営業リストを購入する前に考えるべきこと【BtoB向け】

営業 リスト 購入

営業リストとは、自社商品・サービスを販売したい見込み客の社名や住所、担当者名、メールアドレスなどが一覧形式となっているリストです。効率的に営業を進める上で、営業リストは不可欠と言っても過言ではありません。

営業リストを取得する方法は多岐に渡りますが、その中の1つが「購入」です。本記事では、BtoBのビジネスを行う方に向けて、営業リストを購入する前に考えるべきことを解説します。

営業リストの購入とは

前述の通り、営業リストとは、見込み客にアプローチする上で必要な情報が記載された一覧表です。BtoBのビジネスでは、「見込み客の獲得」→「獲得した見込み客の育成(購買意欲を高める)」→「購買意欲が高い見込み客の選別」→「案件化」という流れで契約まで進めることが一般的です。

このような流れで営業活動を行うためには、まず初めに、自社の商品・サービスに興味・関心を持つ見込み客を獲得する必要があります。そんな見込み客を獲得するきっかけとなるのが「営業リストの購入」というわけです。

あくまで自社商品・サービスを利用しそうな相手にアプローチすることが目的なので、ただ単に企業の住所や連絡先が記載されているものは営業リストとは呼べません。自社のターゲットに合った企業の情報が記載されていることが、営業リストとしての必須条件です。

営業リストを購入することはなぜ大切なのか

営業リストの購入が重要である理由は、効率的に営業活動を行う上で必須なものだからです。

営業リストがなくても飛び込み営業をこなせば、理論上は新規顧客を獲得できるでしょう。しかし手当たり次第に営業を行うと、自社商品やサービスにほとんど興味関心がない相手にもアプローチをかけることになります。営業相手としては興味関心がないものを売りつけられるも同然ですので、アポイントの獲得や案件化にはほとんどつながりません。

つまり、手当たり次第に営業活動を行うと、一生懸命アプローチの数をこなしても、ほとんど結果につながらない非効率な状況に陥る可能性が高くなります。

一方で営業リストを購入すれば、自社商品やサービスに興味関心を持っている可能性が高い相手(見込み客)に絞って、電話やメールを中心とした営業活動を行えます。そのため、アポイントや新規顧客の獲得といった結果につながる可能性が高まります。少ない労力・時間で効率的に営業で成果を出せるわけです。

幅広い市場の中から、自社の商品・サービスがお役に立てそうな層に絞って営業や販促活動を行うのは、「ターゲティング」というマーケティングの基本的な考え方です。ターゲティングを実践すれば、営業や販促活動に不必要なコストや労力をかけずに済みます。

顧客のニーズや課題が多様化している時代だからこそ、営業リストを最大限に活用し、基本に忠実な営業活動を実践しましょう。

営業リストを集める手段

営業リストを集める手段は、主に4種類に大別できます。ここでは、4種類ある手段について具体的な概要を解説します。

営業リストを集める手段

Web検索により手動で集める

Web検索の活用により手動で情報を集める方法は、営業マンにとって馴染みある手法でしょう。ホームページ内の会社概要やIR情報、求人情報、法人番号公表サイトなどの情報を自ら調べて、営業先のリスト化を行います。

具体的には、下記の流れで営業リストを作成します。

  1. 検索エンジンに営業リスト化したい企業を入力・検索
  2. ホームページ等から電話番号や担当者名といった営業活動に必要な情報を収集する
  3. 収集した情報をExcelなどのシートに記入する
  4. リスト化したい企業の数だけ、1〜3の工程を繰り返す

見込み客のターゲット像が明確ならば、地道に質の高い営業リストを作成できるでしょう。また、無料で営業リストを作成できる点もメリットです。

ただし、他の手段と比べて非効率である点が致命的なデメリットです。どれほど慣れている人でも、1件の情報を入力し終えるまで、平均で2〜5分程度の時間はかかります。企業によってホームページ内のどこに情報を記載しているかは異なるため、場合によっては倍以上の時間を要する可能性もあります。

さらに、そこから営業アプローチをすると考えた際、統計では営業メールは24%しか開封してもらえないことが明らかとなっています。そこからアポイント獲得や商談の成約につながる割合は、さらに低くなると考えられます。

仮にアプローチをかけた企業のうち、アポを獲得できる見込み客の割合が0.5%と仮定した場合、1件のアポを獲得するまでに200件の営業リストが必要です。200件のリストを手動で集めるには、およそ16.7時間を要してしまいます(1件5分と仮定)。

このように、Webサイトを使って手動で営業リストを作成するのは、非常に労力と時間がかかります。余程リソースに余裕がある場合を除いては、手動での営業リスト作成は避けるべきかも知れません。

クローラーで自動で集める

「クローラー」というツールを使って、自動で営業リストを作成する方法もあります。クローラーとは、Webサイト上の情報を自動で取得する機能やツールを意味します。

クローラーを使えば、Webサイト上に掲載されている連絡先などの情報を自動で収集してくれます。一度収集したいキーワードなどを指定すれば、24時間自動で情報を集めてくれます。そのため、手動で営業リストを作成する場合と比べて大幅に労力やコストを削減できます。

ただし、不必要な情報も収集してしまったり、情報が漏れてしまっていたりなど「きれいな営業リスト」の作成には一手間かかる恐れもあります。

リスト業者から購入する

次にご紹介するのは、営業リストを取り扱う業者から購入する方法です。

業者から購入する最大のメリットは、手軽に大量の営業リストを取得できる点です。前述した通り、アポ獲得や商談の成約につながる可能性は低いため、膨大な数の営業リストが必要です。時間をかけて手動で営業リストを作成すると、とても非効率となってしまいます。リスト業者から購入すれば一瞬で数千件〜数万件の営業リストを取得できるので、効率的な営業が可能となります。

またリスト業者によって、取り扱う業種や事業規模、リストに含まれる情報は異なります。自社に適した条件に合致する営業リストを購入すれば、自力で行う場合よりもアポ獲得率や成約率を高めることができるでしょう。ただし、自力で取得する場合とは異なり、購入費用が必要となる点に注意が必要です。取得する数や業種次第では、高額な費用が必要となるケースもあり得ます。

費用はかかるとは言え、自力で営業リストを作成・手直しする手間は一切かかりません。手軽に質の高い営業リストを作成できるため、リソースに余裕がない企業や、リスト作成のノウハウやスキルを持っていない企業には最適な手段となります。

データベース事業者からの取得

最後にご紹介するのは、データベースに関する事業を行う会社から情報を取得する手段です。具体的には、企業のデータを保有する事業者から、必要な情報だけを収集して営業リストを作成します。

データベース事業者の中には、自社が保有するデータベースの中から、条件を絞り込むことによって簡単に営業リストを作成できるサービスを提供するところも少なくありません。こうしたサービスを利用すれば、手軽に質の高い営業リストを作成できます。

ただし、リスト事業者から購入する場合と異なり、ツールを使いこなして営業リストを作成する必要があるため、購入よりはやや手間がかかるでしょう。なお料金体系に関しては、リスト業者からの購入とは異なり、月額固定料金であるケースが多いです。

営業リストを購入する際に自社で考えるべきこと

営業リストの購入に際しては、ただ闇雲にリストを購入すれば良いわけではありません。購入した営業リストを有効活用するには、自社で下記5つの点についてあらかじめ考えておきましょう。

戦略を明確化する 

営業リストの購入に先立って、まずは戦略を明確化しておくのがベストです。 

ビジネスにおける「戦略」とは、競争相手に勝つための総合的・長期的な方針や策略のことです。戦略が明確でないと、外部環境(競合や消費者など)の変化に取り残されたり、自社の強みを十分発揮するのが困難となります。 

外部の変化に対応しつつ強みを最大限発揮するには、戦略を明確にすることが不可欠です。営業戦略を策定するにあたっては、経営戦略の策定にも用いられる「SWOT分析」が役立ちます。SWOT分析とは、自社の強みと弱み、自社を取り巻く機会と脅威を洗い出す手法です。 

SWOT分析を活用することで、自社の強みを最大限発揮できる営業の方針や、対処すべき課題などを明確にできます。営業リストの効果を最大限発揮するためにも、まずは営業の戦略を明確化しましょう。 

SWOT分析

リストの利用目的を明確にしておく

営業の戦略を明確化したら、営業リストをどのような目的で利用するかを考えましょう。

一口に営業といっても、直接相手企業を訪問する飛び込み営業や電話営業、DMやメールの送信など、その方法は多岐に渡ります。飛び込み営業ならば住所、メールの送信ならばメールアドレス、といった形で、営業の方法により営業リストに必須となる情報は変わってきます。

必須の情報が記載されていない営業リストを購入すると、例えリストの内容が豊富でもまったく役に立たないでしょう。このような事態を避けるためにも、どのような目的で営業リストを活用するかは必ず事前に明確化しておきましょう。

自社のペルソナを明確にしておく

自社製品・サービスのペルソナを明確にするのも、営業リストを購入する前にかならず行っておくべきです。

ペルソナとは、自社商品・サービスを購入して欲しい顧客の具体的なイメージ像です。たとえば「年商3億円、従業員10名程度の製造業」といった感じでざっくりとした特徴のみを設定したものは、ペルソナではなくターゲット顧客と言えます。

一方でペルソナは、「年商3億円で従業員数は10名、大口の顧客獲得が課題だが、人手やノウハウ不足が課題となっている」といった形で、ターゲットをさらに深く・具体的に掘り下げたものとなります。

営業リストを購入する際には、ペルソナに合わせた情報が記載されたリストを取得する必要があります。例えば、年商3億円の中小製造業が見込み客であるにもかかわらず、年商数百億円規模の小売業ばかりが記載された営業リストを購入しても、相手にとって自社商品・サービスは魅力的でないため、十分な効果を得られないでしょう。

購入費用や手間を無駄にしないためにも、見込み客のペルソナを明確にした上で、そのペルソナの情報が載っている営業リストを購入しましょう。

どの情報が最低限必要かを明確にする

ペルソナが決まったら、どのような情報が最低限必要であるかも明確にする必要があります。なぜなら、設定したペルソナによっても、営業リストやその後の営業に必要な情報は変わってくるからです。

例えば、あまり電話での応対を行っていない相手がペルソナである場合、電話番号のみならずメールアドレスも必要となるでしょう。また、ある特定の決済者でないと自社商品・サービスの購入を決定できないのであれば、決済者の氏名や連絡先が明記された営業リストを購入する方が、効率的な営業を実現できます。

営業リストを購入する際には、リストの利用目的のみならず、ペルソナの設定内容も考慮した上で記載されているべき情報を決定しましょう。

何件ほどのリストが欲しいか明確にする

営業リストの購入に際して、忘れてはならないのがリストの件数を明確化することです。

一見すると、営業リストの件数は多ければ多いほど良いように思えるかも知れません。しかし件数が多すぎると、自社で対応しきれない可能性があります。件数によって値段が変わる営業リストの場合、購入費用が無駄となってしまうでしょう。費用を無駄にしないためにも、購入前にあらかじめ何軒ほどのリストが欲しいかも明確にしなくてはいけません。

営業リストの最適な件数は、合理的な理由で見積もることが重要です。例えば、新規顧客を10社増やしたいケースで新規顧客を1社獲得するのに100社の営業が必要ならば、最低でも1,000件の営業リストが必要と考えられます。

また、営業に対するリソースも考慮しなくてはいけません。営業マンの人数が少ないにもかかわらず、膨大な件数の営業リストを購入しても、十分に営業リストを活用できないので注意です。

他にも、リストの利用目的や営業の手法、業種などによっても、営業リストの最適な件数は変わってきます。あらゆる視点から、慎重に営業リストの最適な件数を考えてみましょう。

営業リストを購入する前に確認すること

一口に営業リストと言っても、良し悪しはピンからキリです。質の高い営業リストを購入するには、購入前に下記4つの点を確認しておきましょう。

リストの量と質を確認する

購入する営業リストにおいて、もっとも大切なのは量と質です。

営業リストの量に関しては、ペルソナの条件を業者側に伝えて、どのくらいの件数になるかを確認しましょう。件数が少ない営業リストを購入しても、前述した理由から、十分な成果は出せない可能性が高いです。従って、ペルソナの条件を伝えた際に十分な件数を提供してくれる業者から、営業リストを購入するのがベストです。

一方で営業リストの質に関しては、自社のペルソナやリストの活用目的などを考慮した上で、相手業者が保有しているリストに必要な情報が含まれているかを確認しましょう。リストに最低限必要な情報が盛り込まれていれば、相手業種に合わせたセールストークが可能となったり、商談が成約しやすい決済者とのアポイントにつながりやすくなります。

営業の成約率や効率性を高めるためにも、リストの量と質はかならず確認するようにしましょう。

情報が最新のものであるか

営業リストが最新のものであることは、量や質と同じくらいかそれ以上に重要なポイントです。

見込み客となる企業の情報(電話番号やメールアドレス、会社名など)は、ある日突然変更される可能性があります。そのため、営業リストの内容は頻繁に更新されて、常に最新の情報が記載されている必要があります。

例えば、メールアドレスが古いものであった場合、メールが相手に届かないため、どれほど優れたメール配信ツールを使っていても無駄となってしまいます。また、電話番号が間違っている場合、つながらなかった際に情報を修正する手間が発生し、大幅な時間ロスとなります。

加えて、以前の代表者名や社名を相手方に伝えると、自社に対するイメージが悪化してしまい、案件の成約化から遠ざかってしまう恐れがあります。

以上のとおり、情報が最新でないとあらゆる弊害が生じます。こうしたリスクを避けるためにも、営業リストの情報が最新のものであるかどうかは、かならず確認しなくてはいけません。

個人情報保護の観点で正しく管理されているか

近年は個人情報保護法により、個人情報の取り扱いに関して厳しくなっています。個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)とは、個人が持つ権利や利益の保護を目的に、個人情報を取り扱う事業者に対して遵守すべき義務などを定めた法律です。

営業リストを購入する際には、主に以下に挙げた個人情報保護法の規定に反していないかを確認することが重要です。

  • 不正な手段により情報を取得していない(第17条柱書)
  • 事前に本人から同意を得た上で、要配慮個人情報を取得している(第17条2)
  • 原則、情報の提供に関して事前に本人から同意を得ている(第23条柱書)

ホームページ等で「個人情報保護の方針」という文書を確認すれば、個人情報保護法の観点で正しく作成・提供される営業リストであるかを確認できます。法的に問題がある営業リストを購入しないためにも、必ず個人情報の保護に関する方針は確認しておきましょう。

自社ツールとの連携ができるか

もし自社で何かしらのITツールを入れている場合は、そのツールと営業リストの連携についても考える必要があります。具体的には、自動での連携可否や連携の方法、管理する際の項目などを考えなくてはいけません。

営業リストを購入する際には、あらかじめスムーズに自社ツールと連携できる環境を整えておくことがベストです。

営業リスト購入後はリスト管理を徹底する

営業リストの購入はゴールではありません。購入した営業リストは、実際の営業に活用してはじめて意味があります。どれほど質の高い営業リストでも、それを最大限活用するための営業スキルやツールがなければ意味がありません。

営業リストの効果を最大限高めるためにも、営業マンのスキル向上や営業の効率化につながるツールの活用も同時に進めていくのがお薦めです。

また、前述したように会社名や電話番号、メールアドレスといった情報はある日突然変更される可能性があります。従って、継続的に情報を更新して、常に新しい情報を反映した営業リストにする必要があります。

まとめ

手軽に質の高い営業リストを取得する上で、「購入」という選択肢はお薦めです。ただし業種や取得目的、ペルソナ設定などによって、営業リストに含まれるべき情報の内容や量は異なります。営業リストを購入する際には、あらかじめペルソナ設定や取得目的を明確にしておきましょう。

また、購入した営業リストを有効活用できなければ意味がありません。最大限質の高い営業リストを有効活用するためにも、営業スキルの向上にも注力しましょう。

営業スキルの向上には、「営業スキルチェックシート」の活用がお薦めです。営業スキルチェックシートには、見込み客の獲得から収益化(案件の獲得)までのプロセスに関して、必須となるスキルがチェックシート形式で記載されています。営業の効率化に役立つものですので、営業リストと併せて活用ください。

    営業スキルチェックシート

佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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