嫌われる上司とは? 部下に嫌われる3つのタイプ

部下に嫌われる 上司

会社にはさまざまなタイプの上司がいます。尊敬できる上司やいつも気にかけてくれる上司、自分に足りないところを指摘してくれる上司。上司によって仕事のモチベーションも変わってくるものです。

一方で、傲慢な上司、すぐ怒る上司、自分の言うことを聞いてくれない上司、優柔不断な上司などもいるかもしれません。なかなか良い関係を築いてくことも難しいですよね。

しかし、その上司も以前は誰かの部下でした。ただ、ひとたび自分が上司になると、新人時代の自分を忘れてしまい、その結果、部下に嫌われてしまうことも……

部下に好かれようと必要以上に意識して行動する必要はありませんが、一緒に仕事をする以上、好かれた方が仕事がしやすいでしょう。

本記事では、「嫌われる上司」とはそもそもどのような上司なのか、3つのタイプに分けて紹介していきます。

部下に嫌われる3つのタイプ

①部下に嫌われる上司「アブソリューティスト上司」

アブソリューティストとは、日本語にすると「絶対主義者」になります。意味合いとしては自分が王様のように絶対的権力をもって部下を支配をしようとする姿のことを表します。

では、仕事でのアブソリューティスト上司とはどのような人を指すのでしょうか? 傾向として以下のような特徴が挙げられます。

  • 感情の起伏が激しい
  • 気分屋
  • 気遣い、デリカシーがない など.

それでは、アブソリューティスト上司の具体例を見てみましょう。

アブソリューティスト上司の具体例

今回紹介するアブソリューティスト上司は、40代後半の営業部長の上司です。

役職はほぼ年功序列で決まってくる設立30年ほどの会社で働く「アブソリューティスト上司」。社長は営業現場のことはほとんど把握しておらず、組織のマネジメントは現場統括者の営業部長に任せてられています。

上司がイライラしている様子の時は一切の仕事の相談ができる雰囲気ではなく、一度逆鱗にふれてしまったものなら、30分以上の説教は免れません。

そんな上司でも機嫌が良い時もあります。普段は話づらいのに、やけに話しかけてくる、最近流行りのドラマの話や自分が会社帰りによった店のお酒の感想など、止まらないマシンガントーク……。

機嫌が良くても悪くても部下は関わりづらいと感じてしまうかもしれません。

そんなアブソリューティスト上司と飲みにいくと大変

機嫌に関わらず言いたい放題で、最終的には部下のプライベートのことまで遠慮なく聞いてきます。異性関係の話や家族の話、聞かれた手前上司に相談しても、たいしたアドバイスも返ってこないことも多々……。その場その場の機嫌で部下を振り回すアブソリューティスト上司には気を使ってしまうものです。

アブソリューティスト上司を脱するには

もちろん人間ですから、機嫌の良し悪しはあると思います。しかし、時には経験豊富な先輩として、仕事中は自分の気持ちを落ち着かせ、演じ切らなければならない場面があるのも事実です。

上司という権力を誇示して振る舞うことは避けましょう。さらに、近年は特に企業のパワハラやセクハラへの取り組みも厳しくなっています。信頼関係ができるまではプライベートにも立ち入りすぎず、上司としての距離感や立ち振る舞いを意識しましょう。

自分の話をするだけでなく、部下の話に傾聴することに意識を向けると、良い関係が築けるはずです。

②部下に嫌われる上司「エゴイスト上司」

エゴイストとは、日本語にすると「利己主義者」になります。意味合いとしては他人のことを考えず、自分の利益や快楽だけを追求する考え方です。つまり、他人の迷惑を考えずわがままに振る舞う人のことです。

では、仕事でのエゴイスト上司とはどのような人を指すのでしょうか? 傾向として以下のような特徴が挙げられます。

  • 強引にでも部下を従わせようとする
  • 周りの意見を聞き入れない
  • 自分の武勇伝を語ることが大好き など

それでは、エゴイスト上司の具体例を見てみましょう。

エゴイスト上司の具体例

設立5年目のベンチャー企業で働く、30代前半のエゴイスト上司です。

営業部のプレイングマネージャーとして頑張っているが、部下にはなぜだか慕われない。常に組織の中心にいるので一応「自分について来い」と引っ張ってはくれてはいる。しかし、何かしら提案をしようものなら、まずは自分の考えを押し付けてくるため、仕事の共有がしづらい。

その一方でミーティングはしたがります。しかし、意見を出しても「お前は何も分かっていない!」と部下の意見を聞き入れません。部下は、何のためにミーティングを行っているのかわからない。最後はこれまでの武勇伝や成功体験を話して、ミーティングは終了…。

そんなエゴイスト上司と飲みにいくと大変

エゴイスト上司は、強気な性格で自信家なため指導という名の自慢話がどんどん出てきます。場合によっては、自分の入社当時から学生時代の話になり、最終的には幼少の頃の話にまで広がっていくこともあります。

エゴイスト上司を脱するには

過去の武勇伝や成功体験を話すことの全てが悪いわけではありません。話せるだけの素晴らしい経験や成果を出してきたことは間違いないのですから、その経験を基に、今度は部下に同じ経験をさせてあげようと考えることが大切です。

例えば、話した後に当時の反省も一緒に伝えることで、部下の感じ方も変わるはずです。成功の背景には多くの努力や挑戦があったことを伝えるだけで、部下は尊敬を感じるかもしれません。

また、成功体験をするまでにどのようなことに気を付けて、そのスキルを身につけたのかを伝えることで、部下も意識して営業活動に取り組むことができ、部下の成長への手助けになります。

部下が質問をしても、意見を正したい気持ちはぐっと抑えて、まずは部下がなぜその意見を出したのかを聞いてみましょう。たとえ的外れな意見でも、まずは受け止めて真摯な姿勢でコミュニケーションを取ってくれる上司であれば信頼感は増します。

③部下に嫌われる上司「パーフェクショニスト上司」

パーフェクショニストとは、日本語にすると「完璧主義者」になります。意味合いとしては物事に不十分な部分があることを許さず、不足や欠乏のない状態であることを求める考え方や性格などを指します。

では、仕事でのパーフェクショニスト上司とはどのような人を指すのでしょうか? 傾向として以下のような特徴が挙げられます。

  • クールなため、無愛想に感じる
  • ストイックなあまり理論を突き詰める
  • 褒めることが極端に少ない など

それでは、パーフェクショニスト上司の具体例を見てみましょう。

パーフェクショニスト上司の具体例

外資系の上場企業で働くパーフェクショニスト上司。30歳手前で、一課を任されている敏腕課長です。

常に平常心でクールな印象で、休み時間に同僚と笑い話をしている最中、ふと営業課長の顔を見ると、何か不機嫌そうです。部下は悪いことをしているわけではないのに、休み時間も気が抜けない。

プロジェクトを任され、本日の仕事に一段落をつけようとしていた矢先、プロジェクト内容を確認されました。「まずい!ストイックな営業課長!ダメだしされなければいいけど…」プロジェクトの概要、経緯と説明していくと「その考え方は違うな」と案の上のダメ出しです。

内容の改善のご助言をいただけることは有難いが、仕事に終わりが見えなくなってしまいます。

そんなパーフェクショニスト上司と飲みにいくと大変

仕事の話から評価の話になりました。「まだまだ甘い…」と2度…3度…、もうこれ以上、何回も言わないでほしい……。飲みの場が、いつの間にか冗談ひとつない営業会議のような雰囲気になってしまいました。

仕事でも食事でも落ち着けないそんなパーフェクショニスト上司だと部下は気疲れしてしまいます。

パーフェクショニスト上司を脱するには

時に厳しくあたってしまうことがあるかもしれませんが、その行動の根本では「部下に成長してほしい」という気持ちがあるはずです。

持ち前のストイックさから「○○であるべき」「○○するべき」という指導になってしまっていませんか。あらゆることを徹底できるそのストイックさはとても大切な強みですが、部下個人の性格はさまざまです。

提案書や営業トークでも、ある程度は決められたことを教えることは大切ですが、自分のストイックさを強要せずに、部下の性格を見極めて、個性を伸ばせるようなアドバイスをしてみてはいかがでしょうか。どんな小さなことでも褒めていきましょう。

まとめ

皆さんも今回ご紹介した3つのタイプの上司に、どこかしら当てはまった部分があったかもしれません。ダッチャー・ケルトナー氏の研究では、「昇進した人はそうでない人と比べて、傲岸不遜な態度を取ったり、不正行為をしたりする確率が3倍も高い」という結果も出ています。

自分の性格を真逆にするように努めるのではなく、接し方のバランスを整えていくことを心掛けてみましょう。自分だけではなく、いかに他人を視野に入れるのか、あるいは自分が部下からどのように見られているのかを内省していけるかが、部下に好かれる上司になるコツかもしれません。

今までの仕事の実績と経験を活かし、部下を強いチームへと導く見直しのヒントになれれば幸いです。

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    営業スキルチェックシート

原誠

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