェビナー)など新しい手法を試せば必ず失敗もしますし、売上げが軌道にのるまで時間がかかるものです。しかし、一般的な人事制度であれば新しい手法を提案したり積極的にチャレンジした営業マンには何かしら加点評価ができるはずです。営業マンに積極性を期待するのなら、会社として「チャレンジすること=評価の対象」であることを明示して、実際に評価に反映させることが必要です。

売上目標と現実のギャップを明確にする

全体の売上目標と現在の営業チームの実力をシビアに見た時に、明らかに戦力不足だとわかる場合もあれば、指導体制や環境を整えれば補強できると感じる場合もあるでしょう。まず、現状を把握して理想と現実のギャップを明確にしましょう。

チェックポイント:

  • 営業マンの人数は十分か?
  • 営業マンの定着率はよいか?
  • スキルの高い営業マンは何割くらいか?
  • 営業マンをサポートするスタッフ(事務、マーケティング他)数は十分か?

課題を明確にして対策を立てる

次に理想と現実のギャップから課題を明確にします。ギャップの原因は、成績が悪い個人の営業マンにはありません。大抵の場合「チームに何カ所かある病巣」と関連づいており、そこに気づくのが営業マネージャーの仕事です。営業部門の長所はそのまま維持しながら、補強すべきことは補強しなければなりません。

例):

課題1:営業目標に対して営業マンの人数がそもそも少ない

  

対策A:人材を採用する又は他部署から異動してもらう
対策B:少人数で効率的に成果を上げられるオンライン営業主体にする
対策C:商談(アポイント)獲得までをアウトソーシングする
対策D:在宅の営業チーム(アルバイト、業務委託)を新しく作る

課題2:営業マンのスキルが低い

  ↓

対策A:トークスクリプトや事例、マニュアルを整備する
対策B:傾聴が上手くなるようにロールプレイングを実施する
対策C:営業プロセス管理を行い、個々の営業マンの苦手なところを指導する

課題点を踏まえてKPIを設定する

対策をたてるとともにKPIも設定します。「開拓力が弱い」「1日の商談数が少ない」「古い営業手法のみを実施している」などの営業部門全体の弱みを解決するために行動指標を1~3つ決めましょう。

KPI例:

  • 営業活動:コール数、営業メール数、アポイント数、キーマン通話数、商談数、提案数
  • SNS営業:ツイート数(Twitter)、フォロワー数、etc

数字で測ることのできるKPIにすると、営業マンだけでなく上司もわかりやすく、フィードバックも容易になります。エクセルや営業管理ツールなどでグラフ化すると営業マンごとの状況もわかりやすくなるでしょう。

戦略の実行

戦略を決めたら実際に実行します。実行が一番大事なので、営業マネージャーも本気で臨みましょう。実行中は常に営業管理を行い、それぞれの進捗状況を見ながらサポートしたり、軌道修正の要不要などを判断しマネジメントします。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」とは、第二次世界大戦で連合艦隊司令長官を務めた山本五十六氏の言葉です。厳しい軍隊の世界すら、人は丁寧に指導してほめなければ期待どおりに動いてくれないという事実は、マネジメント上押さえておきたいポイントです。

もちろん、褒めるだけではなくときに厳しい指導をする必要もあります。褒めることと厳しく指導することのバランスに気をつけながら営業管理していきましょう。

継続的に売上目標を達成し続けるためには

売上目標を達成し続けるためには、戦略を実行した後に検証と改善を行い続けることも大切です。

売上目標を達成した場合は何がよかったのかを明確にし、さらに高い売上目標を達成するためには何が必要かを考えます。未達だった場合は、何が悪かったのかを明らかにして改善策を考え、再度KPIを定義し直します。

今は刻一刻とビジネス環境が変わります。これまで成功していた戦略が通用しなくなることも出てくるでしょう。戦略に都度100点を求めるのではなく、ある程度失敗することも織り込んで高速で学習していく試行錯誤の姿勢が必要です。スピード感を持ってPDCAを回し続けましょう。

PDCAは誰もが知っているフレームワークですが、速く回すコツを知らない人は意外に多いと思います。以下の野村證券で最年少記録を出し続けた著者による、変化の激しい時代にPDCAを実践するコツが紹介されている本がおすすめです。

鬼速PDCA

(参考:Amazon

まとめ

2020年の新卒採用市場では、コロナウィルス感染症対策のために3月以降の合同説明会は軒並み中止になり、「ウェビナー(オンラインセミナー)」を開催する企業が急激に増えました。今や、個人面談もグループ面接もオンライン面接が基本です。

6月で決着がつく市場ということもありますが、たった2~3ヶ月で多くの企業がデジタル化に対応したのは驚くばかりです。営業の世界でオンライン営業が主流になるのも、あっと言う間なのかもしれません。

この波に出遅れず、オンライン上で売上げを上げていくノウハウを構築していくことが、今期、来期の売上げの大きな差につながっていく可能性は高いでしょう。「《中小企業経営層向け》デジタル時代の「売上げ拡大戦略と実行」ガイドブック」では、営業戦略を立てる際の参考になる考え方をまとめております。ぜひご覧ください。

    売上げ拡大戦略と実行ガイドブック

佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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