できる営業マンを採用し続けるための8つの採用戦略

できる営業マン 採用

人口減少に伴う労働者数減少により、採用難が続いています。
なかでも営業職不足は深刻で、財務局の調査によると、64.6%の企業が営業職の正規社員が不足していると回答しています。
しかし、企業の成長に優秀な人材は欠かせません。
今回は、できる営業マンを採用し続けるための戦略をご紹介します。

営業スキルチェックシート

1. 最適なタイミングを考える

まず、採用する時期やタイミングについて戦略を持つ必要があります。
どうしても欠員が出たり、今の業務が回らなくなったりしたタイミングで採用活動を行うことが多いものです。
しかし、欠員補充や急な増員の場合は、期限までに採用することが最優先されてしまい、ミスマッチとわかっていながらも妥協して採用してしまうことも少なくありません。
結果として、企業や業務にとって最適ではない人材を抱えるコストがのしかかってきてしまうため、より長期的な視点を持つことが何よりも重要なのです。
最もお薦めなのが、ビジネス戦略と成長計画から逆算をする方法です。
今後一年間の営業計画を四半期ごとに整理し、その計画を達成するのに必要な営業職のタイプ、スキル、人数が十分足りているかを確認します。
営業職の募集をしてから採用に至るまでの期間は、アジアの平均で52日間というデータがあります。
それに入社するまでの期間、研修などを経て戦力となるまでの期間、採用活動の準備期間も加えると、採用する最適なタイミングがわかります。
それに加え、面接を行う社員が採用にかかる面接のための時間が確保できる時期かどうかも検討します。
業界の繁忙期や、夏休み、年末年始などの休暇の時期などは、求職活動が活発でなくなるため、できれば避けたいところです。

2. 営業プロセスを明確化する

営業経験があるからといって、やることがわかっているというわけではありません。
また、業界や商材、営業スタイルによっても、やるべきこと、うまくいくことは異なります。
そのため、顧客の購入行動に合わせた営業プロセスを細かく設定し、具体的な業務、作業量、KPIなどを明確にしておくことも、重要な採用戦略です。
これらが明確になった上で必要なツールも備えておけば、採用したい人物像や人数もはっきりし、採用後の効率や生産性も高くなります。

3. 育成を前提とする

採用難の時代では、最初から優秀な人材を採用するという考えを手放すという、発想の転換も必要です。
そのために、まずは、絶対に必要な最低限なスキルと、入社後につけてもらいたいスキルを分けて整理します。
育成にかかる時間や研修計画についても考えましょう。
育成のノウハウがない場合がなくても、試行錯誤を重ね、経過や成果を記録して見える化をしていきながら、育成する仕組みと成功法則を探っていくことが大切です。

4. 一人にすべてを求めない

経験が豊富なマネージャーレベルを採用する場合でも、一人に求めすぎないことも大切です。
本来、AとBとCのスキルがあってほしい職位で、候補者がAしか備えていない場合でも、他の人にBとCを求める、としても構わないわけです。
外注も含め、スキルを複数の人材に分散させることも考えていきましょう。

5. 退職リスクに備える

人材難に加え、営業職は離職率も高いという課題もあります。
そのため、退職リスクに備えて採用計画が必要です。
求人市場でニーズが高いスキルや職種については、退職されてしまっても業務に影響が出ないよう、退職予測を行ったり、余裕をもった人員計画を立てたりしましょう。

6. 働きたいと思われる企業になる

売り手市場では、求職者には複数の選択肢があります。
その中で選ばれるためには、働きたいと思われる企業にならなくてはいけません。
つまり、仕事内容だけではなく、企業の価値によって候補者を惹きつけるということです。
まずは求職者の立場になって、求職者の目に触れる、ウェブサイト、オフィス、社員の応対などで自社の印象がどうなのかを確認しましょう。
また、自社による発信も必要です。
企業理念、他社にはない自社ならではのストーリー、企業理念を大事に社員が業務を行なっている様子、社員個人が社内でどのように活躍・成長しているのか、地域への貢献、社内制度などを、企業ホームページだけでなく、候補者が目にする媒体や自社のソーシャルメディアで積極的にアピールをしましょう。

7. 社員のネットワークを活用する

できる営業マンは公私ともに忙しいものです。
求人を掲載しても届くのは、積極的に転職活動を行なっている人たちに限られてしまいます。
また、どうしても同業他社や、他の営業職と比較されてしまいます。
だからといってヘッドハンティングを利用するには大きな費用がかかります。
必ずしも転職を考えているとは限らない優秀な人材を発掘する手法として現在注目を集めているのが、社員に人材を紹介してもらう採用手法のリファラル採用です。
主に社員の個人的なつながりを活用するため、社内環境や募集職種についての理解度の高い社員が人柄をよく知った候補者にアプローチすることができます。
その結果、ミスマッチが起こりにくく、紹介した社員も採用された社員も定着率が高くなると言われています。
インセンティブなど、社員が紹介したくなる仕組みも必要になりますが、導入を検討する価値がある手法です。

8. 退職者や辞退者から学ぶ

採用競争が激化している状況では、自社を去った人、内定を辞退した人から、なぜ退職したのか、なぜ入社しなかったのかを学ぶことも必要です。
アンケートやヒアリングで、理由を聞き、分析すると、新たな気づきもあるものです。
根本的な部分や個人的なものは改善が難しいものの、意外と簡単に改善できるポイントもあるはずです。

今回は、採用戦略についてお伝えしました。
すべてを備えた優秀な人材は他の企業も狙っている人材です。
他と同じことをしていては採用競争に勝つことができません。
自社にとって本当に必要な人材、特に何をもって「優秀」とするかを見極め、最適な戦略を採用しましょう。

    営業スキルチェックシート

原誠