新人営業マンの営業力を素早く強化する4つのポイント

営業力

「新人営業マンが思った通りに育ってくれず、戦力になるまでの時間がかかり過ぎている」

今回はこのような課題を解決し、新人営業マンを早期戦力化させるためのポイントを紹介します。

これは、多くの営業現場のマネージャーが抱えている悩みの一つです。実際、営業力を強化するために様々な取り組みを行っているにも関わらず、投下した労力に見合った成長をしてくれないケースは少なくありません。

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新人営業マンを育成する大切さとは

これから紹介するポイントを押さえたとしても、新人営業マンを戦力として育て上げるにはそれなりの時間かかかります。それならば、新人を育成するのではなく、成果を出せる営業責任者がたくさん現場に出たほうが、売上げに貢献できるのではないかと思うかもしれません。

もちろん、短期的な売上げを考えれば正しい考えであると言えます。しかし、それでは営業責任者への負荷がいつまで経っても減らず、長期的には成果が頭打ちになるリスクがあります。多くの中小企業で採用難が叫ばれている現代において、1人のスーパー営業マンが採用できるのを待つよりも、5人の一定の成果を出せる営業マンを育てるほうが現実的ではないでしょうか。

一般社団法人日本能率協会が実施した『日本企業の経営課題 2018』においても、現在の課題として「人材の強化」を挙げている企業は39.5%で第2位となっており、この中には人材の採用も含まれています。このように組織が継続的な成長をしていくためには、新人営業マンを育成することは必要不可欠なのです。

ポイント1:営業プロセス・ポイントの体系化

営業プロセスとは、お客様と接触してから受注に至るまでの工程のことです。営業プロセスの一例として「引合→商談→見積→受注」があります。新人営業マンを育てるためには、自社の営業プロセスと各プロセスにおける成功ポイントを体系的にまとめておく必要があります。体系的にまとめておかなければ、教える人によって指導内容が大きく異なってしまい、新人営業マンが混乱してしまう可能性が出てきてしまいます。

例えば、同行した先輩Aさんからは「営業では、とにかく商品紹介が一番大事だから、わかりやすい説明の仕方を最初に練習してごらん。」というアドバイスをもらいました。

次に同行した先輩Bさんからは「営業では、どんなに上手く商品を説明できても売れはしない。大切なのはお客様の悩みや課題を適切に把握するためのヒアリングだよ。」というアドバイスをもらいました。

そして上司からは「いいか。商談の成否はすべて事前準備がものをいう。とにかくお客様の情報を徹底的に集めよう。」と言われています。

このような指導を受けた新人営業マンはどう思うでしょうか。自分の特徴に合わせて情報を取捨選択し、何をすればよいのか考えられる新人であれば、このやり方でも問題ないかもしれません。しかし実際には「誰の言葉を信じればよいのか分からない」と悩んでしまう新人がほとんどでしょう。

いち早く営業の型を掴んでもらうためには、自社の営業プロセス・ポイントを体系化することで、誰が教えたとしても「重要なポイントは変わらない」という状況を作り上げる必要があります。

ポイント2:自信をつけさせるためのロールプレイング

新人営業マンを育てる立場にある先輩社員や上司の中には、「営業で成長するには、とにかく現場に出て色々な失敗を重ねること」と考える人が多いかもしれません。このように叩き上げで育ってきた人の中には、「ロールプレイングは時間の無駄」と捉えていることもあります。

しかし、現在の新人営業マンは育ってきた環境がこれまでと大きく変わってきているのです。例えば、学生のころからスマートフォンが身近に存在し、分からないことや不安なことがあれば検索をすることですぐに解決策が見つかります。

その結果、自分で何か工夫できるポイントなどを考える機会が少なく、「応用すること」が苦手である傾向があります。さらに、周囲の大人ができるだけ失敗させないように育ててきたことが影響し、失敗を恐れている新人営業マンも少なくありません。このように新人営業マンを取り巻く環境変化することで、従来のとにかく現場に出て色々な失敗経験を積ませるという指導方法が難しくなっています。

そこで、ロールプレイングを通じて、本人の中で営業の成功イメージを湧かせ、自信を持たせることが重要になってくるのです。さらにポイント1でお伝えした営業プロセスが体系的にまとまっていると、新人営業マンがどこのプロセスで躓いているかを客観的に把握することができます。

そして、各プロセスにおける成功ポイントも事前に設定されていれば、そのポイントを指導するための具体的なケースを設定できロールプレイングの質が向上します。その結果、より一層早期戦力化へと近づいていくでしょう。

ポイント3:伝えるべきヒアリングの要素

営業の商談においてヒアリングは非常に重要です。お客様の課題を解決するためには、お客様の現状や抱えている悩みを丁寧にヒアリングし、課題に合わせた最適な商品・サービスを提供することが必要です。しかし、営業の成果が出ず焦っているときには、ついヒアリングを疎かにしてしまい、相手が求めていない商品・サービスまで無理やり売ろうとしてしまうかもしれません。

そのため、新人営業マンにはこのヒアリングの重要性を認識させ、どんなときでも最低限聞くべきヒアリング項目は事前に設定しておくとよいでしょう。

例えばBtoB(対法人)の商材を扱っている場合には予算取りの時期を押さえておくことは極めて重要です。一般社団法人産業経理協会が実施した『わが国企業予算制度の実態調査(平成24年度)』では、企業予算制度を導入している会社は全体の98.9%という結果で、ほぼ全ての企業が予算を編成して運用していることが分かります。

つまり、基本的に各部署は決められた予算内でしか商品・サービスを購入できないということです。そのため、BtoBの中でも特に高額の商材を扱っている場合、予算が足りず期中の導入が難しいケースは少なくありません。そのため、予算取りの時期を押さえ、来期の予算に商品・サービスの購入費用を組み込んでもらえるよう、継続的なアプローチが必要となるわけです。

その他にも、購入から利用開始するまでに社内準備等で時間がかかるような商材の場合にはお客様の繁忙期や閑散期をヒアリングしておくことが必要かもしれません。このように扱っている商品・サービスの特徴によっても、必ず聞くべきヒアリング項目は変わります。そのため、自社の売れている営業マンがどのような情報をヒアリングしているか確認してみてください。

ポイント4:新人営業マンとの綿密なコミュニケーション

新人営業マンが独り立ちして戦力になるまでは、特に綿密なコミュニケーションが必要です。「分からないことや困ったことがあったら、新人営業マンから質問・相談してくるのは当たり前」という考えは決して間違ってはいないでしょう。

しかし、新人営業マンがなかなか育たない組織においては、新人営業マンからの質問・相談が少なく、関係が希薄になってしまうこともあります。さらに最近の新人営業マンの中には、分からないことがあったら人に質問するよりもスマホで調べる機会が多かった人もいるため、他人に質問や相談すること自体に抵抗を持っている可能性もあるのです。

だからこそ、先輩や上司側から積極的にコミュニケーションを取ってあげることが早期戦力化につながります。またコミュニケーションの取り方も工夫する必要があります。

例えば「最近調子はどう?」というありきたりな質問をしても、「うーん、まあまあですかね。」「特に問題なく、順調ですよ。」と返答され、新人営業マンの成長にはあまりつながりません。「昨日の商談で困ったことはなかった?」「最近、大変そうだけど何か手伝えることある?」など、新人営業マンが自分の悩みを話せるような質問を心がけましょう。

また、悩みを聞いてアドバイスして終わりではあと一歩足りません。悩みを聞いたら、「この前言ってた~(悩み)は解消された?」と定期的に声掛けを行い、悩みが解決するまでぜひサポートしてあげてください。

まとめ

新人営業マンが育つ方法を構築することができれば、それは組織が継続的に成長できる土壌ができたということになります。さらに戦力になるまでの期間が早期化すれば、今度は組織の成長スピードを高めることもできます。その早期戦力化を実現させるためには、新人営業マンが育ってきた環境を把握し、その特徴に合わせた育成をすることが重要です。

教える側の認識が変わるだけで、新人営業マンの成長速度は飛躍的に高まります。本日ご紹介したポイントを踏まえて、ご自身の営業現場の育成方法を見直してみてください。
また新人営業マンの営業スキルの習熟度を測るための「営業スキルチェックシート」を以下よりダウンロードすることができます。新人営業マンの課題を把握できるのはもちろん、新人とのコミュニケーションのきっかけにもなるツールですので、ぜひご活用ください。

    営業スキルチェックシート

佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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