平成28年経済センサスによると、日本の中小企業数は全企業数の99.7%を占めています。また、中小企業で働く従業員者数は全従業員社数の68.8%となっています。
まさに中小企業大国ともいえる日本で、中小企業を攻略できるかどうかは、エンタープライズ市場が飽和状態となっているなか、企業の今後の成長と成功を大きく左右するでしょう。それでは、中小企業へのアプローチに何かコツはあるのでしょうか?
今回は、中小企業への営業力を上げる方法をご紹介します。
中小企業への営業力を上げる方法
1. メリットとデメリットをよく理解する
中小企業に対して大企業と同じように営業活動を行なっても、決して上手くいきません。中小企業攻略の成功には、中小企業市場の特性をよく理解することが大切です。
エンタープライズ企業と比較した場合、以下のようなメリットやデメリットがあることを理解しましょう。
メリット
- 企業数が圧倒的に多い
- 市場規模としては大きい
- セールスサイクルが短い
- 顧客獲得コストが低い
- 要件が比較的シンプル
デメリット
- 1社あたりの売上や利益が小さい
- チャーンレート(解約率)が高い
2. セグメントをする
中小企業といっても規模はさまざまです。
例えば、中小企基本法では中小企業を業種別に下記のように定義しています。
- 製造業:資本金3億円以下、従業員数300人以下
- 卸売業:資本金1億円以下、従業員数100人以下
- サービス業:資本金5,000万円以下、従業員数100人以下
- 小売業:資本金5,000万円以下、従業員数50人以下
自社の商品やサービスが具体的にどのセグメントに響きそうなのか、いくつかのセグメントに分けて分析をしましょう。
業種だけでなく、売上高、想定ニーズなど複数の条件を加味します。
3. ターゲットセグメント別に営業プロセスを最適化する
セグメントを決めたら、それぞれのターゲットセグメント別に営業プロセスを設定します。最初は仮説をもとに設定し、設定した後も見直しを続け、最適化していくことも中小企業攻略の鍵です。
4. インサイドセールスを活用する
中小企業はとにかく数が多いため、営業プロセスの初期から訪問をしていては、営業効率が悪化してしまいます。そのため、営業プロセスにインサイドセールスを活用するのがお薦めです。
一社あたりの売上げが低い中小企業に対する営業活動では、効率をいかに上げられるかも大切なポイントです。インサイドセールスでターゲットとなる顧客を特定し、本当に必要な局面で訪問しましょう。
5. スピーディーな対応が必須
中小企業は案件化してから成約までのスピードが早いため、すべてのプロセスでスピーディーな対応が求められます。連絡先を入手したら、できるだけ早くアプローチするようにしましょう。意思決定プロセスが始まる前に知ってもらうのが理想です。
成約後もすぐに商品やサービスを利用開始できるよう、体制を整えます。購買プロセスに一貫性がないことも多いため、柔軟な対応が必要になることもあります。
6. 精査のクオリティを上げる
見込み度の高い顧客に優先的にアプローチするためには、精査のクオリティを上げていくことも大切です。興味・関心を把握できる営業ツールの導入など、見込み度がわかるようにしましょう。
営業活動が成果をあげるようになると、理想的な顧客プロフィールが明確になり、絞り込みがさらに容易になります。精査のプロセスを行なっていなかった場合は、後から振り返り、実際の成約と整合し、今後の精査プログラムに反映をすることもできます。
7. 意思決定者を絞りすぎない
中小企業は企業文化や体制が多様なのも特徴です。企業トップが意思決定を全て行なっているケースもあれば、現場や若手に任せているケースもあります。
最初から意思決定者を絞り込みすぎないようにしましょう。
8. ハードルを極力下げる
中小企業は投資対効果をシビアに見極めます。結果が不透明なものに対する長期契約は行わないものです。
結果に対する期待値を上手にコントロールし、結果に応じて調整や変更がしやすい短期での契約や、トライアル料金の提供などで、ハードルを避けるのが成功のコツです。
まずは関係を築き、長い目でロイヤリティを上げていく、という発想に切り替えましょう。
まとめ
新たに中小企業市場に挑戦する場合は、最初はなかなか成果が見えにくいこともあるでしょう。営業プロセスの設定、最適化も重要な目的の一つとして設定し、自社にとっての最適な中小企業市場を探していきましょう。
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