売れる営業マンに欠かせないスキルと、必須スキルを身につける方法

売れる 営業 スキル

「売れる営業マン」は、どのような営業マンでも憧れる存在です。常に高い営業成績を出している、誰よりも成果を出して部下やチームを背中で引っ張っている営業マンは、皆さんの身近にもいるのではないでしょうか。

売れる営業マンの中には、センスや特性が大きな影響を与えている場合もありますが、自らの営業活動の中で試行錯誤し、スキルを磨き上げ、自らの営業スタイルを確立している営業マンも多くいます。では、売れる営業マンは何を心がけ、どのようなスキルを磨いているのでしょうか。

本記事では、売れる営業マンに共通するスキルをご紹介します。

売れる営業マンとは?

売れる営業マンとは、多くの契約を獲得できる営業マン、売上げを獲得して企業に貢献ができる営業マンのことを指します。

商品・サービスを売るためには、営業のトークが上手いだけでは売ることはできませんし、親切な営業マンであるだけでも売上げを上げることはできません。もちろんこれらは大切な要素なのですが、契約を獲得するためには、クロージングまでに必要な工程を体系化してお客様を導いていく必要があります。

業種・業態や商品・サービス、営業担当者とお客様の相性もあるため、一概に決まった正解はありませんが、自社の状況に合わせたアプローチ方法を見つけることが大切です。

インターネットの普及により、単純な商品・サービスの機能や価格は比較できるようになりました。そのような「目で見てわかる違い」の比較は、わざわざ営業マンに解説してもらわなくても、お客様自身で把握することができます。

そうすると、もちろん商品・サービスの知識は必須ですが、商品・サービスの活用方法や効用を伝えることや営業マン自身の振る舞いや人柄、言葉遣いも大切なポイントになってきます。

例えば、安価なファストファッション店に来るお客様は、手厚い接客サービスを求めることは少ないでしょう。それよりも、重視されるニーズは流行りの服が手頃な価格で購入できることかもしれません。その場合、現場に求められるのはテキパキと整理整頓でき、流行を正確に捉えられる営業マンが求められます。

一方、百貨店に来るお客様は「値は張るが商品の質が良いものが欲しい」「どのような価値や機能性があるのか知りたい」「アフターサービスもお願いしたい」というようなニーズを持っています。このような場合であれば、豊かな商品知識や不快にしない物腰柔らかな態度、丁重な言葉遣い、気配りや目配り、最高の買い物体験を提供できる営業マンが求められます。

ソフトスキルとハードスキルの違い

人の能力には、「ソフトスキル」や「ハードスキル」があるとされています。日本プロジェクトマネジメント協会では、ハードスキルとソフトスキルについて以下のように定義付けています。

ハードスキルとは、「体系立った知識」のことであり、「理論や手法やツール」などを指します。ソフトスキルとは「ヒューマンスキル」のことであり、「自己および対人関係に関するスキル」という定義です。

つまり、「ハードスキル」とは、すでに研究者など専門家たちが発見した知識の体系のことで、講義を受けたり、教科書やテキストから学ぶことで、理解を深めることができます。

一方、「ソフトスキル」は、自分自身のハンドリングや周囲の人との人間関係を培うスキルのことです。自身のメンタルや周囲とのコミュニケーションに関連しています。

売れる営業マンに必要なハードスキル

売れる営業マンに必要な4つのハードスキルを紹介します。

営業マンに必要な4つのハードスキル

自身の業界の知識

まず1つ目のハードスキルは、業界における知識です。深い関係性がないお客様に、自身が業界のことを理解していることを示す方法の1つが、資格を保有することです。

例えば、限られた時間で相手に何かをアピールしたい際に、

「私は、栄養に関してとても詳しいです。85キロあった体重を65キロまで減量しました。その時は運動をして食事にも気を付け、適切な食事量を保ち、口にするものを選んで食事をとっていました。その結果、ダイエットに成功しました。……」

と話していては時間がかかり過ぎます。

相手の理解力によっては、これだけの量の言葉を対面で一気に聞かされても、理解に限界があるでしょう。しかし、例えば、管理栄養士の資格を保有していることを伝えたらどうでしょう。相手は「この人は栄養についての知識を持っているのかな」となんとなく理解することができます。

例え「管理栄養士という資格があるのですね。私はあまり、詳しくなくて……」と返されたとしても「国家資格の一種として認定されている資格なのですよ。……」と伝えることで話のきっかけとないますし、そこから「知識はある人なんだな」と信頼を深めることもできます。

他にも、不動産売買の業界であれば、不動産鑑定士や土地家屋調査士、宅地建物取引士などの資格を持っていると、お客様は「この営業担当は不動産の商品に対する知識を有していて信頼ができる」と判断することができます。

顧客の業界の知識

自分の業界の知識を身につけておくことは必須ですが、お客様の業界の知識や動向を把握しておくことが大切です。

例えば、自身が不動産売買に関連する仕事に就いているからといって、不動産に関連する話だけしていては、雑談が弾まなかったり、お客様の共感を得ることができません。

どの企業にも、主にターゲットとする顧客像(ペルソナ)が決まっているかと思います。そのターゲット層に合わせた知識を身につけていくと、円滑なコミュニケーションを行うことができます。

論理的思考力

論理的思考は、物事を分解して要素を理解し、問題点を紐解くことで、結論を見出せる思考です。「ロジカルシンキング」とも言われます。

論理的思考を鍛えるための方法としては、特定の分野の書籍を数冊読んでみて基礎知識をつけましょう。そこから、それぞれの本を要約をしたり、課題点に対して結論を見出していく。これを繰り返してみるとよいでしょう。

営業マンは、お客様とのアイスブレイクトークや相手の現状の把握、抱えている課題、予算、今後の目標をヒアリングし、自社商品・サービスと照らし合わせて提供できる価値を伝えなくてはいけません。このように、多くの情報を効率よく処理していくためには論理的思考も大切になります。

マーケティング力

一見、営業とは関係がないように感じますが、現在は市場や外部環境の変化が早く、その動きを把握するためには、以下のようなマーケティング力が必要になります。

  • 消費者のニーズや考え方や動向を理解している
  • 企業側の立場で商品・サービスの立ち位置を理解している
  • フレームワークを活用して企画案の立案の提言できる

マーケティング力がある営業マンは、自社商品・サービスの提供や知識のみならず、競合他社や見込み客、潜在顧客を俯瞰的に捉え、近い将来や未来の動向を見据えている人物です。

自社商品・サービスの機能の説明も大切なことですが、それは営業提案のごく一部にすぎません。広い視野で、お客様の状況さらにはお客様の顧客にまで見渡すことも大切です。

マーケティング力が身につくと、

  • 自社商品・サービスを使うことでお客様の環境や市場、売上げなどがどう改善するのか
  • そのために自分に何ができるのか
  • 他社商品・サービスとはどう違うのか

など、大局を見て営業提案をすることができるようになります。

売れる営業マンに必要なソフトスキル

売れる営業マンに必要な3つのソフトスキル、「ヒアリング力」「課題抽出力」「提案力」を紹介します。

営業マンに必要な3つのソフトスキル

ヒアリング力

傾聴力とも言われますが、皆さんの周りに、会話の中で「へぇ、そうなんだ」「そんなことがあったの?それ、とてもすごいね」「大変だったね、辛かったでしょう」と相槌を打ってくれる方も多いかと思います。

話している人としては、反応をしてもらえると気持ちよく話すことができます。営業でも同じことが言えます。お客様が話しているのに、営業マンが相槌も打たず、聞いているか聞いていないのかわからない反応であれば、きっとお客様は話したくなくなるはずです。

逆に、お客様の話を真剣に聞き適切な反応や返しができれば、信頼関係を構築することができます。お客様に気持ちよく話をしていただき、信頼関係を構築し、情報を収集するためにも傾聴力は身に付けたいスキルです。

傾聴力は、普段の生活から身に付けることができます。例えば、営業会議の時に一人だけ話していませんか?飲み会の席でも、自分の話を聞けと暗に主張していませんか?まずは、自分が発言したいのを抑えて、部下やメンバーの話を聞く。そして、その部下がどのような気持ちで話しているのかを考えながら耳を傾けてみましょう。

課題抽出力

近年、営業マンでも「課題抽出力は大切だ」とよく言われます。課題抽出力とは、お客様の抱えている課題を明確にして、正確に抽出できるスキルのことです。

営業提案は突き詰めると、お客様の課題をどのように自社の商品・サービスで解決していくのかをお客様に伝えることです。その課題を抽出することは、営業マンにとって必須のスキルと言えるでしょう。

お客様が自ら課題を把握していればわかりやすいのですが、営業のシーンではまだ課題を感じていないことの方が多いはずです。その際には、営業マンからお客様に課題感を提示してあげる必要があるため、営業マンはヒアリングしたお客様の現状から課題を抽出しなくてはいけません。

そのためには、常に接するお客様の課題を理解して、同じようなお客様層には営業マンから「よくある課題としましては……」という形で提示してあげるとよいでしょう。

提案力

提案力は、課題抽出力と一緒に身につけておくべき力です。

例えば、上司から「◯◯さんは、△△なところがよくない」と言われたら、批判されているだけと感じてしまうかも知れません。しかし、「◯◯さんは、△△なところがもったいない。だから、××してみたらどうかな?」と言われたら、「これからは心がけてみようかな」と思えるかも知れません。

営業でも同じで、お客様に課題を提示したり指摘しただけでは、批判的に捉えられてしまいかねません。「提示した課題に対してどのようにしたらよいのか」あるいは「自社の商品・サービスでどのように課題解決をお手伝いできるのか」を伝えることが営業提案です。

必須営業スキルの身につけ方

必須の営業スキルのハードスキルとソフトスキル、そしてそれぞれの身につけ方を紹介します。

ハードスキルの身につけ方

ハードスキルを身につける3つの方法です。

本やセミナーで身につける

論理的思考力を身につけるために推奨する書籍を3冊紹介します。知名度も高いので、「一度は読んだことはある」と言うビジネスパーソンも多いかもしれません。

思考の整理学

『思考の整理学』は、2008年に東大生協文庫売上で1位になったことが多くの人に知られるきっかけになり、学生からビジネスパーソンまで幅広い人が読んでいます。

考える技術・書く技術〜問題解決力を伸ばすピラミッド原則

著者であるバーバラ・ミント氏はハーバードビジネススクールでMBAを取得した人物で、彼女の提唱するフレームワークなどは多くのコンサルティング会社や企業で参考にされています。

ロジカル・シンキング〜論理的な思考と構成のスキル

 マッキンゼー・アンド・カンパニーで活躍した照屋 華子氏・岡田 恵子氏による論理的思考に関する著書です。

営業マンは、厳密にはコンサルタントではありませんが、自社の商品・サービスを通じてお客様の抱える課題を解決する存在として、お客様のコンサルタントに近い存在であることも大切です。

課題を抽出し、解決のための仮説を提唱し「自社商品・サービスを使うことで、このように改善しますよ」と提案することができる思考力を、読書を通じて身につけることができます。

上司や先輩から学ぶ

身の回りに常に高い営業成績を出し続けてる上司や先輩はいますか?

「この人のように売上げを上げたい」と思う上司や先輩の営業に同行させてもらい、1日を観察させてもらうことも刺激になります。また、日頃の営業活動で心がけていることを聞いてみてもよいかも知れません。

  • 現在はどのようなことを心掛けているのか
  • 特定のスキルを身につける際に何を行ったのか
  • どのように仕事とスキルの習得・勉強を両立しているのか

など、素直に聞いてみましょう。ヒントが得られるかも知れません。有効なヒントが得られたら、実際に自分の生活や営業活動の中で試してみて、実践してみましょう。

勉強に時間を割く

仕事をしながら、自分のスキルを磨くための勉強をするのは大変です。平日は、「自宅に着くのが遅く、なかなか時間が取れない……」「家族との時間に費やしたいから時間が取れない……」など、さまざまな理由が考えられます。

全ての時間を割く必要はありませんが、勉強に費やす時間にも意識を向けてみるのもよいかも知れません。例えば、国家資格や民間資格、国内MBA取得などの目標を設定してみるのもよいでしょう。

実務に通じる分野の勉強であれば、学ぶことによってこれまで行ってきた実務の意味や深さについて実感できたり、より価値のある仕事の発想にもつながるかも知れません。

例えば、時間のある休日に、1日1時間の時間をとってみることはできるのではないでしょうか。半年間継続すれば、48時間も確保することができます。それにより、資格の取得やスキルアップができれば、その後の仕事でも活躍することができるはずです。

ソフトスキルの身につけ方

次に、ソフトスキルを身につける3つの方法です。

実際の営業現場で意識してみる

傾聴力を身につけるためには、商談やミーティングなど毎回誰かと会話をした後に、自分と相手の話をした時間の割合を振り返りましょう。

自分の会話量が30%、相手の会話量が70%程度にするなど、事前に目標となる基準を決めておき、その基準に対してどのくらいの割合でコミュニケーションを取れたかを振り返ってみましょう。

営業ノウハウが得られる実践的な研修/セミナーに参加する

研修やセミナーに参加することも有効です。研修であれば、自社の契約している研修会社で研修を受けられることもあります。上司や先輩に聞いてみましょう。

特に外部研修では、自社にはない新たな手法や考え方を取り入れることができます。上司が主導して社内でロープレや研修を行うことも大切ですが、よい意味でも悪い意味でも考え方が凝り固まったり、知識が偏ってしまうことがあります。

また、現在は企業がさまざまな無料セミナーを行っています。多くの場合は、商品・サービスの紹介になりますが、企業によってはセミナー内で役に立つノウハウや情報も同時に提供していたり、実際に手を動かすワークショップも実施している場合もあります。

情報収集や勉強のために無料セミナーを活用することもおすすめです。

お客様に教えてもらう

「不勉強で恥ずかしいのですが」「ぜひ教えていただきたいのですが」などと適切な枕詞を使い、お客様に教えてもらうこともできます。売れる営業マンはどこか、人懐こい側面も持ち合わせています。

もちろん、調べたらすぐにわかるようなことを質問していては「Webサイトをみてください」と言われてしまいますが、調べた上で理解できなかったところや疑問に思ったことを質問してみてもよいかもしれません。

特に、営業先が開発や技術に関連する専門性の高い部署であった場合など、営業マンの知識が間に合わなかったり、話についていけないこともあるでしょう。そのような時も「ぜひ教えていただきたいのですが、この技術は他にどのようなところで応用されているのですか」など、お客様が話を広げてくれるような質問に転換しましょう。傾聴力と知識を習得するタイミングを同時に手に入れることができます。

まとめ

インターネットの普及により、営業マンに求められるスキルは高くなってきています。従来は、情報を多く持っている営業マンが「物知りで信頼できる営業マン」でしたが、現在では検索すればすぐに情報を取得することができるため、持っている情報量自体に価値が無くなりつつあります。

これからの売れる営業マンには、ハードスキルとソフトスキル両方をバランスよく持っていることが必要となるでしょう。

必要なスキルをチームのメンバーが身につけるための勉強会を開催してみたり、チーム内でノウハウの共有をすることで、組織全体の成績を底上げすることもできます。1人のずば抜けて優秀な営業マンに頼る組織ではなく、5人の営業マンが安定して成果を出すような組織の方が、長い目で高い成果を出すことができるでしょう。

営業スキルチェックシート」では、10分程度で自身の営業スキルを確認することができます。営業スキルの強化にぜひお役立てください。

    営業スキルチェックシート

戸栗 頌平(とぐり しょうへい)

B2Bマーケティングを幅広く経験。外資系ソフトウェア企業の日本支社立ち上げを行い、創業期の全マーケティング活動を責任者として行う。現在、東京と海外を行き来しながら場所にとらわれない働き方を通じ、日本企業のマーケティング支援の戦略立案から実行までの支援を行なっている。

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