営業マンにとって最も重要な目標が売上目標、つまりノルマです。
営業マンがノルマを達成できるかどうかは、企業業績を左右します。
それにもかかわらず、ノルマの決め方にはまだまだ多くの企業が課題を抱えているようです。
また、シリウス・ディシジョンズの調査によると、半数以上にあたる54%の企業で、ノルマが決まるのは新しい会計年度が始まってから、2週間から一ヶ月後になってしまっているという現状があるそうです。
社内で協議をしている間に、ノルマのない空白の期間ができてしまっているということのようです。
では、ノルマを決めるにはどういうことに気をつけたらいいのでしょうか。
今回は、組織を成長させるノルマを決めるコツをご紹介します。
1. 売上目標設定と同時に決める
ノルマがない期間を作らないためには、売上目標設定と同時に決めてしまいましょう。
売上目標を決めるのに時間がかかってしまっているのであれば、売上目標が決定するまでのプロセスを書き出し、かかる時間を明確にします。
場合によっては、年度の途中から次年度の売上目標について決めていく必要があるかもしれません。
2. 過去のやり方にとらわれない
先ほどの例とは逆に、ノルマの決め方に変化がないことが問題となる場合もあります。
ブリッジ・グループの調査によると、47%の企業が、現在の市場機会を反映していない、過去の実績に基づいた情報により、ノルマが決められていると回答しています。
経験則に基づいた計画に頼らず、市場は変化していくものであることを改めて認識し、先の変化に対応できるようにしましょう。
3. 必要に応じて見直す
ノルマを設定しただけで満足してはいけません。
途中で、達成度や市場の実情などを考慮に入れて見直し、必要に応じて修正できる体制を作りましょう。
営業マンを甘やかすことになるのではないか、言い訳できる機会を与えるのではないか、と懸念される方もいるかもしれません。
しかし、問題が大きくなる前に対応策を考えることが可能になり、うまくいっている場合はノルマを増やすこともでき、見直すことで結果的には組織にプラスになるのです。
4. 営業マンの意見を聞く
ノルマを確定する前に、営業マンの意見を聞くステップを設けるなど、ノルマ決定に営業マンを巻き込むようにしましょう。
多くの企業では、企業幹部を中心にノルマが決められ、営業マンに伝達されることが多いものです。
どのような理由で決められたのかも明確ではい上に、達成が非現実的だったり、公平なノルマでないと思われてしまったりすると、意欲の低下や離職の原因にもなりかねません。
検討している過程、最終決定の前などに、営業マンの意見を聞く場を作りましょう。
5. ノルマの背景や理由を説明する
ノルマを与えられる際、背景や理由、決めるまでの経緯などを説明することも大切なことです。
特にノルマが変更になる場合は、丁寧な説明が必要となります。
6. ボトムアップ・アプローチも検討する
企業戦略や目標からトップダウンでノルマを決定するのでなく、現場の営業マンとマネージャー主導でノルマを決める、ボトムアップのアプローチも検討をしてみましょう。
特に現場の知見が重要な場合に効果的なアプローチで、より現実的なノルマを決めることができます。
追加で必要なリソースや、トップダウンでは見逃しがちな懸念点や市場機会も考慮されるというメリットもあります。
7. 目標達成のために必要な営業活動のKPIを設定する
ノルマだけを決めるのでなく、ノルマ達成のために必要な活動の指針を定め、その基準値KPI(キーパフォーマンスインジケーター)を設定することも大切です。
例えば、成約率を考慮した上で、必要なアポイント数、デモの数、コール数などの基準値を設け、売上達成と共に経過を見ていきます。
必要と思われるだけの営業活動を行なっているにも関わらず、ノルマが達成できないとしたら、ノルマが高すぎる、市場の変化、競争の激化などがあると考えられます。
今回は、営業ノルマを決めるコツについてお伝えしました。
セールスハックスでは、営業向けに設定して意味があるKPIの例を小冊子で用意していますので、ご参考にしてください。
また、現実的な営業活動の量を見極めるには、日頃から、記録を取り、過去のデータをいつでも分析する体制を作ることも必要となってきます。
現場を最も知る営業マンを上手に巻き込みながら、組織が成長し続けるノルマを決めていきましょう。