自動メール送信を活用して営業効率をあげる方法

自動メール送信

営業マンは1日に新規開拓のメール、連絡メール、リマインダーメール、お祝いメール、見積書の送信など、さまざまな営業メールを送信します。メールも大切な営業活動ですので、内容はもちろん送信するタイミングに気を使い、メールの作成~送信にかなり時間を費やしている営業マンも多いのではないでしょうか?

そこで、今回は自動メール送信を活用してメール業務を楽にするノウハウをご紹介します。営業マンが日常的に活用しているメールソフトのちょっとした便利機能を知っているだけで仕事が速く進むようになります。ITがやや苦手な方もぜひご覧ください。

自動メール送信とは 

自動メール送信とは、事前に日時を指定してメール送信したり、特定の内容のメールに対して自動で返信するメールのことを指します。自動返信メールは、以下のようなシーンで活用できます。 

活用シーン:

  • お客様のお誕生日メール(BtoCの場合)
  •  リマインダーメール(アポが取れた日に設定しておく)
  •  時差のある海外のお客様へのメール
  •  土日祝・夜の時間帯に送信する場合
  • メールでの営業日報の送信
  •  GW、夏季休暇、年末年始のメール返信
  • イベント開催の告知・開催後のフォローメール
  • メールマガジン(時間帯まで指定) 

メールの自動送信方法を覚えると、メール業務が早め早めに完了します。自動メール送信は、Outlook、Gmailなどでも設定できます(後半で手順を解説します)。

なぜ自動メール送信が大切なのか

営業活動を効率化させるために、自動メール送信を活用することはとても重要です。最近は、SNSやチャットに慣れてビジネスのスピード感が速い人が増えているので、営業メールもタイミングよくすぐ送信したほうが印象もよく、開封率も高くなる可能性があります。

しかし、営業マンは移動や商談などでタイミングよくメールを送れないことが多く、業務が一段落した夕方から夜にかけてメールを作成・送信している人もいると思います。 当然、作成し終わった時間は遅くなります。

「ちょっとこの時間に送信するのは失礼かな……」と考慮して、明朝に送るために一旦下書きに保存→朝に送信しているケースもあると思いますが、これだけでもかなり時間をとられる作業です。

自動メール送信機能を使えば、メール作成時に「〇月〇日8:00」と送信時間を設定するだけでタスクが完了します。送信する時間帯にPCの前にいたり、スマホを取り出す必要はなく、朝から商談に出かけることもできます。

商談のリマインダー、お客様の記念日メール、メールマガジン発行などの予定がはっきりしているメールは早々と作成~送信設定してタスクを完了すれば、仕事の段取りもよくなりますし「〇日ごろメールを送信しなければ……」と気にかける必要もなくなるので、仕事への集中力も増すでしょう。

2020年の日本ビジネスメール協会の調査では、ビジネスマンが「メールに費やしている時間は毎日2時間29分」だそうです。(出典:「ビジネスメール実態調査2020」)。数多くのお客様を抱えている営業マンはもっと時間がかかっているかもしれません。

営業メールテンプレートを活用して「作成時間」を、自動メール送信を活用して「送信作業時間」を短縮し、営業メール業務を効率化していきましょう。

自動メール送信の種類

自動メール送信には「日時を指定して予約送信するメール」と「条件に応じて自動送信するメール」の2種類の方法があります。 

時間を指定した予約送信メール

予約メール送信とは、例えば、8月1日10時00分と日時を前もって指定してメールを自動送信することです。前述のとおり業務が効率化できるだけでなく、お客様にとってタイミングのよい日時を想定してメールを送信できるメリットがあります。

メールは電話ほどは迷惑がられませんが、受け取る時間帯によってはストレスを感じることもあるツールです。至急の内容なら即メールすべきですが、メールマガジンや情報提供、ましてやプロモーションメールなら、できるだけ読んでもらえそうな時間帯にメール送信することが開封率を上げることにもつながります。日時設定はとても有効な機能なのです。

条件に合わせた自動送信メール

自動送信メールには、自分宛てに届いたメールの内容に応じて自動返信できる機能もあります。 休暇中や不在時の自動応答メールが一般的ですが、より細かく条件を指定して「件名」「送信者」「メールに含まれるキーワード」に応じて自動メールを送信することもできます。返信するメッセージのテンプレートを何種類か作成しておくと便利です。

例):

  • 休暇や不在時の自動応答メール → 期間を決めて全員にメール自動返信
  • ウェビナー参加希望者にのみ返信するメール → 件名に「ウェビナー参加」とある場合に自動返信

送信予約メール送信方法の紹介

ここでは、GmailとOutlookで送信日時を指定して「メールを予約送信する」手順を解説します。 

Gmailの場合

【手順】

1. まず、Gmail 画面を開いて左上にある「作成」をタップします。

Gmail①

2. メール本文を作成したら、左下にある「送信」横の「▽」をタップします。

Gmail②

3.「送信日時を設定」という文字が表示されるのでタップ→以下の画面が表示されます。

Gmail③

 4. 候補の日程を選択or「日付と時間を選択」をタップしてカレンダー画面で日時設定。

Gmail④

5. 最後に、右下の「送信日時を設定」をタップすれば完了です。Gmailは最大 100 件のメール予約送信を設定できます。

参照:Gmail

Outlookの場合

次に、Outlookでメールを送信予約をする手順を解説します。フリーメールのOutlookは設定できませんが、PCにアプリケーションをインストールしている場合は可能です。事前にOutlookを起動させておく必要があります。

【手順】

1. まず、新規メッセージを作成し、上部の「オプション」をタップします。

Outlook①

2. 次に、一つ下の段の右端にある「・・・」マークをタップします。     

Outlook

3. 表示されたメニューから「配信タイミング」をタップ→以下のプロパティ画面になります。中ほどにある「配信オプション」で、送信日時が指定できます

Outlook②

4. 右下にある「閉じる」をタップします。

5. 最後に、新規メッセージ画面にもどり「送信」マークをタップすれば設定完了です。 

Outlook③

※作成したメールは送信トレイに保存されて指定日時に自動送信されます。

送信予約メールの設定は、GmailでもOutlookでも簡単です。直近はもちろん翌年以降の予約もできますのでリマインダー、メールマガジン、お客様へのお祝いメールなどいろいろなシーンで活用してみましょう。覚えてしまうと「なぜ、もっと早く使わなかっただろう?」と思うくらい使い勝手がよい機能です。

条件に合わせた自動送信メール(不在時の自動返信メール)

次に、土日祝日や長期休暇の際に活用できる「不在時の自動返信メール」の設定方法を解説します。

Gmailの場合

【手順】

1. Gmail画面をひらき、右上部にある「設定」のマークをタップ

Gmail不在時の自動返信メール①

2.「すべての設定を表示」→「全般」の画面を一番下までスクロール →「不在通知」という項目をONにします。同じ画面で自動返信する期間を設定し、自動返信用メールの件名とメッセージも入力します。

Gmail不在時の自動返信メール②

3. 最後に「変更を保存」して完了です。

参考:Gmail

Outlookの場合

Outlook不在時の自動返信メール①

Outlookはメール アカウントの種類によって、「ファイル」をタップすると以下の2種類の画面どちらかになります。ここでは左側の「自動応答ボタン」が表示されている画面からの手順を解説します(表示されていない場合の手順は、こちをご参照ください)。

【手順】

1. 「自動応答」ボタンをタップします。

2. 「自動応答」ボックスで、「自動応答を送信する」を選択。希望の期間を設定し、その下にあるフォームに自動返信用のメッセージを入力します。

Outlook不在時の自動返信メール②

3. 最後に「OK」をタップすれば設定完了です。      

※もし「自分の所属組織内」または「自分の所属組織外」のタブが表示されている場合は、どちらか選択します。

参考:Microsoft

特定の条件に合わせた自動送信メール送信(中級者向け)

Gmailで、特定の条件のメールにのみ自動返信する方法を紹介します。例えば、見込み客からの問い合わせや「デモ申し込み」「見積もり依頼」「商談依頼」など、重要なメールに24時間365日対応できるようにすると便利です。

【手順】

1. まず、Gmail画面の右上部にある「設定」のマークをタップします。

Gmail特定の条件に合わせた自動送信メール送信①

2. 「すべての設定を表示」→「詳細」をタップ→中ほどにある「テンプレート」を有効にします。

Gmail特定の条件に合わせた自動送信メール送信②

3. そのまま一番下にスクロールし「変更を保存」します。

4. 次に、自動送信する「メール文のテンプレート」を作成します。通常と同じようにメールを新規       作成して完成したら、新規メッセージの右下にあるメニューボタンをタップします。 

Gmail特定の条件に合わせた自動送信メール送信③

5. メニュー表示から「テンプレート」をタップ。

Gmail特定の条件に合わせた自動送信メール送信④

6. 「下書きをテンプレートとして保存」→「新しいテンプレートとして保存」と進むと、テンプ   レート名の入力画面が出るので,、好きな名前をつけて保存します。

Gmail特定の条件に合わせた自動送信メール送信⑤

7. 今度は、どのような内容のメールに自動送信するかを、条件設定します。「設定」→「すべての設定を表示」→「フィルタとブロッ ク中のアドレス」と続けてタップ → 中ほどにある「新しいフィルタを作成」をタップ。

Gmail特定の条件に合わせた自動送信メール送信⑥

8. 以下の条件指定画面が表示されます。「件名」「キーワード」「送信者」などの自動返信したいメールの条件を設定します(例:オンラインデモ希望者に対応したい場合は件名に「デモ希望」と設定)。

Gmail特定の条件に合わせた自動送信メール送信⑦

9. 画面の右下「フィルタを作成」タップします。

10. 以下画面が表示されるので「テンプレートの送信」をチェック → 自分が作成したメール文のテンプレート一覧から、送信用メッセージを選択します。

Gmail特定の条件に合わせた自動送信メール送信⑧

10. 右下の「フィルタを作成」をタップすれば、設定完了です。

この手順で、さまざまなキーワードで条件指定して自動メール返信ができます。「デモ希望」「オンライン商談希望」などのメールに対しては、返信メッセージ内にお客様がスケジュールを選べるアプリのURLを入れておくと、休暇中でも自動的に商談を入れることができます。

売上げに繋がる自動メール送信を行うためには

自動メール送信はとても便利な機能ですが、だからと言ってただ自動メールを送信しても大きな成果にはつながりません。特に高額商材やBtoB商材については、メールは営業マンが電話で見込み客と話す前の信頼関係づくりを担います。メールで信頼を積み重ねていくことが大切です。

お客様の行動に合わせたタイミングでの自動メール送信

メールは、いつごろなら歓迎されるかを意識して送信することがポイントです。例えば、業務連絡のメールなら相手の就業時間の前後1~2時間までが目安と言われます。

メールマガジンなら、BtoBであれば平日の朝一よりはお昼過ぎの方が読む時間があり、BtoCの場合はむしろ平日の夜、土日のほうが見てもらえる可能性が高くなるかも知れません。商材とコンテンツの種類でも異なるので、あくまで自社でよく考えることが大切です。

スピード感も大切です。お問い合わせが来た見込み客に1週間後、2週間後にメールを送っても、すでに知りたいテーマを調べ尽くして興味関心は変わっているかも知れません。検討の早いお客様なら、もう他社での購入を決めていることもあります。

リアルな営業で「1番早くきた営業マンだから」と決めるお客様が少なくないように、オンラインでも先着順の決定はありえます。商品・サービスに差がない場合は営業マンの対応の速さがセールスポイントになるからです。

適切なターゲットに対しての自動送信メールを送信 

WebサイトのA商品のページを見て問い合わせがあった場合、Aの商品に関連する情報に関心がある可能性は高いと言えます。面識がなくても、Webサイトを訪れたぺ―ジである程度はお客様の課題は推測できます。

近年はWebサイトの事例ページを閲覧したり、メールのURLをタップしたお客様の行動に合わせて自動的に資料を送信できるITツールもあります。よく訪れるのはどの商品ページなのか?読み物コンテンツなのか?事例ページなのか?それによってebookや事例集など提供コンテンツを変えて送信するなど、適切なターゲットに適切な情報をメール送信すると効果的です。

お客様のニーズに合わせたシナリオの設計を行う

リアルの営業では最初は挨拶から始まって、課題をヒアリングしながら何回か対話を重ねて、信頼関係をつくった上で提案していたと思います。メール営業でも同じです。手順を踏んで人間関係を作っていく必要があります。

最初から売る気満々のメールを送信していると「いや、ちょっと興味があって資料をDLしただけなのにあまり期待されても困る……」「ウェビナーで勉強したかっただけなのにガンガン営業メールがきて驚いた……」と、お客様によっては困惑してしまうかも知れません。

もちろん、検討が進んでいるケースもあるので一件一件の見極めは難しいのですが、まずは基本的な情報提供 → 課題を認識してもらう → そこから個別の課題を掘り下げる順番で送信していくと検討を急いでいるお客様も、情報収集中のお客様も安心すると思います。

AIDMA、AISASなどの購買行動モデルも参考にしながらシナリオを設計してみましょう。

【付録】メールの開封・リンクのクリックを知るためのツールの紹介

近年では、さまざまなITツールが登場してきました。例えば、メールマガジンを簡単に送信できるような「メール配信ソフト」、マーケティング担当者のメールマーケティングをWebサイトの分析など含めて俯瞰的に管理することができる「MA(マーケティングオートメーション)」、一斉メールだけではなく、営業マン1対1の個別フォローに活用できる「営業支援ツール(セールスエンゲージメントツール)」が挙げられます。

今やメールは、営業活動では欠かすことのできないコミュニケーション手段です。しかし、それと同時に現在の見込み客はさまざまなコミュニケーションチャネルから、膨大な量のメッセージに接しています。

そのため、自身に関係のない情報を取り入れるのを避け、より自分の興味・関心のある情報や自分ごとに感じられる情報を取り入れる傾向にあります。営業活動においても、見込み客に興味関心を持ってもらうことができるメッセージを届け、信頼関係を構築し、案件化へとつなげていく必要があります。

その際に、お客様の反応がわかるITツールを活用することで、見込み客がどのメールに反応をしたのか、そしてどのリンクに反応をしたのかを知ることで、よりお客様の興味・関心のある事柄を把握し、寄り添っていくことができます。

例えば、セールスエンゲージメントツールである「Digima」では、送信したメールの開封、メール内のリンクのクリック、さらには過去に送ったメールの再開封まで知ることができます。反応があったタイミングで営業マンに直接通知がいくため、タイミングの良いフォローを簡単に行うことができます。

Digimaタイムライン

また、営業マンは日々忙しく、目の前のお客様の対応があるため、お客様が反応があったタイミングで営業フォローを行うことができない場合があります。その際は、営業自動化(セールスオートメーション)の活用も重要です。

設定した条件になると自動的に、前もって組んでいたメールが自動的に送信されます。営業自動化のポイントとしては、営業マンの行動により、自動メールが送られるワークフローが自動的に止まることです。

営業活動は、見込み客や営業マンの動きで常に状況は変化します。そのため、これまでのMAのように決められたワークフローが終わるまで継続して送信されるのではなく、「営業マンが見込み客と電話が繋がったら止まる」「顧客のステータス(状態)が『商談設定済み』に変わったら止まる」など、営業マンの行動に寄り添った自動化が重要になります。

セールスオートメーション

※画面は開発中のものになります。(セールスオートメーション機能は2020年8月上旬リリース予定)

 まとめ

近年はテレワークが普及したおかげで営業マンの「移動時間」が減り、Web会議やテレカンのおかげで「社内会議」も効率的になりつつあります。自動メール送信を活用して「メール」業務もぜひ効率化していきましょう。自動メール送信はいわば小技(コワザ)ですが、覚えるとすぐ営業スキルが向上します。お客様へのレスポンスが高速になり、不在時の問い合わせへの対応力も万全、細やかなフォロー力もつきます。一つ覚えるだけでたくさんのメリットがあるので活用してみてください。

営業マンの営業活動をより楽にする 営業シーン別 営業自動化のヒント」では、営業活動で感じるお悩みに合わせて営業の自動化の方法について解説しています。自動化の仕組み作りのヒントになりましたら幸いです。

    営業シーン別 営業自動化のヒント

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