売上げ拡大のために経営者がするべきこと

売上げ拡大

企業経営者は、事業の継続的な成功のため、事業全般について責任を持ち、最終的な経営判断を下すリーダーです。
責任範囲が広く、経営スタイルや営業への関わり方もさまざまです。
企業の存続にも関わる営業活動は、多くの経営者にとって優先順位が高く、売上げ拡大のためにできることを模索しているのではないでしょうか。
経営者が営業マネジメントに焦点を当てている企業は他の企業に比べ、売上げと利益が50〜80%高いというデータもあります。
今回は、売上げ拡大のために経営者がするべきことをご紹介します。
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1. 継続的な成長を可能にする営業組織を作る

経営者の仕事は経営。
営業部門のプレーヤーになることは避けるべきです。
しかし、現在ある営業組織をそのまま受け入れる必要はありません。
売上げに課題があるのであれば、継続的な成長が可能な体制になっているのか、改めて見直すことが必要です。
社内の営業チームにこだわる必要もありません。
外部との提携や外部委託も視野に入れてもよいでしょう。
新たに採用を行う場合は、既にネットワークを持った人を優先的に採用するよう、指示を出しましょう。

2. 組織の意識改革

売上げ拡大には、顧客ニーズに応えられているか、顧客視点の購買プロセスやサポート体制になっているかも大切です。
顧客との接点のすべてにおいて、顧客が満足いく体験ができる組織体制を作り上げるよう、組織全体の意識改革を行うことも経営者の役割です。

3. 経営者同士のつながりを築く

B2Bの場合は、主要な顧客や見込み客の経営者とのつながりを構築することも売上げ拡大に有効です。
ポイントは、自社ばかりが利益を得るのではなく、双方にとってメリットのある状況にすることです。
B2Cであっても、取引先の社員に対する特典やプロモーションを行うこともできます。

4. 営業についてのコミュニケーションは幹部レベルにとどめる

売上げ拡大に貢献しようと、気になることは直接営業チームに伝えたくなってしまうかもしれませんが、コミュニケーションは幹部レベルに限りましょう。
日々の業務や営業プロセスの細部に入りこむと、肝心な時に影響力を発揮できなくなってしまいますし、結果として営業活動を邪魔することになってしまいます。
経営者自身も含め、組織の一人ひとりが自分の役割をよく理解し、たとえ経営者が介入をしてきても言うべきことを言える体制にしておくことも大切です。
介入したいと思うことが多すぎるようであれば、チーム自体を信頼できていないか、営業プロセス自体に疑問があるということも考えられます。
自分の信頼する気持ちに問題があるのか、他の問題があるのかも考える必要があります。

5. 顧客との関係を強化するための裁量を与える

継続して売上げを拡大させるには、既存顧客との関係強化が何よりも大切です。
営業現場に顧客との関係を強化するための裁量を与えることも、長期的な売上げ拡大につながります。
例えば、顧客との信頼を失うようなことがあった時など、不測の事態に現場が臨機応変に対応できれば、顧客を失わずにすむでしょう。

6. 自身の権限で価格やサービスの方針を変えない

一時的に売上げを拡大させるために、自身の権限で特例として、価格やサービス内容を変えることは行わないようにしましょう。
本当に必要な場合や顧客との長期的な関係にメリットがあると判断した場合は、営業チームによるイニシアチブで、戦略的に企画、実行するようにします。

7. データ分析を活用する

営業活動に関するさまざまなデータを分析、活用する体制を作り上げることも、売上げ拡大のために経営者がするべきことです。
売上げ拡大のためには、営業活動自体の効率化や生産性向上も必要となります。
目的別にKPIを設定し、行った活動についても振り返ることを繰り返すことで、ピンポイントな改善を行うことができるようになります。
そのような体制にするためのツールの導入、人材の採用、外部への業務委託などに予算をとることも検討する価値があります。
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8. 新しい市場やターゲットについてのリサーチ

市場や消費者の変化、新たな競合の登場などで、既存の市場やターゲットだけでは売上げ拡大が狙えない状況になっているのかもしれません。
常に新しい市場やターゲットなど、成長機会についてのリサーチを定期的に行うようにしましょう。

9. 研修への投資

営業チームのスキル不足や効率も、売上げには大きな影響があります。
スキルや生産性を可視化し、改善が求められるスキルについては研修を行うことが必要です。
経験豊かな営業マンであっても、デジタルの知識、部下に対するコーチングのスキルなど、新たなスキルが求められています。
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10. 無駄の排除

無駄を排除するのも、売上げを拡大させる一つのアプローチです。
営業プロセスや営業ワークフローを決めてからも、常に見直しを行い、最適化をしていくのが、変化の多い市場や消費者に対応するための現代の営業スタイルです。

11. 他部門との連携を強化

売上げの責任は、営業部門だけにあるわけではありません。
他の部門の協力があってこそ売上げ拡大につながるのです。
例えば、経営部門は今後のトレンド、マーケティング部門は見込み客との最適な接点、IT部門は効率化や生産性のためのテクノロジー、カスタマーサービスは商品やサービスの改善点やクロスセル、アップセルの機会などについて、営業部門に知見を提供することができます。
それらが相互にかみ合うよう、指揮をしていくのが経営者です。

経営者が売上げ拡大に貢献できることのほとんどは、組織体制の改善や、新たな仕組みを取り入れることです。
ある程度時間がかかるものであるため、結果を出すためにはできるだけ早く取り組む必要があります。
将来の目標に合わせやるべきことを見極めましょう。

    売上げ拡大戦略と実行ガイドブック

原誠

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