営業チームでの効率的な仕事の進め方とは

チーム 仕事 進め方

営業チームにおける仕事の進め方を良くしたいと思っている方も多いかと思います。営業チームのマネージャーになる人や、すでに営業マネージャーである人、マネージャーではないがチームの仕事の進め方に課題があると感じている人など、チームにおける仕事の進め方は多くの人が気になる問題です。

直接の営業活動でない業務に時間が取られている調査結果もあり、SalesForceResearchが調査した「全世界2,900⼈以上を対象にしたセールスの動向に関する調査結果」によると、全体の34%にのぼり、勤務時間の1/3程度という結果が報告されています。

仕事の進め方が悪いと、一生懸命に目の前のタスクを進めていても、なかなか成果につながらないという状況になってしまいます。しかし逆に言えば、効率的な仕事の進め方や考え方ができていれば、営業チームの目標を効率的かつ確実に達成することにつながるのです。

本記事では、「営業チームで仕事を進める」とは何か、なぜチームで仕事を進めることが大切なのか、具体的にチームで仕事を進めるにはどのようなことに気をつけるべきかなどについて解説します。

営業チームで仕事を進めるとは

営業活動において「チームで仕事を進める」とは、具体的にどのような意味でしょうか。端的に言えば、営業マン個人ではなくチーム全体で仕事を進めて成果を出すことだと言えます。

1人ではチームと言えませんから、最低でも2人以上の営業組織であれば「チームで仕事を進める」に該当します。2人以上で仕事を進めることぐらいは誰でもイメージしていることでしょうから、今回は「チームで仕事を進める」ことについて、もう少し深堀りしてみましょう。

まず、営業チームにおける仕事とは、「受注件数300件」や「受注金額5,000万円」などの営業目標を達成するために、お客様から契約を獲得(受注)することです。企業によってそれぞれ営業組織における目標を設定しているはずですが、営業チームが企業の売り上げに直接関係する部署であることには変わりありません。

チームでなければ1人で受注金額5,000万円という営業目標を達成しなければなりませんが、仮に10人のチームなら、1人あたり500万円の受注で営業目標を達成できます。

このように、チームで仕事を進めると、1人では到底達成できなかったことをより現実的に達成できるようになるのです。ただし当然、チーム全員が目標達成に向けて動かなければ目標の達成は難しくなります。

したがって「営業チームで仕事を進める」とは、1人では達成できない営業目標に対して、チーム全員が目標達成に向けて取り組むことだと言えるでしょう。チームで仕事を進めた結果、相乗効果(シナジー)によって効率的および効果的に受注を獲得できます。

なぜ営業チームで仕事を進めることが大切なのか

営業チームで仕事を進めることが大切な理由の1つ目は、相乗効果によって効率的に営業目標を達成することです。つまり、売り上げ(受注金額)を高めるために大切です。

しかし、チームで仕事を進めることが大切な理由はそれだけではありません。以降では、チームで仕事を進めることが大切な理由を具体的に紹介します。

売り上げを高めるため

営業チームの成果は受注を獲得することであり、売り上げを高めることに直結しています。そのため、売り上げを高めるために営業チームで仕事を進めるのは当然だと言えるでしょう。

しかし、実際にはチームとしてうまく機能しないまま、メンバーが動いてしまうこともあります。いわゆる「営業マンの属人的な仕事の進め方」が浸透してしまっている場合です。

属人的に仕事を進めてしまうと、営業の成果が個々の営業マンに強く依存してしまいます。例えば、優秀な営業マンの調子が悪い場合、企業の売り上げが落ちてしまうこともあります。せっかく営業チームを組んでいるのに、営業チームの成果が単なる足し算でしか図れません。

いま一度、個人の成果の足し算ではなく、チーム全体で相乗効果を得ながら売り上げを高めるという意識を持つべきでしょう。

生産性を高めるため

個人よりもチームで仕事を進めるほうが、生産性を高めることができます。

その理由には大きく分けて2つの考え方ができます。1つ目は、これまで紹介してきた相乗効果(シナジー)、2つ目は比較優位の原則です。

相乗効果(シナジー)

相乗効果(シナジー)については、例えば1年間に500万円の受注を取れる営業マンは、チームのなかで情報共有・切磋琢磨をしながら仕事を進めると、600万円の受注を獲得できるかもしれません。

前述のとおり、1+1が2よりも大きくなる相乗効果によって、生産性を高めることができるのです。

比較優位の原則(適材適所)

2つ目は比較優位の原則ですが、もっとわかりやすく言えば適材適所の考え方です。比較優位の原則のポイントは、営業マンそれぞれの得意・適性を活かして役割を分けることで、チーム全体の生産性が向上するということです。

例えば、営業マンAはテレアポやメールが得意で、営業マンBは飛び込み営業や対面商談が得意だとしましょう。営業マンAが飛び込み営業や対面商談を行うより、営業マンBが行ったほうが生産性は高くなります。

そこで営業マンAはテレアポやメール(いわゆる内勤営業)の割合を多くし、営業マンBは飛び込み営業や対面商談(いわゆる外勤営業)の割合を多くすれば、営業チーム全体の生産性を向上できるのです。

例を挙げるとインサイドセールスとフィールドセールスなど営業プロセスの分業を行う事で効率的を上げる事です。営業マンもアポイント取りが得意な人、クロージングが得意な人など強みは人それぞれです。長期的な見込み客の追客はインサイドセールスが担当して、受注角度が高い見込み客はクロージングが得意な営業が担当するなのど、効率よく営業チームで仕事を進める事が大切です。

営業プロセスの分業

モチベーションを高めるため

チームで仕事を進めれば、チーム内の他メンバーに「負けたくない」「あの人にもできたんだから自分もできる」という気持ちや、他メンバーの頑張りを見て「自分も」という気持ちが生じます。

個人だけで仕事を進めていたり、属人的な仕事の進め方をしていたりすると、他メンバーの影響はチームメンバーにはなかなか及ばないことでしょう。したがって、チームで仕事を進めるのはメンバーのモチベーション向上のために大切です。

チームで仕事を進めることによりチームメンバーのモチベーションが向上するのは、相乗効果(シナジー)の一部とも考えられます。

チーム全体で助け合うため

チームで仕事を進めれば、チーム全体で助け合うことができ、結果として機会損失やアナジー効果を防ぐことができます。

機会損失とは、見込みのあるお客様が競合に流れてしまったり、契約を断念されてしまったりすることを指します。アナジー効果とはシナジー効果の対義語で、チームメンバー個人の生産性が落ちてしまうことです。

特に、営業活動においては業務の質や量がお客様によってバラバラで、あらかじめ予測することが困難な場合が多いです。そのため、担当営業マン個人にかかる仕事の重さが均一ではなく、営業マネージャーも営業マン個人の負担が見えにくい場合があります。

結果として営業マン個人の負担が重く、個人の生産性を十分に発揮できない状態(アナジー効果)になり、営業案件を落としてしまう(機会損失)のです。

そこで業務負荷・業務課題・案件進捗状況を共有しておけば、全体の配分や案件の内容等を鑑みて、メンバーに適切な案件を割り振ることができます。

業務課題をシェアすることにより、営業マネージャーを含めたメンバー間で助け合う風土もできるでしょう。

営業チームで仕事を進める際に気をつけること

営業チームで仕事を進めることの重要性や効果(相乗効果など)を紹介してきましたが、チームで仕事を進めるにあたって気をつけることがあります。

以降で紹介する内容に気をつけていなければ、かえって営業マン個人の生産性を落としてしまうことにもつながりかねません。ご自身のチームではどうなのか、ぜひチェックしてみてください。

目標を明確にする

目標を明確にすることは、チームで仕事を進めるうえでの必須事項です。なぜなら、チームは理想的な目標に向けて協力・連携しながら動く組織だからです。ただ人が集まっただけではチームと呼ばず、グループと呼びます。

したがって、チームとして仕事を進めるには理想的な目標を決めることから始まるのです。自社の営業チームが、どのような状態であることが理想的なのかについて、営業マネージャーはもちろん、メンバーを交えて本音で考えましょう。

ポイントは、売り上げ目標だけではなく「どのような組織・状態」が理想なのかも議論することです。

課題を明確にする

目標が明確になったら、目標(目指す状態)と現状の差(課題)を明確にしましょう。目標だけ掲げても、課題を明確にできていなければ目標を達成できません。そのため、目標と課題を明確にするのはセットだと言えます。

チームの課題を明確にする際のポイントは、関係性における課題なのか、成果に関する課題なのかを区別することです。

役割を明確にする

課題が明確になったら、次はチームメンバーの役割を明確にします。チーム全体で成果を最大化するためには、役割を明確にすることが必要だからです。具体的にチームの目標達成のために、何をしなければならないのか決めていくことだとも言えます。

役割配分の際には、先ほど紹介した適材適所を意識しましょう。比較優位の原則を応用し、営業マン個人の得意を活かした役割配分を行えば、チーム全体の生産性が向上します。

ただし、営業マン個人の不得意を得意に変えることも重要です。この際、次期マネージャー格に相当するメンバーがいれば、現営業マネージャーも一緒に人材育成を行うと良いでしょう。

コミュニケーションを取れる体制にする

チームで仕事を進めるにあたって、コミュニケーションを取れる体制にしておくことが重要です。コミュニケーションが重要なのは誰しもが理解していることですが、具体的なコミュニケーションの重要性は、不足していると相乗効果を期待できないからです。

営業マン個人の進捗状況はもちろん、気づいたことや成功・失敗体験の共有がされているのが望ましいでしょう。

例えば、異なるお客様から同じような相談をされることがあります。営業マンAの提案の仕方はお客様から良い反応を得られたが、営業マンBの提案の仕方は良い反応を得られなかったとします。

コミュニケーション(情報共有)を取れていれば、は営業マンBは営業マンAの成功事例を知ることができ、今後に活かせるのです。

また、営業マン個人が自発的に情報共有する姿勢も重要ですが、営業マネージャーからすると積極的に情報共有が行われる仕組み・体制を整えることも考えなければなりません。

意見が違ってもお互いが理解した結論を出す

コミュニケーションは重要ですが、同じチームに所属していたとしても、チームは言ってしまえば他人同士の集合です。

結局は人と人との関わりなので、当然意見が合わなかったりすることはあるでしょう。重要なのは、意見が違ったとしても、お互いが理解したうえで結論を出すことです。理解しないまま結論としてしまうと、チームメンバー間の関係が悪くなってしまい、円滑に仕事を進めるのが難しくなってしまう場合があります。

意見が合わないのは当然のことであるものの、理解し合うのは難しいものです。時間の許す限り、チーム全体の目標に立ち返って、納得いくまで議論するのも良いでしょう。

営業チームで仕事を進めることで身に付くスキル

営業チームで仕事を進めることで、生産性を高めながら成果を最大化することができます。しかしそれだけでなく、営業メンバーそれぞれが各自のスキルを高めることができるのです。営業チームで仕事を進めることで身に付くスキルを解説します。

課題認識力

チームで仕事を進めれば、メンバーの課題認識力を養うことができます。課題認識力とは、問題を認識する力のこと。目標達成のために解決しなければいけない問題は多く出てきますが、問題を問題として認識できるかどうかの力です。

役職の体制ができている場合、自然と課題が経営層または営業マネージャーから降りてきます。経営マネージャーの指示に従っているだけだと、自発的に課題を探すことは少ないでしょう。

しかしチームで仕事を進めると、進捗を見える化してチームで確認し、コミュニケーションを取りながら仕事を進めます。そのプロセスのなかで、自然に自ら課題を認識する能力が身に付くのです。

リーダーシップ力

チームで仕事を進めれば、リーダーシップ力も身に付きます。営業マネージャーのリーダーシップ力も当然のことながら、営業メンバーのリーダーシップ力も身に付きます。そもそもリーダーシップとは、営業マネージャーなどの地位や役職に限って発揮する能力ではないからです。

チームで仕事を進めれば、1人ではなく他のメンバーも交えて役割を全うすることになり、その際に「自らが率先して」リーダーシップを発揮しなければなりません。

コミュニケーション力

チームで仕事を進めれば、メンバー全員のコミュニケーション力を身につけることができます。

コミュニケーションはチームで動くうえで必要なものであるとともに、簡単なものではないからです。意見が対立したり、自分の伝えたいことがうまく相手に伝えられなかったりします。

それでも、共通の目標に向かってメンバーとうまくコミュニケーションを取りながら進めていかなければなりません。このようなプロセスを経て、チームメンバー全員のコミュニケーション力は磨かれていくのです。

交渉・調整力

コミュニケーション力と同時に、交渉力および調整力を身に付けることができます。

お客様やメンバー間でコミュニケーションを取るにあたって、意見が食い違ったり、他部署との調整も必要になったりします。その際、交渉や調整が必要になるので、交渉力および調整力が身に付くのです。交渉力と調整力は、コミュニケーション力の一部とも考えることができます。

メンバーを信頼すること

チームで仕事を進めると、メンバーを信頼する力も身に付くでしょう。

自分以外のチームメンバーは他人であり、他人の行動は自分がコントロールできません。さらに、人を信頼するのが難しいことは、自分自身を守るための防衛本能とも言えるでしょう。そのため、なかなかメンバーを信頼するのは難しいのが実情です。

しかし、チームの目標は自分1人だけでは達成できません。結局のところ、メンバーを信頼しなければ協力・連携がスムーズに行きません。メンバー間の信頼がチーム活動の基礎なのです。

チームで仕事を進めてすぐには信頼関係が構築できるのは難しいですが、自分自身の役割を全うしながら、良質なコミュニケーションを経て、メンバー間の信頼関係は構築できるでしょう。信頼関係が構築できたチームは、生産性を高めて最大限の成果を出せる強いチームとなります。

営業チームで仕事を進めるためにまず行うこと

営業チームで仕事を進めるためには、まずはチームのメンバー全員でチームを意識することが重要です。

この点は、同じ集団であってもチームとグループの違いからわかります。つまり、同じ目標に向かってチーム全体で進める意識の有無のことです。例えば、営業マン個人が勝手な判断をして仕事を進めているようであれば、チームで仕事を進めているとは言えません。いわゆる属人的な営業となってしまうのです。

チームである前提が崩れると、形だけのチームとなってしまい、効率的に仕事を進められなくなってしまいます。まずは、メンバー全員がチームを意識することを徹底しましょう。

まとめ

チームとは、メンバー全員が目標達成という共通の目標に向かって協力・連携して動く集団です。個人それぞれで動くのではなく、チームとして動くことによって、相乗効果を得ながら生産性を向上でき、結果として売り上げを高めることにつながります。

しかし、相乗効果を得るためには、目標と課題を明確にしながら、各営業マンにおける役割を明確にし、活発なコミュニケーションをする必要があるのです。

属人的な営業(個人営業)からチーム営業への変革が求められる現在、チームで営業を進める重要性はこれまで以上に高まっています。限られたリソースでより効率的に営業チームで仕事を進めるうえでは、営業活動の見える化をしながら営業活動を効率化していくことが大切です。

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    営業ワークフローと営業ツール標準化《実践ガイド》

佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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