新任マネージャーにありがちな失敗

新任マネージャー 失敗

新年度も1か月が経とうとしています。新しい部署や役職へと異動になった方も、そろそろ慣れてきた頃でしょうか。
今回は、今年度から新たにマネージャー職を任されたという方に特に知っておいてもらいたい失敗例について、人事コンサルタントの安達瑠依子さんにお話を伺いました。

① トップ営業からマネージャーへ昇進したAさんの例

営業マンとして非常に優秀だったAさん。チームの売り上げの三分の一を一人で稼ぎ出すほどのトップセールスでした。
順調にマネージャーへと昇進し、順風満帆!……のはずが。
数ヶ月後、彼のチームは崩壊してしまいました。先頭を切って走り、チームを鼓舞してきたはずのAさんですが、結局誰も彼についていけなかったようです。
「Aさんの場合、自分と同じようにやれば誰でも成果が出るという考えで、自分のやり方を押し付けてしまいました。同僚や上司には、部下のレベルが低すぎると愚痴をこぼしていたようです。そういう話は人づてに部下にも伝わりますから、士気も下がります。結果として成果は残せず、部下の退職者が相次ぎ、パワハラまで指摘される始末。Aさん本人も退職してしまいました。」

② 親分肌で面倒見のいいBさんの例

責任感が強く、部下の信頼も厚いBさん。面倒見が良いので頼れるリーダーとして慕われています。
チームがスタートしてから数ヶ月間は成績好調でした。
しかし、面倒見が良すぎる余り部下の仕事まで抱え込んでしまったBさんは、連日深夜に及ぶハードワークの末に倒れてしまい入院。
「何でも自分一人で抱え込んでしまうタイプの方です。責任感が強いので、足りない分は自分で何とかすると。自分の仕事に加えて部下のフォローを何件も抱え込み、全て自分で解決しようとしてしまいました。当然身体が悲鳴を上げ、十二指腸潰瘍で倒れてしまいます。マネージャー職を続けられませんでした。」
以上の二例は、安達さんが実際に見てきた新任マネージャーの失敗例だそうです。
こういった事態を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?
マネージャーの役割は、「リーダーシップ」と「マネージメント」の両輪にあります。
「リーダーシップ」と聞くと、先頭に立ってみんなを引っ張るようなイメージがありますが、必ずしもそうではありません。
リーダーシップの第一歩は、チームにビジョンを伝え、目標を明確化すること。
登山に行くには、富士山に登るのか、高尾山に登るのか、メンバー内の目的地を揃える必要があります。
ビジョンを見せてモチベーションを喚起し続ける事がリーダーシップです。
目的地が定まったら、どのルートで進むのか、ペース配分は問題ないか、チームが目的地へたどり着くための戦略が必要です。
これがマネージメントです。
最後尾からメンバーを見渡し、ペースや疲労に応じて全体をコントロールする。それができれば理想的ですね。
それでは、新任マネージャーが失敗を回避するためのポイントを整理します。

1. チームの強みや課題を把握する

まずはチームのメンバーをよく知ることです。成果を期待する前に、最も時間をかけるべき部分です。
どんなスキルや経験を持っているか、どうすればモチベーションが上がるのか。
Aさんの例のように、部下がモチベーションを失ったチームはすぐに崩壊してしまいます。
メンバーの弱点を把握するのと同時に、自分自身の弱点をメンバーに伝えることも効果的な場合があります。
部下に弱みを見せるな、と言われることもありますが、弱点と弱音は別モノです。お互いに弱点を補完し合うことがチームとしてのベストです。

2. サブリーダーを作る

メンバーをよく知ったら、早めにサブリーダー的なポジションを作りましょう。
Bさんの例のように、自分一人で全てを回そうとすると必ず無理が出ます。
サブリーダーとの関係を円滑に進められれば、他のメンバーの管理も効率的に行えます。
どんなに優秀なスタッフでも一人でできる仕事には限りがあることを忘れないようにしましょう。

3. 上司をうまく使う

意外と忘れがちなのが上司の存在。小さなことでもなるべく相談しましょう。
日頃から何かと相談していれば、自分のチームでトラブルが起きた際にも相談しやすくなります。
また上司側も新任マネージャーを一人前のマネージャーに育てなければいけません。
多少のフォローは期待できるでしょうから、なるべく接点を保っておきたいですね。
以上、新任マネージャーによくある失敗について、人事コンサルタントの安達瑠依子さんに伺いました。
参考になったでしょうか?
早く結果を出さなければ、と焦っている方もいるかもしれません。
しかし、最初から120%の成果を期待されているわけではありません。
「新任」の間に上記のポイントを押さえておけば、数ヶ月後には強いチームになるはずです。
そうなったら自慢のチームでなるべく高い山を目指してみましょう!

————————————————– PROFILE ————————————————–

安達 瑠依子(人事コンサルタント) 運営サイト
リクルートにて、 企業の人事施策調査研究や学生の意識調査などに従事。
上場を目指すベンチャー企業での部門の立上げと上場準備と上場を3社で経験。業種はIT、ブライダル、ゲーム制作。専門は人事および総務。経営企画や法人営業、生産管理も経験。2012年の独立後は企業の人事コンサルタントと平行して転職支援(民間および公務員)を行う。2015年3月一般社団法人えるふ転職支援ラボを設立。代表理事。

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川崎 裕介(かわさき ゆうすけ)

慶應義塾大学卒業後、外資系歯科医療機器メーカーを経てコンベックスに入社。プロダクトセールスチームで新規顧客開拓、既存顧客のコンサルティングに従事する傍ら、セミナー企画・運営を担当。現在は「セールスハックス」の運営、「Digima」のプロモーション全般を担当している。