商談の進め方を整理して成功率を高める、4つの商談準備チェックリスト

商談 成功 準備

みなさんは営業を行う中で、重要な商談の前の準備はどのようなことをしていますか?準備時間に余裕のある時とない時、あるいは営業マンごとに準備の内容が変わってしまっていませんか?

商談を成功させるためには、事前に見込み客のことを理解して、見込み客に合わせた営業提案を行わなくてはいけません。そのためにも、商談前に商談の進め方の確認と事前準備を行なっておく必要があります。まずは、社内で毎回確実に実行できるように、共通の確認項目を毎回確実に実行していくことが大切です。

今回は、商談準備のためのチェックリストをご紹介していきます。

商談の進め方の仮説を立てる(10分)

まずは、現在知る限りの見込み客の情報を基に、商談の進め方の仮説を立てます。例えば、これまでの営業のコミュニケーション内で、

  • 現状:営業の案件率が15%しかない
  • 目標(願望):営業の案件率を30%まで上げたい

という現状と目標をヒアリングしていたとします。

この場合、商談の進め方として、「案件化率をあげるためには何をしたらよいのか」。そして、「案件化率をあげるためにはどのような点でお役に立てるのか」を見込み客に伝える必要があると仮説を立てることができます。

商談の進め方の仮説を立てる際には、

  • 今回の商談を進める上での目的は何か?
  • 見込み客は意思決定プロセスのどの段階なのか?
  • 商談の目的達成のために、必要な情報は何か?
  • 商談で何が知りたいのか?
  • 商談後の次のステップは?

について意識すると、全体像を把握しやすくなります。

商談の前に見込み客についての情報を調べる(23分)

次に、見込み客について可能な範囲で情報収集を行います。ウェブに公開されている情報や過去の営業の中で入手していた情報などを集めていきます。

今までの営業アプローチの経緯を確認(5分)

自社の顧客データベース、営業支援ツールなどを確認し、過去に営業マンがどのようなアプローチをしているのかとその反応について確認をします。デジタル営業支援ツールの中には、メールの開封、メール内リンクのクリック状況、自社サイトの閲覧状況がわかるものもあります。

場合によっては、別の営業マンがアプローチをした際に、決裁者の情報や課題についてヒアリングができている場合もあるかもしれません。営業の中で獲得した貴重な情報は、商談での提案で活用することができます。徹底して収集しましょう。

Digima

見込み客企業のウェブサイトをチェック(10分)

・企業理念、会社概要、組織図

商品・サービスによっては企業目標との関連も大切になってきます。企業には、そのビジネスでどのようなことを成し遂げたいのかといった目標があります。営業の提案でも、自社の商品・サービスで「その目標達成にどのように貢献できるのか」を提示してあげなくては、見込み客に価値を感じてもらえないでしょう。

会社概要や組織図からは、営業を行っていくにあたって意思決定に関わる部門や関係者が見えてくることがあります。その部署や役職の担当者がキーマンとして適切かを推測することができます。キーマンを把握することは、商談を進める上で重要です。また、共通の投資企業や取引先企業があるかも確認しましょう。

・採用情報(リクルート情報)

求人情報からは、多くのことを読み取ることができます。例えば、どのようなスキルを持った人を求めているのかを理解できれば、その分野に課題感を持っているだろうと仮説を立てることができます。

また、企業や部門の紹介も充実しているため、どの部門がどのような業務に携わっているのかを把握することができます。それにより、営業を行う際の企業理解やキーマンの推測に役立てることができます。

・お知らせ

企業が公表している業績や取り組み、新商品や既存商品のリニューアル、資金調達などのニュースを確認しましょう。このような、情報を持っていることで、商談を進める上で共通認識として活用することも可能です。

例えば、商談はじめのアイスブレイクの際に「新しく○○の商品をリリースしたようですが、既存商品の△△とどのような違いがあるのですか?」など、見込み客の企業の情報などの答えやすい話題にすることがポイントです。そのため、見込み客企業の情報や周辺環境の情報には意識しておくと、より円滑に商談を進めることができます。

・企業ブログ、ソーシャルメディア

企業のブログやソーシャルメディアからは、企業情報やプレスリリースでは見えてこない企業のストーリーを伺うことができます。

例えば、どのようなお役立ち情報を発信しているのかによって、その企業がどのような見込み客の悩みに寄り添っているのかを伺うことができます。より見込み客の顧客層の理解をすることができ、商談での提案で活用できるヒントになるかと思います。

FacebookやTwitter、LinkedInなどのSNSは情報発信のためのツールとして欠かせないものになってきました。企業によっては、社長や役員、社員など全社的に積極的に情報発信をしている場合があります。ぜひ営業でもSNSを活用してみましょう。

見込み客企業と業界について調べる(5分)

・検索エンジンで検索

見込み客の企業名だけでなく、「戦略」や「経営」など、さまざまなキーワードを組み合わせて検索してみましょう。営業戦略や経営方針などをメディア上で公表している場合は、事前に把握しておくことができます。

業界についても同様に検索し、業界を取り巻く環境や課題点、他にどのようなプレイヤー(競合)がいるのかを知ることができます。

・Google アラートを活用

Googleアラートというツールをご存知でしょうか?Googleアラートでは、設定したキーワードについての情報をメールで知らせてくれます。通知を受け取る頻度も、1日1回以下、週に1回以下、と緊急度に合わせて調整することができます。

自社の理想的な購買顧客層(ペルソナ)に関しては、常に情報収集を行っておくと、商談の度に情報収集をする負担を軽減させることができます。その際に、Googleアラートを活用して、キーワードを設定しておくことで、定期的に関連情報を受信することができます。

・担当者について調べる(3分)

担当者がわかっている場合は、経歴や共通の知り合いの有無、意思決定への影響力を調べてみます。ただし、共通の知り合いについての情報は、関係性ができあがるまでは、予備情報として持つことにとどめ、慎重に取り扱いましょう。

商談の前に調べておくべき項目

商談の進め方と目的を決める(10分~)

最後に、はじめに作った商談の進め方の仮説の見直しを行います。

新たに集めた情報により、修正が必要な部分がある場合は、変更を加え、最終的な商談の進め方や目標を決定します。その上で、以下の点について準備をします。

・見込み客に提供できる価値を特定

目的や見込み客の課題が明確になったところで、見込客にとって最も響く自社商品・サービスの価値、つまり強みを特定します。

・予測される反論を想定し、対応を決定

商談中に指摘される可能性がある反論、つまり自社の弱みを想定し、どのように対応するかを決定します。

・必要な営業の提案資料を決定、作成

自社の価値を伝え、反論にも対応できる営業の提案資料を揃えましょう。必要であれば補足資料など追加で作成してもよいでしょう。

・会議進行管理表(アジェンダ)を用意

議題、時間配分、担当者などを記載した会議進行管理表(アジェンダ)を作成します。アジェンダがあることで、商談の内容が脇道にそれず、議論を進めることができます。アジェンダは事前に見込客に送付をすることで、見込み客も事前に内容の認識や商談への準備を行うことができます。

商談の進め方をチームに情報共有する(10分~)

最終的な商談の進め方を第三者にレビューをしてもらうことも有効です。

例えば、自社の営業マンでも複数人関わるような大きなプロジェクトの場合は、チーム内で商談の進め方を確認、フィードバックし合ったり、それぞれの営業マンの役割の決定などを行うとよいでしょう。

また、経験の浅い営業マンであれば、上司に「このような商談の進め方はどうでしょうか?」とフィードバックをもらうことで、上司が営業の中で培ってきた経験知を得られたり、認識違いがあれば軌道修正が可能になります。

まとめ

今回は、商談前の準備についてお伝えしました。

「意外とやることが多いな…」「大変そうだな…」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、営業資料の作成やリハーサルの時間を除けば、1時間以内でできてしまいます。

見込み客企業についての調査においても、慣れてくれば所要時間をぐっと短縮をすることができます。それにより新規獲得の営業に割ける時間も増えていきます。ぜひ本記事を参考に、あなたとチームにとって、最適な商談準備チェックリストを作成してみてください。
営業スキルチェックシート」では、営業スキルを10分程度で確認することができます。商談でも営業活動でも活用できるポイントとなっておりますので、ぜひご覧ください。

    営業スキルチェックシート

原誠

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