売れるB2B営業マンの商談の流れ!クロージングまでの道筋と商談の進め方

商談 流れ

「営業は準備が9割」と言われることがあるように、売れる営業マンは商談への準備を怠りません。

  • 商談までのお客様とのやりとりはどのようなものだったか?
  • ヒアリングしたお客様の課題は?
  • 自分の提案はお客様の課題解決に合っているのか?

など、いかにお客様の役に立てるかを常に考えて準備を行なっています。

また、商談までの営業活動の流れ、商談での流れなど自身の営業スタイルを体系立てて落とし込んでいる営業マンも少なくないはずです。

今回は、商談前の事前準備から商談、そして商談後のフォローに至るまで、売れるB2B営業マンになるための商談の流れや進め方のノウハウをご紹介します。

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B2Bの商談とは?

B2B(BtoB)とは「Business to Business」の略称で、自社の商品・サービスの提供対象が企業になるビジネスのことを指します。それに対して、B2C(BtoC)は「Business to Consumer」の略称で、自社の商品・サービスの提供対象が一般消費者であるビジネスのことをいいます。お客様へのアプローチの仕方や営業活動の複雑さなどB2B、B2Cによって大きく変わってきます。

B2B商談とは、B2Bのビジネスを行う企業が行う商談を指します。お客様は、その商品・サービスを使うことで、自社の利益の増加や費用の削減が実現できるかを重視して検討します。

そして、お客様の会社や組織の規模によって、意志決定者が複数の関係者にまたがっていたり、購入するまでの検討期間が長かったり、短かったりします。

例えば、従業員10名程の企業であれば、その会社の決裁者(多くの場合は社長や部長)に魅力を感じてもらえれば、短期間で導入が決まる場合があります。

しかし、従業員が数百名以上で部門も複数存在する場合は、社長や主に活用する部門の長だけではなく、関連部署なども巻き込む必要があり、営業活動は長期化する可能性があります。

BtoBとBtoCの違い

見込み客を動かす商談の流れとプロセス

では、そもそもなぜ商談を行う必要があるのでしょうか? 商談では、商品・サービスの価値がどのようにお客様のお役に立てるのかを直接的に伝えることができます。

CMやWeb広告などのプロモーションでは認知を広げることや、その商品・サービスが「どのようなものなのか」のメッセージは伝えることはできます。商談ではお客様の個別のシーンで、どのように実際に活用できるのかといった具体的なイメージや、活用することによる効用についてしっかりと伝えることができます。

また、プロモーションメッセージはどうしてもお客様は受け身になってしまい、最終的な購買意思決定まで至らないことも多くあります。一方、人対人のコミュニケーションでは、その場で知りたい情報を得られるだけでなく、お客様の購買の意思決定まで動かすことができます。

一般的な商談までの流れ

商談は、自社の商品・サービスの価値を伝える強力な手段であるため重要ですが、同時にその商談を獲得するまでの流れも大切です。なぜなら、商談前の営業アプローチがしっかりしていないと、話を聞く価値を感じてもらえないため、商談の機会を得ること自体できません。

商談は、営業マンとお客様のリアルタイムの時間を共有します。興味があることとはいえ、お客様も忙しい中で時間を捻出するので、営業マンも割いてもらった時間に見合うように「お役に立てる情報を提供する」「お客様の課題を解決してあげる」という心構えが大切です。

また、商談で聞く姿勢を持ってもらえるかは、商談前の営業アプローチの段階で、いかに期待値を高められるかで変わってきます。

ここでは商談までに行うべきポイントについて解説します。

アプローチ前の情報収集

営業のアプローチをする前に、アプローチするお客様について情報収集しましょう。なぜなら、営業アプローチや商談の精度を上げるためには、事前にお客様のことを理解して「どのようなお客様なのか」「どのような目標や課題を抱えていそうか」といったことを仮説として考えておく必要があるからです。

BtoBでは、お客様の企業サイトを見ることにより、企業情報や財務情報などを見ることができるので、どのような業界なのか、顧客はどのような層なのかなど想定することができます。また、SNSを見れば、役職や人物像もイメージすることができます。時にSNS上から直接つながりを持つこともできます。

商談までのアプローチ

商談までのアプローチにはさまざまな営業手法があります。その中でも、大きく分けて「アウトバウンド」と「インバウンド」に分かれます。

アウトバウンドとは「内から外に」という意味を表しており、企業からお客様にアプローチしていく営業手法で、プッシュ営業とも呼ばれます。例えば、飛び込み営業やテレアポ、ダイレクトメールの送付などが当てはまります。

一方、インバウンドとは「外から内に」という意味で、企業がコンテンツを発信することで、そのコンテンツに関心のあるお客様を惹きつける営業手法になります。そのため、プル型営業とも呼ばれます。例えば、ブログなどのオウンドメディアやソーシャルメディアで情報を発信したり、eBookなどのお客様にお役に立てるコンテンツの提供を行います。

どの営業手法を重点的に活用するかは、商品・サービスや企業の文化によって異なりますが、アウトバウンドとインバウンドの両方をバランスよく取り入れることが大切です。

アウトバウンドとインバウンドの違い

商談中の流れとクロージングまでのポイント

商談の流れとクロージングまでのポイントについて見ていきましょう。

アイスブレイクと会社紹介

お客様に初めて訪問する場合には「アイスブレイク」も欠かせません。アイスブレイクとは、初めて会う人との緊張感をほぐし、お互いに話しやすい雰囲気を作るための手法です。季節や天気、仕事や趣味などの身近な話題を活用して、お互いの関係性づくりを行なっていきます。

慣れないうちは、お客様が答えやすい事実情報(天気や仕事)や商談に関わる話題を中心に話をしましょう。例えば、今回の商談に至った経緯にまつわるお客様業界の話題など、相手が話しやすく商談の役に立つ内容にしていくこともポイントです。

場の雰囲気が軽くなったところで自社の紹介(会社案内)をします。会社案内は、決まりきった内容をそのまま話すのではなく、相手の興味にあわせて説明することが大切です。「商品・サービスを作った背景」「創業年数」「社長の想い」など、相手の会社や担当者のミッションに合わせて自社がどのようなことにお役に立てるのかを伝えることが重要です。

課題のヒアリングと課題の顕在度合いの確認

次に、相手先の課題をヒアリングしていきます。 商談で大切なのが「お客様の課題を聞き出す」ことです。どんなに優れた商品・サービスを扱っていても、相手先の課題が解決できるものでなければ成約には至りません。

この場合、一般的にはクローズドクエスチョンと言われる手法を使います。クローズドクエスチョンとは、質問に対して回答者が「はい」か「いいえ」で答えられるような質問のことをいいます。

例えば、クローズドクエスチョンを活用して、お客様の課題をヒアリングする例としては以下のような質問の方法があります。

「私たちの商品をご利用しているお客様の多くで、◯◯のような課題を感じているとお聞きすることがありまして、△△さまはこのような課題を感じられることはございますでしょうか?」

または、お客様の層でよく聞く課題を複数提示して、選ばせる方法も有効です。

「私たちの商品をご利用しているお客様の多くで、◯◯のような課題や◎◎のような課題を感じているとお聞きすることがありまして、△△さまはこのような課題を感じられることはございますでしょうか?」

場合によっては、お客様は自身の課題感をまだ認識できていない可能性もあります。そのため、営業マンから課題を提示することにより課題を認識できるようになり、営業マンが課題の認識度合いを把握することができます。

ビジネスモデルに沿った価値の提案

次に、商品・サービスの詳細な説明の段階に進みます。商品・サービスの説明となると、どうしても機能の説明だけになってしまうことがよくあります。

もちろん、機能を伝えることは大切ですが、機能だけを伝えてしまうと「何ができるのか」のみ理解できるだけで、どのように自社のビジネスで活用できるのか、活用してどのようなメリットが得られるのかをイメージすることが難しい場合もあります。

そのため、商品・サービスを説明する際には、「機能」と「効用」の両方を伝えましょう。それにより、商品・サービスのできることを理解した上で、お客様の生活やビジネスシーン、将来においてどのように役立てることができるかということを伝えることができます。

クロージング

最後はクロージングです。クロージングとは、お客様と契約を結ぶことをいいます。お客様に契約の意思を確認することは非常に勇気がいることです。

しかし、お客様の課題をしっかり捉えて、その課題に対して適切に機能と効用を伝えられていれば、お客様も契約を検討しているはずです。

もちろん、「まだこの場で決められない……」や「いいモノだということはわかるんだけど……」と言われることもあるでしょう。その場合は、お客様の引っかかっている疑問点を明確にして、理解してもらえるように何度も何度も繰り返し伝えることも重要です。それも難しい場合は、お客様のタイミングに合わせて継続的にフォローを行いましょう。

商談後のフォローと確度を高めるテクニック

商談後は、できるだけ早くフォローを行いましょう。フォローの方法としては、お礼メールや定期的な情報提供があります。ここでは、商談後のフォローのポイントについて解説します。

商談後おまとめメールを送る

商談後おまとめメールとは、商談後に商談で話した内容をまとめたメールのことです。お礼メールの役割もあります。

商談後おまとめメールには、商談内容を要約したものや次回のアクションを記載します。それにより、商談の議事録的機能にもなり、相手が内容を忘れてしまった時にも役に立つメールとなります。

また、メールは受信ボックスに残るため、すぐに成約に結びつかないとしても、相手が再検討を行う際に再び開封される可能性もあります。 再開封の通知が届く営業ツールがあれば、 見込み客の再検討のタイミングを高めることもできます。

以下にて、商談のお礼メールの基本的な文例をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

商談のお礼メール

フォローでは相手の課題に合わせた情報提供をする

また、継続してフォローをする際には相手の課題に合わせた情報提供を行いましょう。商談後であればお客様の課題を理解しているはずです。ヒアリングした情報をもとに、お客様の課題解決のヒントと感じられるような情報提供を行っていきましょう。

それにより、お客様を育成することもできますし、ずっと自社のことを覚えておいてもらえることができます。場合によっては、第一想起は難しいかもしれませんが、再検討のタイミングで御社のことを思い出してもらうことができます。

長期的なフォローが大切

商談後は長期的なフォローが大切です。どんな優秀な営業マンでも、全ての案件を受注につなげることはできません。どうしても途中で停滞や失注してしまう案件も出てきます。受注した案件の約80%は、商談後に営業マンから5回以上のフォローがあったという調査がある一方で、44%の営業マンは1回しかフォローしていないという調査結果も出ています。

直近の目標数字の達成を求められる営業マンは、成約の確度が高そうな見込み客を追いがちです。しかし、長期案件のフォローもしっかり行なって契約に結びつけられれば、さらに売上げを伸ばすことができるはずです。

そのためには、見込み客とコミュニケーションをとった際に次回のフォローのタイミングを把握し、そのタイミングを忘れないことが大切です。

まとめ

B2B商談前から商談後のフォローまで細かく見てきました。商談の流れは、一見お客様ごとに異なるように見えて、対策のしようがないように感じてしまいます。しかし、全体的な流れは共通していることが多いのです。

説明してきた一つひとつのプロセスを丁寧に行うことによって、契約率は変わってくるはずです。もちろん、商談の仕方にたった一つの正解はありません。各営業マンの個性も十分に発揮してください。

今一度自分の商談スタイルを振り返っていただき、何か改善のヒントとなれますと嬉しく思います。
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