営業リーダーのためのハラスメント基礎知識

ハラスメント

職場でのハラスメントとして代表的なのがパワーハラスメント。残念ながら、全国の地方労働局に寄せられた件数は年々増加しています。2018年度の相談件数は8万2797件で、過去最高を更新したそうです。

ワークポートの調査によると、何らかのハラスメントを経験したことがある人は76.4%でした。さらにハラスメントの相談を受けたことがある人は51.7%、自分の職場でハラスメントを目撃したことがある人は72.1%で、ハラスメントは働く人にとって非常に身近なものであることがわかります。

営業リーダーは、自分が加害者にならないように気をつけるのはもちろん、自分のチームで起きた場合の対処法、防止策についても考える必要があります。

今回は、職場で起こりうる、さまざまなタイプのハラスメントについてご紹介します。

タイプ別ハラスメント

1. パワーハラスメント

職場での優越的な関係を利用し、立場がより弱い相手に対する嫌がらせがパワーハラスメントです。職場におけるハラスメントのほとんどがパワーハラスメントだと言われています。

上司や先輩によるものが一般的ですが、同僚や部下であっても、業務上で協力を得る必要がある場合は、パワーハラスメントに入ります。

「業務の適正な範囲を超えているかどうか」がポイントとなります。

例えば、仕事上のミスについて罵倒する、長時間にわたり説教をする、達成不可能な目標やノルマ、仕事量を押し付けることもパワーハラスメントになります。

仕事をまわさない、雑用ばかり頼む、といった過小な要求も含まれます。

2. モラルハラスメント

モラルハラスメントは精神的な嫌がらせです。優越的な関係は関係なく、無視、人格の否定、プライバシーの侵害、見下した態度、陰口などによって、精神的な苦痛を相手に与えます。

証拠を残しづらく見えづらいため、相談もしづらく、被害者が我慢を強いられることが多く、対応が難しいものです。

まずはモラルハラスメントがいけないことを周知し、会社として容認しない姿勢を明確にすることが防止の第一ステップとなります。

プライバシーが守られた上で、相談できる窓口も必要となるでしょう。

3. セクシャルハラスメント

相手の意に反する、性的な言動によるハラスメントがセクシャルハラスメントです。男性から女性に対してだけでなく、女性から男性、同性間でも起こります。

性的な関係を迫る、ボディタッチだけでなく、発言もセクシャルハラスメントになります。

身体的特徴について触れること、「ちゃん」づけ「くん」づけ、結婚やデートなどについて聞くこと、下ネタも、セクシャルハラスメントとして取られることがあります。

親しみを込めたつもり、冗談のつもりでも、相手にとっては不快に感じることもあることを常に覚えておきましょう。

一人のプロフェッショナルとしてリスペクトした発言や行動になっているかどうかを基準にすると、その行動がアウトかどうか判断しやすくなります。

4. ジェンダーハラスメント

性別への差別によるハラスメントです。

セクシャルハラスメントが性的な言動に関わるものであるのに対し、ジェンダーハラスメントは女性はこうあるべき、男性はこうあるべき、といった性別上の偏見に関わる嫌がらせです。

女性だからお茶汲みをさせる、女性であるから不当な評価を与える、責任のある仕事を任せない、などが分かりやすい例です。

男性に対しては、「男のくせに」と批判したり、男性従業員にだけ残業を命じたりすることがジェンダーハラスメントになります。

5. マタニティハラスメント

妊娠や出産に関わるハラスメントがマタニティハラスメントです。

男性が育児休暇を申請したのに認めないなど、男性の場合はパタニティハラスメントになります。

制度利用を拒む、利用した場合に嫌味を言う、解雇、経験のない仕事への配置転換などが、マタニティハラスメントの例です。

出産後も仕事を続ける営業ウーマンがこれからますます増えていきます。

6. レイシャルハラスメント

人種、民族、国籍、ルーツ、肌の色などに関わる嫌がらせがレイシャルハラスメントです。

外国人従業員がいないので関係がないと思うかもしれませんが、日本人でも、日本以外の国にルーツがある人も増えています。

典型的な日本人の容姿でないことから、外国人扱いするのもレイシャルハラスメントになります。

7. エイジハラスメント

年齢差別による嫌がらせのことです。

主に若い女性社員や、役職についていない社員が受けることが多いものです。

若いからできないと決めつける、ゆとり世代だからルーズといった発言もエイジハラスメントになってしまいます。

8. アルコールハラスメント

飲酒にまつわる嫌がらせがアルコールハラスメントです。

飲酒の機会が少なくない営業チームでは、特に気を付けたいハラスメントです。

飲酒の強要はもちろん、酔った上での迷惑な言動や行為もアルコールハラスメントです。

アルコールは判断力に影響をします。いつもは気をつけていてもアルコールが入って普段はしない言動を取らないよう、特に気をつけましょう。

9. サードパーティーハラスメント

ハラスメントは職場内だけでなく、取引先企業や顧客との間で起こり得ます。

営業職の場合は外部の人と関わることも多いため、立場の弱い営業パーソンがハラスメントを受けていないか、リーダーとして心配りが必要です。

10. セカンドハラスメント

ハラスメントを報告した社員に対する、二次被害がセカンドハラスメントです。

それはハラスメントに入らない、あなたが悪いのではないか、我慢をするべきなどと、いった対応がセカンドハラスメントの例です。

リーダーとしてハラスメントの報告や相談を受ける場合は、まずは傾聴をすることが必要です。職場でのハラスメントを報告するのは非常に勇気がいることです。被害者を守ることを第一に考えましょう。

11. 報復ハラスメント

ハラスメントを報告した社員に対する、加害者からの仕返しが報復ハラスメントです。

報復を恐れて我慢をする場合が多いため、報復に対しどう対応するかは、非常に重要です。

報復行為を禁止すること、行った場合の処分についても明確に定め、周知をしましょう。

12. スメルハラスメント

体臭、加齢臭、口臭、タバコ臭、香水の臭い、柔軟剤臭、生乾き臭、食べ物臭など、臭いによる嫌がらせがスメルハラスメントです。

他のハラスメント行為は絶対に行わないような人でも、無意識に行ってしまうのがスメルハラスメントです。

伝え方がとても難しいハラスメントですが、集中力や作業効率の低下など仕事への影響があるものです。リーダーとして上手な解決策を考える必要があります。

まとめ

営業リーダーは、自分がハラスメントを行わないように気を付けるだけでなく、ハラスメントを解決する立場でもあります。ハラスメントに対する会社の方針や対応を今一度確認しましょう。

また、自分のチームでハラスメントが起きた場合に、リーダーとして適切な対応ができるようにして、再発防止について考える必要があります。

セールスハックスでは、営業リーダーとしての基本的な知識や、リーダーシップに関する記事が多数あります。ぜひ参考にしてみてください。

    ダウンロード資料

川崎 裕介(かわさき ゆうすけ)

慶應義塾大学卒業後、外資系歯科医療機器メーカーを経てコンベックスに入社。プロダクトセールスチームで新規顧客開拓、既存顧客のコンサルティングに従事する傍ら、セミナー企画・運営を担当。現在は「セールスハックス」の運営、「Digima」のプロモーション全般を担当している。

関連記事

  • 人材育成

    営業コーチングで営業マネージャーが気を付けるべきポイントとは

  • 人材育成

    部下育成で営業マネージャーが評価するためのポイントとステップ

  • 人材育成

    営業コーチングと営業ティーチングの違いとは