営業マネージャーが行うべき営業活動の予実管理とは?

営業 予実 管理

営業マネージャーであれば、常に売上額のことを意識していることでしょう。特に月末に売上が厳しくなれば心労も増し、とは言え「なかなかいい営業の打ち手が思いつかない……」など負のスパイラルに陥ってしまうことも多いかも知れません。

しかし、営業活動の予実管理を行うことで、このような負のスパイラルから脱することができるかも知れません。予実管理を丁寧に行うと、予算と実績を定期的に確認できるため、こまめに営業の軌道修正を行うことができます。「どのように管理していけば良いのか分からない」「一度挑戦したけどうまくいかなかった」という営業マネージャーも多いのではないでしょうか。

本記事では、営業マネージャーが予算達成を目指す際に行うべき予実管理について解説します。

営業活動の予実管理とは

予実管理とは、営業部門の予算と実績を管理することを意味します。予算とは、企業が営業部門に対して設定する売上目標のことを指します。企業は、この予算をどれだけ達成しているかを見る事によって、営業成績を評価します。一方、実績とは、営業部門が実際に販売した売上のことを指します。

営業マネージャーは、営業組織全体での予算達成の責任を負っています。そのため、予算の達成ができていない場合や達成の見込みがない場合は、現状の課題を見出し、対策を検討しなくてはいけません。また、自社が行っている施策や営業活動が正しい打ち手なのかを確認するためにも、予実管理は欠かせません。

営業活動の予実管理がなぜ大切なのか

営業活動でなぜ予実管理が大切なのでしょうか。その理由について見てみましょう。

売上目標達成までの進捗を把握するため

予実管理を行うと、自社の売上達成目標(予算)に対して現在どれだけの実績を出しているか常に確認できます。それと同時に、目標を達成するために、後どのくらい実績が必要なのか把握するためにも予実管理は重要だと言えます。

売上目標達成が難しそうな際に素早く対応するため

予実管理を定期的に行っていると、早い段階で予算と実績の間のギャップに気付くことができます。気付いた段階で、営業活動の方針を変更するなど予算達成に向けた対応ができるでしょう。また、なぜ予算と実績の間にギャップが生まれているのかの分析を行うきっかけにもなります。

もし予実管理を行っていなければ、「売上がよくなさそうだ」という曖昧な感覚だけが残り、具体的な対応をしないままということになりかねません。早めに営業活動を見直し、営業方針を軌道修正するためにも予実管理は欠かせないのです。

予実管理を行う上での課題

ここでは、予実管理を行う際の課題について解説します。

予実管理を行う際の課題

実績を定期的に集計する習慣がない

予実管理では、できるだけリアルタイムに近い実績を集計することが大切です。予算に対する現在の実績達成率を把握できなければ、正確な予実管理にはなりません。そのため、実績を定期的に集計する必要があります。

しかし、営業活動と並行して実績を定期的に集計するのは少なからず手間がかかります。実績を集計する習慣がない営業部署では、この集計作業をいかにタスクに組み込むかが重要となるでしょう。予実管理を正確に行うためには、定期的に実績を集計する習慣を身につける必要があります。

集計やそのフォーマットの作成ができない、時間がかかってしまう

「実績の集計を行わなければ」と思っていても、どのようなフォーマットでどのように集計すれば良いか分からないケースは多いでしょう。また、フォーマットを作成するために時間がかかってしまうことも課題の一つとして挙げられます。

営業マンそれぞれが管理してしまっている

営業マンそれぞれが独自に実績を管理してしまっている場合も、予実管理を行う上で大きな課題となります。それぞれが管理を行っていると、実績集計表のフォーマットを揃えられないなど、全体の数字を把握することが難しくなるからです。営業チームのメンバーに依頼して、定期的に実績をまとめて共有してもらう必要があります。

効果的な予実管理をする方法

予実管理を効果的に行うための方法について紹介します。

効果的な予実管理をする方法

正しい予算の設定

効果的な予実管理を行うためにはまず、営業マンの実力に合った正しい予算設定を行うことが大切です。営業部門での全体予算を決め、そこから逆算して各営業マンの予算を設定しましょう。

予算設定が妥当かどうか判断するためのポイントは以下の2点です。

  • 自社の過去の実績や成長率を踏まえた予算であるかどうか
  • 業界全体や競合他社の実績や成長率を踏まえた予算であるかどうか
  • 個人の営業スキルに見合った予算かどうか

この3つのポイントを意識することが重要です。

また、予算は少し高めに設定することも大切です。あまりに高い予算を設定すると、営業マンは営業活動に対するモチベーションを落としてしまいます。逆に、予算が低すぎると営業マンはやりがいを感じることができず、大きな効果は期待できないでしょう。

予算を少し高めに設定することで、営業マンのモチベーションは維持されます。予実管理を行う過程で、自社の弱点や課題、強みも理解できてくるはずです。

実際の数値を測定する環境や担当者を決める

予実管理を継続して行っていくためには、「どこで誰が数値を測定するのか」を決めておくことが大切です。数値を計測しやすい環境を整え、計測する担当者を明確にしておきましょう。責任者を決めることで、定期的な計測がなくなったり予実管理そのものがなくなったりすることを防ぎます。

場合によっては、計測するためには、エクセルを使えるスキルが求められることがあります。もし、エクセルでの活用が難しい場合は、ITツールを活用することも有効です。どの営業マンにも入力・管理しやすいツールを活用することで、管理しなくなることを防ぐことができます。

定期的に状況を見て、状況に応じた方向性の決定を行う

営業マネージャーは、定期的に予実の状況を確認し、進捗状況によって今後の営業活動の方向性を決めましょう。もし進捗が予定通りでなければ、営業活動自体を見直したり、広告などの行っているプロモーションの見直しなどを行う必要があるかも知れません。

また、見込み客は沢山いるのにも関わらず、商談化率や受注率が低いことが判明した場合は、営業チーム内で営業トークのロールプレイングを行うなどの対応をすることができます。このように、予算と実績の差異の要因を分析し、具体的なアクションを起こすことが予実管理では重要なのです。

まとめ

予実管理は、営業活動の「今」を把握し、軌道修正を行うために欠かせない要素です。効果的な予実管理を行うためには、スピードが大切です。営業マネージャーは常に最新の実績を確認し、予算と実績に乖離があることに気付いた段階で、即座に原因究明と改善策を打ち出すことが求められます。このサイクルを素早く回していくことで、継続的に営業活動を改善でき、予算と実績のギャップを埋めていくことができるでしょう。

もう一つ、予実管理を行う上で大事なのがKPI(重要業績評価指標)の設定とその確認です。予算と実績に乖離が見られた場合、このKPIを確認することで、目標達成に向けたプロセスが機能しているかどうかがわかります。

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