あなたのビジネスに合った見込み客分類法は?

見込み客分類法

セールスハックスブログの第一回では急成長を続けている新しい営業スタイル「インサイドセールス」についてお伝えしました。
インサイドセールスとは、主に電話やメール、ウェブサイト、ダイレクトメールなどを用いて、見込み客や顧客に対して営業活動を行う手法です。
セールスハックスでは「訪問前の営業活動」と呼ぶこともあります。
コストダウン、効率化、売上増など、さまざまなメリットがあるインサイドセールスですが、何よりも一番のポイントは「潜在見込み客を長期的に育成できる」ということです。
やみくもにインサイドセールスを始めるのではなく、まずは見込み客についての考え方やアクションを整理する必要があります。
今回は、そのヒントとなる分類法をご紹介します。

見込み客が絞り込まれる様子を図式化してみよう

ひとつのやり方は「セールスファネル」を作るというものです。
ファネルというのは、日本語では漏斗(じょうご)のこと。
瓶などに液体などを移す時に使う、あの漏斗からきています。
ターゲットが最終的に顧客にまで絞り込まれていく過程を表現しています。
下の例では、7つに分類をしてみました。今回は売り手側、つまり皆さんの立場に立った書き方をしています。

  • まだ商品やサービスを知らないターゲット層
  • サイトにアクセスをしてきたが、連絡先がわからない
  • 連絡先がわかっている
  • 連絡をしたが、まだニーズがわからない
  • 連絡をし、ニーズがわかったが、まだ購入の時期ではない
  • 今すぐ客(顕在顧客)
  • 顧客

7層の顧客層 再トリミング (1)
それでは、ひとつひとつのグループについて詳しく見ていきましょう。

1. まだ商品やサービスを知らないターゲット層

Action・・・広告
今後、広告などにより自社製品を知ってもらい、ウェブサイトにアクセスをしてもらうなど、何らかの接点を持ちたいグループです。
このグループとどうやったら接点が持てるかという視点で、プロモーション活動やウェブサイトのコンテンツを企画していく必要があります。

2. サイトにアクセスをしてきたが、連絡先がわからない

Action・・・コンテンツの充実
何らかの関心があるため、ウェブサイトにアクセスをしてきたと思われるグループです。
アクセス解析ツールを見れば、どんなページを見たか、どんなキーワードでサイト内検索しているか、どのサイトから来たのかなどの、基本的な情報はわかりますが、連絡先がわからないため、直接アプローチができません。
そのため、連絡先を取得する工夫が必要がです。
ニーズにあったコンテンツを充実させ、ダウンロードにつなげるのも一案です。
潜在顧客の育成の第一ステップです。

3. 連絡先がわかっている

Action・・・閲覧情報からニーズを推測し、アプローチ
連絡先がわかっているものの、まだアクションを取っていないグループです。
グループ2から絞り込まれてきた他に、以前行ったキャンペーンやイベントなどで得た連絡先もあるかもしれません。
このグループについては、すべてにアプローチをするのか、どのようにアプローチをするのか、伝えるメッセージを変えるのかなどを、決めていく必要があります。
ツールを利用し、連絡先とウェブサイトの閲覧情報を連携できれば、閲覧したページによって関心事を推測することが可能になり、より効果的なアプローチをすることができます。

4. 連絡をしたが、まだニーズがわからない

Action・・・戦略的な連絡の継続とヒアリング
メールや電話で連絡をしたものの、返信がないなどの理由でまだニーズがわからないグループです。
ヒアリングをするために、戦略的に連絡を続けることが大切です。
連絡の回数などで、さらにアクションを細分化することもできます。
メールが開封されているか、メール内にあるリンク先をクリックしたかがわかれば、ニーズも見えてきます。
無反応のグループについては、いつまで連絡をし続けるのか、育成を続けるのかの判断をします。
メールの開封時間、サイトの閲覧時間などから、メールを見てもらいやすい時間、電話がつながりやすい時間などを見つけ出すことも必要かもしれません。

5. 連絡をし、ニーズがわかったが、まだ購入の時期ではない

Action・・・問題提起/事例の提示によるフォロー
連絡をした結果、ニーズが見えたものの、すぐに購入する予定がないグループです。
メールへ返信があったり、電話で直接話すことができたりした場合は、対話が始まり、商談につなげていきたい重要なグループとなります。
体制によってはここで外勤営業チーム(フィールドセールスチーム)に引き継ぎます。
引き続きインサイドセールスチームで、購入のバリアとなっていることや、課題について掘り下げる場合もあります。
購入の時期がかなり先の場合は、引き続き育成していくこととなります。
具体的には、問題提起や事例の提示などのフォローを行い、見込み客の意識を変えていきます。

6. 今すぐ客(顕在顧客)

Action・・・クロージング
セールスハックでは「今すぐ客」と呼んでいる、いわゆる顕在顧客のグループです。
具体的に購入を検討しており、顧客側で候補商品の精査が終われば、購入をしてくれるグループです。
訪問型営業で手厚くフォローをし、クロージングをしていきます。

7. 顧客

Action・・・リピートのための育成
めでたく顧客になっていただいたグループですが、リピートしていただくために、ケアしていく必要があります。
新製品や関連サービスについての育成をおこなう場合もあります。
定期的に状況をチェックし、隠れたニーズや不満を拾っていくことも必要です。

ほとんどの段階で育成が必要

グループ1~7のうち、濃い緑色でハイライトした2~5は育成が必要なグループです。
グループ1とはまだ接点が持てておらず、顧客にはリピートしてもらうための育成が必要と考えると、ほとんどの段階で育成が必要ということがわかります。
また、効率的に行うために業務フローとアクションについてきめ細かに設定することも大切です。

いかがでしたか?
ぜひ、これを参考に皆さんの場合の見込み客分類を考えてみてください。
次回は、実際にアプローチをするときに役に立つ「著名人や大企業トップにも会える!面識のない相手に初めて出す“営業メール”の書き方」です。

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原誠