営業力を強化するために営業研修を行う意味とは?

営業力 営業研修

昔も今も、企業の経営課題として営業力の強化は大きなテーマです。
2014年に学校法人産業能率大学が行った調査によると、中小企業が取り組みたい課題として「営業力の強化」を挙げる企業は35.9%であり、回答の一位となっています。

企業の営業力を強化するためには、自社の営業戦略面の強化と、個々の営業マンの能力向上を施策として行うことが必要です。

昨今は、営業3.0第4次産業革命VUCAの時代という言葉が飛び交うように、インターネット、AI、IoTなどの登場で、ビジネスの環境やビジネススタイルが急速に変わりつつあります。

時代の転換期であるため、営業マンは旧来の価値観や営業スタイルも意識しながら、新しい時代に必要なスキルや知識、振る舞いも身に着けていかなくてはなりません。今後、営業マンの教育研修はさらに重要になってくると言えるでしょう。

今回は、主にこれからの時代に適した営業研修について解説します。

営業研修とは?

営業研修とは、自社の営業力を強化するために、営業マンにスキルや知識を身に着けさせる研修です。社員教育は大きく分けると、OJT、集合研修、Eラーニングの3種類があります。

営業は他の職種よりも持って生まれた個性、行動特性、対人関係能力が影響することが多いため、どうしてもOJTだけだと能力にばらつきが出る傾向があります。

そのため、一定レベル以上に全営業マンをレベルアップさせるためには、定期的に営業研修を行う必要があります。営業研修のおもな目的は以下の3つです。

・営業マン全員の能力の底上げ
・営業マンのモチベーション向上
・営業マンの能力向上による売上げ拡大

一口に営業マンの能力向上といっても、業界や企業によって営業マンに求められる能力はかなり異なります。近年の営業研修のコースも昔より細分化されていますので、基本研修以外に、どの課題にどの研修を採用していくかがポイントになります。

なぜ営業研修が大切なのか?

ビジネスマンは、営業に関する本を読むよりも、商談現場に出向くほうが大きな学びを実感することが多いかもしれません。そのため、ともすれば時間を拘束され、すぐ成果が出るかわからない研修を軽視しがちな傾向もあります。営業マンもこの例外ではありません。しかし、これからの時代営業研修はより重要になってていくでしょう。

なぜなら、顧客が変化し、ハイスピードで成長しているからです。

営業マンに求められる能力が、昔よりはるか高い時代

インターネットの登場は、あらゆる業界、職種のビジネスの構造を変えました。また、現状のテクノロジーの進化の速さを見ると、今後もより急速に変化し続けることが十分に予測できます。

営業の世界もこの影響をもろに受けています。最近の顧客は、一次情報をかなりの範囲でインターネット上から収集できます。SNSや口コミサイトなどを活用すれば、企業や商品のこれまで表にでなかった長所、短所まで把握することが可能なのです。

以前は、お客様の情報入手経路が限られていたため、ちょっとした商品比較表を作成し届けるだけで顧客から喜ばれたこともありましたが、近年は、情報の整理整頓が苦手なお客様以外からはそれほど高く評価されないでしょう。

情報収集力のあるお客様に「会う価値のある営業マン」と思ってもらうためには、お客様に合ったリアルな事例を持っていたり、営業マン個人が、市場が今後どのように変化するかを予測できたりするなど、何かプラスアルファの要素が必要です。例えば、マーケティングやアナリスト的なセンスがあれば歓迎されるでしょう。

もちろん、それ以外の強みでもよいのですが、営業マンに求められる能力が総じて高くなっている以上、営業のレベルを上げていくことは非常に重要です。

コミュニケーションツールの変化

「いきなり電話をするのは失礼、メールを先に送るべき」という若者の意見が、最近ネット上で論議を巻き起こしました。若い世代には、新たなビジネスの常識が生まれつつあるようです。

さまざまなITツールの登場により、お客様とのコミュニケーションスタイルも変化しています。新規開拓のアプローチは多少限定されますが、2回目以降となると、電話、訪問、メール、各種ビジネスチャットなどを使いこなす必要があります。

今後は、AIを搭載した画期的なツールがどんどん登場してくるでしょう。今の営業マンはデジタル社会の変化についていけるようにITツールについての最新情報を常にアップデートする必要があります。

旧来の世代と新しい世代が混在する時代

新しい時代に合わせることは、若い世代の営業マンならたやすいことかもしれません。しかし、今しばらくは旧来の世代も存在し続けます。50代以上のお客様であれば会うことに意義を感じる人もたくさんいます。彼らが購買決定者であるうちは、若い営業マンには逆に、旧来のビジネスマナーなども教育する必要があります。

人生100年時代と言われはじめ、定年がどんどん延長され、高齢者が第一線で働き続ける可能性も出てきています。「電話が怖い」という若者も増えていますが、もし高齢者世代が顧客層であるのなら、電話での営業力を高める必要があるのです。

効果的な営業研修の種類

ここでは、基本研修、テーマ別研修のなかで効果的な営業研修の例を紹介します。

基本営業研修

近年は営業を分業化している会社も増えていますが、テレアポ、商談、クロージング、フォローアップなどの基本スキルを研修することは大切です。新人営業マンであれば自分の仕事の全体像をつかむことができます。

中堅営業マンも時間とともにビジネスマナーがおろそかになっていたり、振る舞いにその人なりのクセが出たりしているケースがあります。また、苦手な仕事を避けてきていると一部のスキルが欠落している場合もあります。

例えば、新規開拓営業に苦手意識がある中堅営業マンは、アポイントを取得するときに「面白いと思っていただければ前に進めていただきたいですし、そこで興味なければきっぱりお断りいただいて結構ですので…」と表現するなど、クッション言葉を工夫することでアポ率や見込み客の精度が向上することを知らないかもしれません。

飛び込み営業でドアを開けたときに相手が驚いて引いたら、自分も1歩後ろに引いて相手を安心させるなどの、いわゆる小さなコツを知らず、損をしている場合もあります。新人はもちろん、中堅営業マンの研修にも基本営業スキルを入れることで、営業スキルの土台が強化されます。

営業戦略・営業戦術の研修

具体的には、KPI、パレートの法則、ランチェスター戦略などの営業戦略や営業戦術を学ぶ研修です。成果を上げるために、どのクライアントに集中すべきか、どう時間管理すべきかなどを自覚するようになるとともに、営業マンとして一段高い視座を得ることができます。

プレゼンテーション研修

自分が営業中にどのような表情で話しているのかを知る機会は、意外にないものです。ちょっとした表情や仕草のために、落ち着きや自信がなさそうに見えて損をしている営業マンもいます。一度客観的に自分の姿を確認し、お客様に堂々と提案できるようになるためにもプレゼンテーション研修などで訓練することも大切です。

客観的に見てもらえるお客様がいないとなかなか実施できないタイプの研修なので、集合研修もしくはWeb会議ツールなどを通して研修するとより効果的です。

デジタル時代のコミュニケーション

近年は、次から次へと便利なコミュニケーションツールが登場しており、お客様ごとに好むツールも異なります。電話であれば、相手の始業時間からすぐの時間はかけない。メールでは「お世話になっております」などの挨拶が必要で、文章は3行くらいで改行して読みやすく書く。

ビジネスチャットは挨拶不要で要件を端的に述べるなどの、一般的な使われ方、マナーを押さえておくとトラブルを回避でき、お客様からの信頼度も増します。

マインドセット研修

営業にとってメンタルコントロールは大切なスキルです。新規開拓において拒否されることは数多くあり、既存のお客様からクレームを受けることもあります。何より、目標を達成しなければいけないというプレッシャーが常にかかっています。ストレスフルな仕事であることは事実です。

だからと言ってちょっとしたことで心が折れて落ち込んでしまうと、行動量が落ち営業成績も当然低下します。営業マンにとって自分自身でモチベーションを維持できるスキルは必須だと言えるでしょう。

ただ、無理やりモチベーションを上げるような研修は、しばらく経つと効果が消えてしまいます。しっかり心理学の知識を理解したうえでテクニックとして使えるような研修が効果的です。マインドセットだけでなく、コーチング、カウンセリング、セルフ・エフィカシー研修などもお薦めです。

オーダーメイド型研修

営業研修の理想は、やはりオーダーメイド型研修だと言えます。なぜなら、業界はもちろん、BtoBかBtoCか、代理店営業か直販か、新規開拓営業(電話、メール、Web問合せ対応、展示会・セミナー集客)か既存顧客営業かなど、その企業によってかなり営業スタイルに違いがあるからです。さらに、企業ごとに抱えている課題も異なります。

一般に営業研修の内容が課題となるのは、一つの業界に特化した講師の研修であったり、どの業界でも通用するカリキュラムにするために内容が浅くなったりするためです。できれば、研修会社と事前に打ち合わせを行い、オーダーメイドの研修を行うことが望ましいと言えます。

新人から中堅までの営業マンには、まず営業における基礎スキルや心構えが必須になってくるため、「基本営業研修」や「コミュニケーション研修」「マインドセット研修」「オーダーメイド型研修」が効率よく営業の基礎を身につけることができ効果的です。

ベテランの営業マンには、商談やプレゼンテーションでお客様に伝えたいことを理解してもらう力を養うために「プレゼンテーション研修」、自らの営業戦略や組織をより目標達成に向かって管理できるように「営業戦略・営業戦術研修」を受講してみることがおすすめです。

営業研修を継続的に行う方法

集合研修で専門的な内容をその道のプロの講師から学ぶことは大切です。多くの社員を同じタイミングで研修できるので、営業マン同士の知識のばらつきを防ぐ効果も期待できます。

ただ、営業研修は一度だけでなく継続的に行うことが望ましいと言えます。心理学者のヘルマン・エビングハウスの「忘却曲線」をご存知の方もいると思いますが、人が覚えた知識を忘れるスピードはかなり速く、1時間経つだけでもかなりのことを忘れます。そして、再度覚え直すためにはそれなりの時間を要します。やはり復習することが大切です。

しかし、主業務である営業活動を抱えている営業マンはどうしても時間的な制約があります。解決策として、研修の内容によって集合研修と、Web会議ツールでの研修やEラーニングを使い分けると効率的です。

集合研修の後のフォローアップ研修、自社の営業マネージャーが講師を務めることができる研修などは、内容によってはWeb会議ツールを有効活用するとよいでしょう。

営業マンにとっても自分のデスクで受けることのできるWeb研修は手軽です。研修に対する敷居が低くなり、学習に対するモチベーションが上がることも期待できます。営業拠点が多い場合は、交通費や時間コストの削減にもつながります。

まとめ

企業の営業力を向上させるためには、営業戦略、引いては経営戦略が重要であることは言うまでもありません。しかし、近年はVUCAの時代と言われています。戦略そのものが非常に立てづらく、且つ、立てても時代の変化に合わせ、迅速にその戦略を変えていく必要があります。

そんな時代は、最前線で営業している営業マンのスキルや、感性や潜在的な能力をいかに伸ばしていけるかが勝負になります。もちろん、現場だけではなく営業マンを支援する組織体制の変革も同時に行うことが重要です。

今後は、営業マンの教育に積極的に投資し、営業マンからのボトムアップをスピーディに戦略構築に活かしていける企業こそが、競争力を高めていくと言えるでしょう。 セールスハックスでは、デジタル時代に営業マンが身に着けておくべき営業スキルのチェックができる営業スキルチェックシートを無料で提供しています。営業マン個人のチェック、営業部門全体のチェックの両方が可能です。お気軽にダウンロードしてご利用ください。

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