新規採用者を一日も早く戦力化するには

新規採用者 戦力化

新入社員や中途採用社員には一日も早く戦力となってほしいというのが採用側の願いでしょう。
しかし、現実はなかなかそういかないものです。
CSO Insightsによると、新規採用者が能力を発揮できるようになるまで10ヶ月かかるという調査結果もあります。
戦力化するまでの期間は損失である一方、機会点でもあります。
この期間をどれぐらい短くできるかが売上向上の鍵といっても過言ではないでしょう。
今回は新規採用者を一日も早く戦力化するためのコツをご紹介します。

受け入れ側の心構えを変える

まず、受け入れ側の期待値を適正なものにしましょう。
採用するまではお客様扱いですが、採用後は従業員となるため、能力を発揮し会社に貢献するのが当たり前と思いがちです。
しかし、入社時点では、新規採用者が能力を発揮できるかどうかは未知数です。他社での実績があっても、新たな環境での成功が保証されているわけではありません。
社員は投資であると認識を改めることが大切です。社員のスキルには過大な期待をせず、入社後の研修で、スキルと求められている役割をつなげていくと考えましょう。
戦力化は受け入れ側と社員双方の責任ですが、会社の目的や求められる役割をよりよく理解している受け入れ側がしっかりとリードをすることが大切です。
人事担当者は上司だけでなく、新規採用者が一日も早く会社に慣れる手助けをするという意識を、関わる社員全員で共有するようにしましょう。

入社前からスタート

入社を待たなくてもできることは先に行いましょう。効率化だけでなく、新規採用者のモチベーション向上にもつながります。
新規採用者を心から歓迎していることが伝わるようなウェルカムキット、自社や競合の最新情報、人事関係の書類、会社の雰囲気がわかる動画、入社後のスケジュールなどを事前に送ってはいかがでしょうか。

初日は準備万端で

忙しく余裕がないため、入社プログラムや研修が全くないという企業も多いものです。
新規採用者が来ることが周知されていなかったり、必要な備品が揃っていなかったり、デスクに案内をした後は誰かの手が空くまではほったらかしになってしまったりすることも多いものです。
しかし、これは投資の無駄ですし、新規採用者の企業イメージも悪くなってしまいます。
初日のことは皆いつまでも覚えているものです。
初日がよい経験になるよう、しっかり準備をしましょう。
特に大切なのが、社内での紹介です。社内メールでの紹介はもちろん、社内を案内する人を割り振りましょう。

メンターをつける

メンターとは仕事上で相談にのったり、アドバイスをしたりする指導者、助言者のことです。
新規採用者よりも経験がある社員をメンターとし、サポートをするようにします。
ただ担当を決めるだけでなく、1~2週間に一度対面で相談ができる時間を決めましょう。
メンターとなる社員の負担は増えますが、相談に乗り教えることで自身の学びにもなるだけでなく会社の利益にもなるということを理解してもらい、業績評価でも評価対象としましょう。
メンターとは別に、トップ営業マンがアドバイスをする場を設けることも効果的です。

個別の目標を設定する

新規採用者のスキルやバックグラウンドはさまざまです。
入社プログラムや研修も適宜カスタマイズしましょう。
そのためにはまず、個別の目標を設定することから始めます。
どの時点で何を達成したいのかを明確にし、チェックリストを作成してみましょう。
営業の場合は、商品知識など売るために必要な知識から始め、その後どうやって売るかに進むのがよいでしょう。
目標を設定したからには当然、達成度についての評価も必要です。
やる気を高める目標設定については「営業マンの目標設定に「SMART」の法則を取り入れよう」にて解説していますので、併せてお読みください。
上司との個別面談や、メンターとの面談なども活用し、理解度や追加で必要な知識の特定を行います。
また、新規採用者側からのフィードバックも忘れずにもらうようにします。
入社プログラムや研修を改善していくことも、新規採用者の一日も早い戦力化には大切です。
また、入社後だけでなく、継続していくことも必要です。

今回は、新規採用者を戦力化する方法についてお伝えしました。
セールスハックスでは、何事もゴール設定をした上で進捗を確認し、改善をしていく、というプロセスが大切だと考えています。
新規採用や人材育成についても同様です。
営業職は離職率が比較的高く、人材不足からも、今後は既存社員の力をいかに最大化できるかがますます大切になってきます。
モチベーションが最も高い入社のタイミングを是非活用してみてください。

    営業スキルチェックシート

原誠

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