伝わり方は“機能”と“効用”の活用方法で変わる?

伝わり方 機能 効用

営業活動を行っていると、一生懸命サービスや商品を提案していても、お客様に価値が伝わらず必要ないと思われてしまう事もあります。
今回は、お客様にサービスや商品のメリットが伝わりやすくなる方法について紹介します。
メリットの伝え方は基本的なことですが、「機能」と「効用」に分けて伝えることが大切です。
最初に、前提となる「機能」と「効用」の意味をお伝えします。

「機能」と「効用」とは?

【機能】 「ある物事に備わっている働き」
【効用】 「お客様の生活シーンやビジネスシーンでどのように役に立つか」

「機能」はわかりやすいですが、「機能」だけを伝えても、本当のサービスや商品のメリットは伝わらないのかもしれません。
そこで、「機能」と「効用」の活用方法をお伝えします。「機能」と「効用」の意味合いを理解し、分けて伝えることでサービスや商品の価値が伝わりやすくなります。
次に、身近な例で「機能」と「効用」を説明します。

1.  洗濯機の場合
・ 「機能」…自動で衣服を洗濯・脱水・乾燥する。
・ 「効用」…今まで手作業で行っていた時間が省け、他のことに時間を割けるようになる。

2.  4Kテレビの場合
・ 「機能」…フルハイビジョンの4倍の画素数で裸眼立体視が可能。
・ 「効用」…流れる髪が一本、一本くっきりと、跳ねる水滴のひと粒に至るまで鮮やかに写り臨場感を感じられる。

皆さんも例を参考にし、自社サービスや商品の「機能」と「効用」は何か?をイメージしてみましょう。
ベテランの営業マンは「機能」と「効用」の使い分けが自然とできているかもしれません。
しかし、頑張ってはいるけれど、なかなか成果に結びつかない営業マンがいるならば、サービスや商品の「効用」を、お客様にいかにイメージしていただけるように語れるかでサービスや商品のメリットが伝わりやすくなり改善されることがあると思います。

「機能」と「効用」の使い方

「機能」と「効用」をうまく活用して売上に結び付けているのが、株式会社ジャパネットたかたの髙田会長だと言われています。
髙田会長は商品を販売する際、「効用」の部分をお客様がイメージしやすいよう伝えています。
ここで、セールスハックス編集部が印象に残っている髙田会長の「効用」の伝え方を紹介します。

1. 運動靴の商品説明時
夏の終盤で、これから紅葉が美しくなる季節です。
運動靴の紹介をしている髙田会長は、靴の「機能」である利便性をまず伝えました。ここまでは一般的なセールストークと言えるでしょう。
髙田会長はここからが違います。お客様の生活に役立つというイメージを持ってもらうための「効用」を工夫して伝えていくのです。
「機能」の話から場面は切り替わります。紅葉のきれいな山々の中、ハイキングコースを楽しそうに歩く人々が現れます。
紹介している運動靴を履いて笑顔で楽しそうに家族がハイキングをしています。
そして、最後に「この運動靴を履いて、秋の紅葉を見に行きましょう」とテレビの前の視聴者に訴えるのです。
靴には耐久性、クッション性、防寒性などの「機能」が数多くありますが、髙田社長は「機能」を伝えるだけではなく、「効用」によって実現できる美しい紅葉の中をハイキングしている視聴者自身をイメージさせたのです。
細かい「機能」だけではなく、商品の「効用」を説明されると購入後のイメージがしやすいですよね。

2. 良質な映像と音声のハイビジョンテレビの商品説明時
「このテレビ、画質だけでなく、音にもこだわっているんです!まるで映画館にいるような感覚になりますよ。」と髙田会長は映画館のような臨場感を自宅で楽しむイメージをさせたのです。
ちょっとした表現でも「機能」だけでなく「効用」をうまく活用することで伝わりやすいですよね。
他の著名人も「機能」と「効用」をバランスよく活用し、より伝えたいことが伝わるように発言されている方々は大勢いらっしゃると思いますので、ぜひ注目してみてください。
意識をしてみると、意外な方から営業力のヒントを得られるかもしれません。

今回は、機能と効用の伝え方についてお伝えしました。
機能と効用を意図的に活用することで伝わり方が変わり、成果につながっていきます。
ただ、お客様の生活シーンやビジネスシーンをしっかりと把握していないと、効用も伝わり辛くなります。
ヒアリングしながら、その情報を活かすことが大切です。

    営業スキルチェックシート

原誠

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