要領がいい営業マンが行っていることとは?

要領 いい

人よりも少ない労力・時間で高いパフォーマンスを出せる営業マンは、要領の良さからビジネスでは重宝される存在です。また、営業マンの間でも、要領がいい営業マンは魅力的に見えるでしょう。

さらに、在宅勤務や働き方改革が期待される中で、残業せずに生産性を高め、効率的に高い成果を出すことは、営業マンにとっても会社にとっても理想的な職場環境と言えます。

要領がいい営業マンになるには、実際に優れた営業マンの行動や特徴を真似することが効果的です。今回の記事では、要領がいい営業マンに共通する特徴や、要領がいい営業マンになる方法をご紹介します。

要領がいい営業マンとは

辞書では「要領がいい」という言葉を次のように定義しています。 

  • 物事を上手く処理する方法を心得ている。手際がいい。 
  • 巧みに立ち回る術を心得ている。 

この定義を踏まえると、要領がいい営業マンとは下記3つのタイプに該当する営業マンを意味すると言えます。

  1. 営業の業務スキルが高い
  2. 他の人よりも少ない時間・労力でアポ取りや案件獲得などの結果を残せる
  3. 上司や同僚、商談相手に気に入られやすく、実力以上の結果を出せる

「交渉が上手・分かりやすい資料を作成できる」といったスキルを持つ営業マンは1つ目のタイプに該当します。資料作成や交渉の上手さといった高いスキルを持っていることにより、難易度の高い契約(大手企業との契約など)を締結させたり、他の営業マンよりも多くの新規顧客・売上を獲得できる営業マンが最たる例です。

「同じ仕事を人よりも早く済ませる・より少ない労力で結果を出せる」といった営業マンは、2つ目のタイプに該当します。「要領がいい営業マン」の最たる例であり、業務のスキルというよりは試行錯誤や工夫により到達できるタイプでしょう。

「上司や同僚の助けを得られる・取引先と仲良くなりやすい」などの理由で、本来の実力からは考えられないような成果を挙げる営業マンは、3つ目のタイプに該当します。妬みや批判の対象となりがちですが、営業が人対人のやりとりである以上、「世渡りの上手さ」や「人当たりの良さ」も営業マンにとって重要だと言えるでしょう。

要領がいい営業マンがなぜ魅力的なのか

要領がいい営業マンが魅力的に見える理由は2つあります。最大の理由は、目に見える成果を出せるからです。要領がいい営業マンはそうでない営業マンと比べて、より大きな売上を会社にもたらします。目に見える結果を出すことで上司や経営陣から見て重宝すべき人材となり、昇進などの対象となりやすいわけです。

2つ目の理由は、円滑に仕事を進める姿勢が才能や優秀さを醸し出すからです。要領がいい営業マンは、難しい仕事でも手際良くサクサク進めます。同僚や部下から見ると、難しい仕事をスムーズに進める営業マンは優秀だったり才能があるように見えます。大抵の人は優秀さや才能に憧れを持つため、結果的に魅力ある営業マンとして見られるのです。

要領がいい営業マンと要領が悪い営業マンの違いとは

要領がいい営業マンと要領が悪い営業マンを比較すると、「思考や工夫の度合い」に大きな違いがあります。 

要領がいい営業マンは常に考え、工夫しながら仕事を進めます。仕事に優先順位をつけたり、常に効率の良いやり方を模索しています。結果として、重要な仕事をスピーディーかつ着実に結果を出せるのです。一方で要領が悪い営業マンは、特に考えずに目の前の仕事だけをこなす傾向があります。仕事の優先順位や効率化を考えないことで、ノルマの未達成や生産性の低さにつながるわけです。 

また、要領が悪い営業マンは、要領がいい営業マンと比べて必要以上に完璧主義な傾向があります。要領が悪い営業マンはプレゼン資料の作成やメールの返信など、成果に直結しづらい仕事にも完璧さを求める傾向があります。たしかに提案での資料やメールでのやりとりは重要ですが、細部まで完璧を求めなくても良い場合が多くあります。成果に直結しない仕事に注力しすぎる結果、かえって重要な仕事に手が回らなくなり要領の悪さが露呈します。 

一方で要領がいい営業マンは、重要度の低い仕事では優先順位を下げ、収益に直結する重要な仕事に注力します。また要領が悪い営業マンとは異なり、自身でこなせない仕事を上司や部下にフォローしてもらう柔軟さも持ち合わせています。その結果、より短時間かつ少ない労力で結果(収益)を生み出せるのです。 

要領がいい営業マンの特徴とは

結論から言うと、要領がいい営業マンは要領が悪い営業マンとは正反対の特徴を持っています。具体的な特徴としては下記の7つが挙げられます。 

①順序立てて仕事を行うことができる

要領がいい営業マンは、仕事に優先順位をつけて優先度の高い仕事から順序立てて行えます。

たとえば納期が10日後、3日後、15日後の仕事を同日中に順番に引き受けたとしましょう。要領が悪い人の場合、何も考えずに引き受けた順番(10日後 → 3日後 → 15日後)で仕事を行う傾向があります。そのため納期に間に合わなかったり、あせって仕事を行うことで品質が低下するケースが多々あります。

一方で要領がいい営業マンは、「3日後 → 10日後 → 15日後」という形で一度仕事に優先順位をつけます。優先度の高い仕事(この場合は納期が近い仕事)から着手することで、納期遅れや品質低下といった事態を回避できるのです。

納期を例に挙げましたが、要領がいい営業マンは下記のような視点でも仕事に優先順位をつけています。

  • 仕事の難易度:簡単にこなせる仕事から着手する
  • 金額の大きさ:成約した場合の金額が大きい案件から着手する
  • クライアントの重要性:自社にとって重要なクライアントとの営業を優先的に行う

簡単な案件から着手すれば、難しい仕事に手間取って時間を大幅にロスしたり、得られるはずだった利益を失う心配がありません。成約した場合の金額が大きい案件から着手すれば、より短期間で会社の業績に貢献できるでしょう。また、自社にとって重要なクライアント(例.LTVが高いなど)との営業を優先的に行えば、満足度アップや安定的な収益の獲得につながります。

②集中力がある

集中力の高さも要領がいい営業マンに共通して見られる特徴の一つです。

営業スキルの高さや思考力の深さといった能力面さえあれば、要領がいい営業マンになれると考える方は少なくありません。しかし、能力があるからといって、かならずしも要領がいいとは限りません。たとえば数分に一回のペースでスマホやパソコンを見てしまったり、仕事仲間とおしゃべりしたら、本来はすぐに終わる仕事も終わりません。

集中力が途切れやすい人は、たとえ能力が高くても要領自体はそこまで良くない可能性があります。実際サンクチュアリ出版が2020年4月に1,443人の会社員を対象に行った「仕事の要領の良さに関するアンケート」によると、要領よく仕事ができない内的な要因として、もっとも多かったのが「仕事に対する集中力が足りない(28.1%)」という回答でした。

意外なことに「コミュニケーション能力」や「記憶力」、「論理的思考力」といった能力面の無さを回答した方よりも、集中力のなさが原因と答えた方の方が圧倒的に多かったのです。以上のことからも、要領がいい営業マンになる上で集中力が欠かせないことが理解できると思います。

要領がいい営業マンは、おしゃべりやスマホの確認をしながらダラダラ仕事を進めることはしません。仕事中は目の前のタスクにのみ集中し、仕事とプライベートを明確に切り分けているのです。

③上司や同僚の力を借りる

要領がいい営業マンは、上司や同僚の力を適切なタイミングで借りるのが得意です。

前述した通り、要領が悪い営業マンは完璧主義なところがあるため、自身のスキルではこなせない仕事や抱えきれない案件があっても、すべて自力で解決しようとします。しかし自力でこなせない仕事は、どれほど時間をかけても解決できないことが大半です。できない仕事に固執した結果、時間を無駄にするだけでなく、営業成績や会社の業績もかえって悪くなってしまいます。

一方で要領がいい営業マンは、自力でできることとできないことを明確に切り分けて考えます。自力で行うのが困難な仕事に関しては、上司や同僚の力を積極的に借ります。リソースに余裕がある人に任せたり自分よりも必要なスキルを持つ人に仕事を割り振ることで、会社全体としての業績を底上げできます。また、自身は得意な業務に集中できるため、営業成績も高くなります。

「上司や部下に仕事を押し付けて大丈夫なのか?」と思うかも知れませんが、なんでも自力でやって結果を残せないよりも、他人にできないことを頼んで結果を残した方が、周りからは要領がいい営業マンとして重宝されます。

④常に身の回りの情報にアンテナを張っている

要領がいい営業マンは、社内にいる他の営業マンはもちろん、他部署の同期や上司などとも頻繁にコミュニケーションをとっています。ポイントとなるのが、ただ単に下らない話をするのではなく、コミュニケーションを通じて情報の獲得に努めている点です。常に身の回りの情報にアンテナをはることで、営業で必要となる情報を仕入れているのです。

たとえば営業では自社商品・サービスを提案するために、まずは見込み客が抱えている課題を把握することが重要となります。見込み客との接点を持つ人が社内にいれば、あらかじめ見込み客の課題を聞いた上で営業に臨めます。その結果、課題を解決する方法を的確に提示できるため、営業が成功する可能性を高めることが可能です。

また、専門的な業界で営業を行うには、その業界に関する知識を持っておくことも欠かせません。要領がいい営業マンは、あらかじめその業界に詳しい人材から知識を教えてもらったり、インターネットで業界の知識を習得した上で営業に臨むため、より質の高い提案を行えます。

つまり要領の良さは、身の回りの情報に常にアンテナを張り、良い営業成績を出すからこそ生まれるのです。

⑤効率化できる方法を考えている

要領が悪い営業マンは、教わったやり方や最初に覚えたやり方を使って、ただ闇雲に仕事を行う傾向があります。一方で要領がいい営業マンは常に効率化できる方法を模索し、なるべく少ない労力・時間で最大限のパフォーマンスを生み出すことに注力しています。その努力が功を奏すことで、少ない時間で人よりも良い成績を残せるわけです。

世の中には日々の業務を効率化できるツールがたくさんあります。たとえばデータを整理する場合でも、エクセルの関数を使いこなせば自力で計算するよりも大幅に時間と労力を削減できます。こうしたツールを使えるかどうかで、仕事の効率性は遥かに変わってきます。

特に営業においては、CRMや営業支援ツールを活用することで、見込み客の獲得や案件化、顧客管理といった業務を大幅に効率化できます。たとえば営業支援ツールを使えば、複数の見込み客に対してメールを一斉送信できたり、メールの開封率やリンクのクリック率をデータで分析できたりと便利です。

一斉メールの分析

IT技術の進化に伴い、見込み客のアポ獲得や顧客管理といった営業の業務は大幅に効率化できる時代となりました。こうしたツールを使えば、交渉の巧みさや資料作成の上手さなどのハード面のスキルがない方でも、業務を効率化することで要領がいい営業マンに一歩近づけるでしょう。

⑥注力するべきポイントを見極めている

1つ目の特徴(順序立てて仕事を行うことができる)に関連しますが、要領がいい営業マンは注力すべきポイントを見極める力に長けています。要領が悪い営業マンは優先順位を付けずに仕事を行うため、すべての仕事に対して労力を投じてしまいます。

人の労力には限りがあるため、すべての業務で100%のパフォーマンスを発揮するのはほぼ不可能です。そのためすべての仕事に労力を投じると、多額の収益をもたらす案件に十分な労力を投じることができず、結果的に良い営業成績は残せません。

また、効果の低い営業手法やツールの活用に注力してしまい、機会損失(本来得られるはずだった利益を逃すこと)となってしまいます。一方で要領がいい営業マンは、一つ一つの物事をしっかり分析します。高い効果を得られる施策や収益に直結する重要な業務に注力するため、効率的に営業で成果を生み出せます。

経営学で有名な戦略の一つに「選択と集中」というものがあります。選択と集中とは、特定の事業分野に経営資源(ヒトやカネなど)を集中投入する戦略であり、少ない資源で効率的に業績を伸ばす上で有効な戦略と言われています。

選択と集中は、会社経営という大局的な話だけでなく、営業やマーケティングといった業務単位でも言えることです。時間や予算・労力には限りがあるため、なるべく収益性の高い案件や効果が出やすい施策に注力するべきです。限りある時間や労力を結果につながる案件・施策に集中させれば、要領がいい営業マンに近づけるでしょう。

⑦仮説検証のサイクルが早い

仮説・検証のサイクルが早いのも、要領がいい営業マンの大半に見られる特徴です。営業の成果を高めるには、「どのようなトークが成約につながりやすいか」とか「どのツールを使うと業務の効率化につながるか」といった仮説を常に検証していくことが重要です。

効率が悪い営業マンは、こうした仮説検証を疎かにしがちなので、効果的な施策にたどり着くまでに時間がかかる傾向があります。一方で要領がいい営業マンは、仮説を立てたらすぐにそれを検証します。仮説の打ち立てから検証までのスピードが早いため、他の営業マンと比べてより迅速に効果的な施策に近づくことが可能です。

仮説検証のサイクルの速さこそが、効率がいい営業につながっているのです。

要領がいい営業マンのデメリット

要領がいい営業マンは、同僚からは憧れの的となる上に上司や会社からは業績を担う存在として重宝されます。一見すると要領がいいことはメリットしか無いように見えますが、実はデメリットもあります。

①感じが悪いという印象を受けやすい

要領がいい営業マンは効率の良さや結果ばかりを求める傾向があるため、他の仲間から「冷たい」とか「偉そうにしている」などという印象を受けやすいです。

そもそも要領がいい営業マンは、周りよりも結果を出している時点で嫉妬などからくる反感を買いやすいです。何もしなくても反感を買いやすいため、多少でも偉そうな態度を取ったり、要領が悪い営業マンに対してイラついた感情をぶつけると、たちまち感じが悪いと思われてしまいます。

営業は成果(売上)を生み出すのが一番ですが、それと同じくらいチーム全体で成果を出すことも重要です。感じが悪いと思われてチームの雰囲気が悪くなると、自身の営業成績だけよくてチーム全体では悪いといった事態になりかねません。そうならないためにも、常に謙虚な姿勢と他者と成果をあげていくという姿勢を持つことが大切です。

②期待以上の成果を出しにくい

要領がいい営業マンは、常に上司や同僚から高い期待を持たれています。期待値が高すぎるため、他の営業マンより結果を出しても「当たり前」だと思われてしまう恐れがあります。ちょっとでも成績が下がると、たとえ平均以上でもガッカリされてしまうことも少なくありません。

また周りの期待値とは関係なく、要領がいい営業マンは仕事の質よりも効率性やスピードを重視する傾向があります。少ない時間で最低限の成果を生み出すことには長けているものの、相手の期待を上回るクオリティでは仕事を行えない方が多いです。

安定して効率的に仕事を行えるのも重要ですが、ここぞという時に120%のパフォーマンスを出すことも仕事で評価してもらうには大切な要素です。効率性の良さばかりではなく、クオリティも重視しながら営業を行うようにしましょう。

要領がいい営業マンになるためには

要領がいい営業マンになるには、今回お伝えした要領がいい営業マンの持つ特徴を習得する必要があります。しかし、すべての特徴を急に身に付けるのは簡単ではありません。性格や仕事の進め方次第で、簡単に習得できる特徴もあれば、頑張っても習得しにくい特徴もあるでしょう。従って、まずは自身にとって習得しやすい特徴から身に付けるのがお薦めです。

要領がいい営業マンの持つ特徴は、「身につけよう」と意識しただけでは身につきません。日々の営業活動で実践を繰り返して、徐々に身につきます。才能がなくても努力次第で要領の良さは身につくので、日々の努力を欠かさないようにしましょう。

まとめ

要領がいい営業マンとは、少ない時間・労力で結果を出せたり、業務に関する高いスキルを持っています。また、周囲の人に気に入られやすい人間性も持ち合わせています。

要領がいい営業マンは、会社の業績に大きく貢献する存在として重宝されており、多くの営業マンから憧れの的となっています。一見すると才能の塊に見えますが、要領がいい営業マンの持つ特徴を身につければ、誰でも要領の良さを習得できる可能性はあります。

要領がいい営業マンが持つ特徴は、主に以下の7つです。

  1. 順序立てて仕事を行うことができる
  2. 集中力がある
  3. 上司や同僚の力を借りる
  4. 常に身の回りの情報にアンテナを張っている
  5. 効率化できる方法を考えている
  6. 注力するべきポイントを見極めている
  7. 仮説検証のサイクルが早い

この中でも、比較的誰でも真似しやすいのは「効率化できる方法を実践すること」です。優れている営業マンのスキルを真似したり、営業を自動化できるツールを活用すれば、営業を大幅に効率化できます。

セールスハックスでは、営業を効率化する上で役に立つ「営業スキルチェックシート」を公開しています。チェックシートでは、見込み客の開拓から新規案件の獲得までに至るプロセスにおいて必要となるスキルを、チェック形式で簡単に確認できます。要領がいい営業マンに近づくためのヒントにもなるので、ぜひご利用ください。

    営業スキルチェックシート

佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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