営業マンの採用が難しい時に考えるべきこととは?

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「営業マンの採用が、なかなか上手くいかない……」「営業マンを募集しようとしても、希望通りの人材が集まらない……」「営業マンの採用が難しい状況で、自社の営業力を高めるためにはどうしたらいいの?」など、営業マンの採用に関する悩みや疑問は、日常的によく感じられるのではないでしょうか。

確かに営業マンは、ほとんどの企業で必要とされる職種でありながら、人材が不足しがちな職種でもあります。そして、営業マンの不足は、企業にとって死活問題とも言えるほど大きな事態を招いてしまう可能性があります。

本記事では、営業マンの採用が難しいときに、企業が考えるべきことについて解説します。

営業マンの採用の難しさの現状

エン・ジャパン株式会社の運営する「人事のミカタ」が2019年に発表したアンケート調査によると、全体の約89%もの企業が人材不足の部門を抱えています。

その中でも「人材が不足している部門(職種)」として多く上げられているのが営業職でした。人材不足が生じている企業全体の35%が、営業マン不足を問題としています。アンケート調査結果の中で人材が不足している職種の第2位にランクインしている「技術系(IT・ゲーム・通信)」が現在需要が高い中で、それよりも高い割合を占めているということは、いかに営業に携わる人材が足りていないかがわかります。

2019年「企業の人材不足」実態調査

(出典:2019年「企業の人材不足」実態調査

そして、「なぜ人材不足が生じるのか?」という主な原因としては、採用市場で営業マンが確保できていないことが挙げられます。退職者が出てしまった時の欠員補充や、新規事業開拓や営業力強化のための増員など、営業マンを募集するタイミングはいくつかありますが、これらのタイミングで採用活動が思い通りにいかない場合に、営業マンが不足してしまうということです。

従って、企業はまず営業マンの採用が難しいということを認識した上で、対策を考えることが大切です。

なぜ営業マンの採用が大切なのか

多くの企業で営業マンの不足が問題となっているということは、多くの企業にとって営業マンが必要であるということの裏返しでもあります。では、なぜ営業マンの採用が大切なのでしょうか?そのポイントは、営業マンが会社の売り上げを作っていることと、営業マンが顧客との関係性の維持には欠かせないためです。

それぞれについて、少し詳しく見ていきましょう。

営業マンが売上をつくるため

 企業の存続のためには、売上を作り収益を上げることが不可欠です。そして、売上や収益を上げるために会社の中で最も重要な役割を果たすのが「営業マン」です。

お客様自身でインターネットを通して購入が完結するケースもありますが、BtoBのビジネスや高額商材のビジネスなどでは、多くの場合にはインターネットやSNSが集客や問い合わせのきっかけになったとしても、営業マンのクロージングによって購買が完結します。

営業マンの人数が不足してしまうと、案件をクロージングするためのリソース(人員)が不足してしまったり、人数不足により販路を拡大できなかったりするなどの、機会損失により売上減少のリスクが高まってしまいます。

顧客との関係性を維持するため

企業活動において大切なことは、顧客との関係性を維持・構築することです。営業マンは「フロントマン」として、顧客の担当者や決裁者と直接対面します。そして、営業マンの対応や見た目、成果などがそのまま自社のイメージに直結します。

さらには、メールや電話、商談などで営業マンが顧客とコンタクトを取ることにより、顧客の休眠化や離反を防ぐ効果や日常的に顧客の悩みや課題をヒアリングすることができます。顧客の状況を把握したり状況の改善策について把握したりする役割も担っています。

 結果的に営業マンと顧客との間に信頼関係が構築され、それが会社と会社との間の信頼関係に繋がっているということです。そして、顧客との優れた関係性は、将来的な収益・ブランド力・営業マンのモチベーションなどに大きく影響します。

営業マン採用におけるよくある課題

優れた営業マンを必要人数確保できない時には、採用のプロセス(求人募集から採用までの一連の流れ)において何らかの課題が発生している可能性が高いです。従って、採用プロセスを見直すことで、営業マンの採用を効果的に行うことができるようになります。

 求人への応募がない

求人募集をしているにも関わらず、そもそも必要な数の応募が集まらないことがあります。求人が集まらない原因としては、さまざまな状況が考えられます。

ターゲットがうまく設定できていない・優秀な人材がいない

自社に必要な人材の能力や特性を明確に設定していないと、求人広告を出しても自社の求めているような人材からの応募は集まりません。採用活動は、まずいつまでにどのような人材が欲しいのかを明確にするところからスタートします。

ターゲットに合った求人方法が取れていない

ターゲットの設定が不十分な場合、「いつ、どこで、どのような媒体に、どのような求人広告を出すのか?」といった点がズレてしまうことがあります。営業マンを採用したいとき、ターゲットの特性(年齢・地域・スキルなど)によって、求める条件や行動特性が異なるためです。

採用市場を理解していない

中途採用は、コントロールが難しい部分があります。例えば、退職者が生じる際には、欠員補充として退職者が会社を去る前にできるだけ能力の近い人を採用したいところです。また、事業拡大による募集の際には、経営計画に沿って営業マンを増員する必要があります。

計画的にタイミングをはかったり、スキルを持った人材を確保しておいたりすることは難しいのですが、少なくとも転職市場にどのような人材がいるのかという点は押さえておくべきです。市場を理解しておかないと、実際にはなかなか存在しないハイスペックな人材を募集してしまう場合があります。

そもそも優秀な営業マンが転職市場に少ない

優秀な営業マンとは、「成果を上げることができる営業マン」です。ということは、優秀な営業マンは現職でも成果を上げている可能性が高いということです。

営業マンは、売上で貢献することにより社内で評価され、ポジションを与えられたり昇給したりするなど待遇も良くなるため、求人媒体で募集をかけても、そもそも新しい環境での仕事を求めている可能性が低いことがあります。これらの層にアプローチをするためには、ヘッドハンティングやダイレクトリクルーティングなどを活用することで状況を打開できる可能性があります。

 条件が競合他社よりも劣っている

自社で出している条件(給与や仕事内容、福利厚生、年間休日など)が、競合他社の出している条件に劣っていると、応募が競合他社に流れてしまいます。求人広告を出す際には、必ず他社の状況を確認して自社に応募することのメリットを明確に打ち出せるようにしましょう。

採用基準が適切に作られていない

面接に求職者が集まるものの、希望する営業マンが採用できていない場合には、選考時の基準に問題が生じている場合があります。

例えば、面接を複数名で同時進行で行っている場合に、全ての面接官が同じ基準で面接をしていなければ、本来は通過させるべき人を落としてしまったり、反対に求める基準に達していないにも関わらず面接を通過してしまったりするケースが考えられます。

あるいは、人事部が面接をする際に、現場の営業マネージャーの考えを理解できないまま選考活動を行っていると、現場でどのような特性の営業マンを欲しているのかを分かっていないという状況も考えられます。

このような状況を避けるためには、現場と人事とが連携をとり、適切な採用基準を作成・共有することが必要になります。

採用までリソースに余裕がない

中小企業に得意に多い課題として、採用活動の専任となれるリソースがないことがあります。リソースに余裕がない場合、採用専属の部署が作れず、他の業務と兼任での採用活動になってしまったり、求人媒体に十分な費用をかけられなかったりするなどの問題点が挙げられます。

多くの中小企業は、採用活動を行うための資金を十分に確保するのは困難です。一般的に、求人媒体に掲載するためには数十万円の費用がかかり、成功報酬型の転職エージェントを使用する際には、採用1人あたり年棒の30~35%の手数料が発生します。

さらに、今回の新型コロナウイルスの収益への影響はかなり広範囲に及ぶものです。独立行政法人中小企業基盤整備機構が発表したアンケート調査「新型コロナウイルス感染症の中小・小規模企業影響調査」によると、新型コロナウイルスによって前年同月比よりも収益が悪化した中小企業の割合は、2020年5月67.5%、6月63.5%となっています。

新型コロナウイルス感染症の中小・小規模企業影響調査

(出典:新型コロナウイルス感染症の中小・小規模企業影響調査(2020年6月)

また、2020年7月31日に発表された、日本商工会議所のアンケート調査「中小企業の景況感調査」の結果によると、全体の約8割もの企業が新型コロナウイルスによって何らかの影響を受けており、20.4%が採用取りやめという決定を下しています。

採用に回すリソースを確保することは、平常時であっても非常に大変なことですが、新型コロナウイルスのような非常事態時にはさらに難しい判断となります。現に、2020年になってからは、採用市場の有効求人倍率に関しても低下の傾向が顕著にみられています。

有効求人倍率の低下の傾向

(出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00042.html

自社を魅了できていない

採用基準を満たした優秀な人材は、他社にとっても優秀な人材が高く、何社もの内定が同時に出されることがあります。このように人材を他社と奪い合う状況になった際に、中小企業はネームバリューや条件面では勝てない時があります。

それでも求職者が自社を選んでくれるようにするためには、求人募集や選考の段階で求職者を魅了できるかどうかが大きなポイントになります。例えば、ワクワクするようなビジョンや共感を得られるような企業理念、イメージしやすい業務内容、社員の人柄などです。

採用プロセスの段階で少しずつ求職者の入社意思を高め、応募を採用へと結びつけられるような採用の仕組みづくりが重要です。

営業マンの採用が難しい時に考えること

以上の結果を踏まえて、営業マンの採用が難しい時に企業がどのように考えるべきかについて解説します。ここでの内容を参考にして、採用活動を改善していきましょう。

求める営業マン像を振り返る

最初に実践したいことは、求める営業マン像を振り返ることです。営業マンの中途採用をする場合には通常、即戦力となってすぐに収益を上げてくれる人材であることが大切です。

自社の求める営業マンのイメージが曖昧になってしまったり、イメージしづらかったりする際に、最もシンプルな方法は、現在自社で活躍している営業マンを参考にすることです。

自社のトップ営業マンについて「どのような経歴を持っているのか?」「どのようなスキルを持っているのか?」「どのような特性を持っているのか?」といった点を落とし込みます。そして、選考時に選考基準の一つとして採用チーム全員で共有することが重要です。

営業が未経験であっても候補に視野に入れる

即戦力性を重視する時、営業未経験者の採用に対してはやや慎重になってしまう部分があるかも知れません。特に、第二新卒のような若手人材の採用においては、営業未経験者を積極的に採用することで母集団の数を増やすことも選択肢の一つです

この時、未経験採用を積極的に検討すべきである理由が2点あります。1点目は、営業未経験であっても営業に必要な資質を持っている人は少なくないことです。ある意味、営業職は未経験からでも応募しやすい職種であるということです。

営業職に必要なスキルは、ビジネスマナーや情報収集力などの基本スキルや、自社サービス・業界に関する知識、交渉力やプレゼンテーション能力、ヒアリング能力などがありますが、その多くがビジネスの基本スキルとして身に付けているべきものであたり、入社後の研修で身に付けらえるスキルです。

例えば、経理やマーケティングなどのように、そもそも専門知識やスキルがなければ、仕事を遂行することさえ難しいですが、営業職の場合は専門的な知識という観点からはそこまで必要とされるわけではありません。

2点目は、異業種への転職に前向きなスタンスを持つ若手社員や苦手営業マンが少なくないことです。特に、年収アップを希望している求職者や、就業中のポジションの業務内容に満足していない場合などは、営業職を希望している可能性もあります。

また、「営業職」といっても、取り扱うサービスや価格帯、顧客との接し方、販売の方法など企業や商材によって営業スタイルはさまざまです。経験者や前職で優れた成果を上げている営業マンであるからといって、必ずしも自社で即戦力として活躍してくれるわけではないため、営業未経験の差がそれほど大きくならない可能性もあります。

なお、未経験者を営業に採用する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 志望動機が明確であること
  • 間接的であれ、少しでも営業に活用できそうな資質を持っていること
  • 謙虚かつ素直であること

未経験である以上は、未経験を埋めるだけのものを求めたいので、意欲や適性の部分を見極めて採用したいということです。また、自社側に未経験者を指導できる教育・研修体制を整えておくことも必要です。

媒体の募集内容に力を入れる

媒体の募集内容を、可能な限り充実させることも大切です。この時に、大切なことはマーケティングの視点を活用することです。つまり、ターゲットの求職者の目線で3C分析(自社・顧客・市場の観点で、強みや特徴などについて分析を行うフレームワーク)などを用いながら募集内容を確認すると効果的です。

募集要項の業務内容を明確にする

業務の内容について明確に記載することが大切です。ただでさえ営業マンの業務は非常に業務範囲が広くなりがちです。そこで、どのようなビジョンや経営理念に基づいた業務内容を行うのか、できるだけ一つひとつ細かく記載することが大切です。

求職者が営業職としてどのような仕事をするのかについて、具体的にイメージできることで、転職への不安を軽減する効果が期待できます。

 労働条件を詳しく記載する

募集要項には条件面について具体的に詳しく記載しましょう。給与額や年間休日、福利厚生といった条件面は、採用になった場合の求職者の生活に直結するからです。

この時、ただ詳しく記載するだけではなく、自社・競合他社・市場を意識して、採用における自社の強みや自社ならではの働き方などについて注目してみるのも良いでしょう。また、もし条件面で他社に勝てない状況の際には、どの部分をアピールすれば自社ならではの優位性が示せるかを意識しましょう。

働き方の多様性について記載する

働き方の多様性について、詳しく記載することも大切です。特に、在宅勤務制度の利用可否や育児・介護との両立のサポートの有無などは情報を欲している求職者が多いはずです。また、働き方の多様性に対応しているかどうかは、働き方改革やテレワークなど最新の働き方への対応にもつながるため、対応することにより自社の魅力にもつながります。

新型コロナウイルス対策という観点からも、テレワークや在宅勤務への対応状況は求職者からも注目されるケースが多いでしょう。

職場の雰囲気を伝える

求人媒体の中ではフォーマットが決まっている場合もあるため、情報の発信方法に工夫をする必要がありますが、職場や既存のメンバーの雰囲気を伝えることにより、求職者に安心感や親近感を持ってもらうこともできます。写真や採用ブログを活用したりするなどにより、できるだけ具体的に職場の雰囲気を伝えましょう。

営業マンの新規採用以外の方法についても考える

自社の営業力を高めていくという観点では、採用力の強化以外にも考えるべきことはあります。

もちろん、人員を増やすという点では新規採用に成功することに越したことはありませんが、人材が買い手市場である近年は、特に知名度が低く採用に大きなコストが掛けられない中小企業にとって、採用活動は決して簡単なことではありません。

そこで、最初に考えたい対策の一つが既存の営業マンの力を最大限に活用して、成果を高めていく方法です。営業マンの営業力を高めるために大切なことは、業務範囲が広い営業の仕事を「効率化」「自動化」して、営業マン一人ひとりが収益に関わる業務に専念できるようすることです。

そして、営業効率化のためのカギになる一つに、セールスオートメーションがあります。セールスオートメーションにより、見込み顧客に対して最適なタイミングで営業メールを送信したり、見込み顧客のアクションやリアクションに対して自動的に対応ができます。

まとめ

新規での採用を行う上で、営業マンの採用が難しいときに考えるポイントを改めておまとめすると、以下の通りです。

  • 活躍している自社の営業マンのイメージを明確化して共有する
  • 未経験者にも採用の基準を広げる
  • マーケティング要素を取り入れて募集要項を強化する

これらの工夫と同時に、セールスオートメーションを活用した営業力のリソースの集中と強化についても考え直してみることも重要です。場合によっては、膨大なコストをかけて新規採用を行うよりも、今いる営業マンの営業活動を自動化してさらに売上げを上げるころを目指した方が効率的な場合があります。

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佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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