営業マンの対応漏れを防ぐセールスオートメーションの活用とは

対応漏れ

優秀な営業マン、人事評価のトップ5%の人、社会で頭角を現していく人たちは当たり前のことですが「報・連・相」を徹底していると言われます。

「たったそれだけ?」という気もしますが、多くの人は仕事の関係者が多くなるにつれキャパオーバーになってしまい、つい優先順位の低い些事を忘れたり手を抜いたりしてしまうものです。営業マンであれば、新規のお客様が多くなると昔からのお客様や予算の小さいお客様のフォローがおろそかになったりします。結果、強い信頼関係を築けるお客様が一定数に留まるため、そこそこの成果で終わってしまいます。

基本的なことを徹底して大量かつ高速でこなすことが大きな成果につながる。これは本当に大変なことですが、考えてみれば才能自体はあまり必要としないため、仕組化で改善しやすいとも言えるでしょう。

すべての営業マンが報連相をそつなくこなしつつ、見込み客への対応漏れが起きない体制を作ることができれば、企業は大きな成果を上げられます(少なくともミスのフォローに追われなくなるため業務効率は劇的に改善します)。

本記事では、営業マンの対応漏れを防ぐセールスオートメーションの活用について解説します。

対応漏れとは

営業マンの対応漏れとは「営業マンとして当たり前にするべき報告、連絡、返信などをしない」ことや「見込み客との円滑なコミュニケーションを実現するためにするべき対応をしない」ことを指します。

基本的な対応のぬけ・もれ

例えば、お客様から調べてほしいと頼まれたことを放置している、問合せに返信をしないなどの対応漏れは、営業マンはもちろん会社の信頼度を低下させます。場合によってはクレームになるでしょう。新入社員レベルのビジネスマナーですが、営業現場ではこの基本のキの対応漏れが、現場の忙しさによってついうっかりで発生しがちです。

  • 連絡するべきことを怠る、忘れる
  • 問い合わせや質問に対し返信しない
  • 頼まれたことを放置してしまう

どのような理由があってもこの種の対応漏れは社内外関係なく「仕事ができない」と思われます。以下は株式会社マネジメントベースの2017年調査「30~40代ビジネスパーソンから見た『仕事ができない若手社員の特徴』のランキングですが、2位は「仕事が遅く、ミス、不注意が多い」、3位が「報連相がない」となっています。ちょっとしたことこそ目立つのです。

仕事ができない若手社員の特徴

参照:30~40代ビジネスパーソンから見た『仕事ができない若手社員の特徴』|PR TIMES

コミュニケ―ションを円滑にするために必要な対応のもれ 

企業によっては営業マンがお客様の定期的なフォローをしないことや訪問後のお礼、リマインダーができていないことを「対応漏れ」と扱う場合もあります。そもそも営業の仕事はコミュニケーションが土台にあって成り立つものなので、平均的なビジネスマンよりも、細やかで相手の立場に配慮した対応が必要だからです。

  •  タイミングのよい「報・連・相」をしていない
  • 定期的な情報提供メールを送っていない
  • 問い合わせや商談のお礼メールを送っていない
  • リマインダーメールを送っていない、他

営業マンもフォローはした方がいいと思いながら数字に追われ、忙しくてなかなかできないのが現実でもあります。しかし、このようなお客様への丁寧な対応と成果との関連性は、中長期的に見ればかなり高いと言えます。

対応漏れがなぜ生じてしまうのか

そもそも、営業マンの対応漏れはなぜ起こるのでしょうか?これは営業マン個人の素質が原因の場合もあれば、会社の体制が原因の場合もあります。

営業マン個人のタスク管理スキルの低さ

人間には、要領の良し悪しには差があります。もともとの気質、得意・不得意により定型的な業務を自然にできるタイプもいれば、「あれをしてこれをして次はどれだっけ……」と一生懸命取り組んでいるのに時間がかかり、かつ遅いという営業マンもいるでしょう。

営業マンによっては処理業務の不得意さをコミュニケーション能力で補っている場合もあり、多少の対応漏れがあっても売上げを上げているので大目に見られているかも知れません。しかし、本人の営業能力が平均以上あるからこそ、対応漏れで機会と時間をムダにすることはもったいないと言えます。

営業マンの事務ワークが多すぎる

ビジネスのデジタル化が進んでいる昨今は、営業マンに限らず専門的な職種でもITスキルと文章作成能力を必要とする事務系ワークが増えています。営業マンも、営業力を上げて成果を出すためには「まず、営業にあてる時間を阻害している事務をこなすスキルを高めなければならない……」という、本末転倒な事態になっている状況です。

多忙だと、営業活動において大切なタイミングのよいアプローチが難しくなります。ここでの「タイミング」とは営業マンのタイミングではなく、お客様のタイミングであることを意識しましょう。営業マンが忙しいときに、お客様から反応があったとしても、なかなかリアルタイムでの対応は難しいものです。

営業リソース不足問題

これは営業マンだけの責任ではなくマネジメント側の課題となるため、社内に重複する業務が多くないか(例:紙とITで同じことしている、各自がテンプレを活用せずメール、提案書、見積書を作成している)などを検証し、営業マンが営業に注力できる体制を構築する必要があるでしょう。

営業活動でよくある対応漏れのシーン

ここでは、営業活動でよくある対応漏れのシーンを紹介します。

お客様からのお問い合わせ・返信の対応ができていなかった…

Webサイトや広告からのお問い合わせは企業にとって非常にありがたいことです。かなりの費用と労力を投資して、ようやく問い合わせてもらえた1件です。それなのに、営業マンが速やかに返信できていないケースがしばしばあります。

多くの場合は、営業マンが営業アプローチ中(商談など)であったりと忙しく、すぐに対応できなかったという理由ですが、早いタイミングを逃すと連絡がしづらくなる面があり、そのままずるずる対応できていない状態になることも少なくありません。当然、お客様は「お問い合わせありがとうございます!」と素早く連絡している他社営業マンに気持ちが向いてしまいます。

「 〇ヶ月後に再度連絡する」と伝えたのに、忘れていた…

営業アプローチ中にお客様から「興味はあるけど、今今ではない」と言われることは多々あります。このような中長期的見込み客をいか数多く維持してフォローできるかが、営業マンにとって重要です。しかしながら、完璧にできている営業マンばかりではありません。

「新しい情報や事例などが出ましたらお送りします」といってメールアドレスを聞いたのに何も送らないと、お客様は個人情報を提供した意味がなかったと感じるかも知れません。「予算決めるのは秋だから9月に連絡して」と教えてくれるような親切な見込み客に「では、その時期に(数ヶ月後)に!」と伝えながら、期間が空いたため忘れてしまうことも同じです。

営業マンの意識としては「今度」「また」「次の機会に」にという言葉は挨拶のようなものだったかも知れませんが、お客様の印象はまた違うはずです。

お客様にアポイントの確認メールを送っていなかった…

アポイントをもらえたものの、次のお客様に連絡をする必要があったりしたため電話後すぐに送ることができず、結果的にそのままになってしまうこともあると思います。これも絶対とまでは言えませんが「推奨対応」ができていない対応漏れの一つだと言えます。

確認メールがあればお客様のメモ代わりになりますし、予定を変えたいときに連絡しやすいものです。また、大抵の場合営業マンの会社はお客様にとって馴染みのない企業なので、確認メールを見ることで「こんな事業をして社員数これくらいのベンチャー企業か」と事前にわかり、企業の理解や安心感をもって商談に入ってもらうことができます。 

商談後にお礼メールを送っていなかった…

商談に対応してもらったものの、その後にお礼の連絡ができていないことも対応漏れの一つと言ってよいでしょう。業務時間ギリギリで商談を行い翌日メールを送る予定のときなどに忘れてしまうことが起きがちです。お礼メールがないからといって担当者が営業マンの評価を下げることは少ないかもしれません。

それでも、商談した後にすぐお礼が届くと印象に残りやすいものです。お客様もいろいろな人と商談や打ち合わせをしています。あまり時間がたってからのお礼だと「どっちの会社の営業マンだったけ……」となるかも知れません。お礼もタイミングが大事です。

また、お客様は営業マンと会うためにわざわざ時間を割いています。お願いをしている側という立場なので「偉そうにしてはいけない」と結構気を使って対応している人も多いものです。営業マンがちょっとした情報提供のお礼でも嬉しいように、お客様もお礼があれば気持ち嬉しいはずです。きっとその後のコミュニケーションも円滑になっていくでしょう。

仕事において、やりがいを感じること ( 9,000名に聞く「仕事のやりがいと楽しみ方」調査 )

仕事において、やりがいを感じること

参照:en-japan

忙しくて定期的な情報提供のメールができていなかった…

営業マンは常に目の前の数字を追わなくてはいけない立場です。プレッシャーもありますし日々忙しく、どうしてもすぐに案件化する可能性が低い見込み客に対して優先順位を下げてしまいがちです。パレートの法則で考えれば、間違いとまでは言えません。

しかし、将来の案件を生み出す施策を行うためには、新しいお客様との信頼関係を醸成しなくてはいけません。定期的な情報提供メールを送信できていないとなると、半年、一年後に営業マン本人が困ることになります。

対応漏れによって生じるデメリット

ここでは対応漏れによって起こるデメリットを紹介します。ちょっとした対応漏れとあなどっていると大きなマイナスになることもあるので注意しましょう。

新規売上げの機会損失に繋がる

対応漏れによって契約に結びついていた可能性を潰していることがあります。対応漏れで連絡がおそくなったことにより見込み客の温度感が下がってしまったり、競合他社に取られてしまうからです。

米国の調査ではありますが、見込み客が問い合わせへ最初に対応したベンダーに発注する率は約50%というデータがあります。いち早く対応してくれた営業マンの姿勢は好ましいものですし、最初にあう営業マンから得る情報は新鮮に感じます。2社目、3社目の営業マンと会ううちに自分なりの判断軸もできるため、徐々にほかの営業マンに会う理由を感じなくなるものです。

顧客からの信頼を失ってしまう

見込み客に対して「〇の件、後日お送りします」「2ヶ月後にフォローします」といった小さな約束を伝えたとおりに対応するとしないのでは、お客様の心象が変わってきます。お客様としては「フォローしてくれる」と言っていたのにしてくれないと「適当な営業マン」と感じてしまうでしょう。

既存のお客様に対しても同じです。小さな約束をおろそかにすると、信頼度が下がっていきます。それまでの実績や貢献があるためすぐに影響があるわけではないでしょう。しかし、お客様のもとには他社の営業マンが何人も営業をかけているはずです。ちょっとした対応漏れをしたことで、お客様が「一度、熱心きているB社にチャンスを与えてみよう……」という判断をしたとします。

まさしく蟻の一穴(ありのいっけつ)。競合他社は新規取引ということで見込み客が優良なほど全力を出してきますので、その取引を契機に大きく入り込まれる可能性は十分あります。そのまま気付かずに気の緩んだ対応を続けていると、ある段階で「こことの取引のメリットは小さい・ない」と判断されてしまうリスクもあるでしょう。1件の対応漏れ=隙なのです。

信頼と不信

トラブルになってしまう

営業マンの対応漏れが、機会損失だけで済むのならまだよいかもしれません。場合によっては、対応をしなかったことでお客様からクレームが入って、トラブルになることもあります。

特に商品・サービスを購入後の疑問点(多くの場合ちょっとした不満や改善希望)を放置してしまうと大事になります。自分で解決できないようなクレームや意見にはつい思考停止することもあると思いますが、速やかに上司に相談して、むしろどんな時よりも早期対応を心がける姿勢を見せることが解決につながります。

対応漏れをなくすためには

対応漏れをなくすにはどうすればよいでしょうか?もちろん、営業マン自身が自覚を新たにすることは大切です。とは言え、往々にして「明日から頑張ろう」と思う気持ちだけでは改善しないことが多いのも現実です。

できるだけ環境を変えて(新しいツールを活用する、他人の手を借りる、会社として仕組を作る等)、意志力に頼らない対策を立てることがお薦めです。

チェックリストを作る

基本的な対策ですが、チェックリストを作成するのは有効な手法です。チェックリストを作る効果は2つあります。一つはリストを作成するときに脳と身体がするべきことをしっかりと覚えこむ効果、そしてパッと見ると自分のすべきことが一瞬でわかるためミスが減る効果です。

定期的に対応漏れがないかどうか確認するために、シーン別のチェックリストを作成してみましょう。チェックリスト作成は小難しいメソッドやノウハウを覚えなくてもできるわりに、効果の出やすい方法です。チェックリスト作成については、以下の書籍がおすすめです。

「リスト」の魔法

参考:Amazon

メールボックスの整理を行う

対応漏れの原因が、メールのチェックミスであることは多々あります。営業マンには1日大量にメールが届くためメールボックスが整理されていないと、少し前のメール確認を見落としてしまったり、返信すべきメールへの対応が漏れてしまうことがあるのです。フォルダラベルの設定で漏れないようにすることが大事です。

案件管理をしっかり行う

お客様との商談に出てきた大事な情報を忘れないために、次はいつ頃なら時間があると話していたか、どのような情報に興味を持っていたかなどを、ポイントでよいのでエクセルやSFAなどに記録し、案件管理を徹底することが大切です。電話や商談などの対応記録とともに、次回のアクションを漏らさないように、タスクや予定を前もってカレンダーに入れておくとよりよいでしょう。 

上司と部下で情報共有を行う

営業マンだけが次回のアクション日を把握している状態だと、うっかり忘れてしまう可能性があります。情報を共有することで、営業マンの側は上司に伝えたことが良い意味でプレッシャーになり内容を記憶しやすくなります。上司は案件をいつ対応するのかを把握しておき、忘れているようであれば催促を行うことが大切です。

セールスオートメーションで対応を自動化  

セールスオートメーションツールを活用すると、営業マンが対応漏れを起こしやすい「メール業務」を自動化することができます。

資料請求後のセールスオートメーション

参考:Digima

例えば、以下のような設定が可能です。

  • お問い合わせメールがあったら自動的にお礼のメールを配信する
  • 営業マンが電話フォローをできなかった場合、自動的に事例メールを送信する
  • 営業マンがお客様をフォローした時点で、自動メール送信をストップする
  • 商談してから20日以上何もフォローしていない場合、自動的に掘り起こしメールを送る

掘り起こしメール例:

掘り起こしメール例

営業マンが動けない時もあると想定して設定しておけば、メール対応の漏れはほぼ完全に防ぐことができます。個人の「想い」・「頑張り」だけでは、複数案件を同時進行で進める営業マンの対応漏れをなくすのはなかなか難しいため、ITツールを活用して仕組として対応漏れを防ぐほうが安全かつ売上げのアップにつながるでしょう。

まとめ

営業マンの対応漏れは、そもそも営業マン個人だけの問題とは限りません。あまりにも昨今の営業マンの仕事内容が煩雑になっているという理由も多分にあります。

現在の営業マンに業務を効率化するITツールなしで営業しろというのは、徒歩でバイクや自動車と競争しろと言うようなものかも知れません。営業マン個人の努力ももちろん必要ですが、組織として営業フローの整備とITツールの活用で「隙の無い仕組」を作ることが大切です。すべての問い合わせに1日以内に連絡する、すべての見込み客を3ヶ月に1度はフォローすることを徹底するだけでも成果は変わっていくでしょう。

こちらから、「営業マンの営業活動をより楽にする 営業シーン別 営業自動化のヒント」がダウンロードできますので、効率的な営業フォローの体制強化にぜひお役立てください。

    営業シーン別 営業自動化のヒント

佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。