電話シャドーイング研修を効果的に行うコツ

電話 研修

電話による営業には得手不得手があります。
研修やスクリプトによりやるべきことがわかっていても、咄嗟に言うべきことが出ないこともあるでしょう。
経験を積むにつれ、電話営業のスキルがアップしていくことは間違いありませんが、できるだけ早い段階でコツをつかんでもらうことが大切です。
そのためにお薦めなのがシャドーイング研修です。
シャドーイングは影(シャドウ)のようについていくということです。
シャドーイング研修というと、経験のある社員の様子から学ぶのが一般的ですが、営業の場合は、教える側が学ぶ側の様子から改善点を探ります。
今回は、電話シャドーイング研修のコツについてご紹介します。

1. ランダムに行う

まず、いつもの電話営業の様子を基に判断できるよう、事前に告知することなく、ランダムに行うようにします。
必要以上の準備をすることなく、素の状態で行うようにしましょう。
学ぶ側の営業マンにもいつも通りでよいと伝え、緊張させないように配慮をしましょう。

2. ダメ出しの場にしない

シャドーイング研修では、どうしても改善点を指摘することになってしまいます。
間違いを指摘されている、ダメ出しをされていると営業マンが感じてしまうと、変に身構えてしまい効果も半減です。
シャドーイング研修は電話営業で効果を上げてもらうためであることをしっかり伝え、どのように改善をしていったらいいかを一緒に考える場にしましょう。

3. チェックリストを用意する

シャドーイング研修の機会は限られています。
お互いの時間を有効活用するために、必ず確認するポイントをチェックリストにして用意しておきましょう。

4. 観察に徹する

ついつい口を出したくなってしまうかもしれませんが、まずは観察に徹し、フィードバックや質問はすべて終わってからするようにします。
あれ?と思っても表情や声に出さないよう、気をつけましょう。

5. 準備についても観察する

電話をする様子だけではなく、かける前の準備についてもよく観察しましょう。
リストの上からかけていっているのか、選んでいる場合はどのように選んでいるのか、スクリプトや資料は用意してあるのかなど、注意深く見るようにします。

6. 電話中に確認するべきこと

電話を聞いている間には、次のポイントを確認しましょう。

スクリプトとの違い

営業チームで定めているスクリプトに沿っているかどうか。
ただし、違っていても悪いとは限りません。
違うアプローチでも効果が出ていれば、スクリプトに追加することも検討しましょう。

質問力

ニーズや見込み度を測る質問ができているかどうか。
また、質問のタイミングが適切かどうか。

反論処理力

反論をされた際にどのように対応しているか。

精査力

通話終了後に見込み度についてどう判断しているか。
次にするべきことがわかっているかどうか。

記録力

通話中に得た情報を、どのタイミングでどのように記録しているか。
効率的に記録しているかどうか。

口調や話し方

棒読みになっていないか、ロボット的な感情のない口調になっていないか、馴れ馴れしすぎないか、不快感を与える話し方の癖はないかなど。

7. フィードバックは記録に残す

口頭で伝えるだけでなく、フィードバックは必ず記録に残しましょう。
改善点だけでなく、どうやったら改善できるか、そして、改善のために取るべきアクションまで記録をします。

8. 改善点について後日フォローアップする

改善点をそのままにしないことも大切です。
フィードバックの際に、次のフォローアップの日時を決めてしまってもいいでしょう。
2回目以降は、ランダムにピックアップした録音をもとにセッションを行うのもお薦めです。

9. 役割を交代する

チーム全体が電話シャドーイング研修を経験した後は、観察する側になってもらうこともお薦めです。
さまざまな電話営業のスタイルに触れる機会ができるだけでなく、チーム内で日々お互いにアドバイスをしあったり、よい部分から学ぶ文化ができあがります。

今回は、効果的な電話シャドーイング研修についてお伝えしました。
シャドーイング研修を行うと、観察する側、される側、双方にとって、さまざまな気づきがあることがわかります。
決められたことについて間違いを正すだけでなく、うまくいかないことにヒントを得てスクリプトやアプローチを変えることもできます。
ぜひ、電話営業の効果アップのために取り入れてみてください。
トークスクリプトについては「電話営業の効率を高めるトークスクリプトの作り方」にて説明していますので、ご参照ください。

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原誠

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