営業メールの効率を高めるテンプレート活用のすすめ

営業メール テンプレ

メールはビジネスにおいて最も使用されるコミュニケーションツールとなってきています。一般社団法人日本ビジネスメール協会が2019年に行った「ビジネスメール実態調査 2019」では、仕事で使っている主なコミュニケーション手段として97.46%がメールを回答しています。営業活動の現場においても、メールが重要であることは皆様も感じておられると思います。

営業メールを効率化する方法の一つとして、営業メールテンプレートがあります。メールテンプレートを利用すると、メールの作成時間が短縮化できるだけではなく、誤字脱字の低減やメール内容の標準化によるメールの質の向上、共有化によるチーム力の向上といったメリットまで期待できます。

本記事では、メールテンプレートのメリットを踏まえ、作成の手順とテンプレート化の際に気を付けるべきポイントについて解説します。

営業メールを効率化させるメールテンプレート集はこちら

営業メールテンプレートとは

営業メールテンプレートとは、営業活動の中で使うメールの雛形のことをいいます。見込み客や既存顧客に対して送信する営業メールは、細かい内容は違えど、同じような型になることが多くあります。例えば以下のようなシーンが挙げられます。

  • 見込み顧客に対してアポイントの確認をするとき
  • お役立ち資料の送付をするとき
  • 商談後のお礼を伝えるとき
  • 受注前の顧客に対して状況を問い合わせするとき
  • 新商品やキャンペーンの開催を連絡するとき

こうしたシーンで1件ごとにメールをその都度最初から作っていては時間がかかってしまいます。営業メールテンプレートを利用することで、営業の効率化・標準化を図ることができます。

営業メールテンプレートは、メモ帳のアプリやWordなどのドキュメントソフト、Outlookなどのメールソフトにて作成することができます。また、営業支援ツールには、デザインにこだわったHTMLメールのテンプレートや顧客の属性に合わせてパターンを変えられるメールテンプレートを作成できる機能が付いたものもあります。

メールテンプレート

営業メールテンプレートとメルマガの違い

営業メールテンプレートとメルマガとの最大の違いは、メルマガが多数の読者向けに配信するものであるのに対して、営業メールテンプレートはあくまで1対1の個別のメールであることです。

従って、メルマガの場合は送信リストに対して全て同じ内容のメールを送信するのが一般的ですが、メールテンプレートの場合は送付相手に合わせて内容を変えて使用します。例えば、顧客の個別の課題や悩み、自社と顧客との関係性を反映させてパーソナライズ(個別化)したアプローチが効果的です。

なぜ営業メールテンプレートが大切なのか

営業において最も重要なことは収益を最大化することです。では、営業メールテンプレートが収益を最大化させるうえで、どのような役割を果たしているでしょうか?その回答が、営業メールテンプレートが大切である理由でもあります。ここでは、4つの項目について、アンケート結果の事例などを踏まえて紹介します。

ポイント① 業務効率化

営業メールテンプレートを活用することで、メール作成時間の短縮ができ業務効率化を図ることができます。さらに、業務効率化によって空いた時間を有効活用することができれば、顧客とのコミュニケーションや資料作成などの売上げ増加につながる活動に時間を割くことができます。

一般社団法人日本ビジネスメール協会が2019年にビジネスパーソン3,499名を対象におこなったアンケート調査「ビジネスメール実態調査 2019」のアンケート調査では、ビジネスにおいて一日に送信するメールの平均は11.59通。一通あたりのメール作成時間は5分27秒と言われています。

メール作成時間について補足すると、メール作成に要する時間で最も多いのは「5分」(全体の33.81%)、次いで3分(22.06%)です。

メール作成に要する時間

(出典:http://www.sc-p.jp/news/pdf/190531PR.pdf


仮に、営業マンがデータの通りに5分かけて作成したメールを11通送信した場合、1日あたり55分をメールの送信のために費やすことになります。

もし、メールテンプレートを活用することで、メール作成時間を1通あたり2分に短縮することができれば、約33分の時間短縮が可能になります。月間・年間で換算すると、メールテンプレートを活用することによってかなりの時間が創出できます。

ポイント② 誤字・脱字や不適切なメールのリスクを減らせる

文章を作成する際にどうしても付いて回るのが誤字・脱字のリスクです。また、不適切な内容のメールを送信してしまうリスクもあります。

同調査によると、7割を超えるビジネスパーソンが自分の送信したメールの内容に不安を抱えており、不安の内容は以下のようになっています。

  • メールの内容が適切だったか(57.97%)
  • 相手を不快にさせる文面ではなかったか(46.36%)
  • 誤字や脱字はないか(41.53%)
  • 文法が間違っていないか(22.20%)

テンプレートをうまく活用すれば、これらのリスクを低減できます。メール本文に誤字・脱字が目立ったことでお客様が抱く印象が悪化し、顧客の離反を招いてしまったという営業マンの実例もあります。また、営業に関するデータではありませんが、株式会社ワークポートの「採用担当者へのアンケート」の調査において、7割以上もの担当者が「誤字・脱字は選考結果に影響する」とのデータがあります。

誤字・脱字は選考結果に影響する


文法的・内容的に正しい文章を書くことがいかに大切かということを理解できるかと思います。文章からその営業マンの性格や印象が推測されます。誤字・脱字があるだけで会う前に悪い印象を与えてしまい、将来的に取引をする機会を失ってしまいかねません。

ポイント③ 営業メールの質を高めることができる

営業メールを何度か繰り返し送信していると、送信したメールの内容によって開封率やリンクのクリック率、案件化率などの反響に違いがみられるようになります。このような、見込み客の反応を丁寧に確認しながら最も効果的な文面を採用したり、文面を磨き上げていきます。

効果測定を実施して、メールテンプレートの改善を継続すれば、質の高い(=見込み顧客から反響のある)営業メールを作成することができます。

共有化・ノウハウの構築ができる

反響の良い営業メールテンプレートを共有化することにより、チームの営業力の底上げにつなげることができます。

特に、営業マン一人ひとりに成果のばらつきがみられるチームでは、メールテンプレートを活用することで結果の出ていない営業マンの歩留まり改善が期待できます。また、メールテンプレートを営業ノウハウとして、新人営業マンに引き継ぐこともできます。

効果的に共有化するためには、営業フローの洗い出しをしたうえで、営業マン一人ひとりについてフェーズごとの歩留まりを把握すると良いでしょう。営業メールの歩留まりの良い営業マンのメールをテンプレートのベースとすることで、成果につながりやすくなります。

営業メールテンプレート作成のステップ

次は、営業メールテンプレート作成の4つのステップについて解説します。

ステップ1:営業メールを送信するシーンを抽出する

まずは、各営業マンが営業メールを日常的によく送信するシーンを抽出します。

普段、たくさんのメールを送信する部分でメールをテンプレート化しなければ効率化にはつながらないためです。また、テンプレートを作っても利用する機会が少なければ結局忘れられてしまったり、効果測定されずに効果的な文面になりにくかったり、といった点も考えられます。

営業メールを送信するシーンは、業界ごと、企業ごとに異なりますが、よく営業メールが送信される場面は以下の場面です。

  • 初回アプローチ
    関係性が構築されていない企業の担当者に対して、メールでのアプローチや資料送付を目指します。
  • 商談後や電話後のフォローアップ
    商談や電話の後に、商談の内容のまとめや追加資料の案内、お礼、次回へのステップなどを伝えます。特に電話のフォローアップは、認識の食い違いを防ぐ意味でも効果的です。
  • 停滞案件の掘り起こし
    停滞案件を案件化するためには、メール・電話が効果的です。メールは要点を伝えやすく、受ける側の心理的な負担も小さいため、効果的な営業手法です。

一度、メールの送信履歴を確認して、どのようなメールを送信しているのかを分析してみてください。

ステップ2:テンプレートにできるか否かをチェック

同じ種類の営業メールが全てテンプレート化できるわけではないので、テンプレートにできるか否かを判断する必要があります。

例えば、見込み顧客からの個別の質問への返答については、質問の内容によって回答の内容が大きく異なるため、テンプレート化は難しいでしょう(まったく同じ内容の質問が頻繁に届く場合には、テンプレート化できるかもしれません)。

メールの文面をどこまで共通にできるかがテンプレートにできるか否かの分かれ目になります。

ステップ3:雛形にする部分とカスタマイズする部分を分ける

メルマガとの違いのところでお伝えした通り、営業メールのテンプレートはあくまで1対1の個別メールです。従って個別の内容を記載した方が「響く」可能性が高まります。

個別の内容を記載するということは、メールの文面を1件1件工夫してカスタマイズするということです。

例えば、相手方が抱えている課題や悩み、業界を取り巻く状況、特別条件におけるキャンペーンの内容などは、カスタマイズして個別に案内するべき内容です。

対して、自社の紹介や商品説明、申し込み手順などの一般的な内容についてはテンプレート(雛形)として伝えた方が効率的で、ミスの削減にもつながります。

雛形にする部分とカスタマイズする部分を分けるには、メールにて伝えたい内容を洗い出してから、その内容ごとに確認すると良いでしょう。

ステップ4:作成したテンプレートを保管する

作成したテンプレートは、いつでもすぐに活用できるように保管しておきましょう。テンプレートを設定できるツールを導入しているか否かで手順が異なるので、パターン別に解説します。

テンプレート設定ツールを導入している場合

営業支援ツールやMA(マーケテイングオートメーションツール)、メール配信ツールなどのツールの中には、営業メールテンプレートを設定する機能が搭載されているものがあります。

これらのツールは独自機能として、開封率やクリック率を始めとした効果測定機能や顧客の属性ごとにパターンを分けてメールを送信する機能、ファイルの添付を事前に設定できる機能などを設定することができます。

ツールの案内に従って設定をすることはもちろんですが、利用できる機能を無駄にしてしまわないようにどのような独自機能が設定可能なのかを確認しておきましょう。

テンプレート設定ツールを導入していない場合

テンプレート設定ツールを導入していない場合にも、テンプレートの設定は可能です。

最もシンプルな方法としては、OutlookやWindows Live Mailなどのメーラーのテンプレート機能を利用する方法です。

例えば、Outlookの場合は、以下の手順で作成します。

  1. 「ホーム」メニューで「新しい電子メール」をクリックする
  2. テンプレートとして保存する文面を入力する
  3. 「ファイル」から「名前を付けて保存」をクリック
  4. 「ファイルの種類」ボックスの一覧から「Outlookテンプレート」をクリック
  5. ファイル名の欄にファイル名称を入力して、「保存」をクリックする

保存したテンプレートを使用する際には、Outlook画面から、「新しいアイテム」→「その他のアイテム」→「フォームの選択」→「ファイルシステム内のテンプレート」を選択して、保存したファイルを呼び出します。

テンプレート化する際に気を付けるべきポイント

メールテンプレート化をする際に必ず注意しておきたいことは、最大の目的はあくまでも収益の拡大であるということです。

メールテンプレート化のメリットを単に業務効率化だけにとどめないためには、効率化されてできた時間を活用してより効果的な営業活動を実践すべきです。

具体的なポイントを紹介します。

  • 顧客や顧客の業界を研究して、顧客の悩みやニーズにマッチし、なおかつ「カスタマイズ」されたメールを送信する
  • メールの開封率や問い合わせの反響を測定して、メールの文面やキャンペーン内容、営業資料などをブラッシュアップする
  • メールを送信した後にフォローの電話をしたり、電話をした後で詳細をメールで伝えたりするなど、他のコミュニケーション手段を併用して顧客への訴求力を高める
  • マーケティング部門やインサイドセールスとの情報共有、連携をおこない、必要に応じて見込み顧客のナーチャリング(育成)をおこなう 例えば、初回案内メールを送信した後、購買時期が来るまでインサイドセールス担当者に引き継ぐ、など

メールのテンプレート化をきっかけに営業フローを見直したり、メンバー間の情報やスキルを共有化したりするなどしてチーム力を底上げすることにもつながります。

まとめ

平均すると1日平均1時間弱もの時間を、ビジネスパーソンはメール送信のために費やしています。メール作成のための時間を削減し、また効果を高めるために期待できるツールがメールテンプレートです。

日頃、見込み顧客に送信するメールをテンプレート化することにより、重要なことを漏れなく的確に伝えることができ、営業マン間のスキルのばらつきの改善効果も期待できます。

この記事では、営業メールテンプレートの作成方法を4つのステップで紹介していますが、実際に営業テンプレートを作成するのにも時間はかかってしまいます。「営業マンの営業活動をより楽にする 営業シーン別 営業自動化のヒント」では、営業活動で感じるお悩みに合わせて営業の自動化の方法について解説しています。特に、営業メール送信の自動化の仕組み作りのヒントになりますので、ぜひご覧ください。

    営業シーン別 営業自動化のヒント

佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。