営業改革で忘れてはいけない7つの要素

営業改革

今までの営業スタイルに限界を感じ、営業改革に取り組もうとしている企業が増えています。
企業の抱える課題により営業改革はさまざまですが、得てしてツールやシステムの導入や組織改革など、大きなものとなりがちです。
改革を実行することに焦点が当てられ、なかなかすべてに気がまわらず、結果が伴わない改革になってしまうことも少なくありません。
今回は、営業改革で忘れてはいけない要素を紹介します。

1. 改善の仕組み

最も忘れられがちなのが、営業改革を改善・最適化するための改善の仕組みです。
市場や買い手の行動に変化が多い時代においては、営業改革にも正解はなく、変化に応じて変わり続けなくてはなりません。
特に、営業プロセスが顧客の行動やニーズにズレが生じていないかについて、確認・分析をする体制を徹底しましょう。

2. 社内他部門との連携

営業改革を営業部門内だけで完結させないことも大切です。
改革を営業チーム内だけでなく、他部門とも連携し行なっていける体制を作ります。
ここでのポイントは、チームメンバーが変わったり増えたりしても実行できる、一貫性です。
そのためには、チェック体制だけでなく、コーチングや研修の充実も必要です。

3. 営業とマーケティングの連携

他部門との連携の中でも特に重要なのが、営業とマーケティングの連携です。
営業とマーケティングの連携は、多くの企業にとって課題となっています。
連携を行わずに別々に目標を設定して、異なる価値観に基づいて違う方向に向かって日々業務をこなしてしまっているケースが多く見受けられます。
また、買い手や市場の変化への対応もバラバラに行なっているか、対応を行わずに現状に合わないやり方を続けてしまっていることもあります。
対立せずに同じチームである意識を持ち、買い手や顧客を中心に設定をした共通の目標をもとに、協業していく体制を作り上げましょう。
営業部門においてマーケティング活動も行なっている場合は、どうしても営業活動が優先されがちです。
必要なマーケティング活動を着実に行うよう、ワークフローに組み込みましょう。

4. 営業活性化のための支援

営業改革による営業活性化にはサポートが必要です。
生産性を可視化したり、営業マンの仕事を楽にするツール、サポートのための人材や部門、購入者ペルソナや市場トレンドをまとめた資料、営業活動や商談のための資料、見込み客を惹きつけるためのデジタルコンテンツ、集客のためのイベントなど、サポートの形や手段もさまざまです。
数や種類が多ければよいわけではなく、必要な支援を見極め、明確な目的を設定した上で、サポート方法を考える必要があります。

5. 営業部門戦略

営業組織設計、役割の設定、売上目標の割り振り、各チームへの人員配分など、報酬やインセンティブの設定など、営業部門の運営や管理についても戦略を持つことが営業改革を成功させる鍵となります。
また、戦略を立てただけで満足せず、チーム全体が共通の理解を持てるよう、コミュニケーションを取ることも大切です。

6. 営業人材管理

営業改革を担うのは人です。
そのため、営業改革の成功には、営業人材管理として、営業改革で必要な新たなスキルを身につけてもらうこと、今後必要な人材の確保の2つが必要になります。
見逃されがちなポイントですが、営業改革の設計や実行にあたって、必ず営業人材管理の責任者を選定しましょう。

7. 営業オペレーションの構築

最後の要素は営業オペレーションの構築です。
営業改革を机上の空論にしないためにも、現状と改革の方向性をよく検証した上で、新たな営業オペレーションを設計・構築・導入することが必要です。
変化が多ければ多いほど、導入しないとわからないことも増えます。
導入後の検証と改善のプロセスも入れることが大切です。

今回は、営業改革に必要な要素についてお伝えしました。
どんな素晴らしい営業改革も、会社全体で連携をしながら、着実に一貫性を持って日々実行できなければ意味がありません。
すべて完璧に網羅することはなかなか難しいので、各要素について責任者を決めるとよいでしょう。
変化し続けることを前提にすると、改革のスピードへの影響も最小限にとどめることができます。
営業部門の働き方については「営業部門で取り入れるべき5つの働き方改革」を参考にしてみてください。

    営業ワークフローと営業ツール標準化《実践ガイド》

原誠

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