デジタル対面営業を活用して売上をあげるためには

デジタル対面営業

営業活動を行なっていく中で「対面営業ができない状況下でも、売上をあげられない…」「訪問営業のコストが削減できない…」「営業マンの残業時間を減らない…」といった悩みはございませんでしょうか。これらの悩みを解決するための手法の一つとして、活用していきたいのが「デジタル対面営業」です。

とは言え、これまで対面型の営業を行ってきた企業にとっては、どのようにデジタル対面営業を実践すればよいのかが、なかなかイメージしづらいかも知れません。また、デジタル対面営業を導入することで、どのようなメリット・デメリットがあるのかについても理解しておきたいと思われるかも知れません。

本記事では、デジタル対面営業の重要性と実際に行う際のメリットとデメリットについての解説します。

デジタル対面営業とは

デジタル対面営業とは、Web会議システムやオンライン会議ツールなどのITツールを用いた非対面型の営業のことです。オンライン商談やWeb商談など、さまざまな呼称があります。

従来は、デジタルでの営業は技術的な難しさやコストの高さから、限られた企業でしか用いられていませんでした。コストのかかるビデオ会議システムを購入する必要があるだけではなく、商談相手も同様の設備の構築が必要でした。

しかし、今ではクラウド型のツールやアプリなどを導入することで、初期費用をほとんどかけなくても容易にデジタル対面営業を行うことが可能です。さらに、商談の相手方にも手間やコストがほとんどかからないように配慮されたツールも出てきています。

デジタル対面営業が重要になった背景

そもそも、デジタル対面営業は、2009年頃からアメリカなどで用いられるようになりました。国土の広いアメリカでは、リーマンショックなどをきっかけとして、営業の効率を改善する必要性が高まり、移動の時間がかからないオンライン商談化が普及したという背景があります。

一方、当時日本では、なかなかデジタル対面営業が進んでいなかった印象を受けます。しかし、最近、急激にデジタル対面営業が普及してきました。その背景にはどのようなことがあるのでしょうか?

インターネットの発展

最初に挙げられるのは、インターネットの発展です。今や、誰もがどこでも必要な情報を手軽に入手できるようになり、対面での商談で営業マンから情報を得る必要性が低くなりました。

実際、Googleが「ZMOT」という意思決定モデル(お客様が営業マンと接触する前に、事前にインターネットで情報収集をして購入するものを決めているというマーケティングモデル)を提唱しています。

ZMOT

お客様は、情報が不足している部分や理解が難しい部分を知りたい時のみ、営業マンに直接連絡をして購買行動を行うということです。

ITツール・環境の充実

 情報を提供するうえで、ITツール(デバイス)や環境の充実も重要なポイントです。オンライン上で対面営業を行うためには、それを実現するITツールや環境が必要になるからです。

例えば、

  • オンライン商談ツールなどのデジタル対面営業を実現するためのツールの発達
  • Wi-Fi環境や5Gなど、高速インターネット通信環境

これらのような要因により、誰でもどこでもネットワークに接続できるようになりました。

さらには、営業マンが自宅から商談を行なったり、スマートフォンのアプリからでも商談を行うことができるようになっています。

お客様と直接会えない

新型コロナウイルス対策として、社会的にもビジネスマンとしても、人との接触を必要最小限に抑えることが標準になっています。緊急事態宣言が解除された後、リモートワークから従来の働き方に戻す企業が増えてはいるものの、人との接触を極力抑えるなどの動きは継続している企業が少なくありません。

その結果、これまで直接対面で営業活動を行っていた営業マンは、オンライン主体の営業活動に舵をきることを余儀なくされました。オンラインでなければ、そもそもお客様と接点を持つこと自体が困難であるという状況に陥っています。

デジタル対面営業のメリット

デジタル対面営業が急速に普及した背景としては、新型コロナウイルス対策の必要性に迫られた面が大きいですが、それでも、デジタル対面営業自体に多くのメリットがあることも事実です。では、具体的にデジタル対面営業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、デジタル対面営業のメリットを6点紹介します。

①移動時間・コストの削減

最初にお伝えするデジタル対面営業のメリットは、通勤や見込み顧客企業への訪問などの際の移動時間・コストの削減です。

近隣への短時間の移動であれば大きな課題にはならない場合もありますが、新幹線や飛行機を使った移動を伴う際には、どうしても多くの時間とコストがかかってしまいます。また、地方などでは移動のための待ち時間が長くなってしまう場面もよくあります。

その点、オンライン対面営業では、ミーティングのURLやIDなどをメールで共有するだけで、事務所や自宅でお客様と一瞬でつながることができます。

②営業アプローチの数を増やせる

移動時間をほぼゼロにすることにより、その時間で電話やメールなどの営業アプローチの数を増やすことができたり、商談数を増やすこともできます。移動中も営業活動を行えることもあるかと思いますが、集中できなかったり、電話が制限されたり、さらには、お客様の情報を扱うので、情報漏洩の心配も出てきます。

その点、オンラインでは、終了後すぐに業務に戻ることができるので、効率的に営業活動を進めることができます。また、営業マンにとっては、商談の場数を踏めることや空いた時間を営業資料の作成に割くことができるため、営業の質・成果の向上が期待できます。

③リードタイムを短縮できる

デジタル対面営業の導入により、リードタイムの短縮も見込めます。 従来型の営業の場合、お客様が興味・関心を持っていても、互いのスケジュール調整をしてから商談の場をセッティングする必要がありました。しかし、デジタル対面営業では、双方で30分程度の時間が取れれば、商談をセッティングすることができます。

お客様側の関係者(決裁者や意思決定権限所持者など)が、直接詳しく話を聞きたがっているケースなどでも簡単に追加の商談をセッティングできるため、スケジューリングが容易になります。 

④感染症対策になる

デジタル対面営業を導入し、在宅勤務やテレワークを導入できるようになると、感染症対策にもつながります。営業マン本人にとっても、公共交通機関などの人込みを利用しなくてもよくなることから、感染のリスクを抑えることができます。

また、テレワーク導入を推進することでオフィスの出社人数を低減することにより、オフィス内での感染リスクも減らすことができます。さらに、万が一オフィスにウイルスに感染した社員が出てしまった場合でも、社内感染を最低限に抑えることができます。

⑤社内に営業ノウハウの共有ができる

ビデオ会議ツールやビデオ商談ツールなどのデジタル対面営業ツールの大半は、録画・録音機能があります。そのため、成約率の高い営業マンの商談の内容を録画して、動画を社内で共有することもできます。また、逆に失注に終わった商談内容を上司が確認して改善点をアドバイスしたりすることもできます。

録音や録画では、実際の営業の現場感・空気感もわかりますので、より実践的に参考になる教材になります。

⑥きめ細やかなフォローができる

基本的に営業マンは、売上目標達成のプレッシャーがあるため、売上に直接的につながる案件を重視せざるを得ない面があります。その結果、遠方のお客様や休眠顧客に対してのアプローチや、既存客のフォローなどが後回しになってしまうことがあります。

オンライン商談では、地理的な距離に関係なくいつでもアプローチすることができます。まとまった時間が取れなくても商談を設定することができ、お客様に対してきめ細やかなフォロー対応を行うことができます。 

デジタル対面営業のデメリット

続いて、デジタル対面営業についてのデメリットとなりうる点についても解説します。

あらかじめデメリットを想定し、対策を用意しておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。ここでは、デジタル対面営業の4つのデメリットについて紹介していきます。

①リアルならではの営業マンの雰囲気が伝えづらい

 1つ目のデメリットは、対面ならではの営業マンの雰囲気が伝わりにくい場合があることです。優秀な営業マンの中には、商談の内容だけではなく、独自の距離感や温度感などによって魅力を発揮していることがあります。そのような利点を生かしづらくなる可能性があります。

デジタル対面営業では、視覚・聴覚の影響力が必然的に大きくなり、オンラインならではのコツもあるため、オンラインで好印象を与えられるための話し方や実のふるまい方も身につけておく必要があります。

②相手の理解度を汲み取りづらい

デジタル対面営業では、同時に相手方の反応を汲み取りづらいという点も配慮する必要があります。

従来の対面型営業では、お客様の仕草や目線などでサインを感じ取って、補足の説明をしたり追加の資料を提案することができました。オンライン対面営業では、これらの細かいサインが感じ取りづらいために、商談の質が低下してしまうリスクがあります。

このようなオンライン対面営業での特性に対しては、質問をしやすい雰囲気づくりを意識することやこまめに不明な点がないかを確認するように意識するといった対策が取れます。

③回線が安定しないことがある

 デジタル対面営業は、インターネット環境の利用が不可欠であるため、インターネット回線が不安定な時には、音声・映像の途切れやノイズ、画面のフリーズなどの問題が生じてしまうことがあります。

前提条件として大切なことは、回線の不調を想定した対策を取ることが大切です。

  • 高速インターネット環境の確保
  • Wi-Fi不調時に、第二の通信手段の確保
    (スマートフォンのテザリングなど)
  • テレワーク利用時には、自宅での通信環境のテストを事前に行う

また、後からの食い違いを避けるために、提案内容の重要なポイントは全て文書化して共有できるようにしておくことや、一部お音声が乱れて聞き取れなかったときには互いに確認をしたうえで次に進めるなどの意識を持つことも心掛けると良いでしょう。

④準備に手間がかかることがある

デジタル対面営業を実践するには、何らかのツールの利用が不可欠です。従って、IT機器に慣れていない方にとっては、環境の準備や利用方法を覚えることそのものに手間がかかってしまうことがあります。

オンライン商談ツールは、誰もが簡単に使えるように考えられてるものの、細かい操作などは実際に実践してみないとわからないところもありますので、営業マンに対しては事前に研修をおこなったり、簡単なマニュアルを作ったりするなどを通して、浸透させていきましょう。

そこで、むしろ注意すべき点はお客様側の事情です。オンライン商談を行う際には、できるだけ相手方に負担を生じさせないということを心がけることが大切です。商談開始前に、ツールの設定やアプリのダウンロードなどを行なっていては、なかなか商談を始めることができません。

そのため、設定の仕方のマニュアルやアプリの案内などの情報をメールで送っておき、事前に設定してもらっておくことが大切です。それにより円滑に商談に進めることができます。 

オンライン商談ツールの準備

デジタル対面営業で気を付けること

デジタル対面営業は、ポイントを押さえることで質を向上させることができます。ここでは、特に注意したいポイントを4点紹介します。

可能な限り映像・資料をクリアにする

オンライン商談の最大の懸念事項は、デメリットでも紹介した音声や映像の乱れ・不調です。

改善のための工夫としては、安定した通信環境の解決の他に、明るさの調整(PCの設定、日光や照明の調整など)、ボリュームの調整、話すスピードの調整(対面での商談よりもやや早く話すのが理想的)、資料の見やすさを意識(スライド1枚につき1つのメッセージにして文字を大きくするなど)の対策が効果的です。

また、オンライン会議の商談後は、使用した資料や商談内容のまとめをお客様に送付し、情報を共有することも効果的です。

リアクションを大きく取る

オンライン商談での反応が分かりやすいように、リアクションを大きく取ることも大切です。リアクションを大きく取れば、お客様が話しやすい雰囲気を作ることができ、お客様が貴重な情報を提供してくれるようになることがあるためです。

とは言え、ビジネスの商談の場面なのであまり極端に大きなジェスチャーを取ると、お客様からの信用低下を招いてしまう可能性があることに注意しましょう。具体的には、同意する際に大きくうなずいたり、少し手ぶりを交えて話す程度が良いでしょう。

資料の見やすさに配慮する

資料は画面共有を想定して、見やすさにこだわった作成しましょう。伝えたい情報を網羅するために情報を詰め込みすぎると、文字が小さくなってしまったり、重要な情報が埋もれてしまったりしてしまう可能性があります。

重要な情報は色をつけて際立たせたり、アニメーションを使って動きをつけたりするなどの配慮も効果的です。

お客様にも顔を見せてもらう

お客様の属性や商品・サービスにもよりますが、可能であればお客様と双方で顔を見せた方が円滑に商談を進めやすいことは確かです。と言うのも、実際にお客様の顔を見て反応を確かめながら商談をした方が話しやすいからです。

BtoCの場合は、家庭の事情で映像をONにしてもらうよう依頼しづらいこともあるでしょう。また、顔を見せることを依頼することが失礼だと感じられるリスクもあるので、可能な範囲で協力をお願いするといった姿勢にしましょう。

ですが、商談がしやすくなるという点を踏まえて、例えば直接依頼するのが難しかったら、事前のメールなどで「可能な場合のみで構いませんので、映像をONにして参加していただけると嬉しいです」といった内容を伝えておくのも良いかも知れません。

デジタル対面営業を実現する2つのツール

デジタル対面営業を行うためには、ツールの活用が不可欠であることは、先ほどお伝えしています。では、具体的にどのようなツールがあるのでしょうか?ここでは、特に利用しやすいITツールを2つ紹介します。

Zoom

Zoom

オンライン会議ツールとして最も代表的なツールが、Zoomです。Zoomはオンライン会議用のツールではありますが、資料共有機能や録画機能などが搭載されているため、デジタル対面営業にも十分に活用できます。また、お客様を商談の場に招待する際にも、招待用のURLをクリックしてもらうのみで参加できる点も、使い勝手の良い点といえるでしょう。

Zoomには無料のプランと3つの有料プランが設定されています。有料プランになるほど、同時アクセス可能なライセンス数が増え、また自動文字起こしなど多彩な機能を利用できるようになります。

bellFace(ベルフェイス)

bellface

bellFace(ベルフェイス)は、代表的なオンライン商談システムの一つです。他のオンラインツールと大きく異なるのは、bellFaceはオンラインの商談に特化したツールであるということです。

URLをお客様に伝えなくても、コードを共有するだけでアクセスできること(お客様は5秒でオンライン商談にアクセス可能)や、紙の資料のような使い勝手の良さ、共有メモ機能など、商談をスムーズに進めるための機能が充実しています。

デジタル対面営業では議事録が大切

デジタル対面営業で重要になるのは、議事録です。対面での営業の際には、資料を直接手渡しし、その場でメモをしたり書き込みをしたりすることで記録を残すことができますが、オンライン上だと画面共有を通じての資料データになってしまうため、商談の終了後に内容を忘れられてしまう可能性があります。

内容をきちんと残しておくためには、お客様からヒアリングした内容についてGoogleドキュメントなどを利用することでミーティング後に共有することができます。その中に、お客様の課題などを入れておくと振り返りや再認識に繋がります。

また、商談後の議事録と同様に資料の事前共有も重要です。

商談前に資料を作成して共有することで、商談の流れが非常にスムーズに進みます。

商談前に資料を共有する

まとめ

オンライン商談ツールやWeb会議ツールを活用することで、非対面での営業を行うことができます。非対面での営業を活用することにより、場所にとらわれずに商談の場を設けることが可能になり、これまではアプローチが難しかったお客様に対してのアプローチが容易になります。

商談の数を増やしたり、営業マンのスキルアップにつなげたり、社内に営業のノウハウを蓄積したりするなど、さまざまなメリットが期待できます。

対面での営業に比べてその場の空気感が伝わりづらいことや、通信環境が悪ければ商談がスムーズに運びにくくなることなど、デメリットになりうる部分もありますが、ツールの選定やオンライン環境の適切な構築、そして積極的なデジタル対面営業の活用による慣れなどを通じて、さらに営業活動の効率化を進めていただければと思います。

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佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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