顧客との決別を考えるべき9つのサイン

顧客 決別

顧客は会社の売上げを支えてくれる大切な存在です。
理不尽だと思うことがあっても、営業マン側が改善し、関係をよくしようと努力をするのが、営業マンの常識です。
ただ、残念ながら、中には関係を継続することが、会社の不利益になる顧客が存在することも事実です。
今回は、顧客との関係継続について検討をするべきサインをご紹介します。

1. 利益が出ていない

どんなに売上げが大きくても、利益が出ていない場合は、よい顧客とは言えません。
売上げだけを見ていると、利益が出ていないことに気づけない場合もあります。
実際の顧客維持コストも考慮した上で、企業として必要な利益率が常に確認できるようにしましょう。
そして、会社として許容できる利益率を下回った場合は、値上げ、サービスの変更、契約の中断などを検討します。

2. 他の顧客対応へ影響が出ている

要求が多いなど、対応に時間がかかり、本来すべきである他の顧客対応に割く時間が減ってしまっているなど、他の顧客への影響も出ている場合は、なんらかの対応を検討しなくてはなりません。
他の優良顧客の満足低下や解約に繋がりかねませんし、他のお客様に約束したものが提供できない状態は、契約違反と言われてしまっても仕方がありません。
担当者が残業をしたり、人員を増やしたりするという対応策をとる場合は、そのコストも追加し、利益が出ているかを見極めましょう。

3. 支払い条件を守らない

常に支払いが遅れる、契約で定められた通貨とは異なる通貨で支払いをしてくる、など、支払い条件を守らない顧客も決してよい顧客とは言えません。
そのためにも、守らなかった場合の対応についてあらかじめ契約書に記載するなどの自衛策も必要ですが、実際に守られなかった場合は、言いづらくても必ず指摘をし、改善をお願いし、習慣化されないようにする必要があります。

4. 請求書に難癖をつける

請求書の項目について、事前に説明があったのにも関わらず、クレームをつけ、支払いを渋る場合も、今後の関係について考えざるを得ないでしょう。
あてにしていた予算が下りなかったので、なんとかしてほしいと言われた場合も要注意です。

5. 競合と価格競争をさせる

多くの企業では、複数の業者から見積りを取り、適正な価格で契約を結ぶ努力をするのが一般的です。
しかし、価格競争をさせるのは、フェアとは言えません。
また、価格重視の傾向があまりにも強いと、製品やサービスのよさが理解されない場合もあり、根本的な価値観が合わない可能性もあります。
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6. 言うことに一貫性がない

嘘も含め、言うことがよく変わるのも問題です。
例えば、言われた通りに修正をしたにも関わらず、前回とは違う修正点を追加してきたり、元に戻すよう指示してきたりされてしまうと、何度もやり直しとなり、結果的にコストに影響をしてしまいます。

7. ハラスメント行為をする

暴力などの肉体的なハラスメント行為はもちろん、顧客の立場を悪用しての、モラルハラスメントパワーハラスメントなども黙認し続けるべきではありません。
そのためにも、ハラスメント行為を受けてしまった場合の対策を決めておきましょう。
どんな小さなことでも記録をして、社内で報告を受け付ける体制を作ることが有効です。

8. 法律違反をしている

自社製品やサービスに関連していなくても、なんらかの形で違反行為をしていることを知ってしまった場合も要注意です。
違反行為が明らかになった際の自社への影響を考えて行動しましょう。

9. 提案を無視したのにもかかわらず、失敗の責任を取らせる

こちらの提案を取り入れなかった結果、かかってしまった費用の支払いを拒むなど、失敗の責任を取らせようとするというケースもあります。
当然、事前に別の方法で発生し得る費用についての十分な説明をしておくことが必要ですが、リスクを理解しているにも関わらず、責任を取らせようとする行為は容認できるものではありません。

今回は、顧客との関係継続についてお伝えしました。
現実的には、会社として妥協をするシーンも少なくないことでしょう。
それでも、報告体制の整備、万が一顧客と決別せざるを得ない場合の対応を具体的に定めておくことが、企業のリスクマネジメントとして大切です。

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原誠

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