法人向けビジネスの顧客ロイヤルティを測り、あげる方法

法人向けビジネス 顧客ロイヤルティ

あなたの会社では、既存顧客のロイヤルティ向上と新規顧客の獲得のどちらに力を入れていますか?
新規顧客の獲得に日々取り組んでおり既存顧客のことは忘れがち、新規顧客の獲得数が目標値になっている、という方も多いのではないでしょうか?
新規顧客を獲得してビジネスを大きくするという考え方は間違ってはいません。
しかし、企業やサービスに対する信頼度や愛着度が高く、リピート購入をしてくれる、2割のロイヤル顧客による売上げが売上全体の8割を占める、ということはよく知られています。
法人向けビジネス(B2B)においても、顧客ロイヤルティの向上は重要です。
今回は、顧客ロイヤルティを測定し、あげる方法についてご紹介します。

顧客ロイヤルティの測定法

まず、顧客ロイヤルティの測定方法を確認しましょう。ここでは3つの方法をご紹介します。

1. リピート顧客率

既存顧客のうち、1回以上購入をしている顧客の割合のことです。
この数値がロイヤルティ度を測る基本となります。
毎月測定をし、自社の顧客ロイヤリティの状態を確認しましょう。

2. 顧客生涯価値

一人の顧客が企業との取引期間を通じ、企業にもたらす価値のことです。
今まで実際にどれだけ価値をもたらしたかについては、売上の累計からわかります。
さらに、今までの実績を踏まえ、将来的にどれだけの価値をもたらしてくれるかについては、売上高、購買頻度などから推測をします。
最も簡単な計算方法は、下記の通りです。
(平均購買単価)(購買頻度)(継続購買期間)
より厳密に測定したい場合は、顧客獲得コスト、顧客維持コスト、顧客離脱率も考慮しましょう。
この数値を測定すると、会社にとって価値が高い顧客が明らかになります。
また、生涯価値が低い顧客については、どこを改善すればいいのかもわかりやすくなります。

3. ネット・プロモーター・スコア(NPS)

顧客が他の人にあなたの企業の商品やサービスについて勧めたいと思うかどうかから測定する数値です。
2003年にアメリカのコンサルティング会社によって発表され、顧客満足度よりも収益性や成長率との関連が高いことから各企業で導入されています。
まず、アンケートにより、10段階で自社の商品やサービスについて勧めたい度合いを聞きます。
9または10と回答した人を「推奨者」、7または8の場合は「中立者」、6以下については「批判者」とします。
そして、下記の数式でスコアを算出します。
NPS=推奨者の割合➖批判者の割合
批判者が多い場合は、原因の解明など、早急な対応が必要です。
生涯価値が高くても、批判者である可能性もあります。
逆に、生涯価値が低くても推奨者の場合は、大切にした方がよい顧客であるということがわかります。

顧客ロイヤルティをあげる方法

1. 満足度とその理由を理解する

法人向けビジネスの場合は、購入サイクルが長く、購入頻度が低い場合も多いため、お客様の満足度とその理由をしっかりと理解をすることが最も重要です。
定期的なアンケートや営業マンによるヒアリングを必ず実施しましょう。
不満のポイントにロイヤルティ向上プログラムへのヒントも隠されているものです。

2. フィードバックしやすい環境を作る

アンケートを実施しなくても、営業マンがフォローアップできなくても、いつでもお客様が意見を言ったり、フィードバックをしたりしやすい環境を作ります。
お問い合わせフォーム、よくある質問コーナーの充実、顧客専用ホットラインやチャットシステムの設置など、簡単に導入をできる方法がいくつもあります。
メールマガジンなどを活用し、役に立ちそうな記事などと一緒に、定期的にお知らせをして、思い出していただくことも大切です。

3. 優良顧客に対する特別プログラムを提供する

売上が高い、優良顧客に対しては、割引ではなく、よりよいサービスや追加のサービスを提供しましょう。

4. 優良顧客になってほしい顧客へのフォローアップを行う

優良顧客に近い顧客、売上や生涯価値が高いにもかかわらずネット・プロモーター・スコアが低い顧客など、優良顧客になってほしい顧客については、特別に予算を設定し、営業マンからフォローアップを行うようにします。

5. 紹介プログラムを導入する

インフルーティブ社によると、法人向けビジネスの購入者の84%は紹介により購入プロセスを開始するそうです。
顧客向けの紹介プログラムを企画してみましょう。
ポイントは簡単に、そして気軽に参加ができること、紹介者に大きな特典をあげること、の2点です。

いかがでしたか?
まずは顧客ロイヤルティを測定し、現状を把握することから始めましょう。
その結果、ロイヤルティ向上施策の導入や見直しが必要かを検討します。
その後も継続的に測定を続け、改善と最適化を行っていくことが継続的な向上の最大のポイントです。

    営業スキルチェックシート

原誠

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