営業フォロー忘れを営業自動化で防ぐためのポイント

営業フォロー

安定して継続的に収益を上げ続ける方法の一つに、営業フォローをおろそかにしないことが挙げられます。しかし、その一方で営業フォローが忘れられがちであるという事実も否めません。

営業フォローのシーンでは、

  • 一度、営業で訪問したにもかかわらず長らく連絡していない見込み顧客がいる……
  • 問い合わせへの対応は、気が付いた営業マンが行い、誰がどのように対応するべきなのかが明確に決まっていない……

と言った、お声もよく聞きます。

皆さんも、一度は対応しようと思っていたものの、他の業務が忙しく対応が漏れてしまったなんてこともあるかも知れません。

本記事では、営業フォローの重要性を再度確認した上で、営業フォローがなぜ忘れがちになってしまうのか。そして、営業フォロー忘れを防ぐための方法である自動化について紹介します。

営業フォロー忘れとは

営業フォロー忘れとは、本来行うべき営業フォローを忘れてしまったり、対応せずにそのまま放置してしまったりすることを指します。

「本来行うべき」という部分が曖昧な表現になってしまいますが、対応しなければ機会損失になってしまったり、お客様の期待に反してしまったりする業務のことをいいます。営業フォロー忘れの具体例を挙げると、以下のような例が挙げられます。

  • 問い合わせがきているのに、営業マンから対応がされていない
  • 商談後に顧客に対して商品・サービスの補足情報を案内していない
  • 商談後、受注に至っていない顧客に対して、何か月間も何の連絡もしていない
  • 商品を購入してくれた顧客について定期的なアプローチをしていない
  • 休眠顧客に対して、情報共有の連絡をせずそのまま放置している

以上のような営業フォロー忘れは、営業マンとしての信頼を損なってしまうだけではなく、得られるはずの利益が得られないという機会損失の面にも影響を与えてしまいます。

そのため、営業フォロー忘れが起こっている状態であれば、早急に改善を目指す必要があります。逆に言えば、営業フォロー忘れを改善することができれば、顧客からの信頼向上や業績のアップ、営業マンのモチベーション向上、収益の安定化などを見込むことができます。

営業フォローがなぜ大切なのか

営業フォローが大切な理由は、機会損失という大きな損害に直結するリスクが高いためです。

機会損失とは、本来提供できるはずの商品やサービスを提供できないことによって、利益を逃してしまうことです。機会損失は、失注に比べて軽く捉えられる傾向もありますが、中・長期的に見れば非常に大きな損失になります。

営業フォロー忘れによる機会損失は、はっきりと目に見えませんが、目の前の損失以上に大きな打撃になってしまうことも珍しくありません。その理由は、次の4点です。

営業フォロー忘れによる機会損失

① ニーズが顕在化した見込み客にアプローチできない

問い合わせなどのアクションを起こすお客様は、一般的に強い興味・関心を持っていることが多くあります。さらに、このようなニーズが顕在化した顧客と直接接触できる機会は限られており、大きなビジネスチャンスになり得た可能性があるからためです。

② 再度アプローチのタイミングに気づけない

営業フォローにより顧客との関係性を継続することができていれば、その時はニーズがなかった場合でも、再度検討のタイミングが到来したときに改めてチャンスを得ることができます。

また、提案している商品・サービスとは別に顧客の悩みやニーズにあった商品・サービスがある場合でも、関係性が継続できていなければ提案する機会を失ってしまい、アップセルの機会を失ってしまう可能性もあります。

③ 企業としての信用を失ってしまう

顧客からの問い合わせに対して返答をしないまま放置していると、顧客からの信用を失ってしまいます。顧客が「無視されている」「大切にされていない」と感じることによって、大きなクレームになってしまったり、他社に流れてしまったりする可能性があります。失ってしまった信用の回復は非常に難しいため、日頃から営業フォローができる体制を整えておくことが大切です。

④ 営業フォローは効率が良い

営業フォローは「飛び込み営業」をはじめとする新規のアウトバウンド営業と比較して、効率的で精度の高い営業手法であることも忘れてはなりません。

営業の新規案件を獲得する際、取得したアタックリストをもとに電話や訪問などで担当者に取次ぎをしてもらい、商品・サービスの説明を1からスタートすることになります。もし、相手方が興味を示してくれたとしても、購買のタイミングが合わないなどの理由から受注に至らないケースも珍しくありません。

一方、営業フォロー案件の場合は、既に一度コンタクトを取っていたり、顧客側からアプローチをしてきたりしている案件が多いため、かなり高い割合で先方の担当者と直接連絡を取ることができます。お客様が問い合わせをしてきている場合には、購買のタイミングとしても適切な状態です。

以上の4点を考えると、営業フォローを忘れてしまうことは大変もったいないことであるとイメージしやすいかと思います。

営業フォロー上のよくある課題

経営者やマネージャーが営業フォローの重要性を認識し、個々の営業マンに対して営業フォローを大切にするように指示していたとしても、どうしても営業フォローが忘れられてしまったりおろそかになってしまったりすることがあります。

なぜ現場では営業フォローが忘れられてしまっているのでしょうか?多くの企業や営業組織で実際に起こりがちな営業フォロー上の課題について紹介します。

どのターゲットにフォローすれば良いのか分からない

最初に考えられるのは、どのお客様にアプローチをすれば良いのか分からない、という問題です。このような状態になってしまうのは、以下の原因が考えられます。

  • 顧客情報の適切な管理ができていない
  • 顧客情報の管理が営業マン一人ひとりの感覚にゆだねられていて、ルールが共有されていない

管理すべき顧客情報とは、BtoBの場合は顧客の業界、予算、決裁者、過去の購買履歴、顧客が抱える課題、顧客と自社との関係性、商談やメールのやり取りの内容、営業スタッフの感想などが挙げられます。BtoCの場合は、購買層のエリアや年齢層、性別、過去の購買履歴(来店履歴)などです。

管理すべき顧客情報

これらの情報を、営業活動に活かせる状態で管理することで、適切な層に対してアプローチができます。また、顧客情報を営業マン一人ひとりが個別に管理している場合には、管理がブラックボックス化してしまい、適切なアプローチができているのか否かが、個々の営業マンにゆだねられてしまうことになります。可能な限り情報を共有して、適切なフォローができているかどうかを他のメンバーが把握できるようにしておくことも大切です。

フォローのタイミングが分からない

商品やサービスを購入してもらうためには、適切なタイミングでフォローをすることも大切です。しかし、アプローチ後に連絡のない顧客に対して適切なタイミングでアプローチをするのは難しいものです。また、最適なタイミングでのフォローをしようと試みても、次のような状況からフォローのタイミングが難しく感じられることがあります。

  • メールを送ったものの先方から反応がないため、続けて案内メールを送ることに抵抗を感じてしまう(「しつこい」と思われてしまわないか心配である)
  • 数か月前に商談したばかりであり、連絡をすることは気が引けてしまう
  • 「依頼する際にはこちらから依頼します」と言われたが、先方から問い合わせがないため、連絡できない
  • 多忙であることが分かっていたり不在がちであったりするなど、電話をかけていてもお客様とタイミングがうまく合わずに、フォロー出来ず仕舞いになってしまう

確かに、一方的に連絡をすると「しつこい」と思われてしまうと、取り返しのつかないことになってしまうこともあります。慎重な対応が求められる場面でもありますが、連絡をしないのは機会損失になってしまうため、一定のルールを設けておくことが必要です。

フォローで何をしたらいいか分からない

フォローを行う際に、どのような手段でどのように連絡をするのが良いのかの判断に迷うこともあります。

例えば、電話で営業フォローをする場合には、何らかの伝えたい内容があった方がきっかけになります。「お客様に合った情報を提供したいため」「お客様のお役に立てるキャンペーンの案内のため」「新機能を搭載した新機種が登場したため」など、きっかけとなりうる点はさまざまですが、少なくともお客様の負担にならず、価値を提供できるように配慮する必要があります。

良好な関係性が築けている場合はともかく、そうでない場合には具体的な要件のない電話は敬遠されることが多いです。喜ばれるためには、タイミングよく顧客の悩みや不安を解決したりニーズに応えたりすることです。効果的なフォローをするためにも、案件を丁寧に管理することも大切になります。

忙しくてフォロー出来ない

営業マンは、基本的には毎月短期的な目標を追いかけています。従って、営業フォローを忘れないようにするためには、短期目標と営業フォローを同時に追求しなくてはなりません。

ただし、基本的に営業マンは常に目の前の売上げ目標が最優先事項となるため、新規獲得を優先しようとすればするほど以下の問題が生じてしまいます。

  • 「売れている」営業スタッフは、抱えている顧客が多いため、既存顧客の対応の割合がどうしても多くなってしまい、新規案件の獲得に時間を割けない
  • 新規獲得が思い通りにいかない場合、営業案件のリスト作成などの業務が必要になってしまい、営業フォローのために費やす時間が不足してしまう

営業マンは目の前の目標を達成することが大切であるため、これは正しい行動であるとも言えますが、長期的に見ると営業フォローを継続していくことで、獲得しなければいけない目の前の数字の負担を少しずつ減らしていくことができます。

営業フォロー自動化のポイント

前述した通り、営業マンは目の前の目標達成のためにどうしても時間を割かれてしまう状況になりがちです。その中で、営業フォローを忘れないためにはどのように対策を取れば良いでしょうか?

1つの効果的な対策は、営業フォローを自動化させることです。営業フォローの自動化とは、ITツールや代行業者などを活用して、お客様の状況に応じて自動的にメールやDMなどのフォローを行うことです。

特にITツールを活用すると、お客様の管理と両立できるようになり、営業フォロー忘れが防げるだけではなく、効果的なタイミングで営業フォローが行えるようになります。また、自社にとって精度の高い顧客情報を蓄積できるという利点もあります。利用できるツールの種類としてはMA(マーケティングオートメーション)やSFA(販売支援システム)、CRM(顧客管理ツール)などがあります。ただし、やみくもにITツールを導入すれば良いというわけではありません。ここでは、営業フォロー自動化のポイントについて解説します。

適切なアプローチ手法であること

課題でも紹介した通り、営業フォローをおこなう際に「どのようなことを行うか?」はとても大切なポイントです。営業マンが多忙であるのと同じようにお客様も忙しいため、不要な連絡をしても嫌悪感を持たれるだけです。そして、必要な情報を適切に提供するための大前提となるのが、顧客の動きを捉えることできる仕組みです。

例えば、セミナー告知のホームページを閲覧してくれたものの、申し込みには至らなかった見込み客の情報が自動的に集まるようにしておけば、リストアップされた企業に対してセミナー告知の案内をすることができます。

ここで重要なのは、リストアップした情報は、常に最新の情報が反映される(その後、見込み顧客がセミナーに申し込みをしたら自動的にリストから外れるなど)動的な情報であることです。セミナーの集客具合によって「直前申し込み割引」や「初回限定クーポン」などの施策を併用するのもお薦めです。

なお、見込み顧客の行動は、関心の度合いや段階によって異なるため、適したアプローチ方法もそれぞれ異なります。顧客の行動に合わせた最適の案内をあらかじめ作成し、テンプレート化しておくと、個々の案内についても円滑に進められます。

適切なタイミングであること

近年はデジタル化やインターネット技術の進化に伴い、近年は顧客の行動モデルが変化しています。2011年にGoogleが提唱した「ZMOT」というマーケティング理論は、「見込み顧客は事前に商品についてインターネットで調べており、お店に訪問する前に購入するか否かを決定している」というものです。

そのため、営業マンは、接点を持つ前から見込み顧客の動きについて注意しておかなくてはなりません。具体的には、見込み顧客がインターネットでどのような情報をチェックしていて、どのような情報に興味を強く持つのか?どのタイミングでどんな情報があれば購買につながるのかということを知り、あらかじめ準備しておく必要があります。

例えば、メールが開封されたタイミングで補足説明の電話を掛けたり、商品の詳細ページを訪問した顧客に対して1ヶ月間のみ使用できる割引クーポンを案内したりするなどの対策が取れます。

もちろん、顧客との接触後についてもタイミングは非常に重要です。顧客の購買時期、現在使用しているサービスの契約更新時期、サービスの乗り換えを検討する時期などの情報をキャッチし、管理することができれば最適なタイミングでアプローチをすることができます。BtoBの営業の場合は、年間で予算を組んで次年度の購買をまとめておこなう企業も多いため、タイミングをつかむことの重要性は大きなものです。

自動化のポイントとしては、顧客にとってニーズが発生する前からコンテンツを用意しておき、お客様の興味・関心が高まった段階でアプローチできるようにタイミングを知る仕組みが必要です。メールを開封した、メール内のリンクをクリックした、Webサイトに訪れたなどの情報を掴むことが大切です。

適切なコンテンツであること

ZMOT論理では、見込み顧客は営業マンと接触する前に自分自身でさまざまな情報を得ています。従って、効果的な情報提供をするためには、見込み顧客の行動に合わせた適切な情報をコンテンツとして提供することが必要です。

例えば、ビジネスマナー研修に関するホームページに案内した顧客に対して、重要なことはビジネスマナー研修の案内を分かりやすく、研修の価値が実感できる内容を案内することです。

さらに、マナー研修の発展コースや新入社員研修の案内や個別コンサルティングの案内、現在提供しているセミナーの最新情報を提供することで、顧客の潜在ニーズにこたえられる可能性が高まります。

自社の価値を最大限に発揮できるよう、アップセル・クロスセルも含めて顧客のニーズ・課題に対してアプローチをすることが大切です。

効率よく営業活動を進めるためには営業の自動化が重要

多くの営業マンの業務範囲は、顧客アタックリストの作成から契約後の手続きやアフターフォローまで多岐に渡ります。特に、中小企業の場合は一人の営業マンが担当する業務の範囲が幅広くなったり、業務が属人化したりする傾向が見られます。

このような状況下で効率よく営業活動を進めるためには、自動化できる部分を自動化することが重要です。今回は、営業フォロー忘れを防止して収益を高めるという観点から、営業フォローの自動化を中心に紹介をしてきました。

ITツールの活用により、営業フォローが自動化されれば、営業マンは本来行うべきである顧客とのコミュニケーションに時間を割けるようになります。また、効率的かつ効果的なフォローが自動的に実行されることにより、自動化では対応しきれない顧客の個別の悩み・疑問への問い合わせに集中することも可能になります。

「自動化」というと、ネガティブな意味での「マニュアル化」「画一化」を懸念されるかも知れませんが、むしろ自動化をすることで個々の案件に対して細かな対応ができるようになります。

まとめ

営業フォロー忘れへの対策は重要です。営業フォロー忘れによる機会損失を数値化するのは難しい面がありますが、顧客からの購買機会だけでなく、顧客からの信頼や従業員のモチベーションなどさまざまな部分に影響するため、その大きさは計り知れません。

効果的な対策としておすすめしたいのが、ITツールを活用した営業フォローの自動化です。最適な内容を最適なタイミングでアプローチすることができれば、受注につなげられる可能性がグッと高まります。

営業マンの営業活動をより楽にする 営業シーン別 営業自動化のヒント」では、営業活動で感じるお悩みに合わせて営業の自動化の方法について解説しています。自動化の仕組み作りのヒントになりましたら幸いです。

    営業シーン別 営業自動化のヒント

佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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