対話力を高める3段階の指導法

対話力 指導法

営業未経験の方やキャリアが浅い営業マンにとって、電話を活用して潜在見込み客へアプローチをすることは簡単ではないです。
営業マンのお悩みの中でも大きな割合を占めているのは「対話力の向上」です。
現場の営業マンだけではなく、営業リーダーの方にとっても対話力は指導上の課題のようです。
「営業マンに指導してもなかなか上達しない」「対話力は営業マンの資質によってしまうので、指導で向上させるのは難しい」ということを度々耳にします。
今回は、対話力を向上させるため、まずは新人の方向けの習得レベルに応じた強化ポイントを3段階でご紹介します。

Step1:ロールプレイング

新人の方はまずは対話の基礎を身につけなくてはなりませんので、社内でロールプレイングを行うことをお薦めします。
トークが頭に入っていないと、きちんと話せているかが気になり、見込み客の反応に気を遣わなくなる恐れがあります。
最終的には独りよがりな話をしてしまうことによって、嫌われてしまうということになりかねません。
まずはロールプレイングを通して、しっかり対話ができるようになりましょう。
ロールプレイングを行う際は、以下の点に気を付けてください。

ロールプレイングを行う際のポイント

ロールプレイング時には、見込み客から言われるであろう質問を想定して対応しなくてはなりません。
この時に大事なのは、ロールプレイングの相手です。
新人同士でやらせることもあるようですが、新人では見込み客から聞かれる難しい質問は思いつきません。
ロールプレイング時の見込み客役は、ベテランの営業マンがいいでしょう。

Step2:録音から指導する

事実ベースとして残っている録音からアドバイスを行いましょう。
録音を活用すると、次のような効果が期待できます。

録音された事実を客観的にとらえて速習につながる

なぜ録音が効果的かというと、お客さんの当時のリアルな反応を客観的に振り返ることができるからです。
電話での営業では、間の取り方や語尾など、本当に小さなポイントが重要です。
これはリアリティのある対話を確認してみないと、なかなか分かりにくいことが多いです。
録音を聞いて指導することで、効果的なトークを身に付け、速習することができるでしょう。

録音はトークマニュアルの強化につながる

トークマニュアルは電話での営業をする際に大切ですが、作成時にも録音が活用できます。
録音は成功と失敗の宝庫です。
見込み客から直接言われたことこそが一番重要であり、それがリアリティに迫れるのです。
見込み客が電話の段階で発する反応や質問をリーダーの方の経験で、どう応えていくかを取り入れていけば、きっと素晴らしいオリジナルマニュアルになるでしょう。

脱!主観指導

電話で見込み客に話している新人営業マンの声を聞いて「結構話せているじゃないか」と感じることがあるかもしれません。
しかし、実際に相手との対話を録音で聞いてみると、話が嚙み合っていなかったり、質問に対して質問で返していたりすることに気づかされます。
また、どんなに優秀なリーダーであっても、気付かぬうちに自分の経験や考えを元に部下に伝えていることは多いものです。
もちろん経験値として伝えることはよいのですが、優秀な方の経験値や主観に基づいたアドバイスは、経験やキャリアの浅い現場の方が実践するのは難しいかもしれません。
そこで、事実を元にした録音の音声を活用し、指導をすることが部下を次の段階へ引き上げる手掛かりとなります。

Step3:リアルタイムモニタリング

リアルタイムモニタリングとは、実際に電話での営業をしている最中に、隣でリアルタイムでアドバイスをすることです。
リアルタイムモニタリングをする対象としては、年数でいうと基礎的なトークが身についている2~3年以上のキャリアの方になります。
新人の方に適していないのは、ある程度自分自身で対話ができなければ、上司からの指導ばかりが気になり、かえって対応がうまくいかないことがあるからです。
リアルタイムモニタリングによって、操り人間になってしまい、お客さんに嫌われてしまったという話も聞きます。
モニタリングをする上司の対応も求められます。
隣で「ああ言え、こう言え!」という声が、もしかすると見込み客に伝わっているかもしれません。
近くで伝えるならば紙に書いて伝える、またはPCが使えるようであればメッセージがお薦めです。

今回は、対話力を高める指導法についてお伝えしました。
(1)ロールプレイング⇒(2)録音⇒(3)リアルタイムモニタリングの3段階の実施によって、対話力の質を高めることが可能です。
組織全体の対話力向上を図り、売上げ向上に繋げましょう。
今後の営業スタイルを見直さずにはいられない、営業に関する20の衝撃のデータ」で「見込み客と話すまでに8回電話をかける必要がある」というようなデータを紹介しています。併せてご覧ください。

    営業スキルチェックシート

原誠

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