自動フォローメールで案件化率を高めるためには

自動 フォローメール

できる営業マンはメールでのお客様フォローがとても上手です。お礼、報告、情報提供などを簡潔なメールでタイミングよく送るため、お客様に「気が利いている」「誠実な営業マン」という印象を持ってもらえるなどメール力にとても優れています。

ビジネスでは小さな印象の積み重ねがその人の信頼度を決め、その結果、成果につながっていきます。新規のお客様に積極的にアプローチするような開拓力も大切ですが、まめで細やかな気配りもできる営業マンを目指しましょう。

今回は自動フォローメールを活用して、成果を上げるノウハウをご紹介します。

自動フォローメールとは

自動フォローメールとは、「見込み客や連絡先への自動返信やフォローアップなど、特定の条件下で自動的に送られるメール」のことです。オンラインで買い物をするとお礼のメール、発送完了メールなどが届きますが、営業マンもこのような自動フォローメールを活用することができます。

日々、営業マンが送るメールの中には手動で作成した方がよい重要なメールももちろんありますが、内容は簡潔で速さが重視されるメール、大量に送る定型メールもあると思います。このようなメールを自動化すると、メール返信が速くなり対応漏れもなくなるため、多くのお客様を丁寧にフォローできます。

例):

  • 出張中・休暇中など不在時の自動返信メール
  • ちょっとしたお礼、連絡、調整メール
  • アポ、商談日のリマインダー
  • 定期的な情報提供メール

自動フォローメールは、不在時の自動返信メールなど簡単な設定であればOutlookGmailG suiteなど既存メールソフトで設定できます。無料、有料のメール配信ツールもあれば、SFAやCRMにメール配信機能が搭載されていることもあるので、比較的手軽に活用できるでしょう。

なぜ自動フォローメールが大切なのか

ここでは、営業マンが自動フォローメールを活用するメリットを紹介します。

お客様に好印象を与える

営業マンは外出が多かったり商談と商談との間にまとまった時間がなかったりし、お客様へ細やかにフォローのメールを送る時間がとれないことがあります。自動フォローメールを活用すれば、電話後、商談後などにタイミングよくお礼メールを送信できます。

新規のお客様には自分を印象づけることができますし、既存のお客様からのメールに勤務時間外、休暇中、多忙な時でもすぐ対応できれば、「仕事が速い」「報連相がしっかりしている営業マン」と好印象を持ってもらえます。ビジネスでは、対応が速い=良いことです。

マイナスの印象を持たれないで済む

逆に、メールの返信が遅いと「この営業マンは仕事が遅い」というマイナスの印象を持たれるかも知れません。2020年の日本ビジネスメール協会の調査では、以下の結果が公表されています。

  • メールの返信を4時間よりも長い時間待てない人は16.68%
  • 自分のメールに不安を抱くことがある人は69.40%

(出典:一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2020」

お客様に「メール見ていないのかな……」「内容が伝わりにくかったかな……」「やる気がない?仕事が遅いタイプ?」等々、無用な心配をさせてしまうこともありそうです。自動メールで素早く返信すると、とりあえずお客様に心配をかけずに済みますし、些細なことで評価を下げずに済むでしょう。

自動フォローメールがあると便利なシーン

営業活動の中で、自動フォローメールがあると便利なシーンをご紹介します。

電話がつながらなかった時

見込み客に電話したもののつながらなかった場合、BtoBであれば受付の電話に出てくれた方に伝言を忘れずにして、メールを送る旨を伝えておくとよいでしょう。BtoCの場合は、留守電にメールを送る旨を録音します。あらかじめ設定してあるテンプレートを少し加工して、自動で簡単にフォローメールを送信できます。

何度も電話をするよりも効率的で、お客様にも迷惑をかけません。メールに用件を記載することで、お客様にどのような理由で連絡したのかを伝えることができます。

電話がつながったが、アポイントが取れなかった時

電話で担当者と話すことができたものの、アポイントまでは取れないこともよくあります。

アポが取れなかったといってもケースは色々です。テレアポなどでけんもほろろにガチャンと切られたのであれば、当然メール送信する必要はありませんが、ケースとして多いのが電話はつながって簡単に話ができたけど「うーん、うちは今のところ結構です」「今忙しくて会う時間がない」という場合です。

興味がゼロではない、見込み度合いも今は高くない、だからと言って全くその後ニーズが出ないとは限らない……つまり営業マンにとって大切な層のお客様なので、フォローする必要があります。中には「とりあえずメールで内容を送って」というお客様もいれば、営業マンから「メールで資料をお送りします」となるケースも多いでしょう。

この場合メールを一件一件お客様ごとに個別化できるほど情報はないと思うので、話したポイントだけ個別化して自動メール送信できるように設定しておくとさっとメール送信できるので、その後の電話営業もさくさく進みます。

担当者が興味はあってもニーズが顕在化していないというケースなら、メールが議事録がわりとなり、再検討のタイミングで見返してもらいやすくなるでしょう。

アポイントが取れた時

めでたくアポイントが取れた際は日時を正確に認識してもらえるように、確認のメールを入れておきます。内容は簡単で構いません。アポのお礼、日時、用件のみを簡潔にまとめてさらりと送れば「細やかな気配りができる営業マン」という印象を持ってもらえるでしょう。また、都合が悪くなった場合はもらったメールに返信すればよいという安心感もあります。

定期的に情報を提供したい時

自動フォローメールを活用しメールマガジンを発行したり、定期的に情報を送るなどお客様のフォローアップができると、今現在はニーズがなくてもニーズが発生した時に思い出してもらいやすくなります。「せっかくなら、いつもメールマガジンを送ってくれるA社から見積もりをとってみよう」と判断してもらえることが出てきます。

ザイオンス効果で知られるように、人は継続的に接触する対象に好感を持つ傾向があります。既存のお客様なら、最新事例や新商品頁のURLなどの情報を含めておけば商談につながることもあります。

フォローメールを自動化するためには

フォローメールを自動化するステップを解説します。

自動的にメールを送りたい営業シーンを特定する

まず、自分がどの営業シーンで自動的にフォローメールを送りたいのかを決めます。得意なアプローチ手法によっても、営業マンの忙しさによっても異なるでしょう。すべて自動化しなくてはいけないわけではないので、以下のように自分が自動化できたら便利だなと思うシーンをイメージしてみましょう。

  • アポイントがとれたお客様に日時確認メールを送りたい
  • ご無沙汰している既存のお客様に対する掘り起こしメールを送りたい
  • ウェビナーに参加してもらった見込み客に定期的にメールを送りたい

※「個人情報保護法」により自社のイベント参加者などに営業メールを送る際は、個人情報の利用目的について同意が必要です。アンケート用紙などで必ず同意を得ておきましょう。また、メールマガジンを送付する際には、メール配信停止の方法を明記するように留意しましょう。

送信する際の条件を決める

次に、自動でフォローメールを送信する条件を決めておきます。「自分はテレアポで話せたお客様へのおまとめメールは自動化する」「掘り起こしメールにだけ活用してみる」という感じで、条件を決めることが大切です。きちんと決めて実行しないとケースバイケースで対応してしまい、かえって非効率になるからです。

また、ウェビナーなどを開催した場合、来訪者のすべてが商品・サービスに強い関心があるわけではありません。無料イベントに参加した手前、なんとなくメール送信OKのところをチェックしただけで、本当は情報をもらっても困るという人もいます。

商品・サービスによっては、イベントお礼メールのあとWebサイトに訪問して「資料をダウンロードしてくれたお客様」にのみ継続してフォローメールを送信するなど、何かしらメールを配信する条件(いわゆるトリガー)を決めておいてもよいでしょう。

送信するタイミングを決める

お客様の層や営業シーンごとに、どのくらいの間隔を空けてメールを送るのか決めます。お礼や報告は速さが大事です。情報提供については業界や商品・サービスによって適切なタイミングは異なります。

例えば、短文の学習コンテンツ(英語、ビジネスなど)であれば1日1回でも抵抗なく読まれるかも知れません。一般的なメールマガジンなら週1~2回、既存のお客様のフォローアップなら月2回程度と、お客様との関係性やコンテンツに応じて決めていきましょう。

例):

  • 訪問お礼メール → 即時、当日、翌日など
  • アポイントが取れた2時間以内に確認メールを送信する
  • ウェビナー参加から1ヶ月後に1回、2ヶ月後に1回、3ヶ月後に1回など
  • 毎週1回、毎月1回、メールマガジンを送る

継続して送信するシナリオを決める

フォローメールを送ったとしても、一回で反応があることはあまりありません。開封されないこともありますが、継続してお送りすることで、社名や商品・サービスを認知してもらえるようになります。毎回、違う内容のメールを、スケジュールを決めて配信していくことがポイントです。

例):ウェビナー後のフォローメール

ウェビナー後のフォローメール

ITツールを活用する

大量のお客様へのフォローアップメールを手動で1件1件送っていると時間がいくらあっても足りません。自動メール配信ツールなどITツールを活用すれば、メールを送信する属性の絞り込みも、指定日時に大量にメールを送ることも、スピーディに行えます。

昨今は、無料でも高機能で大量のメールを配信できるツールもありますし、高度な分析機能を持つ有料メール配信ツールや、メール配信機能搭載のSFA、CRMもあります。活用したいシーン、メールの頻度、メール送信数によって適したツールを選ぶとよいでしょう。

フォローメールで案件化率を高めるためには

定期のフォローメールやメールマガジンはお客様との信頼関係構築にとても役立ちますが、ニーズ喚起や情報収集などはできても、メールだけで購買を決定するお客様は少ないものです。ここでは、フォローメールで好印象を保ちながら案件化率を高めるポイントを紹介します。

見込み客のステージにあったコンテンツを提供する

見込み客のステージにあったコンテンツを送りましょう。フォローメールも営業活動です。リアルな営業ですぐクロージングしたり、商品PRばかりするとお客様に引かれてしまうように、デジタル上でもお客様の関心度にあったメールでないと読まれなくなってしまいます。

例えば、情報収集段階の見込み客に事例ばかり送っても、飛躍しすぎてまだ価値を感じてもらえないかも知れません。お役立ち情報を送る際も提供コンテンツのレベルを考える必要があるのです。

お客様のステージを考えるにあたり参考になる、インターネット時代の購買行動を表す「AISCEAS(アイセアス)」というフレームワークがあります(下図の3段目です)。個人のお客様の心理の変化ではありますが、BtoBにも十分活用できます。

インターネット時代の購買行動

参考:総務省

ちょうど青色のSearch(検索)、Comparison(比較)、Examination(検討)のところがフォローメールの担当するフェーズです。この3つのステップを意識して、お客様の心理に寄り添ったテーマの情報を提供するシナリオを組むとよいでしょう。

例):

  • Search(検索、情報収集)→ ウェビナー、ミニ相談会、業界の最新ニュースの案内、etc
  • Comparison(比較)→ 事例、比較表、メディア掲載URL、顧客満足度ランキング結果、etc
  • Examination(検討)→ 費用対効果がわかる詳細な事例、導入ステップ~運用のコツ、etc

メールの頻度に気を配る

フォローメールは頻度も大切です。少ないと印象に残りませんが、多すぎてもいけません。2019年にアドビ株式会社が調査会社Advanisに委託して行った調査では、日本ではメールの開封率自体は69%とまあまあ高いものの、企業からのプロモーションメールについては関心を引くメールの割合が仕事でも私用でも、20%程度しかありません。

しかも、その理由が「メールが頻繁すぎる(43%)」「文字が多い・文章が下手(35%)」「パーソナライゼーションしすぎで気味が悪い(24%)」となっています。送る側にとってはショックな言葉かも知れませんが、半数弱がプロモーションメールを多すぎると捉えていることに留意しましょう。内容、タイミングとも程よい距離感を意識することがポイントです。

開けたくなるプロモーションメールの割合

参照:「電子メール利用実態調査 2019 Consumer Email Survey」

見込み客に反応があれば営業マンからフォローする

B2Cの低額商材では、フォローメールを送り続けているとアポイントや受注が入ることがあります。しかし、高額商材やBtoBの専門商材となるとメールで簡単に決まることは難しいので、メールを送って何かしらの反応があれば、営業マンからアクションを起こしフォローすることが重要です。

職場で望まれているコミュニケーション

前述のアドビ株式会社の調査を見ると、日本では電話でのコミュニケーションを好む人も少なくありません。withコロナ以降は、オンラインミーティングを好む人も増えているはずです。メール、電話と限定せず、お客様が好みそうなコミュニケーション手法でアプローチするとよいでしょう。

参照:「電子メール利用実態調査 2019 Consumer Email Survey」

【付録】フォローメールの事例

自動フォローメールを活用するには、営業活動シーンごとに営業メールテンプレートを作成しておくことが必要です。お礼、リマインダー、報告、情報提供用など、それぞれ用意しておきましょう。

以下は、付録の「電話後おまとめフォローメール」のテンプレートです。このおまとめメールには以下のメリットがあります。

  • 印象づけることができる
  • メールを送ることで簡易的な議事録になる
  • 次のステップを明確にできる

せっかく電話で話せたなら、おまとめメールを送ってぜひ次のステップにつなげてもらえればと思います。自業界向けにアレンジしてご活用ください。

フォローメール事例

まとめ

営業マンにとってメール力は重要なスキルです。メールが簡潔でわかりやすく、読後感も爽やかで、届くタイミングもよいと仕事ができる営業マンという印象を持たれるでしょう。それによりお客様との信頼関係の構築(エンゲージメント)も容易になり、お客様のお役に立つ機会が増える可能性が高まります。

営業マンは一般に1日に何件か商談を入れながら、合間にお客様の問い合わせに対応し、新規開拓もしなければならないため、日々とても忙しいです。メール送信業務だけでも相当時間を取られます。そのため、お客様の課題に踏み込んだ内容や本格的な商談の後のお礼メールなど、営業マンの個性を発揮できるようなシーンでは個別のメール、小さなお礼、報告、確認メールなどのリピータブルなメールは自動フォローメールで行うとメリハリをつけて使い分けると営業活動がスムーズになります。

定期的に情報発信する仕組をつくれば、商品・サービスの認知度も高まります。自動フォローメールを活用しメールからの案件化率を高めていきましょう。

営業マンの営業活動をより楽にする 営業シーン別 営業自動化のヒント」では、営業活動で感じるお悩みに合わせて営業の自動化の方法について解説しています。自動化の仕組み作りのヒントになりましたら幸いです。

    営業シーン別 営業自動化のヒント

佐原 業平(さはら なりひら)

中央大学商学部を卒業後、2016年に新卒で株式会社コンベックスに入社。 新規開拓営業を経験した後、eBook・セミナー・研修のコンテンツの作成に従事。 そこで培った営業とマーケティングの知見を生かし、「セールスハックス」の運営に取り組む。 経営者から営業マンまで、ビジネス現場を理解したお役に立てる情報を発信。

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