営業マンが営業スランプに陥ってしまう理由とその対策

営業 スランプ 理由

営業マンであれば、一度は経験したことがあるであろう営業スランプ。営業スランプに陥ってしまうと、そこから抜け出すには想像以上に時間と労力がかかってしまいます。場合によっては、現在の仕事を手放してしまう可能性もあります。

営業スランプは辛く厳しい期間ですが、それを乗り越えることによって自身の成長にも繋げることができ、さらに成果をあげるきっかけにもなりえます。では、どのようにして営業スランプを乗り越えていけばいいのでしょうか?

本記事では、スランプに陥ってしまう理由とその対策を解説します。

営業スランプとは

営業スランプとは、営業マンが自身の実力を十分に発揮できず、営業成績やモチベーションが一時的に落ち込んでしまう状態のことを言います。

新規の営業アプローチ段階でのお断りや、自分では確信していた見込み客からの連続の失注、お客様の気持ちが変わり急に白紙になってしまう場合など、物事が思ったように上手く進まないことが積み重なることで、スランプに陥ってしまう可能性があります。

営業スランプ状態の時は「また断られるのではないか」「もう失敗できない」と、過剰にプレッシャーを感じるようになり、表情や声のトーン、大きさなどに影響していきます。心身ともに硬くなってしまい、柔軟な考え方ができなくなってくるのです。

その結果、自信がなくなってしまい弱気な営業しかできなくなったり、または成績にしか目がいかず、ゴールまで先走った急いだ営業活動になりがちで、成約をさらに遠ざけることになります。

このように一度営業スランプに陥ると、負の循環に突入し、そこから抜け出すことは容易なことではありません。しかし、逆に考えれば、営業スランプを抜け出せれば一気に成長できるチャンスとも言えます。自分なりの打開策を見つけていきましょう。

営業マンの営業スランプの実状

営業スランプは、全ての営業マンが必ず通る道だということをまず理解しておきましょう。どんなに優秀な営業マンでも、一度は営業スランプに陥ることがあります。では、普通の営業マンとは何が違うのか。それはいち早くスランプから脱出する術を知っているということにあります。

有名なプロ野球のイチロー選手でさえ、スランプに陥ったことがあります。営業職もプロスポーツ選手と一緒で、スランプに陥った際の心の持ち方は重要です。イチロー選手は「スランプの時こそ絶好調」と発言しており、結果を冷静に受け止め、日々改善し歩みを止めないようにしています。

一流の人でさえ、ここまで真剣にスランプに向き合い、改善しようとしています。一般の人はそれ以上の努力が必要となるかも知れません。また、営業をしていく上で営業スランプに陥るのは必然なのですが、多くの人は「上司や同僚に相談ができない」場合もあり、一人で抱え込んでしまう方も多いようです。

精神的にも辛く、ストレスも溜まりますが、営業スランプは誰しもが通る道です。焦る気持ちも分かりますが、そういう時こそ冷静に対処できるようにしておきましょう。

営業スランプの負の循環

営業スランプに一度足を踏み入れると、なかなか成果を出せない「負の循環」に陥ります。あまりに長く成約がとれない、成績があがらないような状況が続くと、やる前から「どうせ今回も無理だろう」と消極的な考えになってしまいます。その結果、さらに成果を出すことから遠ざかってしまいます。このように、グルグルと循環になってしまうのです。

営業は、前向きな気持ちで臨まないと、成約を獲得することは難しいです。「どうせ無理だ……」と考えている人と「絶対にいける!」と考えている人では行動も印象も全く違います。

「どうせ無理だ……」という思考に陥ってしまっている人は、自身の営業スタイルを改善しようとせず「成約できればいいな」くらいの気持ちで臨むことになります。また自信がないため、最終的に決定打となる即決トークを打ち出せず、保留や失注になる場合が多いのです。

その一方で、「絶対にいける!」と考えている人は、絶対に成約して帰るという確固たる決意があります。ターゲット選定や、それぞれに合わせた営業資料、トークの見直しなど抜け目がありません。

営業スランプに陥った時こそ、モチベーションを高く保ち、営業と真剣に向き合うことが大切です。物事を前向きに捉えて、いち早くこの悪循環から抜け出すようにしましょう。

営業スランプに陥ってしまう理由

営業スランプに陥ってしまう理由について解説していきます。理由は「十分な成果が出せていない」ことと「疲れている」ことの2つが挙げられます。

株式会社オンリーストーリーが行なった「営業に関する調査」のBtoBで訪問営業を行っている会社員を対象にした営業に関する調査によると、飛び込み営業で77.6%、テレアポで47.4%の人がその仕事を辛いと感じています。それはどちらも共通して、なかなか成約をあげにくく、精神的にも体力的にも疲弊してしまいやすい傾向があるからかも知れません。

行っている営業活動のうち辛いと思う割合

(出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000015335.html

十分な成果が出せていない

十分な成果が出ていないと、自信が無くなっていき営業スランプに陥りやすくなります。「どうせ失敗する」という考えが定着してしまうと、どうしても消極的な発言や行動になってしまうのです。そこから負の連鎖が始まります。成果が出せないシーンとして、2パターン考えられます。

長期的に成果が出せていない場合

数か月の長い間ずっと目標の数字に届かず、思うように成果が出ていない場合、「自分には向いてないのではないか」と自信の喪失に繋がってしまう可能性があります。新卒の人や転職したての人に多くあります。初めのうちはなかなか成果が出ず、悩むことは誰でもあることです。目標を掲げてコツコツと成長していくことが重要になってきます。

その際には、営業をはじめるきっかけとなった目標や気持ちを振り返ってみましょう。例えば、

  • 人と話すのが好き
  • インセンティブでお金をより稼ぎたい
  • 契約がとれた時の達成感を味わいたい

どれも営業の仕事を行なっていくにあっての十分立派な目標であり、気持ちであると思います。

仕事を始めたばかりの頃は緊張もあったかと思いますが、「さあやってやるぞ!」という気合いの方が大きかったのではないでしょうか。ある程度仕事に慣れてくると、そこからさらに勉強して改善しようといった向上心が減ってきてしまいます。初心の心を忘れずに、少しずつでいいので成長していくようにしましょう。

急に成果が出なくなった場合

以前までは成果が出ていたのに、急に成果が出なくなってしまった場合は、一度できていたからこそ「なぜ成果がでないのか」とストレスを感じやすくなります。

急に成果が出なくなってしまったという人の多くは、慣れてきて自分なりの言い回しに変えたり、大事な内容が抜けているなどその都度バラバラの営業トークをしている可能性が高いです。また、流れ作業のようになり表情や声のトーンも徐々に短調になってきます。

自分でも気付かないうちに、トークがどんどん変わっていき、過去に使っていた営業トークが分からなくなることも少なくありません。もう一度成果が出ていた頃のトークを再確認し、文字に起こしてみるなどしてみるといいでしょう。

成果を上げ続けるトップ営業マンこそ、基本を忠実に行っています。挨拶をしっかりし、笑顔や身振り手振りなどもオーバーなくらいがちょうどいいです。トークも自分なりのスクリプトを用意し、お客様の心を掴むトーク内容に仕上げています。

過去に成果がでていた経験があるのであれば、基本に戻るのが一番です。当時と比べて表情やトークなど全て、何が変わったのかを一度チェックすることをお薦めします。

疲れている

日本の多くの営業マンの仕事の範囲は、見込み客の発掘から受注後のアフターフォローなど多岐に渡ります。移動しながらも、電話でお客さんの対応をしないと間に合わないなんてこともあるかも知れません。

そのため、一人当たりの業務量は当然多く、それが原因で疲労が溜まり業務に向かう気力がなくなっていき、最終的には営業スランプに陥ってしまうことがあります。

飛び込み営業や訪問営業など外回りの営業を行っている人は、特に注意が必要です。長時間の運転や真夏に出歩く必要がある営業は、体力が必要になってきます。営業先についてヘトヘトの状態では、出せる成果も出せません。

また、成果が出ていないからといって、無理な残業や休日出勤はしないようにしましょう。焦る気持ちも分かりますが、稼働時間以外の無理な稼働は、通常業務に悪影響を及ぼす可能性があるため、逆効果です。

営業先で完璧なパフォーマンスができないと意味がありません。営業スランプに陥ってる時こそ、十分な休息や睡眠を心がけ、1日を100%の力で働けるようにしましょう。

営業スランプを克服する再起力(レジリエンス)

レジリエンスとは、困難や脅威に直面している状況に対して、「上手く適応できる能力」のことを指し、ストレスをはね返す復活力や困難に押しつぶされることなく環境に順応していく適応力が、本質となっています。このレジリエンスを高く保つことが、営業スランプを克服する上で非常に重要なポイントになります。

レジリエンスが低い人は、目の前の状況に一喜一憂しがちで、「営業スランプ」ということだけを見て、無駄に考え疲れてしまいます。自分が今何をすべきなのかという行動の本質が見えなくなるのです。諦めが早いことも特徴の一つです。ちょっとした失敗があるだけで、「やっぱり無理だ」と様々な理由をつけ諦めてしまいます。それが重なっていくことで、さらに心が折れやすくなっていきます。

その一方でレジリエンスが高い人は、自身で感情をコントロールでき、柔軟に物事を考えることができるため、営業スランプに陥っても乗り越えることができます。通常営業スランプに陥ると、「辛い」「厳しい」などのネガティブな考えが出てきますが、レジリエンスが高ければ、その状況の中にポジティブな側面も見つけ出すことが可能です。

  • 「ここから抜け出せば一気に成長できる」
  • 「他の人よりさらに成長できる可能性がある」
  • 「すぐに抜け出して達成感を味わいたい」
  • 「どうすれば抜け出せるのか考えるのが楽しい」

こういったポジティブな考えを持つことで、よりモチベーションを高く保ち、前向きな行動ができるようになります。レジリエンスは先天的なものではなく、後天的に身につけ伸ばしていくことが可能な能力です。物事を柔軟にとらえ、よりポジティブに考えていけるように、意識して取り組んでいきましょう。

営業スランプへの向き合い方と対策

営業スランプに陥ってしまった際に考えることや対策を、具体的に解説していきます。誰でもスランプに陥りますが、優秀な営業マンは、ここからの脱出スピードが非常に早いです。具体的に何をしているのか十分に理解しておき、不調が続いても柔軟、かつ迅速に対応できるようにしておきましょう。

自身の営業活動を見直す

成果が出ていないということは、営業活動の中で適切でない箇所がある可能性があります。そのため、一度自身の営業活動の流れを振り返って、何かおかしいところはないかを探し改善することが有効です。

一番手っ取り早いのは、営業の基本をもう一度徹底すること。業務自体に慣れてくると、全体の流れに作業感が出てしまい、基本の動作をどうしてもおろそかにしてしまいがちです。

例えば、朝できるだけ早く出社するようにすれば、見込み客リストの整理や荷電の時間の確認をしたり、当日の商談するお客様情報のリサーチやトーク見直しなど、時間を有効的に使えばできることは多くあります。また、お客様からのメールや電話にも、時間を決めて都度抜けなくチェックするように意識すれば、そこから「ちゃんと対応してくれる人だ」と認識付いて、成約につながるかも知れません。

新人時代によく指摘されていたことや必ずしていたこと、自身の営業で大切にしていたことを思い出して、意欲的にコツコツ取り組めば、結果は自ずと出てくるでしょう。

提案の内容を見直す

トーク内容を見つめなおし、成果がでていた頃のトークに戻したとしても、なかなか営業スランプから抜けられない人は、その提案内容の基盤を見直す必要があります。

扱っている商材の市場や、経済の変化、ターゲットの変化などを無視して同じトークを使用していても通用しません。それらの変化に合わせて、今の状況に合ったトークに変えていかなければならないのです。

業界や競合他社の情報は常に入れておくようにしましょう。業界での動きやニュース、競合他社に比べ自社の商品・サービスの優れている点、劣っている点などは、お客様に提案するうえで重要なポイントです。見落としがないか十分チェックしておきましょう。

また、お客様からの声もトークを構成する上で、大事になってきます。「なぜ自社の商品を選んだのか」「なぜ他社の商品を選んだのか」ここをじっくりヒアリングすることで、お客様にとって何が重要なのか再確認できます。

失注した際もそこで終わりではありません。お客様のNG理由を細かくリスト化すれば、自分のトークの弱い部分が見えてきます。不信感が強いのであれば柔らかい言い回しに、検討が多いのであれば最後の決断を促すトークを強く持っていくなど、場面に応じて対処ができます。

しっかりと説得力のある提案をすれば、お客様は納得してくれます。営業スランプの際は、さまざまなトークを試し、よりお客様に響くトークを作っていけるようにしましょう。

他者からのフィードバックをもらう

スランプに陥ってしまった際に非常に有効なのは、他者からの意見をもらうこと。スランプの時は、主観的になりすぎていたり、一人で抱え込み考えてしまうことが多いため、客観的な視点を取り入れることが大切です。

上司に営業同行をお願いしたり、社員同士でロープレを行うことが効果的です。ここで重要なのは、ただ単にトーク内容を確認してもらうだけではなく、実際の営業風景を見てもらうこと。

そうすることにより、トークの流れはもちろん、話す速さや声のトーン、表情の明るさなど細かいところまでチェックしてもらえるため、自身では気付いてなかった点も意識的に改善できるようになります。

ロープレを行うことでさまざまな営業の様子を確認でき、自身の営業スタイルもいいものに修正してくことが可能です。営業マンにとってロープレは成長するチャンスとも言えます。

会社の人間だからといってふざけたり、いつもと違うスタイルで行っていては意味がありません。いつも通りの営業を本気ですることによって初めて意味があります。真剣に向き合い、自分に何が足りないのかを分析してきましょう。

短期間の休息をとる

疲れている時は、一度短期間の休息や休暇を取得することをお薦めします。営業スランプの時期は特に、成約を取りたいあまりに休日出勤を繰り返したり、仕事で頭がいっぱいになりがちなため、体力的にも精神的にも疲れてしまいます。

人は追い込まれプレッシャーを感じてしまうと、思ったようにパフォーマンスができません。営業スランプの時がまさにこれで、「はやく成果を出さないと」と思えば思うほど、表情も暗くなり、モチベーションも下がっていきます。

そうならないためにも、忙しい状況から一度離れて、十分な休息をとりリフレッシュすることも大事です。会社によって十分な休息をとるのが難しい場合は、少しだけでも自分が落ち着けるような空間や時間を作るようにしましょう。

ぐっすり寝たり、映画を観たり、スポーツをしたり何でもいいです。自分の気持ちを切り替えることを最優先させてください。気持ちが切り替われば、今までとは違い冷静な状態で、現在のスランプの状況を考えることができるため、より適正な対処が行えるようになるでしょう。

少しずつでもいいので前に進める

営業マンによっては、無理はしない程度に自分がやった方がいいと思うことや、スランプから脱出できそうだと思うことを少しずつ進めることも有効かも知れません。気が向かずになかなか腰が上がらない状態の際は、ほんの少しでもいいので仕事を一歩進めることで、勢いがついて最終的に調子を取り戻すことができたり、改善の兆しが見えてきたりすることがあります。

例えば、普段は、忙しかったり、手間がかかると感じてなかなか営業のトークの振り返りができていなかった場合でも、スランプを機会に、改めて自分でトークを読み直してみたり、今やりとりしているお客様に合ったトークになっているのかを確認みましょう。

それにより「不十分なトークをしていたため、お客様に響かなかったではないか?」「ここでの商品・サービスの説明がわかりづらいのではないか?」といった点が浮かび上がってくるかも知れません。結果的にスランプの原因の要素をみるけることができれば、スランプの脱出にもつながります。

動かなければ何も変わりません。まずは自分ができることを少しずつでいいので、実際に行動をしてみて、その分析をする。それにより、スランプの克服や成長に繋がる可能性があります。

営業スランプの克服はできる営業マンへの分かれ道

何度も述べてきたように、営業スランプはどんな営業マンにもあること。さらには、どんなビジネスマンでもスランプに陥ります。しかし、そのスランプを乗り越えられるかどうかが、営業マンのその後の成果を左右する分かれ道になります。

もちろん、必ずしも苦しんでスランプを克服しなければいけないわけではありません。今の業務が自身に向いていないのであれば、別の職を探しても良いかも知れません。ただ、結果的にその新しい職でもスランプはやってきます。

営業職はある意味「職人」のような職業なので、いかに自身の営業スキルを高めて、自身に合った営業スタイルを確立していくのかが大事になってきます。その過程では、多くの試行錯誤が必要ですし、当然スランプにも陥ります。それを乗り越えて、成果を出した時こそ、本当の自身の「営業力」が身に付くのではないでしょうか。スランプに陥っても、グッと堪えて、次の改善の打ち手を考える。それができる営業マンへの一歩になります。

まとめ

営業スランプに陥ることは、どの営業マンにもあることです。しかし、そのスランプを乗り越えられるか、挫折してしまうのかは、営業マンによって異なります。スランプは心身ともに辛いものではありますが、前向きに物事を捉える柔軟性を持って現状を把握し対処していきましょう。

営業マン各自の性格や状況によって、どのような対処・アクションをすれば効果的なのかは変わってきます。そのため自身の性格や状況に合った方法でスランプから脱出できないかを考えることが大切です。その方法の参考として、本記事がお役に立てますと幸いです。

こちらから「営業スキルチェックシート」がダウンロードできます。自身の営業力の確認やスランプの原因要素の発見の参考として、ご覧いただけますと幸いです。

    営業スキルチェックシート

佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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