見込み度を精査する31の質問例

見込み度 質問

営業活動の成功の鍵は、見込み度をできるだけ早い段階で知ることです。
見込み客といっても、追いかけても無駄な見込み客、今は購買タイミングではないけれど今後育成やフォローアップをするべき見込み客、早急に商談を進めていきたい見込み客に分かれます。
見込み度が判明すると、無駄を省けるだけでなく成約のスピードがアップするのです。
今回は、見込み度を精査する質問例を①ニーズ、②意思決定の権限、③購買の可否、④他の検討状況、の4つのグループに分けてご紹介します。

ニーズに関する質問

1. 弊社を知ったきっかけは何ですか?

最初に聞きやすく、見込み度がわかりやすいのがこの質問です。
インターネットで検索をしたのか、検索したキーワードは課題だったのか、ソリューションだったのか、イベントや展示会で知ったのか、商品デモを見たのか、ユーザーによるレビューで知ったのか、競合について調べた際に知ったのか、信頼できる人から勧められたのか、偶然知っただけなのかなど、きっかけによって、信頼度や既に知っている情報の深さが変わってきます。
誰かに薦められている場合は、特に見込み度が高いと推測できるため、関係構築や基本情報の提供や確認をスキップしてもいいでしょう。

2. どのような課題や悩みをお持ちですか?

自社の商品やサービスが解決できる分野について、課題や悩みを聞きましょう。
商品やサービスにより課題が解決できることに気付いていないこともありますし、課題が出た際の準備として情報収集をしていることもあります。
解決方法として自社の商品やサービスが認知されていても、課題解決のメリットの認知がされていないことがあります。
また、予算や導入の難しさ、現在の契約の状態など、解決に障害がある場合もあります。
回答によって見込み度や優先順位が大きく変わってくるため、下記の質問のように、さまざまな方向から課題解決についてどう感じているのかを探りましょう。

・課題を解決することでどんなメリットがありますか?
・その課題はいつ頃からですか?まだ対応していないのには何か理由がありますか?
・課題の解決に何かリスクや障害はありますか?解決しないことによるリスクはあるのでしょうか?

3. 以前もこのような商品を購入したことはありますか?その商品を使われていかがでしたか?

4. このような商品の購入を検討されたことはありますか?なぜ検討されたのですか?(なぜ検討されたことがないのでしょうか?)

ニーズが明確な場合は、過去の購入経験や検討経験について聞いてみましょう。使用経験がある場合は、より具体的な要望がある場合があるものです。
比較基準も明確になり、商品説明や見積りも過去の商品を意識したものにしていく必要があります。
検討したにも関わらず購入しなかったのであれば、その理由を探る必要が出てきます。
検討しなかった場合も、手間や時間、コストの問題なのか、思いつかなかったり、知らなかったりしただけなのかによって次のアプローチが変わるでしょう。

5. 課題解決の方法を決めるためにお手伝いできることはありますか?

どんな見込み客でも、必ず何か購入をためらう理由や慎重になる理由があります。
ダイレクトに聞かなくても、このように間接的に障害を聞いてみるのも一案です。

6. 取引する企業に求めることは何ですか?

B2B、継続的にサービスが提供される場合、契約が長期にわたる場合は、商品やサービスの内容だけでなく、状況が変化した時の対応、新たな問題の解決能力、担当者との相性など、購入後の顧客体験も大切になってきます。
自社に対する期待値と価値観もニーズと考え、情報を得るようにしましょう。

下記のようにより具体的に聞いてもいいでしょう。

・今後ニーズが変わっていく可能性はありますか?
・お取引開始後に課題やリスクがでてきそうですか?
・導入の効果をどのように測定されますか?

7. 価格と効果、どちらかといえばどちらを重視されていますか?

予算内ですべての目的が達成できるとは限りません。
予算内で可能な限り課題を解決したいのか、課題解決が達成できないのであれば購入は見送るのかによって、見込み度合いも変わってきます。

8. 必須の機能は何ですか?なくても問題がない機能(あればよい)はありますか?

見込み客が何を重視しているか、知る質問です。
求めているものを提供できても、必要なものがすべて入っているとは限りません。
その場合は追っても仕方がないでしょう。

意思決定の権限に関する質問

ニーズがあっても、意思決定に関わっていない人であることもあります。
特にB2Bの場合は関わる部門や関係者が多いだけでなく、決済部門と実際の利用部門が異なることもあります。
>> 法人営業で購入決定に影響力が大きい部門は?
商談が上手く進んでいるように感じていても、実際は乗り越える課題が多く残っていることもあります。
導入、研修など、成約後の動きについても確認を取るようにしましょう。

1. 購入プロセスはどのようなものになりますか?

2. 弊社の提案を審査するのはどなたになりますか?

3. 決定に関わる方々はどなたになりますか? 

4. 決定に関わる方々の懸念点や気にされる点は何でしょうか?

5. 最終的な決断をされるのはどなたですか?

6. 最終承認が得られるまでどのくらいかかりますか?

7. このような商品を購入するのに大体どのくらいの時間がかかりますか?

8. このサービスをお使いになるのはどの部門ですか?使用される方々はどんな期待や懸念を持たれているのでしょうか?

9. 導入や研修を担当するのはどなたになりますか?

購買の可否に関する質問

ニーズが自社製品にマッチしていて、意思決定プロセスも理解しても、予算がなければ仕方がありません。
ニーズについて精査してから購買の可否について探ることが多いものですが、できるだけ早い段階で聞いておきたい質問です。
購入意思が強い場合は、購買を実現するためのサポートや協力が必要かどうかを知ることができます。

1. 予算は承認済みですか?

2. どの部門の予算を使われるのでしょうか?

3. 予算を他の購買に使われることも検討されていますか?

4. 優先度はどの程度でしょうか?

5. 新規の予算を申請される場合はどのようなプロセスになるのでしょうか?

他の検討状況に関する質問

見込み客が検討している他の選択肢についても聞きましょう。
ほぼ別の選択肢に決めていて、参考程度に他の選択肢も探っている場合もあります。
また、現在の契約の更新をするかどうかを検討中のこともあります。

1. 他に何か検討されているサービスや商品はありますか?

2. 検討状況は現在どのような状況ですか?既に先方とお話をされていますか?

3. その商品について、気に入っている点や惹かれているポイントはなんですか?

4. その商品について懸念点は何かありますか?

5. その商品は弊社の商品と比較していかがですか?

6. 弊社の商品を選ぶとしたら、選ぶ理由や決め手は何でしょうか?

7. 今決めなくてはいけないとしたらどれに気持ちが傾いていますか?迷われている理由はありますか?

8. 現在契約中のサービスや企業はありますか?更新はいつですか?中途解約料は発生しますか?

今回は、見込み度を精査する質問についてお伝えしました。
お客様の気持ちに配慮すると聞きづらいものですが、本当に興味を持ってもらっているのであれば、質問が原因で検討をやめることもないものです。
また、対面で聞く必要もありません。
メールやアンケートで聞くこともできます。
お客様がもう検討していないこと、つまりNoを言いやすい雰囲気を作ることも大切です。
最後に、シンプルだけれども見込み度がわかりやすい質問をご紹介します。

次はいつお話できますか?

次の約束が取り付けられないようであれば、見込み度は低いでしょう。
次に進めることは何なのかを頭に置いて、最適な質問を投げかけてみましょう。

    営業スキルチェックシート

原誠

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