日々の営業活動において、情報を素早くやりとりできるメールは今や欠かせないものとなりました。みなさんも普段から活用しているのではないでしょうか。
日本ビジネスメール協会が2018年に行った調査では、仕事で使っている主なコミュニケーション手段の1位は「メール」との結果が出ました。しかしながら、膨大な数のメールを受信すると、その処理に追われて結果的に営業生産性が下がることにも繋がりかねません。
また、現在さまざまなメーラーが存在していますが、同調査によると仕事で最も使われているメーラーは「Gmail」でした。多くの営業担当者が利用しているGmail。使いやすい形にカスタマイズすることで、効率よくメールを管理できて、営業生産性の向上が期待できます。
今回は、営業の生産性向上を目的としたGmail管理術を解説します。Gmailを初期設定のまま使用していて不便さを感じている方、メールを上手に管理して営業効率を上げたい方はぜひ参考にしてみてください。
メール管理とは
メール管理とは、日々送受信されるメールを、必要なメールや不要なメールと区別するなど効率的に仕事を進めていくためにメールを整理整頓することです。
仕事におけるメールは、大きく3つに分けられます。「すぐ返信する必要があるメール」「情報共有や報告など情報をじっくり読み込むべきメール」「(SNSやツールからの)通知のメール」の3つです。
特に、受信画面の見え方や設定を何も変更していないと、受信したメールが時系列に並び続けることになります。その場合、すぐに返信する必要があるメールなのか、通知のメールなのか、そのメールがどのようなメールなのかがわからなくなってしまいます。
一目見て、どのようなメールなのかを判断できるように設定しておくと、重要度の優先順位をつけれるようになるはずです。
メール管理はなぜ大切なのか
休み明け、会社に出社して溜まったメールの件数をみて、驚いたことはありませんか?営業職であれば、取引先の担当者とのやり取りや社内の情報共有のメール、他社からのメルマガや営業メールなど多種多様なメールが届いていることでしょう。
その中には返信がすぐに必要なものもあれば、そうでないものも混ざっているはずです。あまりに受信するメールの量が多いと、どのメールに何を返信したかわからなくなったり、過去のメールを見つけ出すのが難しくなったりします。場合によっては、重要な取引に関するメールを見逃してしまうこともあるかもしれません。
メールはコミュニケーションの手段です。返信が必要なメールには、確実に返信しなくては信頼を失ってしまうことにもなりますし、取引の機会を失ってしまうことにも繋がります。そのため、大切な情報を含むメールとそうでない情報を含むメールを適切に仕分けておくことが重要なのです。
メール管理の効果的な方法
いざメールを管理し始めようと思っても、どこから手をつけていいかわからないものです。さらに、管理方法の好みはひとそれぞれ異なります。そこで、ここでは効果的な方法を2点ご紹介します。ご自身に合った方法を参考にしてみてください。
必要のないメールは削除して受信ボックスに必要なメールだけ残す
必要のないメールを削除して受信ボックスには必要なメールだけを残す。シンプルですが、メール管理の手法で有効な方法の一つです。
メールの整理をはじめよう、継続して整理していこうと思っても、どうしても受信ボックスに多くのメールが存在してしまうと仕分けしづらくなってしまいます。そのため、受信したメールを確認する際に必要のなさそうなメールを削除していってもよいでしょう。
一方で、重要なメールまで消してしまわないように気をつける必要があります。また、メールの表題を見ただけでは内容が確認できない場合、メール本文の文面も確認する必要があるため、思いのほか時間がかかってしまうこともあります。
メールの確認で時間を使ってしまい営業活動の時間を減らしてしまわないように、決めた時間に集中して処理していきましょう。
必要なものだけ確認する
メール一件一件内容を確認しているようでは、時間がかかってしまうのも事実です。必要なものだけを確認することも方法の一つです。
1日に数十件届くメールの中には、社内の情報共有メールからメルマガ、営業メール、さらには自分宛ではないグループメールなども含まれるはずです。思い切って自分宛ての必要なメール以外は放置してしまうことも有効です。
しかしながら、流し見をしていると大事なメールを見逃してしまうこともあります。確認する際はしっかり「ラベル」などの目印をつける設定をした上で実行しましょう。また、消してしまう場合と比較すると大事なメールを見落としていても受信ボックスの中に残っているので、見落としがわかった場合は検索をすることで確認をすることもできます。
メール管理を簡単にしてくれるGmailの便利な機能
Gmailにはメール管理を簡単にしてくれる便利な機能がたくさん備わっています。ここではその中でも特に管理が簡単になる5つの機能を紹介します。
ラベリング機能
日々届く大量のメールを整理するには多くの時間がかかります。この時間を短縮してくれるのがラベリング機能です。
Gmailは、受信したメールを自動的に判別して、SNS関連のメールを「ソーシャル」の受信ボックスに、企業の広告関連のメールを「プロモーション」の受信ボックスに振り分けてくれます。ただし、これはSNS関連のメールと広告関連のメールのみ分別してくれるものです。
SNSや広告関連と判断されなかったメールについては、メインの受信ボックスに入ってきます。実際のところメインの受信ボックスに入ってくるメールだけでも多いのではないでしょうか?ラベリング機能を使うことでさらに細かく整理することが可能となります。
ラベリングとは、ユーザーが任意で好きなだけ分類先を設定することができる機能です。例えば、仕事関連のメールに「仕事」とラベリングすれば、そのラベルがついたメールだけをサイドメニューのメールフォルダからまとめて閲覧できるようになります。
ラベルは階層をつけることもできるため、より細かい分類も可能となります。顧客別にラベルを変えて分類すれば、業務は大きく効率化されるでしょう。
【機能の使用方法】
- 受信トレイ画面の検索バー右側にある「検索オプションを表示」(逆三角マーク)をクリック。
- メールを振り分けるための条件を設定(差出人やファイルサイズなど)。
- 「この検索条件でフィルタを作成」をクリック。
- 「この検索条件に一致するメールが届いたとき」の画面で「ラベルを付ける」にチェックを入れ、既存のラベルを選択するか新しいラベルを作成。
- 「フィルタを作成」をクリック。
アーカイブ機能
アーカイブ機能を使うと、そのメールは受信トレイから表示されなくなりますが、削除されたわけではありません。データとしてサーバー上に残っているので、後から確認することも可能です。特に、不要なメールは削除していきたいという方には、有効な機能です。
「もしかしたら後から必要になるかも」というメールはなかなか削除できないもの。そのような際に役に立つのがアーカイブ機能です。
休み明けの出勤時は、まずアーカイブ機能を使用して今後必要そうなメールを保管しておき、不要なメールを削除していけば受信トレイを素早くきれいに整理できるはずです。
【機能の使用方法】
パソコンの場合:
受信トレイのアーカイブしたいメールの上にマウスオーバーすると現れるアーカイブアイコンをクリックする。
スマートフォンの場合:
受信トレイのメールを左右どちらかにスワイプする。
※アーカイブして受信メールから消えたメールを再び閲覧したい場合は、検索機能もしくはサイドメニューの「すべてのメール」から確認。
スター機能
重要なメールだから他のメールと区別したい、あるいは重要なメールだけを一覧で見たい場合は、スター機能を活用しましょう。
「スター」とは、重要なメールにつける目印のことです。「スター付き」フォルダに収納されるため、過去の重要メールを一覧で見ることができます。スターをつけておくことで、重要な商談や取引の内容が載ったメールをすぐに探し出すことができます。
また、黄色の星マークの他にもさまざまな色の星やビックリマークなども選択できます。重要度や種類によって色分けしておくのも効果的です。
【機能の使用方法】
メール端にある星型のアイコンをクリック。アイコンが黄色になればスター付きの状態となり、もう一度タップするとスターが解除された状態になる。
黄色のスター以外を使いたい場合は以下の通り。
- 受信トレイ画面で「設定」アイコン(歯車マーク)をクリック。
- 「設定」をクリック。
- 「全般」タブの「スター」項目で、使用したいマークを「未使用」欄から「使用中」欄へドラッグして選択。
- 画面下部の「変更を保存」をクリックして設定を保存。
スヌーズ機能
何日か後に確認する必要があるメールや、今は会議中なので一時間後に返信をしたいメールなどありませんか?そういう場合に役立つのがスヌーズ機能です。
スヌーズ機能では、一時的に受信トレイ上では非表示にして、必要な日時に再表示することができるというものです。リマインダーのように設定した日時直前に再表示させられるため、見逃すことなくチェックすることができます。
【機能の使用方法】
パソコンの場合:
受信トレイのメールを右クリック。「スヌーズ」を選択し日時を選択する。
スマートフォンの場合:
受信トレイからメールを開いて、画面右上のメニューアイコンをタップ。「スヌーズ」を選択し日時を選択する。
検索コマンド機能
Gmailが他のメールソフトと一線を画すのが「検索」機能。検索窓にさまざまな検索コマンドを入力することによってメールの検索が素早くできるようになります。ここではいくつか代表的なコマンドを紹介します。
「is:unread」
まだ読んでいないメールだけを表示することができます。未読メールのみをまとめて確認したい場合や、未読メール表示が残っているのに、未読メールが見当たらない場合などに効果的です。
「label:X」
X(自分が任意に作成した、もしくはスマートラベルが自動生成したラベル)が付与されたメールのみを抽出して表示することができます。
「filename:jpg」
添付ファイル名を指定して検索することができます。どのメールにファイルが添付されていたか確認したい場合などに役立ちます。(上記の場合だと、jpg画像が添付されたメールのみが表示されますが、他の拡張子やファイル名を入力するとその関連ファイルを検索することができます)
「has:attachment」
添付ファイルがあるメールのみを表示することができます。前述した「filename」と組み合わせて使うと、より精密な検索が可能です。
「before: 2019/01/01」
指定した日付より前に受信したメールを検索することができます。「before」を「after」に変えると、指定した日付より後のメールも検索できます。(例えば、「after: 2019/01/01」の場合は、2019/01/01以降のメールが表示されます。)
メール管理の効率をあげるためには
メール管理の効率を上げるためには、今まで紹介した機能を習得して、日々の仕事の中で活用していくことが大切です。
一度に全てを覚えようとせず、まずは一つ一つの機能に慣れましょう。あまり慣れていない段階で機能を使いすぎると、逆に作業効率を落してしまって業務が滞ってしまったり、さらには重要なメールを紛失してしまうこともあるかもしれません。
また、自分自身の営業活動に合わせて自分にあった方法で管理することも大切です。時間を決めてメールの確認を行い、アーカイブ機能を使って受信トレイを整理したり、営業先に行く前にスヌーズ機能で確認しておくべきメールが表示されるように設定したりしておくなど、自分の業務スタイルに合わせたメール管理の方法を考えていきましょう。
まとめ
Gmailは、自分自身の仕事のスタイルに合わせてカスタマイズすることができる便利なメールソフトです。初期設定のまま使っていたのでは、その有用性が十分に発揮することができません。さまざまな機能をひとつずつ試しながら、自分の仕事のスタイルにあった管理方法を見つけましょう。
営業職の方であれば、訪問後やテレアポ後にメールでフォローを入れるなどメールを活用してコミュニケーションをとる機会が多くあるはずです。ぜひ営業活動とメールをうまく絡めてみてください。
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