インサイドセールス導入で柔軟な営業活動を実現させるコツ

インサイドセールス コツ

インサイドセールスという単語を1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。下図からもわかるように、ここ2、3年でGoogle上の検索数も急激に増加しています。

働き方改革が推奨され、一人ひとりの生産性の向上を求められる企業としては、インサイドセールスはとても魅力的で、導入し始める会社が多いです。しかし、全ての会社が上手くいくわけではありません。営業の価値観も昔は訪問型の営業というイメージが強かった人も多いかもしれませんが、その目的や役割が多様化しています。今回は、インサイドセールスの役割と導入に際してのコツ・ポイントをご紹介いたします。

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インサイドセールスとは

インサイドセールスとは言葉の通り営業活動をインサイド(社内)で行うことを主とする営業手法です。営業というとお客様先へ足を運ぶイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、電話やメール、オンライン商談を用いて営業を行うインサイドセールスが広まりつつあります。

インサイドセールスはアメリカ発祥の営業手法です。サブスクリプション(利用した期間に応じて利用料金を支払う)型のビジネスモデルが普及したことにより、事業者としては少額サービスのビジネスモデルのため、営業活動をより効率化する必要が出てきました。

その中の一つとして、移動時間の削減があります。アメリカは国土が広くお客様先に伺う時間(移動時間)がとてもかかります。そのため、電話などを用いたインサイドセールスが普及しました。

具体的な業務内容としては目的に応じて異なりますが、大きく2パターンに分類されます。

1. 「顧客育成」を目的としたインサイドセールス
2.「成約まで完結する」インサイドセールス

です。

「顧客育成」を目的としたインサイドセールスでは電話やメール、オンライン商談を用いた商談・連絡をメイン業務としていることが多くあります。

さまざまなマーケティング施策により獲得したリードが蓄積されている顧客情報の集まり(データベース)内を検索し、条件に合ったお客様を抽出します。抽出したお客様に対して連絡しヒアリングを行い、今すぐ検討段階ではないお客様にはニーズに合った情報提供を長期的に行い良好な関係性を築きます。「そろそろ検討したい」とお客様のニーズが高まった段階で、営業チームに引き渡し、情報共有しながら成約へと進めます。

「成約まで完結する」インサイドセールスの場合、営業チームに引き渡すことなく自身で成約まで行います。訪問時間削減を目的とする場合が多いため、全国各地に見込み客がいる企業や、利益率が低い企業がこのインサイドセールスのスタイルをとる場合があります。

インサイドセールスが担う役割

インサイドセールスを導入することにより3つのメリットがあります。

分業制によりトップ営業マンが見込み度の高いリードに注力できる

営業と一言で言っても行うことは多肢にわたります。

簡単に記載しても営業リスト作成・選定、アポイント取り(テレアポ、メールマーケティング)、営業訪問、案件管理、追客(メールや電話による情報提供)、クロージングと幅広い業務があり、この内容を営業担当者がそれぞれ行う企業が多かったのではないでしょうか。

このような業務を一人で抱えてしまうと、「受注できそうな案件があるが、見込みが薄いお客様もフォローしないといけないため失注した」というシーンがあったり、「担当していたお客様が知らない間に別企業のサービスを導入していた」というシーンを生んでしまうこともあります。

営業力がある営業マンがいるのであれば、得意な「営業訪問、案件管理、クロージング」に注力してほしいものです。インサイドセールスを導入することにより、長期的な見込み客の追客はインサイドセールスが担当し、今すぐ検討している見込み度の高い見込み客にはトップ営業マンが注力することができます。

訪問数の増加

商談自体は1時間程度なのに、移動時間が1、2時間要してしまうという体験はありませんか?フィールドセールス経験者には共感頂けるかもしれませんが、移動時間が意外とかかり業務を圧迫することがあります。インサイドセールスを導入することにより、この移動時間が無くなり、訪問数・商談数を増やすことが可能です。

例えば、1日4件お客様先に訪問型営業を例に挙げてみます。商談時間が1時間、移動時間が1時間とする場合、上記のようなスケジュールになるのではないでしょうか。商談4時間と移動時間5時間がかかり、翌日同じような訪問スケジュールの場合営業資料作成をしなければならず、残業するというケースも少なくないはずです。

それに比べてインサイドセールスでは、移動時間がないため訪問型営業が移動している時間に営業

資料を作成することも商談数自体を増やすことも可能です。

見込み度の高いリードにすぐにアプローチできる

何か欲しい物があり問合せをしたが、すぐに連絡がなく熱冷めしてしまった経験はありませんか?鉄は熱いうちに打てということわざがあるように、お客様のニーズが高まり温度感が高い時に連絡・提案をすることで受注率に影響を及ぼします。

急成長している企業では新規リードとの接点を持ってから5分以内に電話をしている確率が、それ以外の企業と比較すると2倍以上の差があります。新規リードを対応する営業担当が外出している場合、すぐに対応が出来ずお客様の熱冷めにつながる危険性があります。新規リードの一次対応をインサイドセールスに任せることにより、見込み度の高いリードを放置することなくアプローチすることが可能です。

引用:THE INSIDE SALES PROCESS REPORT

日本でインサイドセールスが導入され始めている理由

アメリカで広がった背景としては「国土が広く移動コストが大きい」ためでしたが、日本の国土はそこまで広くなくビジネスが盛んな地域も東京・大阪・福岡・名古屋・仙台などと限られ、移動コストがアメリカと比較するとそこまで大きくはありません。では、なぜ日本で導入され始めているのでしょうか。日本でインサイドセールスが発展している理由としては「企業数の減少」と「働き方改革による生産性向上」が挙げられます。

中小企業庁調査室の調査では、2009年から2014年にかけて企業数が減少傾向にあります。

企業数が増加傾向の時代では新しい商品・サービスを新規顧客に対して提案し販路拡大していくことが必要でしたが、企業数が減少傾向にある現代ではアプローチする企業数増加ではなく、一社あたりの売上げ増加が必要になってきました。

そのためには手当たり次第に営業活動を行い顧客数を増やすのではなく、お客様ごとのニーズを把握し適切な情報提供を行い一社あたりの売上げを増加することが大切になりました。この活動を行うには今すぐ成果につながらなくても、お客様と密なコミュニケーションが必要です。このコミュニケーションをすべて訪問にて行うには多くの営業マンが必要なため、注目されたのがインサイドセールスです。

インサイドセールスが失敗する原因

上記理由から、インサイドセールスは注目され導入し始める企業もあります。とても素晴らしい営業スタイルですが、導入した全ての企業が成功するとは限りません。インサイドセールスが満足いくほど活用できていない企業の声を例として3つ挙げます。

送客(フィールドセールスの商談設定)数は増えたが、商談の質が低下した

インサイドセールスのKPIが商談創出数(フィールドセールスの商談設定数)になっていることは少なくありません。もちろん「商談数の増加」を目的とした場合、この指標がとても大切になりますが「商談設定のための基準をクリアしたか?」も大切です。商談創出数だけを追うと購買見込みの低いアポイントも増加してしまうため、「商談設定のための基準」を設けることが必要です。

インサイドセールスの成果が見えづらいことから、社内の評判が下がる

検討促進を目的にしているインサイドセールスの場合、すぐ契約となるわけではないため成果が出るまでに時間がかかります。そのため社内から「コストをかけているのに成果が出ていない」という声が出る可能性があります。

社内での作業が続くためモチベーションの維持が難しい

インサイドセールスの業務内容としては電話とメール、オンライン商談を用いて情報提供を行い、検討度合いが高まったタイミングでフィールドセールスに商談創出します。目に見える成果が出づらい上に、社内での作業が続くためリフレッシュもしづらくモチベーションを維持することが難しい営業マンもいます。

インサイドセールス導入のコツ

では、成功するためにはどのようなことに気をつければいいのでしょうか。アメリカのAA-ISP(インサイドセールスプロフェッショナル協会)が調査した「The-Inside-Sales-Process-Report」では、売上げが20%以上伸びている企業は売上成長率がそれ以下の企業と比較すると営業指標の精度が正確だと回答した割合が3倍以上でした。

売上げが20%以上成長している企業では適切な目標設定を行い、想定と異なった事象が起きた場合には目標の再設定を行うことで売上げ向上につなげていると考えられます。

前述したインサイドセールスの失敗の原因でも同じようなことが言えるのではないでしょうか。

共通するのはインサイドセールスという職種は「成果が見えずらいこと」です。そのため適切なKPIを設定し、インサイドセールスメンバーにもやりがいと目指すものを、社内メンバーには存在意義と進捗を示す必要があります。

ではどのような目標、KPIを設定すべきでしょうか。この問題を考えるうえでインサイドセールス導入の目的を振り返りましょう。インサイドセールスを導入しようと思ったきっかけ、理由は何ですか?インサイドセールスという営業手法は問題解決のための手段のため、解決したいことを明確にしそれをクリアするための目標・KPIを設定しましょう。

想定される営業課題をあげてみます。同じような悩みは抱えていませんか?

・フィールドセールスは目先の数字(その月の売上げ)を優先してしまい、長期案件を放置してしまう
・提案型営業のため一人前(例:自己完結し年間目標達成するレベル)になるまでに数年かかってしまう
・単価が低い商材のため営業マンの採用が難しい
・既存顧客からのリピート率が低い

例えば、フィールドセールスを見込み度が高い案件に集中させたいと考えインサイドセールスを導入した場合、フィールドセールスへの引き渡し数(商談設定数)が指標になります。また単価が低い商材のため多くの営業マンの採用が難しい場合、インサイドセールスが受注まで担当する必要があります。そのため指標は受注数になります。既存からのリピート率が低い場合、追加発注数になるかもしれません。

まとめ

インサイドセールスは営業の生産性向上を期待できる営業手法であると言えます。ただしあくまでも目的達成のための手段です。目的、指標が適切でなければ、「最近流行りの営業手法だから」という安易な考えでは成果を上げることはできません。

実際にインサイドセールスを導入する際には、目的を明確にし適切な目標設定を行う必要があります。弊社では「本当に使える、意味のある営業活動KPI集」でさまざまなKPIを紹介しています。自社に合ったKPIを設定する上での参考にしていただければと思います。是非ご覧ください。

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