マネジメントとは?マネジメントの役割と仕事内容のポイント

マネジメント

組織のマネージャーの方は、日々「いかに組織をマネジメントしするか」「いかに部下をマネジメントするか」について考えているかと思います。マネジメントは組織の成果を最大化させるために重要な要素になります。

ビジネスシーンでよく耳にする「マネジメント」という言葉、直訳をすると「管理」と訳されます。しかし、ビジネスシーンで使われる「マネジメント」は管理のことだけを指す言葉ではありません。では、マネジメントとは一体どのようなものなのでしょうか。

本記事ではマネジメントについて解説します。マネジメントという言葉の意味や必要なスキルについて理解することで、自社の組織運営に効果的なマネジメントがきっと見えてくるはずです。

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マネジメントとは

著名な経営学者として知られるドラッカー氏の著書「マネジメント」によれば、マネジメントとは「組織の成果を向上させるための道具や機能、機関」のことを言います。つまり「組織の資源(ヒト・モノ・カネ・情報)をいかに管理し、最大限の効果を得ることを目的とした手法」のことです。

マネジメントと混同されがちな言葉に「リーダーシップ」があります。マネジメントは、組織が成果を上げるための仕組みづくりといった「実務的な役割」を担います。例えば、人材を適材適所に配分したり、業務の割り振りが挙げられます。

一方、リーダーシップは、組織の目標となるビジョンを共有し、周りのモチベーションを高めてチームメンバーを導くような「精神的な役割」を担います。

マネジメントとリーダーシップ

営業組織について考えてみましょう。「先月より売上げを〇%上げよう」「契約率を〇%上げよう」と目標を掲げて、その目標達成にむけて営業マンのモチベーションの管理を行い導くことがリーダーシップになります。そして、掲げた目標に対して「実際にどのようなプロセスを辿るのか」「誰が何を実行するのか」を管理していくことがマネジメントになります。

マネジメントがなぜ必要とされるのか

昨今、働き方改革や在宅勤務、ダイバーシティなど働き方が多様化しています。そのため、異なる年代の異なるキャリアや文化を持つメンバーが、同じ組織の中で同じ目標に向かって働く必要があります。

もし、マネジメントを行わずに、自由にそれぞれのメンバーが働いているとどうなるでしょう。成果を上手く出せるメンバーもいれば、そうでないメンバーも出てしまい、結束力のない組織となってしまいます。マネジメントを行い、組織全体として成果を出すことが組織運営には必要不可欠です。メンバーのそれぞれのキャリアや個性を鑑みて、成果を上げるために最も適した仕組みを作る必要があります。

言うまでもなく、現代は変化が激しい時代です。市場の成熟化とグローバル化は加速しており、高度成長期の一辺倒な手法では業績目標を達成することが難しくなりました。常に市場の状況に応じて変化しつつ、組織を運営しなければなりません。

マネジメントの役割

先に挙げたドラッカー氏の著書「マネジメント」によると、マネジメントには3つの役割があります。

一つ目は、「組織が持つ社会的機能をまっとうし、社会に貢献すること」です。組織は何らかの形で社会に貢献することで、初めて社会に存在する意味が生まれます。これは、何か特別なことをしなくてはいけないということではありません。新聞社であれば正確な情報を伝える、スーパーであれば地域の人々の暮らしを支える、というように組織が社会的に機能するように促すことがマネジメントの役割です。

二つ目は、「組織に関わる人々が生産的に働き、仕事を通じて自己実現できるようにすること」です。当然ですが、社会を構成するのも組織を構成するのも「人」です。人は社会がなければ自己実現することができません。また、社会は人がそれぞれの能力を発揮しなければ上手く回りません。組織を通して、社会を構成する人々の自己実現を促すことがマネジメントの役割の一つです。

三つ目は、「組織が社会を害さないことで社会的責任を果たすこと」です。社会に貢献することは組織の役割の一つです。そのため、社会に害を及ぼすことはもちろんあってはならないこと。簡単なようなことですが、社会に害を及ぼさないための働きもマネジメントは担います。

マネジメントの仕事内容

マネジメントにはどんな仕事内容があるのでしょうか。ここでは6つの内容を見てみましょう。

組織の目標設定

マネジメントでは、組織がどんな目標に向かっていくのか設定します。例えば営業職であれば、売上げが目標にあたります。達成するべき目標を明確に定めることで「今、何に向かっているのか」「どうしなくてはいけないか」も同時に見えてきます。

業務の管理

目標に向かって業務を行なっていく中で、業務内容の確認や進捗の管理を行うのもマネジメントの仕事です。上手くマネジメントが機能していないと、業務が散らばってしまいます。ばらついてしまうと必要のない業務に時間を使ってしまったり、それゆえ期限内に目標達成ができなくなってしまいます。

そうならないためにも行うべき業務の全体像を把握した上で細かい業務を整理し、誰が何をどのように行うのか割り振る必要もあります。そのため、マネジメントには業務の進捗管理を行い、現場の効率を高めることも求められます。

モチベーション管理

目標に向かって組織が一丸となって進んでいくためには、メンバー一人ひとりのモチベーションを管理することは欠かせません。個々のメンバーがモチベーションを維持することが組織全体のパフォーマンスにつながるためです。

部下の育成

組織を作る上で欠かせないのは、人材を育てることです。新卒採用では、知識や経験がない部下を丁寧に育成していく必要があります。中途採用の場合でも、以前所属していた業界が異なっている場合、新たに知識を習得したり、組織独自の技術を学んだりする必要があるでしょう。相手に合わせて適宜サポートする「支援行動」が重要となるのです。部下の育成に成功すれば、組織全体のパフォーマンスは大きく向上するでしょう。

部下の評価

人事評価などで、部下を評価することもマネジメントの仕事の一つ。評価の内容で部下のモチベーションは変化します。そのため、適切に評価を行うことが大切です。また、公平な評価を下すための尺度を明確化したり、改善したりすることも重要です。

組織の人員配置

人には得意不得意があるもの。組織が最大限のパフォーマンスを出すために、メンバーそれぞれの特性に合った役割分担を行うことが必要です。マネージャーは、部下にさまざまなことに挑戦せることで、部下がその業務が得意なのか、不得意なのかを見極めていきましょう。

マネジメントで必要な能力

マネジメントを行う際に必要な能力にはどんなものがあるのでしょうか。必要とされる4つの能力について考えてみましょう。

マネジメントに必要な能力

課題設定力、課題解決力

組織には達成しなければならない目標があります。例えば、売上げを拡大することや、顧客満足度を向上させることなどが挙げられます。

目標を実現するためには組織が現在抱えている課題を発見し、解決策を発案、実行に移す必要があります。課題の発見と解決、この2つが得意な人はロジカルシンキングができていることが多いとされています。

ロジカルシンキングとは、物事を論理的に考え、客観的な視点で思考すること。固定観念や私情、勘に頼らず、さまざまな要因や原因を考慮して判断を下す必要があります。ロジカルシンキングができている人は、自分の周囲の状況や部下の状況を敏感に察知しているため、メンバーに的確な指示を出すことができます。

判断力、決断力

想定外のトラブルが発生した際、マネジメントを行う人が判断や決断できずに迷っていると、部下は動揺してしまいます。上司や組織そのものへの不信感が生まれ、メンバーはモチベーションを失い、目標達成から遠のいてしまうことでしょう。そのためマネジメントを行う人は判断力と決断力を兼ね備えている必要があります。

判断する際には、視野が狭くなってしまわないことが大切です。自分の所属する部署だけでなく、市場や企業全体を見通した判断も必要になってきます。

また、直観的な判断になりすぎない点も大切です。いくら判断が早いといっても根拠なく、思いつきで判断していては組織はついていけません。直観も大切ですが、実行にうつすに値する根拠も持つことで、組織も納得して実行することができます。

業務管理力

マネジメントには、目標や計画の進捗を管理する能力が欠かせません。目標を設定し、計画を立てただけでは成果には繋がらないのです。目標に対して現状はどうなっているのか常に把握し、把握した内容を分析する必要があります。また、分析した結果をもとに、優先すべき業務は何か考えて管理を行います。

コミュニケーション力

上司と部下は一方的なコミュニケーションになってしまいがちです。しかし、マネジメントが優れている人は、部下の話に耳を傾け、適切な質問をすることで本人も気付いていない能力を引き出すことができます。

上手にコミュニケーションを行うことで「自分にはこれが得意なのかもしれない」と部下の自己肯定感を強めたり、「こんな業務にチャレンジしてみたい」と欲求が生まれたりするかもしれません。マネジメントではそうした部下との良い関係性を構築するためのコミュニケーション力が大切です。

これからのマネジメントに必要なこと

先ほど挙げたように、現代は多様な働き方が認められています。在宅勤務や時短勤務など、働く人に合わせた働き方が可能になっています。「定年」の年齢設定も上がり、働く人の高齢化も進んでいます。また、今後海外人材の受け入れが進む可能性もあります。

こうしたさまざまな背景を持った人が同じ組織で働くということは、よりマネジメントの重要性が大きくなっていると言えるでしょう。しかし、マネジメントの方法論は、画一ではありません。ある企業では通用することが、別の企業では通用しない、去年は通用したけど、今年は通用しない、ということが容易にあり得ます。そのため、常に社会の流れに敏感でいることが大切です。

内閣府「組織マネジメントに関する調査 結果(概要)」によると、「複数の専門的業務にまたがる課題を解決するために、どのような専門的な人材を育成・活用していましたか」という問いに、「分野ごとに専門的な人材を育成し、一つのチームを形成し活用」と答えた業者は2010年から減少。2015年には「複数分野に対応可能な人材を育成・活用」が増加しています。

この数年の間に社会全体で人手不足が起きたと推察されます。一人の人材が複数の専門分野にまたがって業務を行う「マルチタスク」型の人材育成が増加したことがこのデータから見て取れます。ここからわかるように、マネジメントは社会の変化に合わせて変化を余儀なくされることがあるのです。

まとめ

マネジメントは働き方や人材が多様化しつつある現代において、組織の目標達成を左右する大きな鍵の一つです。マネージャーは、マネジメントの役割を正しく理解し、組織の目標達成のために努める必要があります。

時代がどれだけ変化してもマネジメントをする上で大切なのは、組織のメンバーそれぞれをよく理解し、適切な組織運営をすることです。決まった正解はありませんので、自社の組織に合わせたマネジメント手法を考えてみましょう。

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佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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