営業マンの残業を減らすために行うべきこと

営業 残業

営業マンは、売上げに直結する営業活動を最大限に行うことが求められます。しかし営業マンの抱える業務には、営業活動以外にも日報の記入やお客様のアフターフォローといった「営業活動外」の業務が多く含まれています。そのため、営業先から帰ってからこれらの業務に取り掛かるケースも多く、結果として残業が発生してしまうことが避けられないなんてことも。

残業はよくないと思いつつも、習慣化してしまっている企業は少なくありません。サイボウズ株式会社が営業職600名を対象にした調査によると、「営業が抱える課題」として「長時間労働の是正」が1位になりました。このように残業を課題として捉える一方で、「残業は努力の証で一種の美徳のようなものだ」という風潮は、働き方改革が始まった現代でも完全に消えたとは言えません。

営業が抱える課題

また、同調査では、「営業の働き方改革に対する意識」について全体の43.7%は「取り組んでいるが、成果に不満足」と答え、35.7%の人に至っては「取り組んでいない」と答えています。実際、オープンワーク株式会社の調べによれば、法人向け営業職の平均残業時間は月55.94時間とのこと。つまり、月に22日出勤した場合は、一日あたりおよそ3時間の残業をしているということになります。

いったいどうすれば、営業マンの残業を減らすことができるのでしょうか。この記事では営業マンの残業を減らすための具体的な方法について紹介していきます。

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営業マンはなぜ残業が多くなってしまうのか

まずは、営業マンの残業が増えてしまう理由についてそれぞれ見てみましょう。

営業マンの残業が多くなる理由

顧客の対応をしなくてはいけないから

まず営業マンの残業が多くなる理由の一つとして、営業マンは顧客の対応を最優先する必要があることが挙げられます。例えば、顧客からクレームなどの緊急の問い合わせがあれば、他の予定を取りやめにしてでも対応しなくてはならないでしょう。

このように、いかに仕事の予定を細かく立てていたとしても、顧客の都合や要望に合わせて予定を変更する必要がある場面は頻繁に出てきます。そのため、予定していた業務を時間内で終了することができなくなり、残業をしなければならなくなるのです。

営業活動外の業務が多いから

営業マンの仕事と言えば、一番に挙げられるのはお客様との商談ですが、一方で煩雑な事務処理や手続きに関わる仕事を抱えているのも事実です。営業リスト作成や提案書の作成、見積り、請求書の作成などといった書類作成から、営業ミーティングやクレーム対応、上司への報連相など一定時間まとまった時間を確保することを余儀なくされるものも多くあります。

営業活動は、日中に行う必要があるため、営業活動外の業務を行うのは定時後に行っているという営業マンも多いのではないでしょうか。営業活動以外で抱えている業務が増えれば増えるほど、残業時間は比例して長くなるのです。 

営業成績が重視されるから

営業マンは営業成績で評価されます。多くの企業では一人一人に営業ノルマが課せられているかと思います。また、売上げ成績によって給与が変動する歩合制制度を採用している企業も少なくないでしょう。

こうした営業成績の重視は、営業マンの競争心やモチベーションを刺激する一方で、大きなプレッシャーともなります。営業目標の達成への見込みが薄いと、営業マンは残業せざるを得なくなってしまい、残業の時間が増えてしまう可能性が高まります。

営業効率が悪いから

通常の就業時間内には、急な打ち合わせが発生したり、メールや資料の作成業務が多く発生したりすることがあるかと思います。このような、細かい業務に圧迫されてしまうと、まとまった時間で集中して営業活動ができなくなってしまい、営業効率が低くなってしまいます。非効率により、営業活動が進まなくなると、結果的に残業を余儀なくされるでしょう。

営業マンの残業を減らすことが注目される背景

2019年4月から「働き方改革」が動き始めました。それに伴い、多くの企業で働き方改革に向けた施策を行われているのではないでしょうか。働き方改革の中には、残業についても「残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできない」と規定が設けられています。

さらに、多くの中小企業では人材不足の課題があがっています。ただでさえ採用が難しいのに、働き方改革のような風潮のなかで、残業が多い労働環境ではさらに人が集まらなくなってしまいます。今いる人材リソースで、限られた時間を有効に活用して、最大限の売上げを獲得できるような働き方が求められています。

営業マンが残業を減らす方法

営業マンの残業時間を減らすための具体的な方法について紹介します。

営業マンが残業を減らす方法

営業マンが担っている範囲を見直す

まず営業マンが担っている業務範囲がそもそも広すぎる場合があります。特に中小企業では、営業マンの業務範囲は、見込みリストの作成から受注後のアフターフォローまで、営業マン1人で対応されている場合もあります。一度業務範囲を見直し、どこまでの範囲を営業マンが行うか検討しましょう。

例えば、経費の申請書は事務の方にお願いすることができるかもしれません。また、マーケターがいる企業ならばマーケターに営業先リストの作成を頼むことができます。請求書などは経理関係の担当者に作成を依頼できます。このようにして、営業マンが本来注力すべき営業活動に時間を割けるように業務範囲を改善しましょう。

営業成績に直結しない業務を減らす

営業マンの仕事の目的は、できるだけ多くの受注を獲得すること。そのため、営業成績に直結しない業務はできるだけ減らすようにしましょう。論点のまとまっていない社内ミーティングを頻繁に行ったり、受注につながりそうもない顧客への訪問などは削減すべきです。

ITツールを活用する

ITツールを活用することで業務を効率化し、残業を減らすことができます。例えば、上司への報連相を、ChatworkSlackといったビジネスチャットツール上で行うことで業務を効率化することができます。

メールで報連相を行う場合では「お疲れ様です」などの定型文を入れるなど作成に気を配る必要があり、意外と時間がかかってしまうものです。また、直接口頭で報連相を行う場合も、上司が会議や訪問商談に出ていて、なかなか話すことができない場合もあるでしょう。

しかし、チャットツールを使えば、そうした時間は削減することができます。パソコンだけでなくスマートフォンアプリも用意されているため、いつでもどこでも報連相を簡単に行うことができます。また、一度に複数人に対して情報を発信することができるため、営業部門内の情報の共有もスムーズになります。

他にも活用できるITツールはあります。いくつか紹介します。

オンライン商談(ビデオ会議)ツール

営業活動で多くの時間を割いてしまうのが、訪問商談で発生する移動時間です。訪問社数が増えれば増えるほど移動時間は増え、一日にまわれる訪問先は限られてしまいます。しかし、オンライン商談ツールを導入すると、自分のデスクにいながら顧客とオンラインで商談ができるため、移動時間を大幅に削減することができます。そのぶん一日あたりの商談件数を増やすこともできるでしょう。

また、本来は出張が必要な遠方の顧客からの問い合わせにも、移動せずに対応することができます。テレアポの最中に話が発展した場合には、途中からオンライン商談に移行することもできるため、すぐに詳細の話をすることも可能です。

オンライン商談というと「先方に失礼ではないだろうか」と抵抗を感じる人もいるかもしれません。しかし、2017年の独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、Web会議や音声会議などオンライン会議システムを導入する企業は50%近くにまで増加しています。このデータからもわかるように、すでに社内での会議はオンライン会議に変わりつつあります。外出の多い営業マンにとってオンライン会議ツールは必須のものとなってきているのです。

オンライン商談といえども、パソコンの画面を通して顔を合わせ、資料を画面共有しながら行うので、対面で商談を行っているのとさほど変わりません。通信技術も向上しているため、タイムラグも少なくなっています。

タスク管理ツール

タスク管理ツールを導入することも業務効率化につながり、残業時間の削減が期待できます。業務が長引く理由の一つとして、多すぎるタスクを把握できず何から手をつけていいかわからないことが挙げられます。

タスクを管理することで、業務の優先順位も見えてきます。また、先に挙げた残業時間を減らす方法の中に「営業マンが担っている範囲を見直す」や「営業成績に直結しない業務を減らす」などがありましたが、こうした見直し作業を行うためにも、現在自分が抱えているタスクを整理しておくことは欠かせません。

顧客管理ツール

顧客管理ツールを導入することも、業務時間の効率化につながります。営業先リストの作成や印刷することでかかる手間やコストを、顧客管理ツールは解消してくれます。ツールを使えば営業先リストは自動生成することができ、顧客情報はスマートフォンアプリを通していつでも閲覧することができるようになります。また、顧客情報を印刷して持ち歩くと、紛失してしまい個人情報漏洩のリスクもありますが、ツールを使う際はそうした心配もありません。

決めた時間に集中して営業活動を行う

一日の就業時間は限られています。そのため、営業活動に使う時間をはっきりと決めておくことが大切です。

例えば、午前中は電話営業のみに集中すると決めて、営業活動だけに取り掛かり、午後13時から14時の間はメールの返信、資料作成にあてる、などといったようにスケジューリングしてみると良いかもしれません。お客様とつながりやすい時間帯を、営業活動に集中するための時間に割り当てる工夫も有効的です。

決めた時間内は可能な限り他の業務は行わないことで、一度に多くのことを考えることをせずに、業務の冗長化を防ぎ、効率をよくすることができます。 

残業に対しての各営業マンの意識も大切

残業を減らすためには、業務や職場環境を変えることはもちろんのことですが、各営業マンが残業に対する意識を変えることも大切です。「短時間で最大の成果を出そう」という気構えがなくては、どんなに優れた制度やツールを導入しても残業はなくなりません。

「どうせ終わらないし、残ってやればいいや……」という意識がどこかに残っていないか、営業マンは自身に問いかける必要があります。「決められた時間内に、この業務を終わらせるためにはどのようにしたら良いか」を考えることがポイントです。

まとめ

連日残業をすることに慣れていると、いきなり残業時間を削減することは難しく感じるもの。「仕事量が多いから、残業をなくすのは無理だ」と思うかも知れません。しかし、一度業務内容を見直してみましょう。無駄な時間が潜んでいる可能性がありますし、ITツールの導入などにより削減できる業務もあるかもしれません。

積極的に「残業時間を減らしたい」と思っていれば、このようなことに気付きますが、最初から「無理だ」と思ってしまうと、なかなか気づけないものです。残業時間を減らすためには、前向きな姿勢で取り組むことも大切なのです。

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佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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