営業活動の成功を妨げる、マーケティングについての誤解

マーケティングについての誤解

マーケティングという言葉を聞いて何を思い浮かべますか?集客でしょうか?広告でしょうか?市場調査でしょうか?
企業によって、マーケティング部門が行う活動には幅があります。
また、マーケティング部門がない企業も多いでしょう。
そもそもマーケティングとは何なのでしょうか?
さまざまな定義があるため、敷居が高く感じられるかもしれません。
マネジメントの父と言われた、経営学者のピーター・ドラッカーは、「マーケティングの目的は、販売を不必要にすることだ。マーケティングの目的は、顧客について十分に理解し、顧客に合った製品やサービスが自然に売れるようにすることなのだ。企業の目的は顧客の創造だ。」と著書の中で述べています。
買い手である顧客の立場に立ったマーケティングが重要ということですね。
今回は、マーケティングについてのよくある誤解をご紹介します。

1. 営業重視のため、マーケティング予算は優先度が低い

マーケティングは未来の営業活動への投資とも言えます。
それにもかかわらず、マーケティングにかける予算に対する優先度を低く考えている企業が多くあります。
そのような企業では、売上達成状況が厳しい場合、予定されていたマーケティング活動を中止したり、翌年のマーケティング予算を削減したりすることもあるかもしれません。
「できるだけお金をかけずにマーケティング活動を行いたい」と思っている方も多いでしょう。
しかし、企業の成長のためには発想の転換が必要です。
目標や理想の状態に達成するには、どれだけのマーケティング活動が必要なのか、そのために予算がいくら必要なのかという視点を取り入れましょう。

2. マーケティングは営業活動をサポートするもの

経営者や営業責任者によくある誤解です。
営業で使うツールを制作することもマーケティング活動に入る場合があるので、完全に間違っているとはいえません。
しかし、マーケティングと営業の根本的な違いは、マーケティングが顧客、つまり買い手の立場に立っているのに対し、営業は注文、つまり売り手の立場に立っているということです。
また、マーケティングでは、未来も含む長期的な視点で、市場や顧客の変化に対応することも目的となります。
営業活動のサポートのみがマーケティング活動となっている場合は、変化への対応に対するリスクも抱えることとなります。

3. マーケティングは手間と時間がかかりすぎる

今すぐ売上を改善したい場合に即効性のあるマーケティング施策はあまりありません。
大幅な割引や特典などの営業施策の方が、成約につながりやすいでしょう。
割引を行わなくても長期的に継続した売上を得たい場合には、マーケティング戦略についてしっかり考えていくことが大切です。

4. マーケティングは広告のこと

一番よくある誤解がマーケティング=広告というものです。
マーケティング予算のほとんどが広告予算ということもあるでしょう。
しかし、広告はマーケティングの手段の一つで、マーケティングと同義ではありません。
マーケティングの目的によっては、広告という手法を使わず、プロモーションやPRを組み合わせることもあります。
顧客獲得だけでなく、成約後の顧客維持に関わる活動も含まれます。

5. 顧客のことはよくわかっているので、調査をする必要はない

お客様のことをよく理解しているつもりでも、売上が好調であったとしても、ビジネスに変化はつきものです。
お客様のニーズや期待値は変わっていきます。
調査によって、お客様やビジネスパートナーの現状を把握し、改善の余地がないかどうか、定期的に見直すことが、営業活動にとってもプラスになります。

6. マーケティング活動は売上に余裕があるときに行うもの

売上げが好調でマーケティングに予算をさけるときにのみ活動を行うという場合もあるでしょう。
しかし、本来、売上の波をなくすために継続的に行うものがマーケティング活動です。

7. マーケティングは大企業ならやっても意味がある

大企業の方がマーケティングを重視しているというのは事実でしょう。
しかし、規模が小さい企業でも、マーケティングの効果を享受できます。
例えば、競合との差別化のために、利益率の高いニッチなセグメントにターゲットを定め、その分野でのオピニオンリーダーとしてのポジショニングを確立するための、マーケティング活動を行うことで、マーケットリーダーになる、といったことも可能です。

8. マーケティングはお金のムダ

目的が不明確だったり、熟慮されていなかったりする場合、マーケティング施策は失敗する可能性が高まります。
その場合は貴重なマーケティング費が無駄になってしまいます。
マーケティングの成功には、よい戦略やプラン、経験の蓄積が大切です。

9. マーケティングも営業も結局やっていることは同じ

マーケティングも営業も「売上げを上げる」という大きな目的は同じです。
業務を兼任していたり、同じ部署で取り組んでいたりすることもあるでしょう。
特に、見込み客に関わる段階で、活動がかぶる場合もあり、インサイドセールスの拡大によって、以前はマーケティングの範疇だった部分を営業部門で担当することも出てきているのが実態です。
営業の場合は、成約をするということが最終ゴールとなります。
マーケティングの場合は実際に何かを販売することはないものの、より長期的な視点で、見込み客も含めた市場に関わる活動を行います。
2011年のテキサス大学による中規模企業を対象とした調査によると、営業とマーケティングの役割を分けている企業の方が、業界平均よりも成長スピードが速いという結果が出ています。
(出典:http://www.chiefoutsiders.com/blog/bid/97817/What-s-the-Difference-Between-Sales-and-Marketing)

いかがでしたか?
営業活動の成功には、マーケティングはとても重要です。
そうは言っても、マーケティングを行う予定がないという方も多いかと思います。
次回は、そんな方々のために、営業マンができることをご紹介します。

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川崎 裕介(かわさき ゆうすけ)

慶應義塾大学卒業後、外資系歯科医療機器メーカーを経てコンベックスに入社。プロダクトセールスチームで新規顧客開拓、既存顧客のコンサルティングに従事する傍ら、セミナー企画・運営を担当。現在は「セールスハックス」の運営、「Digima」のプロモーション全般を担当している。

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