意思決定者の4つのタイプと対策

意思決定者 タイプ 対策

営業活動では、購買に関わる意思決定者(購入のキーパーソン)を特定し、アプローチすることが大切です。
皆さんも、できるだけ早く意思決定者と会えるよう、日々努力を重ねているのではないでしょうか。
しかし、顧客側の意思決定者は1人ではないことが当たり前になってきています。
CEBがアメリカで法人向けビジネス(B2B)のステークホルダー5,000人以上を対象に行った調査によると、購入には平均で5.4人の承認が必要という実態が明らかになりました。
また、役職や所属部門も多岐にわたっているとのことです。
個人向けビジネス(B2C)の場合にも、高額サービスや商品になると、意思決定者は1人でないこともあります。
例えば、ファミリー向けマンション販売の場合、奥様と話をしているだけでは成約にならないケースもあります。
意思決定者が2人以上になると、購入の確率も大幅に下がることもわかっています。
意思決定者が1人の場合は、購入の確率が81%であるのに対して、2~5人の場合は50%強、6人の場合は31%にまで下がります。
今回は、購入にかかわる意思決定者の4つのタイプとタイプ別の対策をご紹介します。
法人向けの場合はもちろん、個人向けの場合にも、営業の基本として押さえておきたいポイントです。

1. 決裁者

法人の場合、役員や部門長など、意思決定者から薦められた提案を承認する立場にある人が決裁者になります。
決裁者の関わり方はさまざまで、承認するだけの場合から、選定プロセス全体を監督している場合があります。
個人の場合も同様で、予算を掌握し最終的な購入を決める人です。

対策

決裁者には最終段階まで会えないこともあるため、アプローチできている関係者から決裁者が何を重視しているのかヒアリングするようにしましょう。
商品やサービスのメリットについて、ひと目でわかるポイントを絞った資料や情報が効果的です。

2. 選定者

購買対象となる、商品やサービスの選定し、決裁者に対して購入の働きかけをする人です。
営業活動の早期から接触できることが多く、多くの営業マンが選定者の説得をゴールにしがちです。
実際は、選定者の説得は最初のステップであることを忘れないようにしましょう。

対策

選定者に対しては、最重要課題に絞った資料や情報を用意するとともに、購入プロセスを説明し、購入に関連する他の意思決定者に情報を共有できるようにサポートしましょう。
そして、決裁者やインフルエンサーなどの課題や重視するポイントを聞き出し、その対策を一緒に練っていくことが重要です。
例えば、ファミリー向けマンション販売の場合に、奥様が基本的な選定を行い、最終決済はご主人であるケースなども多くあるかと思います。
この場合、選定者である奥様に適切に情報提供することは基本ですが、併せて決裁者であるご主人に情報共有をしていただき、ご主人が何を重視されているのかを明らかにしながら、奥様とご一緒にご主人に必要な情報を提供していくことが成約につながります。

3. インフルエンサー(影響力のある人)

購買の承認や決断には関わらないものの、購買へ影響を与えます。
インフルエンサーへの対応を誤ると、最悪購入に至らない場合や、商談クローズが長引く場合もあります。
法人の場合には、技術的知識のある人、予算やROIを管理する立場にある人、商品やサービスのユーザーなど、社内の多様な意見や立場からの意見や考察を提供できる人が商談に影響を与える場合が多くあります。
個人の場合は、家族や親戚が購入に影響を及ぼす可能性があります。
例えば、ファミリー向けマンション販売の場合には、奥様が選定しご主人が決済するとしても、一緒に住む子供がインフルエンサーになるケースです。
ある程度大きなお子様の場合、部屋の大きさや立地などの希望があり、購入を左右する可能性があります。

対策

インフルエンサーの課題を解決する情報、例えば技術的な優位性やコストなど、課題を解決する資料や情報を用意しましょう。

4. ゲートキーパー(門番)

決裁者、選定者、インフルエンサーが無駄な時間を取られないよう、守る立場にある人です。
法人の場合は、受付スタッフや現場担当者で、提案をする企業の商品やサービスが自社の最低基準に達しているかを判断し、スクリーニング(ふるいわけ)を行います。
個人の場合にも、ゲートキーパーが存在することがあります。
例えば、ご主人に資産活用の提案がしたいけれども、奥様が電話をつないでくれないケースなどです。

対策

ふるい落とされないよう、信用をえられるような情報や資料、またご購入のメリットをすぐにご理解いただけるようなものを用意しましょう。
商品やサービスの評判、事業規模など、社会的な位置づけがわかる資料も効果的です。
追加で詳細な資料を求められたら、迅速に提供するようにしましょう。
意思決定者との関係が深い場合や、意思決定者の指示で動いている可能性があることを忘れずにおきましょう。
その場合は、実質的にその意思決定者と同じ対応が必要です。
また、検討候補としての精査が終わるまで、当面の窓口になることもあります。

今回は、意思決定者のタイプと対策についてお伝えしました。
意思決定者といっても役割はさまざま、関心のあることも異なります。
役割をしっかりと見極め、関心に応じた情報や資料を提供し、戦略的に営業活動を行いましょう。
意思決定者が複数いる場合は「意思決定者が複数いる場合に考えるべき4つのポイント」を参考にしてみてください。

    営業スキルチェックシート

川崎 裕介(かわさき ゆうすけ)

慶應義塾大学卒業後、外資系歯科医療機器メーカーを経てコンベックスに入社。プロダクトセールスチームで新規顧客開拓、既存顧客のコンサルティングに従事する傍ら、セミナー企画・運営を担当。現在は「セールスハックス」の運営、「Digima」のプロモーション全般を担当している。

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