デジタル化が与えた営業への影響とは

デジタル化 営業

みなさんは営業活動を行う際、どのような手段でお客様とコミュニケーションを取りますか?

コミュニケーション手段は従来の対面や電話から、メールやチャット、SNSといったデジタルを活用した手段へと変化しました。提案書や注文書などの電子化や、オンラインで商談を行うこともできるようになりました。

今回は、デジタル化が営業に与える影響や、デジタル時代に求められる営業について解説します。

営業のデジタル化とは

営業のデジタル化とは、より効率的に売上げを上げるために、営業マンの営業活動の中でデジタルツールを活用することです。デジタルツールには、メールやSNSなどの身近なコミュニケーション手段から、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)のような営業活動を管理、後押しするようなツールも含まれます。

従来は、営業というと電話でアポイントをとったり、直接訪問をすることで商談の機会を獲得し、契約へと結び付けていました。しかし、現在はデジタル技術の発展により、商談機会の獲得のためのアプローチにも、電話や訪問だけではなく、メールやSNSなどの営業マンの活用できるアプローチ手段が増えたと言えます。

また、お客様との電話や商談におけるコミュニケーションについても、これまでは各営業マンの頭で記憶していたり、ノートなどのメモで留まってしまっていたかも知れません。営業支援ツールができたことで、顧客情報や過去の案件の内容などを一つのシステム内で管理することができるようになりました。

営業活動のデジタル化が実現したこと

では、デジタル化が進むにつれて、営業活動ではどのようなことが可能になったのでしょうか。デジタル化によって生じた2つのことを紹介します。

営業マンが自ら情報を検索できるようになった

営業マンは、営業活動の中でお客様の情報を多く獲得できるようになりました。

インターネットの普及によりBtoBの企業であれば、検索をすればお客様の企業情報や関連する業界動向、財務データも入手することができます。またBtoCでは、SNSの浸透により個人が自ら情報を発信する機会が増えています。そのため、お客様の興味関心ごとを把握することが簡単になりました。

これまでは、電話や訪問商談の際にお客様の興味関心をヒアリングして、そのニーズに対して提案を行なっていましたが、今ではアプローチ前の段階でお客様を理解するために役立つ情報が多く存在しているのです。

また、営業支援ツールの普及により、営業マンがお客様と自社の過去の関係が把握できるようになりました。

営業マネージャーが商談の前に、これまでに自社の営業マンが「どのような会話をしていたのか」「どのような目標や悩みを聞けているのか」など、お客様との過去のやりとりを見ることができます。過去の文脈がわかることによって、同じことを聞くなどの無駄なヒアリングを省くことができたり、お客様の目標や悩みなどの個別の状況に合わせた内容を伝えることができます。

お客様の状況を把握することにより、営業のアプローチをするべきかどうかの判断にもなりますし、お客様とのコミュニケーションのきっかけ(共通認識)を見つけることもできるかもしれません。

ツール別「知ることができる内容」

早い段階で見込み客と接するようになった

デジタル化の恩恵を受けているのは、営業マンだけではありません。スマートフォンの普及により、お客様もいつでもどこでも購買検討に必要な情報を入手できる環境ができました。実際、購買検討をする際に、Web検索を行わない人はほとんどいないのではないでしょうか。

お客様が手軽に情報収集できるようになったことにより、営業マンは、購買プロセスの早い段階のお客様と接触することが多くなっています。購買プロセスの早い段階のお客様の特徴としては、まだ具体的な課題感を持たず、漠然とした目標や願望、不安や悩みを抱えている状態と言えるでしょう。そのため、目の前の数字を追いかける営業マンとしては「薄い見込み客」と感じてしまい、優先順位が低く扱われてしまいがちです。

しかし、営業マンが早い段階で見込み客にアプローチすることは重要です。お客様も、購買検討を進める段階で複数の営業マンからアプローチを受けます。さまざまな企業の営業マンからアプローチをされると、同じような内容のヒアリングを受ける可能性が高いです。

早い段階でアプローチしてきた営業マンには、十分な情報を提供するモチベーションがあるかも知れません。しかし、4回目くらいのアプローチになるとお客様が同じような質問に答えるのが面倒になり、十分な情報提供に応じなくなってしまうかも知れません。

デジタル営業支援ツールが、普及してきた現在ではデジタル上の行動も見えるようになってきました。デジタル上の行動とは「営業マンが送信したメールをお客様が開封、再開封したのか、リンクをクリックしたのか」「お客様が自社のHPにいつ来訪したのか、どのページをどのくらい見ていたのか」などのお客様のデジタル上の目に見えない行動のことを言います。

お客様のデジタル上の行動を把握することによって、早い段階のお客様がどのようなことに興味関心を抱いているのか、さらにはどのタイミングで情報提供のアプローチをしたら良いのかなどのヒントを教えてくれます。

デジタル時代の購買プロセス

デジタル化により営業マンに求められること

今後も、営業活動におけるデジタル化の動きは加速していくと思われます。営業活動のデジタル化を後押しする営業支援ツール市場は、今後も増加する予測です。それでは、デジタル化が進む営業活動において、現場の営業マンにはどんなことが求められているのでしょうか。

デジタルツールの活用

営業活動を支援するデジタルツールは、SFA(営業支援ツール)やCRM(顧客管理システム)、MA(マーケティングオートメーション)などのさまざまなツールが登場しています。もはや、営業活動にデジタルツールはなくてはならない存在になりはじめています。多くのツールは、使い勝手に工夫をこらし活用しやすくなっています。ITに詳しくないから活用を拒むのではなく、まずは活用できそうな機能や営業シーンから取り込んで試してみることが重要です。

例えば、営業マンが、アプローチの中で獲得した情報や商談での内容を上手く管理できておらず、他の営業マンが社内の情報を活用できていない場合は、SFAやCRMで管理してみるとよいでしょう。お客様からヒアリングした情報の中には、案件を進める上で重要な情報が含まれているかも知れません。一人の営業マンが入手した情報を組織全体で共有することは、案件数を上げるためには重要です。

もし社内にシステムを管理する部門がある場合は、独断的にシステムを決定して現場に落とし込むのではなく、現場の営業マンの声をしっかりヒアリングしましょう。

営業支援システムを導入する目的は、営業活動をより効率化させて、売上げを向上させることです。その実際の現場での課題を理解しているのは、現場の営業マンですので、「どのような営業活動上の課題があるのか」「検討している営業支援システムで、その課題は解決できるのか」をしっかりと見極めた上で、導入の決定をしていくことも大切です。

情報収集力と文脈を読み取る力

お客様の課題解決を行うためには、お客様のことを可能な限り理解しておくことが大切です。お客様を理解するためには、お客様の情報や周辺の情報を収集することが必要です。業界の知識や競合の知識などを増やすことで、コミュニケーションをより円滑にすることができます。

しかし、情報収集をだけでは、よりよい提案に繋がりません。実際に、自分の営業活動や提案の中に落とし込む必要があります。

お客様が欲しいタイミングで本当に欲しい情報を提供し、お客様一人ひとりに合った提案を行なっていくことが大切です。お客様の「文脈」を捉えるということです。

文脈とは、物事の一連の流れのつながりや背景のことです。ここではお客様の「購買活動の一連の流れ」とその「背景」を表ます。

例えば、お客様がまだ日常生活や業務で漠然とした課題を感じ始めた段階であるのに、営業マンが商品の具体的な機能の情報を提供しても関心を持ってもらうのは難しいでしょう。このような場合は、まず漠然とした課題を明確化するために、他のお客様に共通する課題を提示してあげて、顕在化のお手伝いをすることが有効です。

これからの時代の営業の姿とは

最近、AI(人工知能)技術の普及によって「将来なくなる仕事」「なくならない仕事」が話題になっています。

では、営業の仕事はどうでしょうか?英オックスフォード大学が発表したレポートによると、ルート営業や電話営業は高い確率でAIに代替され、金融業などは代替されにいくいと言われています。

カタログを見て商品・サービスの価値が理解できるような商材の場合は、AIに代替されやすく、むしろAIに代替させることによって営業効率を高めることができます。

一方で、高度な商品・サービスの提案が必要な営業活動の場合、提案内容やお客さまの関係者の巻き込みなど提案自体が複雑になります。また、お客様が今抱えているニーズや情報提供を受けたいタイミングなど、それぞれのお客様の文脈に沿った提案が必要となります。このような提案は、現在の技術ではかなり難しいでしょう。

AIや営業支援ツールは、可能な限りお客様の文脈を正確に読みとるための手段、そして営業マンが営業活動に集中するために他の業務を効率化させるための手段です。まずは、営業支援ツールなどを活用して、お客様の文脈を捉えるための情報を収集すること。そして、その情報を活用して文脈に沿ってお客様に寄り添った営業活動を実現していくことが大切です。

まとめ

デジタル化により、営業マンにとっても、お客様にとっても、必要な情報を手軽に手に入れることができるようになりました。それに伴い、営業マンのアプローチやお客様の購買活動にも変化が出てきています。

営業マンは、営業支援ツールなどを活用してお客様の文脈を的確に読み取って、役に立つ情報を正しいタイミングで提供することが重要になっています。

まずは、現在のお客様のデジタル化の流れを振り返ってみて、自らの営業活動の中で、どのようにお客様の文脈にあった営業活動を行うことができるのかを考えてみましょう。営業支援ツールなどを活用することで目に見えない行動が可視化できるので、さらに効果が期待できます。

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佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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