案件管理とは?営業成果と営業活動に結びつく案件管理のコツ

案件管理

見込み度の高いお客様を逃さないためには、常にお客様の案件の進捗状況や電話や、商談で話した内容などを適切に管理する「案件管理」が欠かせません。

しかし、一口に案件管理といっても、まずどんな項目を管理したらよいのか、また管理する項目の定義をどうしたらよいのか、わからない人も多いのではないでしょうか。

営業マンが、案件管理業務に大きく時間を割いていては本末転倒です。ただ細かく管理を行うのではなく、必要な項目のみを抽出した効率的な管理が求められます。では、具体的にどのような案件管理が必要なのでしょうか。

本記事では、案件管理の概要から管理する際に必要な項目など、営業活動に活かすための具体的な方法をご紹介します。

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案件管理とは

案件管理とは、営業マンが営業活動の中で、見込み度合いが高くなったお客様を受注につなげるまでの進捗管理を行うことを指します。例えば、「お客様が現在営業プロセス上のどこにいるのか」「電話や商談でどのようなことを話したのか」などの情報を管理することです。

案件管理は、電話営業などですぐに断られたニーズのないお客様ではなく、今後商談へと繋がりそうなお客様や受注の見込みが高いお客様などのように、将来契約に結びつきそうなお客様の管理が対象となります。

案件管理がなぜ必要か

営業マンが一度に扱う案件が多くなると、さまざまな状況の案件を同時並行で担当しなくてはいけないことがあります。商談では、お客様のニーズや課題に合わせた提案を行わなくては十分な価値を提示することができません。そのため、営業マンはそれぞれの案件に合わせた内容を考える必要があるのです。

1、2件の案件数でしたら、どのようなお客様だったのかを営業マンが記憶しておくことは可能ですが、あまりにも多くの案件を抱えすぎると、営業マンも「どの案件が、どんな内容だったか」を把握できなくなってしまいます。その結果、案件に合わせた商談を行うことができなくなり、見込み度が高くなっていた商談も失注してしまう可能性が高まります。

案件の状況を適切に管理することができれば、数が増えても各案件の進捗状況を確認することができ、次回の商談でお客様の状況に応じた内容を伝えることができるでしょう。また、営業マネージャーにとっても案件管理は重要です。なぜなら、案件管理を行うことで月内の売上げ見込みを立てることができるからです。売上げの見込みが目標より低いとなると、早めに対処することもできます。

案件管理を継続して行っていくと、案件の成功事例や失敗事例の履歴が蓄積していきます。その案件が成功に至った経緯や原因などを分析することもできます。また、失敗に至った案件の共通項を見つけ出すことで、今後失敗しないための改善策を講じることもできるはずです。

案件管理で管理する項目とは

案件管理で管理するべき項目には、どのようなものがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

案件管理で管理する項目

案件の進捗度合い

案件管理で設定するべき項目の一つとして、現時点での案件の進捗度合いが挙げられます。

進捗度合いと言っても、定義を決めず各営業マン個人が好きな用語を使っていては、本人にしか理解できなくなってしまいます。そのため、進捗度合いを他の営業マンがみてもわかるようにすることで、共通認識をもつことができるようになります。

まずは、初回のアプローチから受注に至る営業プロセスを洗い出してみましょう。例えば、電話営業 → ヒアリング → 訪問 → 見積り → クロージング → 受注のように、6つに営業プロセスを分けることができます。

この6つのうち、案件がどの段階まで進んでいるのかを設定することで、自身でも案件の進捗度合いを把握することができます。また、営業マネージャーも客観的に案件がどこまで進んでいるのかや、次回の具体的なアプローチの指示を担当営業マンに出すことができます。

案件の進捗度合い

営業活動の過程の情報

案件管理の際に必要な項目として、営業活動の過程に関する情報が挙げられます。営業活動の過程に関する情報には、以下のようなものが挙げられます。

  • 営業マンが見込み客と電話で話した内容
  • 見込み客に送ったメールの内容
  • 電話した回数や訪問した回数
  • 商談で話した内容 など

これらの営業活動内容や活動量を蓄積していくことで、次回どのようなアプローチをするべきか考えることができます。

営業活動に関わる情報を管理していないと、何度も同じアプローチを行ってしまい、見込み客に不快感を与えてしまいかねません。逆に、営業アプローチ中の情報が蓄積されていくことにより、受注につながりやすい営業活動やその内容が見つかることもあるでしょう。いわゆる「成功パターン」が増えていくことで、経験の浅い営業マンにもそのパターンを教えることができ、早期戦力化にも役立ちます。

受注予測額

受注予測額も、案件管理の際に欠かせない項目の一つだと言えます。営業マンが抱えている案件が受注に至った際、どのくらいの売り上げが見込めるのか項目として管理することで、月内の売上げ予測が可能になります。

もし、予測額が目標額に達していなければ、営業活動の行動量(電話営業のコール回数や商談数など)を増やすか、質を高めるように営業研修やトレーニングを行うようにする必要があります。現状の行動量や平均商談化率、受注率と合わせてみることにより、目標達成のために今どこに注力するのかを考えることが可能になります。

受注予定日

受注予定日を案件管理の項目の一つとして管理することも重要です。いつその案件が受注になる予定なのかを営業マンが記入しておくことで、予定日が近づいた際に営業マネージャーから営業マンに確認をすることができます。

商談はしたものの「関係者に共有して検討してみます」や「一か月後に検討したい」といった返答を聞くことも多いかもしれせん。営業マンは、目の前の受注に繋がりそうな見込み客を追わなくてはいけないため、どうしても検討客へのフォローを見落としてしまいがちです。

見落としを防ぐためにも、受注予定日を設定しておくことによって、いつフォローをするべきだったかを可視化することができます。

次回の行動

項目の一つとして、営業マンが「次回のアプローチで何を行うか」を記載しておきましょう。営業マネージャーは、営業マンの案件の進捗状況と次回行動予定を照らし合わせ、その行動が受注につながるかどうか考えることができます。

「前回の電話の〇〇の内容を考えると、次回の打ち手では資料Aではなく資料Bを送るべきではないか」といったように、営業マンに具体的なフィードバックを行うことができます。

案件管理の項目を統一させて徹底する

案件管理を行う際、管理項目が営業マンによって異なっていると、他の営業マンや営業マネージャーは項目を適切に理解するために時間がかかってしまいます。そのため、案件管理の項目は統一させることが必要です。

そして、項目だけではなく、定義も定めることが大切です。各項目ごとどのような状態であればこの項目を設定するのかを明確にすることです。

あらかじめ項目や定義を明確にさせた上で、現場の営業マンに記入を促すようにしましょう。あるいは、エクセルや案件管理の専用ソフトなどに項目の設定を施しておいてから、そこに記入してもらうことで、項目を統一することができます。

案件管理をマネジメントにも活用する

案件管理が機能していると、営業マネージャーはその管理内容も活用して営業マンのマネジメントを行うことができます。案件管理が継続していくほど各営業マンの情報が蓄積していくため、より具体的なマネジメントが可能になるでしょう。

例えば、いつも見積もりの段階で案件が流れていってしまっている営業マンは、見積もりの提示の仕方に問題があったのかもしれません。また、顧客との最初の接点がメールによる営業マンの場合と、テレアポによる営業マンの場合とを比較し、受注に至る確率を割り出すことで、どちらが最初の接触方法として適切か考えることもできるでしょう。このようにして、受注の妨げとなっている要因(ボトルネック)を探し出し、対策方法や改善策を考えることができます。

案件管理を適切に行えていない場合はどうでしょう。営業マネージャーから見ると、売上げの高い営業マンだけが目立ち、売上げの低い営業マンがどれほど目標達成に近づいたか知ることができません。そのため、売上げの低い営業マンに対するフィードバックは「来月は頑張ろう」「他の営業マンに負けるな」といった精神論的なものになってしまいがちです。

営業マネージャーが案件の結果である売上げにのみ注視するのではなく、受注に至るプロセスも見ることで、マネジメントにおけるフィードバックの質も高まり、組織全体の成果を最大化させることができるのです。

まとめ

案件管理は、営業プロセスのどの段階で失注していることが多いのか調べることができ、また月内の売上げを先んじて予測することもできるため、その重要性は高いものであると言えます。

一方で、「既存の業務に1つ業務が加わることで営業活動にかける時間が圧迫されるのでは……?」と恐れている営業マンも少なくないでしょう。そのような場合は、先に挙げたように必要な項目のみを日々退勤前に記入するなど、工数を最小限に抑えることで業務にかける時間を短縮することができます。

また、現状案件管理を行っている企業においては、項目が営業マン間で共通化されていない場合があるかも知れません。そうした場合は、記入する項目を共通のものに揃える必要があります。項目を揃えて情報を収集することで初めて、営業活動において試行錯誤を行うことが可能になります。そうすることで売上げがいつも高い営業マンの営業プロセスを営業部全体にフィードバックすることができます。

とは言え、実際は営業部全体にノウハウを共有するのは容易ではありません。新人営業マンなどさまざまなスキルレベルの営業マンが存在するためです。そこで、セールスハックスでは営業ツールを標準化し、営業部全体にトップ営業マンのノウハウを取り込むための方法を記載した「営業ワークフローと営業ツール標準化《実践ガイド》」を用意しています。案件管理を適切に行うためにも、是非ご活用ください。

    営業ワークフローと営業ツール標準化《実践ガイド》

佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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