他との違いを追及し続け、全国No.1になった証券営業マン【後編】

全国No.1 証券営業

前編では、大和証券でのキャリアのスタートと3年で全国1位になった足跡をお伺いしました。
後編では、松井証券に移り、一営業マンから部下を率いる立場になった一村さんの働き方の変化について伺います。

松井証券ではどのようなお仕事からスタートしたのですか?

2001年に松井証券に移って、いきなり70名の部下を持つコールセンターの責任者になりました。
大和証券時代は部下を持っていたとしても、それぞれが個人事業主のような働き方だったので自立して動く組織でしたが、松井証券のコールセンターはクレーム対応の連続で、メンバーは疲弊し自立して動くというものではありませんでした。
このような経験は初めてのことで悩みました。
そこで視点を変えて、大和証券で置き換えると、70名規模の部下を持つことは支店長のような立場と近いのではと考えてみました。
支店長に自分がやられて嫌だった経験を思い出し、反面教師として逆のことを実践しました。
社員や契約社員、アルバイトまで垣根を作らず、じっくり話すことを実践し続けました。
初めはただただわがままを一方的に言うスタッフも多く、理不尽なことも多かったが、真摯に対応したり、話を根気強く聞いた結果、次第にスタッフも自分の話を聞こうとするようになっていきました。
今まであれが嫌、これが嫌と他人事のように言っていたコールセンターに対して、これをこういう風にしたらどうだろう、こうしたいというような主体的な意見が増えるようになりました。
そこでよい意見は認め、取り入れたり、チーム単位にして競ってもらったりとする中で、自立した組織を育てていきました。

一村さんにとってのマネージメントとは?

マネージメントは大きく分けて3つあると思っています。
1つ目は、力の差によって信頼を得る
2つ目は、自分を好きになってもらって信頼を得る
3つ目は、自分の考え方に共感してもらって信頼を得る、です。

力の差によるマネージメント

営業力など実力差、昔であれば情報が必然的に集まる上司が優位にたてていました。
ただ営業力などはある程度になると追いついてきたり、情報開示が求められる時代であったり、インターネットの普及によって情報量も変わらない、むしろ若い人の方が情報量を多く持っている場合もあります。

好きになってもらうマネージメント

自分自身を好きになってもらうのも、好きになってもらうことにこしたことはないが、他人の好き嫌いはアンコントロールの部分が多分にあり限界があります。

共感してもらうマネージメント

相手の話も聞き、相手を理解した上で、仕事や自分の話に共感してもらえるようにはたらきかけることが持続可能なマネージメントだと学びました。
振り返ると、よい営業は顧客と対時するのではなく、顧客の話を聞き、相手を理解した上で、顧客のかなえたい未来に商品がどう寄り添えるかを語れる人だ。
顧客と対峙し商品販売がゴールになってしまっている状況では大きな成果は得られない。
一営業マンから、組織を束ねる営業マネージャー、コールセンターの責任者、取締役、ベンチャーの役員と立ち位置や業界が変わっても成功しつづけられるのは、顧客や同僚、部下と話す相手が変わっても、相手を理解することに努め、共感を導くスタンスがあるからだろう。

————————————————– PROFILE ————————————————–

一村 明博株式会社ZUU 執行役員 マーケティング統括)

東京都出身。成蹊大学法学部卒業。1993年、大和証券入社。富裕層や中小企業オーナーを主な顧客とする個人営業に従事し、常に全国トップクラスの営業成績を残す。入社3年目には全国No.1を獲得。その後、2001年に松井証券入社。2004年、最年少(当時)で同社営業推進部長、そして2006年には同社取締役に就任。高度かつ専門的な知識が必要とされる金融業界において、20年以上にわたり500人以上の部下を育てた人材育成のプロフェッショナル。

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原誠

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