急成長するインサイドセールス導入企業から学べること 第2部:重要課題と対策

インサイドセールス 導入企業 重要課題

ここ数年、急成長を続けているインサイドセールス
具体的には、主に電話やメール、ウェブサイト、ダイレクトメールなどを用いて、見込み客や顧客に対して営業活動を行う手法・職種です。
米国で発行された調査報告書『インサイドセールス市場サイズ2013』によると、インサイドセールス市場はフィールドセールスの300%のスピードで成長しており、2020年にはインサイドセールスの数が260万人になると予測されています。
では、実際導入をしている企業では、どのような課題を抱え、どのようにそれらの課題に対応をしようとしているのでしょうか。
アメリカ・インサイドセールス・プロフェッショナル協会(AA-ISP)が2011年より発行をしている、2015年度インサイドセールス・トップ課題レポートの内容について、第2回目の今回は、重要課題とその対策についてお伝えします。

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2つの重要課題

課題については、順位は若干異なるものの、リーダー、現場スタッフ共に共通した2つの課題が浮き彫りになりました。

研修と人材育成

インサイドセールス業界の急成長により、インサイドセールス担当者に求められるスキルや能力、営業経験へのニーズが人材育成のキャパシティーを超えてしまっている状態となっています。
また、フィールドセールス担当者と同等の課題解決能力やコミュニケーション力を求められるようになり、非対面でのバーチャルプレゼンテーション、交渉力、クロージングなども必要なスキルとなってきています。

見込み客データの質の向上

現場担当者からは引き続き最重要課題として挙げられました。
リーダーの間でも重要性が増しています。
本当に可能性がある見込み客を探すのに、時間をかけすぎていると感じられています。
それでは課題について、リーダーと現場スタッフ、それぞれがどのように対応をしようと考えているか、どこに難しさを感じているかについて見ていきましょう。

課題への対策案【リーダー編】

研修

・研修の継続:経験のある営業マンの研修の継続が課題であり機会点。

・研修のスピードアップ:新規スタッフと既存スタッフ両方について、研修のスピードアップの方法の模索を続ける。

・業界と商品の特化:研修のテーマを、自社商品やサービスについてと顧客の業界についにより特化していきたい。

・時間が課題:研修のための時間の捻出が大きな課題となっている。

・コーチング:現場スタッフと一対一のコーチングを実施する。

採用

・面接:面接の質問を更新し、面接の質を向上させる。

・人材紹介会社:他企業との競争が激化しており、人材紹介会社担当者も、よいインサイドセールス担当者を探すのに、さまざまな工夫をすることが必要になっている。

見込み客データの質の向上

・マーケティング:マーケティングとセールスを統合し、見込み客データの質を高める。

・フィールドセールスとの統合:フィールドセールスとの協業を増やし、見込み客データの質を高め、見込み度スコアを設定する。

・業務の細分化:アウトバウンドコールのみを担当させるなど、営業ステージごとに業務を細分化したほうが効果的ということがわかってきている。

・デジタルツールの導入:デジタルツールの導入への注目が高い。また、CRMツールもよりよいものを入れたいというニーズも高まっている。

課題への対策案【現場スタッフ編】

見込み客データの質の向上

・見込み客を自分で探す:与えられた見込み客データを利用するだけでなく、自ら時間を割いて見込み客データを探す。

・見込み客の精査方法:見込み度を測るスコアカードの導入により質を向上させる。

・マーケティング:マーケティングチームと営業チームの連携を強化する。

・新しいツールの利用:現在使っているツールが時代に合わないものになってきている。

研修

・オンライントレーニング:オンライントレーニングでスキルアップをする。また、数か月に一度大規模なトレーニングに参加するよりも、小規模のトレーニングをより頻繁に受ける。

・キャリアプランの作成:マネージャーと共にキャリアプランを作成し、営業パフォーマンスを計測する。

いかがでしたか?
業界の規模が急速に拡大するなか、リーダーはより効率的に研修や採用を行いたいと考えています。
一方で、現場スタッフからは、オンライントレーニングでこまめにスキルアップをしていたいという意見が上がっているだけでなく、長期的なキャリア形成にもつなげたいと考えていることがわかります。
リーダーからは、時間の捻出も対策と課題の両面で挙がっているため、準備や実施の負担が大きい大規模なトレーニングの企画よりも、普段の業務と並行して実施できるようなミニセミナーやオンラインプログラムの実施が現実的です。
インサイドセールスのメリットの一つとして、リーダーとスタッフが同じ場所で仕事をしているケースが多いため、その場での指導や教育が可能ということです。
そのメリットを活かした、柔軟性のあるトレーニングプログラムの実施もよいでしょう。
見込み客データの質の向上については、マーケティングやフィールドセールスとの連携強化の他、ツールの重要性も、リーダー、現場スタッフの双方から挙げられています。
現場スタッフの解決方法からはとにかく今自分ができることを探っている様子が伺えますが、業界全体としては、業務の細分化も含め、プロセス改善の方に向かっているようです。
どのような規模でインサイドセールス業務を行っていても、この2つの課題は、必ず浮上をしてくる問題です。
見込み客の育成だけでなく、スタッフの育成も重要ですし、見込み客データの質の向上のためには、継続的な評価とプロセスの改善が必要です。
それぞれの課題について常に意識をし、取れる対策を探っていくことが大切です。

    営業ワークフローと営業ツール標準化《実践ガイド》

川崎 裕介(かわさき ゆうすけ)

慶應義塾大学卒業後、外資系歯科医療機器メーカーを経てコンベックスに入社。プロダクトセールスチームで新規顧客開拓、既存顧客のコンサルティングに従事する傍ら、セミナー企画・運営を担当。現在は「セールスハックス」の運営、「Digima」のプロモーション全般を担当している。