「営業マンの素質」を見抜く質問例とは?優秀な人材を採用する質問例

優秀な営業マン 採用

企業にとって人材の採用は、大きな意思決定になります。一人の人材を採用するだけでも、求人のコストや面接を行う人件費のコストがかかってくることになり、いざ採用になるとその社員に必要な経費や給与などの人件費が必然的にかかってきます。さらに、入社してもらったものの短期間で離職してしまう可能性もあるかもしれません。

どの企業にとっても、優秀な人材を採用し、成長してもらい、長期間通して企業で活躍してもらいたいものです。では、どのように自社に合った優秀な人材を採用すれば良いでしょうか?

本記事では、営業マンの採用時に活用できる、営業マンの素質や能力を見抜く質問をご紹介します。

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営業マンの素質を見抜く質問がなぜ大切なのか

みなさんの会社では営業マンの人数などの営業リソースは足りていますでしょうか? 十分足りているという会社は少ないかと思います。

エン・ジャパン株式会社による企業の人材不足についての調査では、86%の企業で人材が不足している部門があり、特に不足している職種のひとつとして営業職があげられています。

少子高齢化が進み、労働力人口が減少傾向にある現代においては、最初から優秀な人材を採用するのはなかなか難しくなってきています。そのため、企業は採用時に営業マンの素質を見極めて、育成し、長く働いてもらえるようにしていくことが大切です。

営業マンへの質問の基本「オープンクエスチョン」

面接時の質問には、営業マンがどのような反応や対応をするのかを見ることができる「オープンクエスチョン」を取り入れましょう。

営業でもよく使われる質問方法ですが、質問に対して「はい」や「いいえ」で答えられる質問を「クローズドクエスチョン」と呼ぶのに対し、営業マンに答えの幅を委ねる質問をオープンクエスチョンと呼びます。オープンクエスチョンでは、回答者の考えや思考回路、感性などを知ることができます。

営業マンは、さまざまなお客様と接する必要があるため、状況に応じて瞬時に判断を下して、対応する能力が求められます。

インターネットが普及したことにより、お客様は知りたい情報を知りたい時に手に入れることができるようになりました。そのため、単なるマニュアルに沿った対応やトークをしているだけでは、お客様に価値のある提案ができなくなっています。

そのような柔軟にお客様に合わせた提案ができる営業マンとしての素質を見抜くためには、オープンクエスチョンを通して思考力を見極めることが有効です。また、「これまでどのような問題を経験し、それに対してどのような行動を取ったか、その結果はどうなったか」を聞くことで問題の解決力も見ることができます。

営業マンへの質問例の紹介

以下では、具体的な質問例も踏まえながら、優秀な営業マンを見極める質問を掘り下げます。

営業マンへの質問例:信頼を問う

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  • 「〇〇様が、失敗をしてしまった時のことをお話しいただけますか?」
  • 「〇〇様が、大事な約束に遅刻してしまった時のことをお話しいただけますか?」
  • 「〇〇様が、誰かをがっかりさてしまった時のことをお話しいただけますか?」

いずれも新入社員採用にも使える質問です。営業マンとしても、会社の従業員としても、大切なのは信頼です。信頼性を見ることができる瞬間は、何か間違いや失敗をしてしまった時ではないでしょうか。

言い訳を言い続ける営業マンと真摯に謝罪する営業マンとでは、信頼できるかどうかは格段に違います。特に営業マンは、お客様と最前線で直に接する仕事ですので、態度によっては企業の信頼にも影響がおよびかねません。

さらに、例のような質問をすることで「どのようなことを間違いと捉えるのか」「どのような価値観を持っているのか」についても確認することができます。失敗して終わりではなく、その後「どのような対応をしたのか」「その失敗自体をどのように捉えて、改善したのか? その結果どうなったのか?」まで掘り下げると、営業マンの価値観を深く理解できるでしょう。

営業マンへの質問例:誠実さを問う

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  • 「他の人(同僚や友人)がしてはいけないことを見聞きしてしまった時のことをお話しいただけますか?」
  • 「自分が正しいと思ったことについて妥協してしまった時のことをお話しいただけますか?」

誠実さに関する質問では、自身の倫理観念や信念、組織や他人など外部と自身の信念との折り合いのつけ方についても知ることができます。信頼性とも結びつきますが、営業マンはお客様に誠実でなくてはいけません。

なぜなら、営業マンとして、商品・サービスを売ることは大切ですが、お客様のお役に立つことが営業の仕事です。自分の目先の売り上げ目標を見てしまうと、何としてでも売らなくてはいけないと思ってしまい、結果的に押し売り営業のようになってしまいかねません。

また、お客様が商品を買うときは商品・サービス自体の機能や価値を伝えることも重要ですが、売る営業マンへの信頼も大きな意思決定要因となりえます。

商品・サービスが素晴らしいものでも、不誠実で信用出来ない営業マンではお客様も不安になってしまい、購入してもらえないこともあるでしょう。採用の段階から、どのように誠実さと向き合ってきたのかを見ておくとよいでしょう。

営業マンへの質問例:意欲を問う

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  • 「やる気を失ってしまった時のことを教えていただけますか?」
  • 「最近やる気がわいた時のことについてお話しいただけますか?」

営業マンにスランプや厳しい状況はつきものです。意欲やモチベーションを問う質問は必ず入れましょう。営業には、スランプや売上げが上がらない時期が続くこともよくあるでしょう。そのため、意欲やモチベーションを問う質問もいれてみましょう。では、どのような点を意識して質問すればよいのでしょうか?

近年、「レジリエンス」という言葉が話題となっていますが、まず、スランプや売上げが上がらない時を営業マンがその事実を「どのように捉えるのか」を確認してみましょう。

売上げが上がらないと自分は営業に向いていないと感じてしまい、その後の営業活動への積極性も失ってしまいます。そうすると、さらに売上げが上がらず、今に増して自分は営業に向いていないと感じてしまう負のサイクルに陥ってしまうことが多くあります。

そのため、ただただ自分は営業に向いていないと考えるのではなく、現状をどのように捉えるのかが大切です。自ら課題や目標の再設定をし、取り組み直せるかが重要になります。

また、モチベーションをどのように維持、向上させるのかも確認しましょう。多くの人がモチベーションを維持させることは非常に難しいと感じてるはずです。

営業マンとしては、売上げが上がれば日々の努力の成果が感じられ、モチベーションが上がるものです。ただ、常に売上げを上げ続けることは簡単なことではありません。採用の際には、これまで取り組んできたことは、どのようにしてモチベーションを維持してきたのかを聞いてみるとよいでしょう。

営業マンへの質問例:売上げ目標達成について問う

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  • 「厳しい状況のなか、売上げ目標を達成した時のことを教えていただけいますか?」
  • 「売上げ目標達成のために、いつもとは違う方法や新しい方法を使った時のことをお話しいただけますか?」

営業の売上げは、企業の将来を左右する重要なものです。そのため営業マンには厳しい売上げ目標(ノルマ)が設定されているのではないでしょうか?

採用した営業マンが、売上げ目標に対して執着心がない営業マンですと、売上げ目標達成に繋がらなくなる可能性があります。例えば、営業組織が一丸となって売上げ目標を達成しようとしているところで、新人の営業マンだけが売り上げ目標を軽視し、懸命に取り組まない姿勢を見せてしまうと、他メンバーのモチベーションの低下を招きかねません。

結果的に、その新人営業マンの売上げ目標の未達だけではなく、組織全体の売上げ低下に繋がってしまいます。

営業マンへの質問例:各営業ステージでの行動を問う

営業マンの採用に際しても、入社後行う業務によっても面接の際に重点的に聞く質問は変わってきます。例えば、電話営業などによるお客様と初めて会話をする段階から営業活動を行うのか、それともクローザーとして商談やコンサルティングの業務を行うかによっても大きく確認しておくべき内容が異なるのです。

以下では、営業ステージごとの質問例を紹介していきます。

精査

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  • 「見込みがあるか判断できなかったなど、見込み客の精査がうまくいかなかった時のことを教えていただけますか?」
  • 「見込み度をはかる過程で、お客様に満足をしていただけたと感じた時のことをお話しいただけますか?」

営業を行うにあたって、見込み度合いの精査は重要な要素です。もしここで見込み度合いを正確に判断できなくては、見込みのないお客様にアプローチをし続けてしまったり、契約できない商談を何度もおこなうことになってしまいます。

その結果、「アプローチはしているもののなかなか成果に結びつかない……」「新規獲得の営業活動に割く時間がない……」といった非効率な営業に悩まされてしまうでしょう。見込み度合いを正確に見極めることができる人材を採用するためにも確認しておきたい質問です。

ラポール(初めてのコンタクト時の信頼醸成)

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  • 「自分と全く違うタイプの人と、初対面で打ち解けられた時のことを教えていただけますか?」

お客様との信頼関係の醸成は大切です。特に初めてお客様と接する際が一番重要とされています。訪問で直接お客様と会話する際には、丁寧な言葉遣いや振舞だけではなく、身だしなみにも気をつけているかも確認しましょう。

問題解決

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  • 「課題解決を手助けし、お客様の信頼を獲得した時のことをお話しいただけますか?」
  • 「自分が提案したり実行したりした中で、今までで一番よかったと思う、問題解決のアイディアを教えていただけますか?」

インターネットの普及により、お客様は必要な時に必要な情報を獲得できるようになりました。そのため、問題解決に対する壁は下がっていると言えます。それと同時に、営業マンにはインターネットでも手に入らないような情報や具体的な解決方法が求められるなど、営業マンに求められるスキルも高度化しています。

営業マンが自らお客様の課題を抽出して、その課題に沿った解決策を提示してあげる力が求めれています。

プレゼンテーション

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  • 「今までで一番うまくいったと思うプレゼンテーションについてお話しいただけますか?」
  • 「あなたのプレゼンテーションによって、商品への評価が大きく変わった時のことについて教えていただけますか?」

商談まで行ってもらう人材を求めているのであれば必ず確認しておくべき点です。どれだけ課題解決に優れていても、その伝える内容を魅力的に伝えられなくては営業でお客様の意識を引くことはできません。

実際に前職の商品・サービスを簡単にプレゼンしてもらったり、特定のテーマを設定して、その場で短いプレゼンを行ってもらうことでもプレゼンテーションスキルを確認することができるでしょう。

反論処理

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  • 「予想をしていなかった反論を処理した時のことを教えていただけますか?」

営業活動では、お客様から反論や断りは必ず出てくるものです。すべての反論や断りに対して、反論処理を行う必要はないかもしれませんが、忙しさからくる「表面的な断り」や見込みやニーズがあるのに営業への抵抗からくる断りなど、見込みがあるのに反論や断りをうのみにしてしまうと営業の機会を逃してしまう可能性があります。

クロージング

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  • 「難しい案件を成約した時のことをお話しいただけますか?」
  • 「他の営業マンの案件の成約を手助けした時のことをお話しいただけますか?」

クロージングは営業活動の中で最も大切なステージです。お客様に実際に購入するか否かの判断をしてもらわなくては契約にはなりません。「いいものだとは思うんだけど……」という判断に踏み切れないお客様へ最後の一押しをすることもクロージングでは必要になります。

まとめ

今回は、営業マンの素質や能力を見抜く質問をご紹介しました。これらの質問を参考に、みなさんの会社にとって最適な質問を考えてみてください。

営業マンの考えを知る上ではオープンクエスチョンが有効ですが、すべてオープンクエスチョンにしてしまうと、応募者にとっては負担の多い面接と感じてしまうこともあるかもしれません。質問に優先順位をつけ、全体の質問数とのバランスを見ながら、質問を選びましょう。面接者が複数いる場合は、質問を振り分けてもいいでしょう。

営業スキルチェックシート」では、営業マンが身につけるべき営業スキルを掲載しています。営業スキルを問う質問を考える際の参考にしていただけますと幸いです。

    営業スキルチェックシート

川崎 裕介(かわさき ゆうすけ)

慶應義塾大学卒業後、外資系歯科医療機器メーカーを経てコンベックスに入社。プロダクトセールスチームで新規顧客開拓、既存顧客のコンサルティングに従事する傍ら、セミナー企画・運営を担当。現在は「セールスハックス」の運営、「Digima」のプロモーション全般を担当している。

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