トップ100米企業の営業組織構成はどうなっている?

トップ100米企業 営業組織構成

今回は、米国のトップテクノロジー企業100社のトップエグゼクティブを対象に行われた「営業組織調査」*から、営業組織体制、近年の変化、各部門の役割についてご紹介します。
特に、近年急成長を遂げている「インサイドセールス」の役割について焦点を当てていきます。
インサイドセールスとは、主に電話やメール、ウェブサイト、ダイレクトメールなどを用いて、見込み客や顧客に対して営業活動を行う手法です。
この「訪問前の営業活動」であるインサイドセールスは日本でも徐々に浸透してきています。

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営業組織構成はフィールドセールスの割合が6割以上

まずは営業組織構成です。
全体の65%がフィールドセールス(外勤営業)、25%がインサイドセールス(内勤営業)、10%がチャネルセールス(代理店営業)となっており、まだまだフィールドセールスが主流となっています。
特にフィールドセールスの割合が高いのは、テレコミュニケーション業界で、8割近くがフィールドセールスとなっています。
インサイドセールスの割合が比較的高いのは、ソフトウエア業界です。
チャネルセールスの割合が比較的高いのは、ハードウェア業界です。

インサイドセールスを強化した企業はフィールドセールスを強化した企業の2倍以上

依然としてフィールドセールスの割合が高いものの、インサイドセールスを強化した企業は46%にのぼり、その数はフィールドセールスを強化した企業(21%)の2倍以上になっています。

6割以上が業界別にチームを分けている

外勤、内勤などの役割とは別に、エリア、業界、商品やサービスなどに応じて、チームを分けています。
最も一般的なのが業界による分類で、64%が業界別のチーム編成を採用しています。
まだ採用をしていない場合でも、17%が採用を検討しています。

27%が見込み客の精査業務を外注している

営業業務を外注している企業は27%にとどまっており、社内でチームを設けるなど、業務を内製化している場合がほとんどです。
外注をしている内容は、テレマーケティングやターゲット顧客リストなどの見込み客の精査業務に関わるものがほとんどになっています。

フィールドセールスとインサイドセールスがチームで働く場合は、インサイドセールスが営業活動の前段を担当

多くの企業でフィールドセールスとインサイドセールスの境界線が不明確になっているが、同じ一つのチームとして働く場合は、70%の企業で、インサイドセールスがリードジェネレーション、テレマーケティングなど営業活動の前段部分を担当しています。
70%以上の企業で、インサイドセールス担当者はノルマを与えられており、インサイドセールスによる売上がフィールドセールスの売上に組み込まれる企業は55%となっています。

インサイドセールスは短いセールスサイクルで多くの件数を扱う

クローズまでを扱う場合をインサイドセールスとフィールドセールスで比較すると、インサイドセールスの場合は、70%以上のセールスが60日以内で完了しているのに対し、フィールドセールスの場合は54%が90日以上となっています。
ただし、インサイドセールスの場合は取引額もフィールドセールスの1割程度とかなり少なく、少額の取引を短期間に多数行っているということになります。

フィールドセールスに売上を依存できなくなってきている

フィールドセールスから収益の90%以上を得ていた企業でも、今後はフィールドセールスからの売上見込みを大幅に減らしています。
2013年の売上見込みに対し、2015年の売上見込みは、ソフトウエア業界では100%減、その他のハードウェア、クラウド、テレコミュニケーション業界では50%減となっています。

インサイドセールスの利点は、規模拡大のスピード、営業活動とボリュームの増加、中小規模企業へのアプローチのしやすさ

フィールドセールスと比較した場合のインサイドセールスの利点としては、79%のトップエグゼクティブが、ビジネスの規模の拡大をより早く行うことができることを挙げています。
また、78%が営業活動と営業ボリュームの増加を挙げています。
また、68%が小規模事業者や中規模市場に対し戦略的にアプローチしやすいと答えています。

インサイドセールス担当者の戦略、スキル、ツールには改善の余地がある

担当者に営業に必要な戦略、スキル、ツールが備わっているかどうかをトップエグゼクティブに聞いたところ、フィールドセールスの場合は84%、インサイドセールスの場合は57%と差が出ています。
インサイドセールスは比較的若手の営業マンが携わることも多いため、スキルの充実とより効率的に行うためのツールの整備が課題であると考えられます。

今回は、米国のトップテクノロジー企業100社の営業組織体制についてお伝えしました。
まだフィールドセールスが占める割合が多いものの、インサイドセールスへのシフトが進んでいます。
規模拡大と企業の成長のためにはインサイドセールスは大きな力になるでしょう。
また、インサイドセールスの効果を高めるには、ツールやスキルなどを充実させることがポイントとなりそうです。
フィールドセールスとインサイドセールスをそれぞれ独立させている場合もあれば、チームとして協業しているケースもあります。
自社のターゲットに適した営業組織にするために、組織変更でなくてもできることがあります。
まずは、組織編成や作業時間の配分の変更から取り組んでみましょう。

*出典
Steve W. Martin “Sales Organization Structure Study Based upon Interviews and Surveys with Vice Presidents of Sales at Top Technology Companies” 2013

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川崎 裕介(かわさき ゆうすけ)

慶應義塾大学卒業後、外資系歯科医療機器メーカーを経てコンベックスに入社。プロダクトセールスチームで新規顧客開拓、既存顧客のコンサルティングに従事する傍ら、セミナー企画・運営を担当。現在は「セールスハックス」の運営、「Digima」のプロモーション全般を担当している。